人狼物語 三日月国


82 【身内】裏切りと駆け引きのカッサンドラ【R18G】

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グラタンfoodカルーアミルクsakeを手に唖然としている。

当選した、らしい。

当選が何を意味するのか、知っている。

まだするべきことがある。

ハマルは、当選も楽しいのかと、そればかりが気になりました。
(a1) 2021/07/03(Sat) 21:20:44

信じられないものを見た顔をした――。

ナフは。

メモを貼った。

その"剛直"を喉奥まで突き入れられ、地面に血泡を吐いた。

踊り子なのだから、傷を付けるべきではない。
いや、付けるべきだ。そういう存在にこそ映えるものだ。

―――どちらにせよ、見世物の真似事が得意なのだから。VIPルームに閉じ込めておくには勿体ないだろう。


仮面を付けた青年に向けられた声は、おおむねそのような意見で固まっていった。
内容は問わず、公開で辱めを受けるのが良いだろう と。

「ハッ……何を勘違いしてるか、知らねえが。
 誰が望み通りテメェらの悪趣味に付き合うかよ……。
 誰が都合よくテメェらの飼い駒になるかってんだ……」

お前らがそういうつもりなら。
こっちだって己の尊厳をテーブルに乗せる自由くらいはある。
目の前に映る悪趣味な客たちに向けて、画面越しに唾を吐く。

こちらが嗤うと、何が楽しいのかそいつらも笑声を上げた。

屈服を、屈従を、この獣に与えよ。
肉体と精神、貞操と尊厳、全ての官能的な破壊を。


口々に好き勝手なことを俺に求める、
ぜい肉を蓄えたこの船の賓客に思った。
コイツらの方が、よっぽどオレなんかよりイカれてやがると。

後ろから蹴られ、グッ、と地面に這いつくばりながら牙を剥いた。

「最悪だな、テメエ……。
 何が沸いてる脳してたらそんなこと思いつくんだよ……」

……悪趣味が過ぎる。ナフをチラリと見た。

「……こうなるなら、コミュニケーションくらいは取っておくべきだったな」

仮面を付けた、もう一人の"従業員候補"に顔を向ける。
その声は、その容姿は。見覚えがあったから。

露わになった身体を隠す事はしなかった。
それが今求められている動作ではない事を、青年は理解していた。
一方で、淫猥な玩具や衣装に興味を示さなかった。そういった物には疎かったからだ。

膝を蹴られ、床に膝をぶつけると その端正な顔が痛みに歪む。

「……おれは、毒の類が…あまり効かない。そういう体に、なっている。他の方法を、取った方が…楽しめるんじゃないか」

「だとよ。残念だったなァ?
 そうなりゃオレはともかく、コイツの"研修"にゃなんねー。
 そうだろ……オイ?」

裸に剥かれて、古傷まみれの肌が、床で新しい擦過を作る。
なんだっていい、コイツの体質とかも関係ねェ。
悪趣味に並べられたソレをブチ込まれるのも、
雄狗同士で何かをやらされるのも、ゴメン被る。

「おれは…、…あまり、面白みのない人間だと思う。
 あんた達の、期待通りの反応が出来るかは…保証が出来ない」

同期―――と呼ぶのが相応しいかどうかはさておいて
彼とは違い、このような扱いを受ける事自体に抵抗はないようで。

「ああ、でも―――痛い事は、あまり得意じゃない」

ここにいる理由を理解している。

けれども 小さな声で「ごめんなさい」と言った。

失敗した。

メモを貼った。

撫でられること、それ自体は嫌いではなかった。

しかし、膝に通されたワイヤーリングと、頭上の回転ノコギリを見て
初めて、不安に瞳を揺らしている。


より刺激的に、より官能的なショウを演じることができれば 自分の身にも、同期の身にも危害が及ぶことはない。のだろうあ。


「…ムルイジ」

できそうか?と、反抗的な態度の彼に問いを投げた。

上を見上げ、回転のこぎりの直接的な死の存在感に、
乾いた笑いが出た。…本当にどいつもこいつもイカれてやがる。
まな板の上で悪趣味どもの興を買って、
天秤のもう片方にチップをねだれば、
死そのものの降下を遅延させられる最悪の天秤
がこれだ。

男と抱き合う趣味はない。男と交わる趣味ならなおさらない。
だが最初から、俺たちに選択肢なんか残されていない。

「……ああ。分かってるよ」

同類のお前に言われなくても。"やる"しかないんだろうが。

可能な証左として、その端正なナフの頬に触れ、体を寄せ合う。
肌と肌が触れると、外気に触れた肌同士がやけに冷たくて、
互いの心の温度を思わせた。心から不本意な温度を共有する―。

メモを貼った。

メモを貼った。

連れられていく。抵抗はしなかった。

「っく、ふ……」

褐色の肌に映える、肩から沿うように施された白い入れ墨が露わになる。
誰のものなのかも分からない手が体に触れるたび、くすぐったさと微弱に感じられる気持ちよさが襲う。ローションで滑りが良くなっていることも、一助しているのだろうか。

無意識に体に入る力を抜くように、息を吐いている。

少しでも余裕を残そうと、快楽から気を逸らそうと試みる。それがうまくいくかどうかは、さておいて。

その褐色に走る煽情的な白線は、
指先でなぞれと導線を引かれている気分になる。
女にするように指の背でツメの先で引くようにそれを撫ぜると、
相手に快楽の鳥肌が立つのが分かる。

「………」

反吐が出る。明らかに年下の肌に快楽の道筋を立て、
薄い背中を仰け反らせてでも生きたがる己の性に。
テーブルに己の人生を乗せることはあっても、
こうやって誰かの人生まで能動的に乗せたことはない。

男女の交わりのようなそれを囃し立てる声。

――ああ、じゃあ。望み通り狗らしくしてやるよ。
少しだけ我慢しろ、少年。

思いながら、滑る肌で這い上がるように動き、
ナフの褐色の喉に仮面を少し上げて、噛みつく。
歯形を、牙痕を、罪科を、かつての自分に残すように。

唐突に鎖を引かれ、呻きを上げながら引きはがされる。

それが何であるか、分からなかった。

無理やり引きはがされる。
こっちの都合なんかお構いなしってことかよ。
遊興は次の段階に移行したらしい。

見慣れたテーブル。生涯向き合うはずだった賭け台。
その上に命も含めた全てを載せてきたはずのそれが、
今他人の顔で目の前に鎮座している。

腐っても、そして腐らせてもギャンブラーである自分に、
未だここに座らせられることが、どれだけ屈辱か。

「……上等ォ、だ。
 そっちがその気なら、どこまででもヤってやるよ……」

青年―――否、青年を装っていた少年は、毒物にこそ耐性があるものの。
"その他の薬物に対する耐性"を持ってはいない。
あくまで、自分が死なないための訓練で手に入れたものなのだ。

そして、少年の目には それが"媚薬"であると気が付けない。
酔うくらいなら、いいだろうと。浮ついた頭で、それでも従順に―――研修を終えるために。
口に捻じ込まれる液体を嚥下する。刺激に体が震え、口端から漏れる媚薬すらも 周りを興奮するための材料になる。

くらり、頭が揺れる。

「っ、は……ぁ…?何、だ……っぁ…うっ」

じわり、汗が滲む。頬が紅潮し、息が上がる。
その間にも、愛撫の手は止まらず 抑え込めなかった甘い声が漏れる。

混乱する脳内が、快楽に染まって 思考がぐちゃぐちゃとまとまらなくなっていく。

「……あんまり舐めてくれんなよ」

ショーの喝采に。……一気に。
意識がギャンブルのテーブルの上に載る。
相手を射殺すような絶対零度の眼が対面の相手を睨む。
殺意を真正面から向けた。

何度も。
何度もこんな死線は潜り抜けてきた。
もっと酷薄で救いのない場所でだって、カードを捲ってきた。
ブラフとラックだけで渡り歩いてきた。
包帯の撒かれた右手ではなく左手で。
右手と遜色なく動くその利き手ではない方の手でカードを捲る。

((card11))

続けて、二枚目も裏返した。
ここが分水嶺。ただ食われるかそうでないかの境。

――オレの望んだ、ギリギリの勝負。

((card50))

最善ではなく、最良でもなく。
だがただ食われるわけでもない、
――敗者が喉笛に噛みつくための一手。

やはり命をテーブルの上に乗せなければ、
賭けに命は宿らない。

見たかよ餓鬼ども。
見ろよ肥え太った醜い豚ども。
これが――
『ギャンブラーの生き方』
だ。

「――これで勝負だ。
 命を賭けるには、悪くねェな」

「……は?」

信じられないものを見て、目を見開く。
勝ちを手にしたはずが、その手にした勝ちによって、
己の首が閉まるこの状況は。もはやギャンブルでもなんでもない。
抗議するまでもなく背後から自分の腰回りほどの腕を持つ、
複数の従業員が締め上げる。

クソが。
どこまで腐って
――。

牙を剥いて唸るも、後頭部を押さえられ、
"それ"に顔を近づけさせる。少しでも抵抗を見せると、
締め上げられる後ろ手が、ギリギリと痛む。

本当に。――悪趣味の塊が過ぎる。

押さえつけられたまま、一つ、二つ、飲み干し、
四つ、五つ飲めば、自身が存在の主張を始める。
十、十一と飲めば、呑んだ液体に反比例して、喉が渇く。
まるで押さえつけられるようにされた股間の怒張が、
逃げ場をなくして生き物のように左右に擦れることすら、
脳髄を焼くレベルの快楽が押し寄せてくる。
ズボンの中に全部ぶちまけられれば、どれだけ楽になるか。

十九、二十。
自身の出したカードの数字の数だけ飲んだ媚薬
に。
全身が灼熱の湯の中にぶち込まれたように熱い。
手が自由でないから、触れることすらままならない。

口の端からは無様に涎が零れ、
発情した狗のように、荒い息が鼻から、口から洩れる。

触れられればたやすく絶頂に至るほどに昂められた躰は、
情欲の逃げ場を探して、男たちの腕の中で左右に藻掻いた。
傷だらけの背筋に男たちの服が触れてすら、
着衣の中に欲帽を全部ぶちまけて、果ててしまいそうだッ……。

「ーーッッ……」

怒張に鋭い手打ちを浴びせられると、痛みよりなにより、
爆発的な快楽が背筋を雷のように貫く。
歯を限界まで食いしばって耐えたが、
両足の間に無理に快楽を抑えた代償として激痛が走り続ける。

全身を冷や汗が流れ落ちる。脱がされるまま脱がされていく。
限界まで張り詰めた躰はどこに触れられても快楽の棘を残していく
両脇を抱えられて器具に両手足を拘束されると、
より一層自分の反り返る昂りが露わになる。
小刻みに、収斂しながら、自分の腹を抉るほどに仰け反る自身は、
何かの拍子に中ほどから爆発しそうなくらいに熱い。

――心の底からフザケてやがる。
何が賭けだ、何がギャンブルだ。
こんなもんただの、見世物じゃねェか……ッ。

そんなオレの憤りなど気にも留めない、
無遠慮な手が四方八方から伸びる。

「アッ……ガッ、
 や、めっ、触っ……っッッ!!」

視界が真っ赤に染まるほどの射精感。
無遠慮に撫で、握り、ほじり、引っかくだけの愛撫で、
身体が意識とは関係なくくの字に折れ曲がろうとする。
両手両足を卓に拘束された状態では、
ギシギシとその拘束を揺らすだけで、
快楽からの逃げ場がどこにもない。

やめろ。
やめろやめろやめろ!!
フザけんな。殺してやる。
こんな、無理やり、賭けと関係ないことで――。

「ぐ、あっ、ガァ!!
 ざっ、け……アッ……!!」

――オレ自身の薄汚ェ雄の欲望で、
オレの愛した神聖な賭けのテーブルを、汚させるんじゃねェ……!!

ガンッ、ガガンッと拘束を揺らして、卓が動く。
あらん限りの力で足掻き、暴れるが、拘束は硬い。
テーブルの上で自分の出した役が、チップが、音を立てて崩れていく。

暴れるたびに別の生き物のように己の怒張が、
欲望を辺りにまき散らそうと震える。
イきたくない。イかせてくれ。楽になりたい。なりたくない。
賭け師のプライドを捨ててまで、オレがオレでなくなっても
生きていたいなんて思ってない。

「ウ"ウ"ウウ"ゥウウ"ルルル………」


一つ、二つと媚薬が追加され、もはや嚥下も難しいくらい自分を見失い。
動物のような唸りを上げていたが、完全に意識の外側から、
薬によって押し上げられた性感が、無理やり腰骨を裏から叩いていった。
その衝撃に、大きく体が仰け反ると、
まるでかつて勝負師だったころに上げた勝鬨の人差し指のように、
高く、高く己自身が持ち上がって、それに下卑た歓声が沸いた。

――限界は。
突然訪れた。
もはや耐える耐えないの話を超越して、
人間の身体が媚薬に耐えきれず、
張り詰めた糸が千切れるようにして、
仰け反って小刻みに震える躰から、まるで女人の潮吹きのように。

「―――――――ア」

長く。
永く。
高く、粘性の低い白濁が吹き上がり、
それを追い越す様に濃縮された濃い液体が。
中空を殴りつけるように広がった。快楽で、脳が、壊れる。

上に出せば、それは降ってくる。
思考を焼き切るほどの快楽の衝動が、躰の弛緩を許さない。
そこに降る最悪の雨が、躰を、テーブルを、トランプを。
――愛した賭け台の全てを、無様に、問答無用に濡らし、汚していく。

敗北感と。射精欲の充足。
己の矜持全てが、その一回の絶頂で、
バキバキに罅が入る音を聞いた。

やがて永遠に続くようなその頂きへの昇りつめも収まると、
己の出したもので無様に汚れた、横たわる男の虚ろな目だけがそこにあった。

「んぐ、ぅ……ふ、うぅ…っ」

ショットグラスの中身を体内に入れる度に敏感になっていくようで、口の中をかき回されるだけでゾクゾクとした快感が背筋をのぼり 指でこじ開けられた唇から漏れる声に吐息が混じる。
脚の間のそれも、天を仰ぎ先走りを床に滴らせている。

「なに、ぁ…あ、あぁっ…!?」

乳頭を挟むクリップの痛み―――否、痛みは感じなかった。少年を襲ったのは、強い強い快感だ。
薬によってより増幅された快楽が、少年を絶頂へ導く。

びく、と背を反らせて。ぱた、ぱたと床に白濁が飛び散った。
くたりと力の抜けそうになる体を、周りにいる男たちが腕を引いて支える。

それでも、まだ。体を焦がす熱は収まらなくて、ローターが取り付けられ 穴を広げるように玩具が挿入されるのを感じると、少年のそれはまた勃ち上がっていく。
まだ、準備段階であるというのに 空気が肌に触れるだけで感じてしまいそうで。
未熟な少年は、理性をギリギリのところで繋ぎとめることしかできない。

声を掛けられて。ふる…と体を震わせてそちらに顔を向ける。

「けん、しゅう…あ、あ…分かった…
 それが…お客、様の…要望、だったな…」

手が一度離れていけば、少しばかり余裕を取り戻そうと呼吸を整える。
いつもの衣装よりも露出が多く、落ち着かないが フェイスベールを身に着け、"踊り手"としての自分をほんの少しだけ取り戻す。
過敏な体は昂ぶりを訴えるが、今は役目を全うしなければと気を張って抑えつける。

ショーを無事に終えることが出来れば、それでいいのだから。


ここで失敗してしまえば『取引』を無駄にしてしまうかもしれない。

少年は、主催の言葉を聞いて素直に頷いた。
仲の良い人間も、特にいはしないのだけれど。


「…よろしく、お願いします」

カメラに映されることには、慣れている。
少しばかり、普段よりも風を敏感に感じてしまうくらいで。

音楽に合わせてしなやかに体を動かして、舞いを踊り始める。
指先までピンと伸ばした腕、床を軽く蹴ってはアクセサリーを揺らしている。

擦れる布に息は上がり、再び起き上がる股間のそれが主張しているのがよく見える。

いける。盛り上がりの声も、聞こえている。
このまま続ければ と、優雅な舞いを続けている。

続けようと、した。

「は、ぁあ…っ!?や、な、っ…!」

ガタン!

と大きな音がしたかと思えば、舞台の上で蹲る少年の姿が見えるだろう。

嬌声を上げ、逃がせない快楽を直に受けて欲をその場で吐き出す。

まだ、音楽は続いているのに。 立てない。

「ひっ、ぁあ…!!とめ…っ!」

縋るように床に爪を立てて、猫のように腰を高く上げている。
強すぎる快楽から逃れるための姿勢は、秘部を無意識のうちに慣習に晒すことにもなっている。

役目を果たさなければ、と思うのに。
このまま客の声がブーイングに変わってしまう事を恐れているのに、体にちっとも力が入らない。
気持ちとは裏腹に、体は玩具の刺激で絶頂へ駆け上り 二度、三度と吐き出したもので、自身の真下の床に白濁の粘ついた水溜まりを作っていく。

助けてくれ、の声も出せずに 仮面の下からぽたりと透明な水がこぼれた。

炎を見た。

唇を噛んで。

何かを伝えたそうにテンガンを見て、小さく首を横に振った。

バーナードを、見ている。

あのガキッ…と奥歯を強く噛んだ。

うるさい。うるさい。うるさい。

ごめんなさい。

苦しいけれど、本当は逃げ出してしまいたいけれど。

それは、今ではない。それだけの、話。

少年は痴態を晒しながら、もう一度だけ決意を固める。

バーナードを見て、頷いた。

「信じらんねえ…あの、ガキ…」

度重なる凌辱で憔悴した顔で、
壁にもたれかかりながら掠れた声で囁く。
悪魔のような奴らの嘲りを聞きながら。

「まだ……テメェは、ガキだろうがよ……」

『かつての自分』をそこに重ねながら、暗がりで呻いた。

大きくくしゃみをした。ずっと裸だから冷えたか?

お願いを聞き届けた。

少しだけ、複雑な気持ちを抱いた。

頭の中が白く、浮ついたような気分になっている。

少年は、未だ止まらない玩具の刺激に体がもたず
濡れた床に倒れ込んで、びく、と時折大きく跳ねるように体を震わせている。

意地で声だけは抑え込んでいるものの、絶頂に伴い吐き出される精はもう薄く量も少なくなっていた。

仮面越しに、近づいてくる声の方に目を向ける。

 




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