【人】 虹彩異色症の猫[ 籠の隅に転がっている糞は拾い上げればまだ柔らかく、粗相をしてからそう時間が経っていないことが知れる。幸い(?)肉球の跡はついておらず、踏んだり、毛にこびりついた様子はない。 籠から出すと、少しばかり動きが鈍い気がするのは飼い主の心配が故か。暫く蹲りじっとしていたが、すぐに走り出し、籠を片付けている間に何処かに行ってしまった。姿を見せないので押入れか何処か奥まったところに隠れているのかもしれない。 就寝間際にいつの間にか寝床の裾に居たが、呼んでも近寄らず唸っている。その癖離れようとしない。飼い主が見知らぬ場所へ自分を置いていったなどあり得べからずとして恨みがましい。 朝には掛布団から半分身体をはみ出す形で四肢を伸ばして眠っていた。]* (47) 2022/09/30(Fri) 20:06:12 |
【人】 虹彩異色症の猫[ 鼠の玩具を取り上げると不服そうにその手を叩く>>42。脱走を企てる猫を抱えようとするといやいやと激しく身を捩る為、それこそ人なら腹の傷が裂けないほうが不思議なほどだ。 よくよく腹の縫合跡を見ると、一本の傷口は既に癒着しているようにも見える。同じ生き物であるのに不思議なことだ。 白い猫であるからこゆき、と名付けたのは澤邑だが、ゆきちゃん、などと甘ったれた愛称で呼ぶことに本当に家族は気付いていないだろうか。 澤邑が晩酌をするとき、決まって猫は膝の上に乗り、そんなときばかり猫撫で声をだして相伴を強請る。その様子。 夜半、観月の様子見に>>43縁側から空を仰ぐことがあれば、まだ厚い雲は千切れ千切れに流れているが、その合間から盆のような月の姿を覗かせている>>n4。ここ暫くの大雨で途絶えていた虫の音も地から密やかに響いている。 猫は勝手に地面へ下りないよう腕の中だ。すんすん、と初秋の空気に鼻を鳴らしていると急に身を竦めた。軒先から垂れた名残の雨粒がちょうど鼻の上に垂れたのだ>>n1。]** (48) 2022/09/30(Fri) 20:08:57 |
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