【人】 焦爛 フジノ>>12 メイジ 「そうだよ。……周りが騒いでる中で、本人だけ、ケロッとしてたから。 私も、それで覚えてた、のかも…… な、なに」 びくりと身を引く。隅にいたのだ。背中はすぐ壁に当たる。 うろうろと視線を彷徨わせ、直に観念したように重い前髪越しに覗き込む貴方を見た。 「……や、優しい、とかじゃない。 そりゃ、そうでしょ?そんなに、濡れてるんだし。 今からでも、貰ったら?タオル。拭くのと、傷を、抑えるの。 ……ここ、病院なんだから。血で汚れるのぐらい、いつもの事だよ」 隠している箇所をちらりと見る。 フジノが持っているタオルは既にすっかり濡れてしまっているし、自分の使ったものなんて使いたくないだろう。 (47) 2021/06/28(Mon) 23:10:19 |
【人】 焦爛 フジノ>>19 アユミ 「なん、ですか?」 馴染みのある声だ。呼び止められればすぐ止まり……渡された品々をやや戸惑いながら受け取る。以前にも渡されたものが、ちらほら。 「……気遣ってもらって、ありがとう、ございます。 今はまだ、平気、だけど……後でお願い、しに行きます。 先生も、必要なら、呼んでいいです、から」 顔見知りで、厭う様な目で自分を見ない同性の大人。 そんな存在がいるだけで、幾分気が楽になる。 「……先生の、家は。大丈夫?お子さん、とか」 たしかまだ幼いと聞いた、気がする。そして此処に幼い子供の姿は見えない。 あの立派な家なら沈んだりはしないだろうけど……貴方も子供も暫く離れる事になって大丈夫だろうかと、気になった。 (48) 2021/06/29(Tue) 1:09:10 |
【人】 焦爛 フジノ>>56 メイジ 「……そんなの覚えなきゃ、いけなかったの?」 呆れたようにも、そういう環境だったのかと問うようにも聞こえただろう。 一歩離れる貴方をバツの悪そうな顔で見て、歪な跡が残る手で腹を撫でた。 「……別に。びっくりしただけ。 それに貴方が特別、怖く見える訳じゃない。 他の人は皆、ちょっと怖く見えるもの、でしょ」 周囲を見渡す。皆どこか慌ただしい。 先生達はいつもどこからタオルを持ち出していただろう。 なにか無かったかと考え、思い出したようにスカートのポケットを探りハンカチを取り出した。 「……来る時に濡れちゃったけど、洗濯はして、まだ使ってないから。 嫌じゃないなら、他のものが見つかるまで、使って」 そう言って、ハンカチを差し出す。少し絞れば軽く拭くことにも、傷を抑えることにも使えるだろう。 (62) 2021/06/29(Tue) 21:55:01 |
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