人狼物語 三日月国


68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


 ベッド、ドレッサー、クローゼット。
 小さなカーペットが敷かれた、板張りの床。
 他にも多少の調度品はあるだろう。

 そんなごく一般的な、とある少女の客室。

 ベッドの上、乾いて一部が茶色く変色した、赤い海。
 揺蕩うように、静かに横たわったふたりに朝は来ない。

 少女の名前は、ニア。
 高く二つに結わえられていた黒髪は下ろされ、
 はらりとベッドに広がっている。
 華奢な肩を晒す白いシャツと、
 素足にキュロットだけを身につけた無防備な姿。

 青年の名前は、シトゥラ。
 括られていた長髪は解かれ、毛先を赤に浸している。
 帽子も上着も取り払い、
 シャツとズボンを纏った、いくらか身軽な姿。

(→)



 少女の細い首に残る扼痕。
 青年の胸に深々と突き立ったナイフ。

 ふたりの首には『シータの痕』がふたつ。
 生きている誰もが知る由もない、
 とあるテストに関連した死者へ与えられる印。
 それを模して刃物で刻み込まれた、もうひとつの瘢痕。
 
 ふたりの手は絡めあうように握られている。
 青年の薬指に残された噛み痕が、苛烈な恋を咲かせている。


 何よりも雄弁な少女の瞳は、閉じられたまま。
 滑らかに言葉を紡ぐ青年の口は、閉ざされたまま。

 最期に映したものは、音にしたものは何だったのか。
 死人に口無し――語る者はもう、ここにはなく。

 少女の持つ、壊れた弓が直ることは無かった。

部屋の中に、ふたりの人影がある。
赤い血の海に浮かぶ手は繋がれていて、その双方の頸には事件の象徴が刻まれていた。

海の底のような、静かな部屋の中には音がない。
冷たい月明かりだけが、そこで起きたことを見ていた。

ふたりを繋いだ証はそこになく、ただ青年の指に残る痕だけがそこにあった熱を覚えている。→


青年が辿った肌は温度を失い。
少女が噛んだ指は力を失い。
ふたりの閉じた瞳は光を失い。

果たされなかった未来は約束を失った。



沈黙は秘密を隠す手段になり得ない。
ここにあったすべてが、誰かの絆を語っている。

叶うはずのなかった想いは、
繋がれるはずのなかった糸は、
やがて喪失を得てはじめて、

──ひとつの恋になった。
 

メモを貼った。

【人】 赤い靴 キファ

 ハマルの一言に、キファは目を見開いた。
 だがやがて瞑目する。

「シトゥラとニアが。……そうか」

 それだけ告げた。
 現場には向かわないのだろう。
 他人の死を見て何になる?
 
 キファはもう、事件の解決を目的としない。

「そうか」

 それでもだ。だからこそだ。
 ただ、繰り返すように。そう呟いた。
(33) 2021/04/22(Thu) 23:39:58
メモを貼った。

メモを貼った。

【人】 赤い靴 キファ

 ……きっとそれは、
 遺体の発見騒ぎが一段落する頃合いだろう。

 キファはヌンキを探していた。

 キファは急いじゃいない。
 だからその顛末が転がろうとも、
 何時になろうとも、大きな問題にはなるまい。
(39) 2021/04/23(Fri) 0:34:45
自分が酷い人間であると分かっていた。

自分の選択を後悔していなかった。

己の捨てた物の重さを知っていた。

ハマルに声を届ける術がない。

【人】 赤い靴 キファ

>>3:227 メレフ

「くふ。おまえの云う通りなのだろう。
 吾々が最もそれを、知っている」

 キファは愛らしい少女を演じるように、
 こてりと首を傾げて見せる。

 おっと、彼の神経を逆なでしてしまったか。
 反省、と心の中で舌を出しながら、彼を見送るのだ。

「……随分容易に、変わってしまうものだな。
 吾々の人生という奴は」
(43) 2021/04/23(Fri) 1:44:58
ハマルとの時間が好きだった。

竪琴の音が好きだった。

囁く。「さようなら、……カウス」

【人】 赤い靴 キファ

>>41 ヌンキ

「お。ちょうど良かった。
 ヌンキよ、これを渡したかったのだ!」

 そう言って、あなたの胸元にこれを押し付ける。
 白いカーネーションの造花だ。
 
 造花。造られた花。
 でもその代わり、枯れることはない。

「おまえは『がんばり団』として良く働いている。
 それに念話による吾のわがままを、
 いつも聞いてくれるからな。

 あっ勘違いするなよ。吾が恋しているのは、サダル故な」
(44) 2021/04/23(Fri) 2:27:31
ハマルの頭を撫でたかった。けれど、その権利は自らが捨てた。

>>=4が聞こえている。

ずっとハマルの声を聴いてきた。

聴くことしか出来ない。

その気持ちに返せる言葉を持たない。

赤い靴 キファは、メモを貼った。
(a23) 2021/04/23(Fri) 9:36:55

赤い靴 キファは、メモを貼った。
(a24) 2021/04/23(Fri) 9:37:26

【人】 赤い靴 キファ

>>ゲイザー

「ふむ。事件の解決についての相談だが……。
 今リーディングした通り、吉兆と出ている。
 吾の啓示はアドバイスとして──」

 そこは、キファの借りている部屋だった。
 時間としては、キファがヌンキに贈り物をした後。

 質素な室内には、少女が二人。
 無事恋バナで盛り上がるお友達となった、
 ゲイザーとキファである。

 ゲイザーは定期的に、キファの占いを頼っていた。
 現在行われていた占いも、その一端である。

 ばらばらとテーブルの上に広げられたカードを
 回収しながら、キファは問う。

「しかし、意外だな。
 おまえ、そこまで事件の解決に興味があったのか。
 無論理解は出来よう。好きな人を守る為だろうが……」
(54) 2021/04/23(Fri) 10:43:16

【人】 赤い靴 キファ

>>49 ヌンキ

「無論、言ったであろう。
 吾はおまえに感謝をしている。
 故、贈り物をしてやりたかったのだ!」
 
 キファは目を細める。

「吾とサダルをくっつけたのは、おまえだろう?
 故。今、吾からおまえに贈れるのはこの花だ。
 
 『私の愛情は生きている』。
 この花は、そういう意味を持つ。
 ……確かに、吾らの愛情は、後天的なものだ。

 おまえが祈り、そして、神がそれに答えた。
 おまえの望んだ形じゃないとしても──」

 キファは知っている。
 サダルへの愛情が、世間から見れば
 ”おかしい”ものであることも。

「告げる。
 おまえの行いは、例え正しくなかったとしても
 
無駄じゃなかった
ことを。

 例え造られたものであるとしても、
 ”この愛は生きている”」
(57) 2021/04/23(Fri) 11:03:47

【人】 赤い靴 キファ

>>56 ゲイザー

「ふ、構わんよ。
 ……然し、おまえにも『正義の為』の心は有ったのだな。
 ──ぬお! 作ってきてくれたのか、ありがとう」

 自嘲するように笑んだところで、
 転がり出てきたピーチパイに目を輝かせた。

 キファは警戒心が強い。
 毒入りの可能性も考えたが、
 殺すなら今である必要はない。足が付く。

 それに、彼女とは実に友好的な仲だ……。
 ある意味で実直な娘だから、
 敵対しない限り妙なことはしないだろう。

「少し待っていろ。今、吾が紅茶を淹れて来る。
 この部屋にもおいて有るのだ」

 上機嫌な足取りで、席を立った。 →
(60) 2021/04/23(Fri) 11:41:25

【人】 赤い靴 キファ

>>56 ゲイザー

 ……好きな人を守る為。
 ひいては、事件の解決の為。
 
 ゲイザーには執念が有った。
 だから、気付いてしまうのだろう。
 キファの部屋の、些細な違和に。

 屑籠に大量に捨てられた便箋やメモ。
 誰かがこの部屋にいたであろう痕跡。下げられたカップ。

 キファは、何かを知っている。

 無論、この状況だけでは濡れ衣の可能性だって
 十二分にあるだろう。

 ただ、キファが偶々”そうではなかった”だけで。
 ゲイザーが、”そこで打って出る性格”だっただけのことだ。
(61) 2021/04/23(Fri) 11:42:30

【人】 赤い靴 キファ

>>59 ヌンキ

「さてな、どうだろう。

 ……この話はしたっけな。

 実のところ、こうなる前の吾は、
 感情が実に希薄だった。永く生きすぎた故にな。
 表情豊かに見えていたのなら、それはきっと
 吾に演劇の才能が有ったのだろう。

 ──それを、吾はちょっぴり気にしていたのだ」

 キファは薄く笑う。
 表情の起伏の少ない顔で小さく笑う。

「吾は幸せだ。
 恋をしたおかげで、吾は感情を取り戻した。
 ……今、こんなにも幸福だ。

 不安になったか?」

 ”前々から言っておろう”。くつり、笑う。
 おかしそうに言った。
(62) 2021/04/23(Fri) 11:47:53

【人】 赤い靴 キファ

>>64 ゲイザー

 便箋に書かれているのは、
 事件に纏わる情報の数々。

 『狛犬』。”シータの痕”。占い。 
 ひとつから全てを読み取ることは難しいが、
 何か、キファが情報を得ていることをあなたは読み取れる筈だ。

 さて、鬼の居ぬ間になんとやら。
 早くしないと──

(67) 2021/04/23(Fri) 12:30:35

【人】 赤い靴 キファ

>>64 ゲイザー

 ことん。
 テーブルに紅茶を置く音。

「……ゲイザー。人の屑籠を漁るとは
 あまり良い趣味とは言えんな」

 キファは茶を淹れるのが雑だった。
 だから、きっとあなたの想定より早く戻ってきた。

「何してる」
(68) 2021/04/23(Fri) 12:31:13

【人】 赤い靴 キファ

>>63 ヌンキ

 キファはあなたの胸中を知らない。
 キファはあなたの抱えるものを知らない。
 どうしてそれ程までに、自分自身が恋をすることを
 恐れるかを知らない。

 あなたが再びそれを口にしたのなら、
 キファはやっぱり”独りよがり”だと、説教するのだろう。
 それでも確かに。キファはあなたのお陰で今、幸福だった。

「?」

 言われるがまま、目を閉じてやる。
(70) 2021/04/23(Fri) 12:44:18

【人】 赤い靴 キファ

>>72 ゲイザー

 便箋に書かれているのは、どれもメモ書き程度の情報。
 或いは、意図的に情報が隠されている。
 
 つまるところ、最も正確に大量の情報を手に入れるには、
 キファを尋問するのが速い。

「この事件、信頼できる人間が限られているからだ。
 少なくとも、人の部屋を勝手に漁る人間には教えられんな」

 一見正当、だが苦しい。
 例えるならこの返しは袋小路に逃げ込むようなもの。
 キファの頬を冷や汗が流れる。

 どうする。どう来る。
(76) 2021/04/23(Fri) 12:59:54
キファは、サダルにむぎゅー。
(a29) 2021/04/23(Fri) 13:37:28

【人】 赤い靴 キファ

>>75 ヌンキ

 果ての無い暗闇で、
 彼は少女の額にキスをした。

 きっと、キファとヌンキの願いは
 相容れないものなのだろう。
 それでも。
 今だけはその行いを、”許容する”。

「くくく。うむ、実におまえらしい行いだ。
 洒落ている。……何、素直に受け取るよ」

 少女は僅か、眉根を下げる。

「……なぁ、その造花。好きにつかうと良い。
 部屋に飾っても良い。髪飾りとして、加工してもいい。
 おまえは洒落ているからな」

「もしも」

「もしも、いつかおまえが恋をしたとき。
 その花は、きっとそいつに送るに相応しい。
 一考せよ」
(82) 2021/04/23(Fri) 14:08:43

【人】 赤い靴 キファ

>>78 ゲイザー

 少女の鮮やかな紅を塗った唇は囁く。
 その目はあなたを映さない。
 キファは例え素敵なお友達だろうと、
 おねだりに靡かない。

「その通りだ。
 吾は最早、事件の解決に興味を持たぬ」

 かつては持っていた。
 それは、状況が証左している。
 ”教えぬ”。再び、一声。

「おまえなら分かるだろう?
 これは、思い人の為なのだ。

 お友達なら、どうか察して
 手を引いてくれると嬉しいのだが……?」

 傍から見れば、優雅な香りの中
 手と手を取り合う可憐な少女達。

 だが、ここに居るのは女豹と女狐。
 ぴんと、緊張の糸が貼られていた。

 その糸をどう扱うかは、あなた次第だ。
 
(83) 2021/04/23(Fri) 14:34:14
【ソロール】

 微睡むように、周囲の声を聞いていた。

 いくらかの言葉を返したような気もするし、
 いつもみたいに口を噤んでいただけのようでもある。

 少女の瞼は閉じたまま。
 穏やかに、眠るように――
 ……きっと、手を繋ぐ彼の夢を見ていた。

(→)


 ――これは、少女の恋が花開くまでの過程。その一端。
 この夢を覗く不躾なあなたへ、
 ほんの少しだけお披露目しましょう。

 ❀

 初め、少女はかの青年のことが嫌いでした。
 あれも嫌これも嫌、嫌いなものばかりの少女ですが――
 その中でもいっとう、優しい人が嫌いなのです。
 ぽつんと座る、不機嫌な女の子をわざわざ気にかけるような
 優しい人のことが、世界でいちばん嫌いなのです。

 だから、突き放してそれでおしまい。そのつもりでした。
 けれど、そうはならなかった。

 青年が踏み込んだのではありません。
 少女が歩み寄ったのでもありません。

 青年の持つ技術が少女には好都合だった――
 ――ただ、それだけのはじまりです。
 少女は、壊れた弓を持っていた。
 少しばかり薄暗い経緯で手に入れた武器を。


 その日のうちに、青年は約束を守りました。
 弓の修理を請け負った彼は、少女の部屋へ訪れたのです。

(→)


 そこで、ふたりはいくらかの話をしました。
 青年の手は幾度も、少女の頭を撫でました。
 少女がそれを拒まなかったのは、彼がこう言ったからです。

 ――僕、寂しがり屋なんで。人に構うのが趣味なんですよ。
 それだけ。優しさなんかじゃない、これは打算です。


 優しさを厭いながら、焦がれる少女に――
 ……いいえ。優しさに焦がれるあまり厭うことしかできない、
 不器用で意地っ張りな、途方もない寂しがりに。
 その言葉はひどく甘く響きました。

 ❀

 少女は幾人かについたのと同じ嘘を吐きました。
 行方不明になった兄さんの代わりに、ここへ来た。
 犯人に復讐したい。そんなしらじらしい大嘘を。

 ――ああ、でも。
 誰かに言った『事件に関する情報を集めている』。
 これはまるっきり嘘というわけでもありません。
 少女はたしかに集めていました。
 探していました。無意識のうち、求めていました。
 とっても悪い子な自分を見つけてくれる、誰かのことを。
 あの男への痕だって、だから刻んだのです。

 ……話が逸れましたね。
 とにかくその日はそれでおしまいでした。 (→)


 それから、いくらかの時が経って。
 青年は弓の修理のため、ふたたび少女のもとへ訪れました。

 少女がこの部屋で直してくれと頼んだからです。
 目の届かないところへやりたくないと。
 盗品なのだから、当然のことです。
 ――しかし、結局。弓が直されることはありませんでした。

 ❀

 青年は知っていました。少女がとっても悪い――
 『殺したいから殺す』と嘯いてあっさり人の命を奪うような、
 とってもとっても悪い子であることを。

 青年は知りませんでした。
 少女が明るく真っ直ぐなとある冒険者を殺したことを。
 青年と親しかった、ひとりの女性の命を散らしたのが、
 他ならぬ目の前の少女であることを。

 それを少女の口から聞かされた青年は――――。

 ❀

 ……これより先は、ふたりだけの秘密です。
 少女の口から語られることはないでしょう。

 ただ、ひとつ言うのなら。
 少女はようやく出会えたのです。
 餓え焦がれていたものを、手に入れたのです。 (→)


 少女は恋をしています。
 自分を見つけてくれた、愛してくれる――

 シトゥラという青年、ただひとりに。

 ――王子様というには、随分と悪どいひとだけれど。
 悪い子のニアには、お似合いの相手かもしれませんね。

(→)


 夢の続きはもうしばし――

 少女の瞼が持ち上がって薄紫がふたたび露わになり。
 かの青年の唇がまた言葉を紡ぎはじめるその時まで、お預け。

 ……きっと、そう遠いうちではないだろう。

【ソロール:梔子の夢 完】

【人】 赤い靴 キファ

>>89 ゲイザー

 つぅ、とまるで情事の如く。
 愛しみを込められた手で人差し指をなぞられて。
 キファの背に変な汗が滲む。

「──、は ッ」


 呼吸、ひとつ。
 皆まで言うまい。

 キファは理解した。今ので十分過ぎた。
 この女に、言葉遊びは最早通用しない。

 さて。それを得意とするキファにとって、
 今の状況は、最早対等に渡り合えているとは言えない。
 状況は一転した。

 ゲイザーは肉包丁を軽々と振り回せるが、
 キファは筮竹より重い物を持てないのだから。

 女豹と、袋小路の鼠、だった。

 
死ぬ。

 
──殺されるッ!!


(94) 2021/04/23(Fri) 17:32:26

【人】 赤い靴 キファ

>>89 ゲイザー

 キファは死を異常なまでに恐れる。
 長命。生を引き延ばしすぎた代償。

 
考えろ。恐怖で頭が麻痺する前に。


 最善は何か?
 この状況で、出来るだけ情報を落とさず
 逃げ延びることだ。

 念
話は? 武器は? 情報は? ”手紙”は? 助けは?


 武器はこの状況だからダメ。
 情報を全て洩らすのはサダルを追い詰めることに繋がるからダメ。
 叫んで助けを呼ぶべきか。助けを呼ぼうと叫んだ瞬間折られるからダメ。
 念話でサダルに助けを呼ぶのは? 一考。
 サダルは今動いてくれている。好いお嫁さんであるならば、
 出来るだけ彼の邪魔をすべきではない。最終手段。

 殺されるのは勿論ダメ。


 →
(96) 2021/04/23(Fri) 18:24:07

【人】 赤い靴 キファ

>>89 ゲイザー

「そ、そこの机に手紙の草案がある……。
 
結局誰にも渡す機会が無かった
ものだ。

 そこには、”この会合の中に犯人が居ること”、
 他様々な機密情報が書かれている」

「吾の手を離せ。そして、取って行くが良い……」

 そこには機密情報と言えるものは書かれていない。
 最早、誰が知っていてもおかしくない
 情報ばかりが記載されている。

 キファはタイミングを窺っているのだ。
 手首の拘束を逃れる機会を。

 
……さて、あなたは本当にこれだけで満足できるだろうか?
(97) 2021/04/23(Fri) 18:26:26
 少女はパチリと瞼を開く。
 薄紫が光を宿す。

 ――そこは街外れの深い森。
 鬱蒼と茂った木々の中、伸びる道の途中に立っていた。

 目を瞬かせ、首を傾げる。
 高く二つに結った黒髪がさらりと揺れて頬を掠める。
 ぱちりと瞬きをして、視線を下ろす。
 ――外したはずの上着も、タイツも、
 首元のリボンもきちんと身につけられている。
 少女はこれまで通りの姿でそこにある。

 ただひとつ、違うのは。白いブラウスの襟から覗く、
 細い首に刻まれたシータの痕――の、紛い物。

 少女は顔を上げ、道の続く正面を、
 霧に包まれた背後を、…………誰の姿もない、傍らを見て。

 あてどなく、歩みはじめた。

「――――しとぅら、」

 

歩き出した。

恋をしている。

【人】 赤い靴 キファ

>>84 ヌンキ

「きっと似合う。
 そのバンダナの飾りの辺りとかイイと思うぞ」

 ……強情なあなたのことだ。
 きっと、相当なことでも無いと
 それをキファに告げることは無いのだろう。
 
 ──これはもしもの台本。例えばの話だ。

 その時きっと、キファは。
 『ようやく認めたのだな』
 そうやって。不器用に、微笑むのだろう。

(106) 2021/04/23(Fri) 19:58:01

【人】 赤い靴 キファ

>>84 ヌンキ

「ではな」

 鋭く、聡く。……そして今、
 少しばかり恋に盲目なキファは。
 あなたの慕情に気付かない。

 あなたの胸中を、決意を、知ること無く。
 『がんばり団』の同朋として、
 気さくに別れを告げるのだった。
(109) 2021/04/23(Fri) 20:07:47


 真っ直ぐ前を見て歩いていた少女は、進む先から声をかけられ。
 、、、、、、、、、、、、
 それでようやく気がついた、という顔をして、
 その人物の姿を目に映す。
 かつてその手で命を摘み取った、一番槍だった彼女を。

「ごきげんよう。
 ――ねえ、あのひとがどこにいるのか、知らない?」

 顔色ひとつ変わらない、淡々とした問い。
 『あのひと』が誰を示すのか、考えなくたって分かるはずだ。



「そうかしら」

 ぱち、と瞬いて首を傾げた。さらり、揺れる髪。

「――そう、探してるのよ。
 知らないのなら……もういいかしら。
 わたし、あんたに構ってる暇、ないの」



「……見つかるかしら」

 手を引く。これは目の前の女性だからではない。
 ただ、この手に触れていいのはたったひとり、それだけのこと。
 けれど、その動きは緩慢で。
 捉えようと思えば、簡単にその手を掴むことが出来るだろう。

 今の彼女は、夢から覚めたばかり。
 『仮想世界』のことも『テスト』のことも、
 それから自身への『課題』も未だ認識できてはいない。
 ……ついでに言うのなら、少女の餓えは未だ満たされず。
 これまでよりもいっそう強く、その心を蝕んでいる。
まるで、バグのよう。

キファは、ゲイザーを押し倒し返した。
(a70) 2021/04/23(Fri) 23:15:26

キファは、ゲイザーにキスをした。
(a72) 2021/04/23(Fri) 23:27:54



 強く握られた痛みに、わずかに顔を顰めて。
 引かれるままに、駆けていく。

「……? どこに、行くの?

 ――ええ、やっと……やっと、見つけたの。
 …………見つけて、もらった……――、?

 
アピール
、って、なんのこと……?」

 きっと息を切らしながら。手を引く彼女はきっと、今度は――
 少女の歩調を気にしてくれはしないだろうから。



「ああ……これ、そうね、そうだったかしら」

 掴まれたのとは反対側の手でそっと首元に触れ、
 歪に抉れた痕を指先でなぞる。

「でも、これだけは特別。あのね、」

 ――お揃いなの。
 ひそやかに、淡い想いを打ち明けるように。
 まるでふつうの女の子みたいに、少女は微笑んだ。

 今の少女の興味の対象は、ただひとり。
 それ以外は眼中に無い。少女
のデータ
はそういうふうに壊れた。

【人】 赤い靴 キファ

>>ハマル

 さて、ここはどこだろう。
 星見杯亭の会議室だろうか。或いは談話室、
 或いはバルコニーだって良い。

 キファは、ハマルを見つければ話しかけて来るのだろう。
 会合、四日目。ゲイザーと乙女の戦いを始める少し前の、
 いとまのこと。

「おぉ、ハマルよ。
 そういえば、吾の占いを見てみたいと言っていたな。
 ……今、ちょうど出来るぞ。やるか?」
(125) 2021/04/24(Sat) 0:45:30
遠くなる意識の前、竪琴の音を聴いた気がする。
青年は結局返事が出来なかったことを思い出した。

「はァ。上手くいかないもんですねェ」

手を握って、開いて。
掌が覚えている感触を辿る。

(ああ、そうかァ。僕はニアを殺したんだった。
──で、胸をナイフで一突き。)

あの現場はどう、映っただろう。
あれを見た、遺してきた人間はどう思っただろう。
青年にはもう知る術はないけれど。⇒

【人】 赤い靴 キファ

>>126 ハマル

 では、談話室のテーブルを囲もう。
 一方に座り、そしてあなたにもう一方への着席を促す
 キファは携帯しているタロットカードを広げると、こう問うた。

「なに、簡単だ。

 何を占いたいか決めて、このばら撒かれたカードの中から
 念を込めて一枚引けばいい。
 それを吾に渡せば、そこから吾が暗示を読み取ろう」

 ……キファは、あなたが何故元気がないのか知っている。
 シトゥラから、ハマルと連絡を取り合っていたことを
 聞いていたからだ。

 でも、それを一言目から伺うほど非礼じゃない。
 だから敢えて、こう問うのだ。

 キファは占い師のプロ。
 人を占うとは即ち、人の心を視ることである。

「さて、何について占いたい?」
(127) 2021/04/24(Sat) 1:18:49


「     」

青年は誰かを呼んだ。

「──僕は、欲しかったんですよ。あの子の、全部が。
僕が、一番になりたかった。
僕が、守りたかった。でも出来なかった。

ふたりで一緒に居るには、あまりに僕たちは歪だった。
ずっとふたりで一緒に居ることなんて、出来なかった。
気付いたら、手遅れだったんですよ」

誰に言うでもなく、空間に落ちる声。

「僕の選択は、間違っているんでしょうね。
そんなこと、誰より知ってますよ。
でも、僕は“そうしたかった”」

──青年は、笑って。
自身の薬指の痕に口付けた。

「誰を、何を失くすことになっても。」

【人】 赤い靴 キファ

>>メレフ

 乙女たちの戦いの、後のことだ。
 キファはぼろぼろの姿で、会議室に姿を現した。

 頬に痣、首元に軽いやけど跡。片手の人差し指に骨折。
 『子供達にはあまり見せたくない姿だな』、
 と気丈に笑っていた。

 キファは、『階段から落ちた』と皆に説明している。
 だけれど、見るものが見れば、それは喧嘩の跡であることが
 すぐに分かるだろう。

 例えば、傭兵として戦闘に身を窶すあなたなら。
(128) 2021/04/24(Sat) 1:29:13

【人】 赤い靴 キファ

>>129 メレフ

「喧しい」

 ぴしゃり。
 キファは目を細めてあなたを睨んだ。
 だけど、言う程剣呑な語調ではない。

「誰にやられたかなんて、言って堪るか。
 全く、おまえが護衛を請け負ってくれれば
 吾もこんなことにならんかったのに」

 冗談を言う余裕も、今は有るらしい。

「なあ、おまえは。死ぬのが怖いと思うか?
 長命の知り合いは、少ないが居る。
 死ぬのを恐れる人間も、逆に死を乞う人間も知っている」
 
「おまえはどっちだ」
(131) 2021/04/24(Sat) 2:02:07

【人】 赤い靴 キファ

>>130 ハマル

「……ふ。その問いを聞くということは、
 事件の解決に興味があるということか。
 
 良かろう」

 少女は快諾すると、
 ハマルから引いたカードを見せてもらう。

IV 皇帝tarot (1)1d2

/*1が正位置、2が逆位置。


(132) 2021/04/24(Sat) 2:04:50

【人】 赤い靴 キファ

>>130 ハマル

4番目、皇帝の正位置。

 逆位置はあの高慢ちきちきちんちくりんも引いたが、
 こちらは正位置だ」

 レグルスのことである。

「暗示するキーワードは
 
支配、安定、成就・達成、男性的、権威、

 
行動力、意思、責任感の強さ、軸
」 

(134) 2021/04/24(Sat) 2:17:37

【人】 赤い靴 キファ

>>130 ハマル

「このカードは、積極性や統率を表す。
 今おまえは、積極的な決断と行動を必要とされる状況に居る。

 それを乗り越えることで、成功が到来すると吾は読む。
 強い意志の力で、一見困難に見えることでも
 突き進むことができるだろう。

 だがな。こんなに強くて立派な皇帝だが、
 弱みを見せることが出来ない分、
 常に孤独と戦っている面もある。

 どうか、そういう不安から目を逸らすな。上手く発散せよ」

 一息に語ると、ふぅと息を吐く。

「……と、まあ纏めると、
 『積極的に行動せよ』『仲間には頼れ』

 こういう感じだな」

 →
 
(136) 2021/04/24(Sat) 2:21:59

【人】 赤い靴 キファ

>>130

「ハマル。おまえに、仲間はいるか。吾以外に名を挙げてみよ」

 少し、意地の悪い質問だった。

 ……キファは、自分の占いを信じている。
 だからこそ今、ハマルに『弱みを見せる不安』を
 詳らかにさせようとしているのだ。

 キファはハマルを、慰めたい。

 キファは二日目から、変わってしまった
 キファにとって今は、サダルが一番だ。
 いつだって、誰かを裏切ろうと思えば裏切れる。
 そのつもりでいる。

 でも。狂信的な愛が、
 キファのただの善意まで捻じ曲げてしまう訳じゃない。

 今のキファは、前のキファが居たからこそ。
 このように形作られている。
(137) 2021/04/24(Sat) 2:24:13

【人】 赤い靴 キファ

>>135 メレフ

「エエ!? 厭だが……」
 
 キファは躊躇う。最もだろう。
 キファがこんなんになったのは、
 元は自室に人を招き、助けを呼べない状況になったが故だ。

 でも、それと同じくらいあなたの提案は魅力的だった。

「……まぁ。隠してはおきたいが。
 その。あんまり傷だらけだと、可愛くないだろ。
 ”そういう”時にも……綺麗な躰を見せたいし……」

 もじもじ。

「変なコトしたら魔法の力でサダルをで呼ぶからな!
 吾は反省ができるいいお嫁さんなのだ!」
 
 たぶんキファの頭の中は今ピンクだ。

 →
(138) 2021/04/24(Sat) 2:33:15

【人】 赤い靴 キファ

>>135 メレフ

 そういう訳で、ずりずりとメレフの自室に
 連れて来られてしまうのだろう。

 治療か何かを受ける為、ぴんと背を伸ばしながら、
 キファはいとまに為されるメレフの話を聞いている。

「ふん。好いた人間の為ならば、か。
 おまえの中では、その好き人(んちゅ)と”お嬢”に、
 同程度のプライオリティがあるという訳だな。

 んで、そのお嬢っていうのは何なんだ。
 何時から仕えている?
 吾らのことだ。もう隠す仲ではあるまい」
(139) 2021/04/24(Sat) 2:41:03

【人】 赤い靴 キファ

>>140

 ……キファの顔の傷は、綺麗に姿を隠した。
 ”おぉ”と声を洩らす。

 キファは肌の露出が少ない。
 これで少なくとも日常生活に於いては、
 ”喧嘩をした”と疑われることもないだろう。

「さんきゅ〜〜! さっすが呪術ギルドの傭兵!
 ……やっぱおまえも魔術が使えるんじゃないか。
 歳の隠蔽を説いた時から、分かっていたが」

 ところで。
 キファは、”お嬢”のことを魔女だと思っていた。
 永きを生きる存在だと。

 キファは、あなたの話を聞く。
 きっとこの会話は、同じ永きを生きる
 二人にしか届かない。

 →
(173) 2021/04/24(Sat) 15:40:58

【人】 赤い靴 キファ

>>140 メレフ
 
「……”お嬢”はもう、死んでいたのだな」
 
(174) 2021/04/24(Sat) 15:53:42

【人】 赤い靴 キファ

>>140 メレフ

「不老不死の禁薬が無いのも納得だ。
 そんなものがあるならば、
 おまえはもうとっくに使ってる。

 ──200年か。長い、な。
 吾が"死なない"ために生きてきた時間を、
 おまえは、"蘇らせる"ために生きてきた」

 道士は、ぽつぽつと語る。

「吾はそれを、憐れだとは思わない。
 おまえの理由を許容する。
 おまえもそう言ってくれたから」
(175) 2021/04/24(Sat) 15:55:01
キファは、哂った。
(a88) 2021/04/24(Sat) 17:03:48

キファは、は満足すると、ゲイザーを自分の部屋の外に棄てた。
(a90) 2021/04/24(Sat) 17:08:20

【人】 赤い靴 キファ

>>152 ハマル

「…………」

 キファは悩んだ。
 果たして、これを告げるべきか。
 これを告げたら、ハマルはこの事件に関わることになるだろう。

 ……キファは、それに積極的でない。
 ハマルはまだ小さい。危険に晒したくない。 
 ”彼”もそれを懸念したのだろう。

 でも、告げる理由はある。ハマルはシトゥラの、
 自分がすべてを託したシトゥラの、仲間であるからだ。
 シトゥラ亡き今、これを次に告げるべきはハマルだ。
 
 だから、こう続ける。

「……わかった。言おう。
 あまり公言はしてやるなよ?」

 →
(183) 2021/04/24(Sat) 17:18:05

【人】 赤い靴 キファ

>>152 ハマル

「さて、これくらいか。
 この情報の扱いは慎重に。だが、好きにせよ」

 一頻り得ている情報を告げたところで、問うた。

「なあ、ハマル。
 おまえは、何故事件を追っている?」

 想像は、付いた。
 ……彼は、”あの時手を差し伸べられなかった”ことを
 酷く悔いていたから。

「……なあ、ハマル。
 おまえはシトゥラを助けられなかったことを、
 悔いているのではないか?」

 あなたの出方を、待つ。
 キファはあなたの『弱み』を、引き出そうとしている。
 
(184) 2021/04/24(Sat) 17:32:00

【人】 赤い靴 キファ

>>177 メレフ

サダルは死なぬ。

 
吾らは、吾らが死なぬように生きる


 それが前提だ。
 それは、彼女の中で決定事項であった。
 だが、サダルは定命である。
 同じ道士や術でも掛けぬ限り、いつかは死ぬ。

 人は、いつか死ぬのだから。

 でも、それも悪くはないなと思った。
 この会合が終わったら、
 ”人間をやめること”を提案してみよう。

 本題に戻ろう。

 →
(189) 2021/04/24(Sat) 18:01:51

【人】 赤い靴 キファ

>>177 メレフ

 もしも、サダルが死んだら。
 サダルのいない世界で。
 自分は生きていられるだろうか? 

 否、否。
 答えは今、彼自身が明示してくれた。
 自死? 
まさか!


「吾はおまえと同じように。
 彼奴を蘇生させる、手段を探す
 200年、300年。どれ程掛かってもいい」

 例え、それがサダル自身の望みじゃなくても。
 "サダルがキファに"望むことは、
 『キファが望むことをすること』なのだから。

「その時は」

「一緒に探そう、メレフよ。吾らで探し出して見せよう。
 ”好いた人間を、蘇らせる術”を」
(190) 2021/04/24(Sat) 18:04:27
キファは、知っている。”人はいつか死ぬ”ことを。
(a94) 2021/04/24(Sat) 18:09:01

キファは、永きを生きている。でもまだ、”人”であった。
(a95) 2021/04/24(Sat) 18:09:38

 少女に与えられた役割は「餓狼」。
 強すぎる承認欲求。倫理観の著しい欠如。
 それは今、壊れて。ただひとりへの渇望へ成り代わっている。
 ゆえに少女はただひとりにしか興味を向けられず、

 ――目の前の人物が誰なのか、その目にはっきりと映すまでに
 とてもとても時間がかかった。



「メ、サ……?」


 少女の体から力が抜ける。
 進めなくなった足がもつれる。転ぶ。
 膝を擦りむいて血が滲み、タイツが少し破れた。

「……わたし、え、あれ……?」

 目の前の彼女を見上げて、少女は問いかける。
 その小さな唇も、地面を掻く細い手もひどく震えている。

「わたしたち、どうして、死んでないの……?」


 あの日、穴に飛び込んだ兎は。
 餓えた獣の役割を与えられた、
 ただの『村人』になりたかった女の子は。

 歯車の狂った、機械仕掛けの甘い夢から――
 いっとき、目を覚ます。睫毛がふるりと震える。
 薄紫を驚愕と悲嘆と絶望に染めて――
 少女はその手で犯した罪を、正しく理解した。

「ぁ――」


 幽かな呟きは、風に攫われる。

(→)



「わたし……ひとを、……あんたを、……ころし、」


 ナイフのグリップの太さ。さくり、突き立てる感触。
 そこからくるりと軽く捻れば人は簡単に死ぬ。
 人の命を摘み取る瞬間を、この汚れ切った手が覚えている。
 薄寒いほどの無感動を、心が覚えている。

「…………めさ、……」


 少女はかつて殺したひとを見上げて、名を呼んだ。
 それ以上は、なにも。かける言葉を持たない。
 後悔も懺悔も何もかも、今となっては意味をなさない。


 目に映れば、理解する。……それだけの話。
 少女に届いたのは
■■
。祝いは、届かなかった。

【人】 赤い靴 キファ

>>192 >>193 メレフ

「くくく。吾は神秘主義者故な。
 魔法の可能性を、信じている」

 キファは己の頬をぺたぺた触ってみた。
 痛い。メレフがしてくれたことは傷の隠蔽に過ぎない。
 が、今はその痛みが生を実感させてくれる。

「おや残念。吾が一緒なら、
 おまえの研究の手助けをしてやれると
 思ったのだが──」

 →
(198) 2021/04/24(Sat) 18:36:24

【人】 赤い靴 キファ

>>192 >>193 メレフ

「ふむ」

 キファは”くつり”、と、笑むような呼気を洩らす。
 ……それはまるで、宣戦布告が如く。

「言ってくれるじゃないか」

「吾はそれを誰よりも理解している。
 『死の先は、虚無だ』──言っただろう?」

 さて、これ以上の話は不粋だ。
 『ありがとう』、礼を述べて立ち上がる。

 果たしてそれは、傷を隠してくれたことに対してか。
 それとも、警告に対してか。
 
 キファは、メレフの部屋を後にした。
(199) 2021/04/24(Sat) 18:37:48

【人】 赤い靴 キファ

>>194 >>197 ハマル

「そうか。
 ……ふ、メレフはああ見えて存外気配り屋さんだ。
 本人は否定するだろうがな」

 『生きていて欲しい』
 シトゥラは、そう言っていたのか。
 噛み締めるように呟く。
 キファも、彼に同じことを願った。

「まったく、最後までヤな奴だったな!」

 それはきっと。死者を嘲る言葉ではない。
 字面ほどに、棘を孕んではいない。

「──わかった。理解した」

 キファの危惧は、霧散した。
 ハマルは。キファが感じていたよりも、
 強い意志を持つ。

 そして、頑張り屋さんだった。

(202) 2021/04/24(Sat) 19:00:37

【人】 赤い靴 キファ

>>194 >>197 ハマル

「だが、今のおまえにそれを告げるのは不粋であろう」

 はっきりと、言い切る。

 これはキファの知らぬこと。
 ──この事件の真相は、神様の悪戯。
 残酷な、悪戯。
 
 でも、犯人を全員暴き出せば、止まる。

「故、告げる。
 233年。死を見送り続けてきた吾が告げる。
 おまえがそう願うなら、手を差し伸べ続けろ。
 
 言ったであろう? 例え取りこぼしたなら、次頑張れ。
 その次が駄目でも、諦めるな。

 諦めるのは、おまえが擦り切れてしまいそうな時だけでいい。
 その時は、仲間に頼れ。その為に皆がいる」

「そんな風に頑張るハマルを、
 ……死んだ皆は、シトゥラは、悪く言ったりしない」
(203) 2021/04/24(Sat) 19:04:41

【人】 赤い靴 キファ

>>212 ハマル

 その答えを聞いて、満足したように頷く。
 キファは机からカードを片付け、立ち上がる。
 占いをした。彼との約束を一つ、果たした。

「おまえの指針の標になれば幸いだ」

 ──死人に口は無い。
 シトゥラの内心なんて、誰にも分からない。
 死の先は虚無であると、キファは信じている。

 ……人は人である限り、いつかは死ぬ。

 だからこそ生きている人間は、
 彼らの名を騙り、希望を吐く。
 それの何が悪いと、キファは思う。

 だからこそ生きている人間は、
 生きている内に約束を紡ぐ。
 キファはそうやって生きてきた。

 →
(219) 2021/04/24(Sat) 20:49:13

【人】 赤い靴 キファ

>>212 ハマル

 だからこれは別れの言葉じゃない。
 ただの、何気ない会話の一環だ。

 キファは明日、明後日も生きていることを疑わない。
 その為に努力しているから。
 ハマルと海に行きたいって、今だって思ってる。

 でも、もしキファが死んでも。
 キファはあなたを悪く言ったりしない。
 『頑張ったな』と告げるのだ。

 〆
(221) 2021/04/24(Sat) 20:50:03


 髪を掴まれ上へと引っ張られる。
 痛みに顔を歪める。じわりと滲んだ涙で視界が歪む。

「そんな、つもり……」


 なかったと言い切れないことに愕然とする。
 だって――覚えている。なにもかも、ぜんぶ。

 この優しいひとを殺してしまおうと思った瞬間のことを。
 守ってくれる背中を
嬉しく
頼もしく
憎く思ったのを。
 背後からナイフを刺したことを覚えている。
 心臓のある位置を。
 手首を捻ると中身が抉れたことを。
 感触を。においを。色を。
 彼女の声を。リボンを引かれたことを。
 息が細くなっていく彼女を見下ろして、
 首元の痕をじっくりと眺めていたあの景色を。



「――――った、わ…………」


 どちらの答えを口にしたかったのか、分からない。
 縋るように首元の『お揃い』に触れる。

 顔を下げられないまま、目を伏せて。
 少女は今にも折れそうな、か細い声で呟いた。

「……ごめんなさい、」

メモを貼った。

メモを貼った。


/*肩書きミス

正:
N[IA<NβP村C★]>人≪観≫θ
 ニア

キファは、サダルを探している。
(a114) 2021/04/24(Sat) 21:36:54

キファは、耳を澄ませた。
(a117) 2021/04/24(Sat) 21:38:25

キファは、サダルを見つけに星見杯亭を探しまわっている。
(a122) 2021/04/24(Sat) 21:50:36

キファは、サダルを見つけに星見亭を出た。
(a123) 2021/04/24(Sat) 21:50:45

キファは、サダルを見つけに街を探し回っている。
(a124) 2021/04/24(Sat) 21:50:52

キファは、サダルを見つけにやがて街を出た。
(a125) 2021/04/24(Sat) 21:51:02

キファは、サダルを見つけに森に入った。
(a126) 2021/04/24(Sat) 21:51:09

キファは、サダルを見つけに霧の中を走る。
(a127) 2021/04/24(Sat) 21:51:16

キファは、神様に祈った。
(a128) 2021/04/24(Sat) 21:51:24

  を知っている。

キファは、サダルのことが大好きだ。
(a129) 2021/04/24(Sat) 21:51:32

見ることが出来る。

見守っている。

 




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