52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】
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| 【人】
男は学者だった。 物を作り、真理を知り、歴史を記す使命を持つ。 同時に多くの術式に通ずる優秀な魔道士でもあった。
「 お前一人の為に国は後退した。 繁栄の手段を自ら潰したのだ 」
(55) 2020/12/03(Thu) 0:13:52 |
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722年 土の月16日
『724年中にはこの戦争を終える』──── 主君の言葉の元、数を減らした帝国軍は 軍隊を複数に割いて暫しの休戦期間に入る。
とは言え、制圧圏よりそう離れていない砦では 変わらない厳戒態勢が敷かれていた。
ダンメルス家滅亡より数ヶ月を経て 残るアングレール、ロイス、ベストラの三家へ 侵攻を開始する。
最も社会的地位が低く、地理的にも北方に位置する アングレール家が真っ先に矢面に立つこととなった。
(58) 2020/12/03(Thu) 0:15:31 |
| ────と思われたが。 自領への帝国軍の侵入を確認するなり、 アングレール子爵側は兵を差し向けず白旗を上げた。 数度使者による伝達が行われた結果、 ブラバント帝国は城の明け渡しを要求。 それは二百年前に大部分を焼失した後、 再建されたかつてのシェーンシュタイン城だった。 交渉はその大広間で行われる事となる。 血濡れの婚儀となったその場所で。 (59) 2020/12/03(Thu) 0:15:50 |
ならまずは、洗いざらいお前さんの事を話してもらおうか。
ある程度能力を把握しておきたいし、
あとはまぁ、純粋に好奇心だな。
なんでケチな盗人なんざやってんだよ。
俺にとっ捕まらなくても、
何処で野垂れ死ぬか分かんねー様な生き方しやがって。
若人のくせに生き急ぎ過ぎじゃねーの?
[そっちも聞きたい事がありゃ聞いて良いぞー、と、
心の広い所なんぞを見せつけながら。
俺のブーツの爪先が、
アシュレイちゃんの頬を持ち上げる]
そうそう、あと。
……お前さんさぁ、女を抱いた事はあるのかよ?
[そんな、質問を*]
|
723年 風の月5日
第一回の出兵より三年。 獅子戦役最後の攻勢が始まる。
山岳に護られた高巣城を落とすのは至難の技。 ベストラ家は近道となる全ての橋を落とした上で、 魔道部隊が谷間を通る帝国軍を崖の上から迎え撃った。
降り注ぐ氷の礫は火を用いて相殺する訳にもいかず、 傷口に凍傷を作った兵がそのまま凍え死ぬ事もあった。
帝国は丸一年と数ヶ月をかけてこれを攻略。 舞台は城内戦へと移ることとなる。
この戦いでの死者は両陣営合わせて数万人に及ぶ。 魔法によって発生した洪水で行方知れずの者も少なくない。
(69) 2020/12/03(Thu) 12:56:47 |
| 【人】
持てる術を全て使い切った上での敗北。 総指揮官として捕えられ、引きずり出されたのは ベストラ公爵家、アイリー城主ユーダス。
「 私の妻子にも手を出したな。 これで満足か? 燎原の獅子よ。 」 (72) 2020/12/03(Thu) 12:58:56 |
| 【人】
既に妻子は西の大陸へ出る船に乗せられ、 ベストラ家は実質的な滅亡を目前としていた。 ユーダスは血の混じった唾を濡れた野草に吐き付ける。
「 大昔の話だ。私とて当事者ではない。 数百年の年月の内に事実がどう伝わったかも 定かではないだろう。 」 (74) 2020/12/03(Thu) 12:59:48 |
| 【人】
ユーダスは歯噛みする。 遠い祖先の行いなど彼の知る所ではない。 だが血統が背負う罪は長く残り続け、 善行によって洗い流される事は無いと理解していた。
「 ハ、これまでもそうしてお前が 犠牲にした者に報いて来たのか? 」 (76) 2020/12/03(Thu) 13:00:46 |
| 【人】
諜報と謀略に長けるベストラが 皇帝の身に降りかかった事柄を知らない筈がない。 相手が見据える物が“自分が去った後の未来”であると 全てを悟った上で囁いた。
「 ではお前自身はこれからどうする? その呪い、その力、とうの昔から知っているぞ。 ────長くはないのだろう? 」
(78) 2020/12/03(Thu) 13:01:48 |
| 【人】 僅かに滲んだ本音をユーダスは聞き逃さない。 王の出生に纏わる噂、内政へ潜り込ませた間者の情報、 そこから弾き出されるのは全身全霊での侮蔑。 「 報復の為に生まれ育て上げられた レオポルド卿には最早何もないと? そうか! ────ハハハハハハ! 」 (80) 2020/12/03(Thu) 13:03:20 |
| 【人】
724年 冷の月28日
長い長い戦争はブラバントの勝利で幕を閉じる。 七つの諸侯が根絶され、彼等の家族の生き残りは 実権を奪われるか遠くの大陸へと全員が流された。
彼等は冬に差し掛かる山脈を越え、 数週間をかけて帝都まで戻る支度を始める。 ぬかるんだ高原が戦疲れを助長する中、 重い足取りで北西方向へと凱旋するのだった。
城主を失ったアイリー城はもぬけの殻となり、 奇しくもシェーンシュタインの雨の再現となった。
(82) 2020/12/03(Thu) 13:04:30 |
[ 男の言葉に内心舌打ちをしつつも
この場を切り抜けるには致し方ない事。
押し付けられる靴先。
今すぐにでも男の首の骨を圧し折りたい。
そんな事を思いつつも、相手は魔術師だ。
下手に手を出したら
更なる災難に見舞わされるかもしれない。
今は堪えろ、堪えるんだと
胸の裡で何度も繰り返し唱え
溢れ出そうになる激情を押し留めていた]
[ 迫って来ていたオークたちは
男の魔術…なのだろうか。
突然現れた巨大な、何か生き物の口のような
深い暗闇の中に呑み込まれた。
地下室に再び静寂が訪れる。
醜い怪物たちが姿を消した事により
束の間の平穏、肩の力が抜けて
手術台の上に上半身を凭れさせた]
[ そうして身体を休めていれば
仕事の話が男の口から告げられて
顔を持ち上げては視線を向けよう]
魔王なら何でも簡単に
手に入ると思ったのだがな。
……以外にそうでもないのか。
それに取り返す、と言う事は
その悪魔にむざむざと奪われてしまったと?
[ 取り返すだけだと、簡単な話に見えて
色々引っ掛かる事があった。
少し皮肉気に問いを投げ返してみたが
彼はどんな反応をしただろう]
[ 説明された直後に伸びてきた蔦には
思わず昨夜の出来事を思い出し
上半身をびくっと震わせては硬直してしまう。
また何かされてしまうのかと身構えていれば
蔦は怪我した脚に絡みつき、
表面を舐めるように這っていく。
訝し気にその様子を眺めていれば
何度もそれは這っていくにつれて
脚の痛みが次第に薄れていくのを感じた。
( まさか……治癒魔法? )
胸の傷が消えたのが蔦のお陰と知らなかった俺は
思わず目を瞠り、唖然としてしまった。
尚、悪趣味な回復方法だと思った事は
胸の奥に仕舞っておく
]
願いをなんでも、な……。
[ 正直願いを叶えてやると言われても
相手は魔王。そう易々と信じられる筈もなく。
しかしながら例えとして出されたそれに
片眉がぴくりと反応した。
当然出来るなら男に戻して欲しいし
解放されて自由の身になりたいのが
己の心情というもの。
元に戻して貰った後で
奴の息の根を止めるのが一番だろうか。
そんな事を思っていれば、
首を引っ張られ無理矢理上を向かされる]
[ 何でもいう事を聞く。
先程自分自身口にした言葉。
一体どんな命令をしてくるのかと
身構えて睨みつけるような視線を向ければ
意外な内容を告げてくるのであった。
( 俺の事を知ってどうするというのだろう。
元々殺そうとしていた癖に。
奴隷の事を理解しようとする主など
普通はいない……何が狙いだ? )
どんな心変わりがあったのやら。
正直に答えてやる義理などなく。
とはいえ、下手に答えて
散々な目に遭わされるのもごめんだ]
[ 俯き、顎に手を当て思案を巡らす。
暫しの間が空いた後、口を開き]
元々貧しい生まれだからな。
人の物を奪う事でしか生きる事が出来なかった。
出来なければ死ぬだけだ。
他の生き方なんぞ知らん。
貴様みたいに家があって金もあって
力のある者には理解出来ようもない。
[ まるでお説教をするかのような言い方に
きっぱりと些か強い口調で答えた。
声色には少し苛立ちが
滲んでいるのが分かるだろう]
[ 聞きたい事があればの話には
お前に聞きたい事など何もない、と言おうとして
ハッとしてはそれを喉奥に押し留めてから]
……お前みたいに、
どうすれば"力"を持てるか、だな。
魔族じゃないとやはり難しいのか。
[ 魔王と呼ばれるからには魔族だと
こちらは何の疑いもなくそう思っている。
実際そうかそうではないかは知らないが
これから先の事を考えて、より強くなりたい。
そう思っての問い掛けであった。
尤も、素直に答えてくれるとは
全くもって思ってもいないのだが]
[ 無理矢理爪先で頬を持ち上げられ
片目を眇めて不機嫌な顔。
質問の内容に眉根が寄った。
馬鹿にしてるのかと思いつつ
此処は正直に答えよう]
あるに決まってるだろ。
[ ぶっきら棒な言い方で言葉を返す。
金で買う事もあれば、
仲間内(仲間だとは思ってもいないが)
の女を抱く事もあった。
とはいえ、すぐに飽きるし
恋人のような存在がいた事はなかった]*
[ 父親はアル中で殴る蹴るの暴力を振るう。
母親は男の尻を追い掛けて、
子供たちはほったらかし。
食事は僅かな残飯だけ。
そんな家庭に育った男には
異性と恋をして、子供を作り家庭を作る。
そんな考えなど生まれる筈もなく。
愛を知らない心は歪むばかりであった]*
[
長く伸びた赤みがかった黒髪に
均整の取れた細身の躰。
愛想も化粧っ気も無いが、
その分素の睫毛の長さやら
瞳の大きさがよく判る。
黙って笑ってりゃ
落ちねぇ男はいないだろうってなもんなのに
いやー、今にも素っ首掻っ切られそうな
すげぇ眼差しで見てくるんだもんなぁ。
ったく、こえーこえー。
たまんねぇなぁ、おい
]
言うねぇ。
ま、そういうワケだ。
元々俺様が造ったダンジョンで、
俺様が召喚したその迷宮の主だった筈なんだがなー。
[言いながら、片目を隠す前髪をかき上げた]
[瞼の奥。
眼球があるべき部分に広がるのは
光すら飲み込むような暗黒の虚空で。
痛くも痒くもねぇんだが、
当然こっちの方じゃなんも見えやしねぇ]
口達者なやつでさ。
ついうっかり盛り上がって、
あいつが言った
"ダンジョン全部を見渡す事ができると良いんですが"
って、呟きに
"おー?良いぞー?"
って返事しちまったんだよなぁ。
そしたらあの野郎、本性あらわしやがってよ。
水晶玉の一つでもくれてやるつもりだったんだが、
俺様の目玉そのものを持っていきやがった。
[お手製ダンジョン内を観察できる
特別な魔力回路を組み込んだ自分の眼。
アレが無けりゃ、こちとら商売上がったりだ]
つうか無謀な冒険者ちゃん達の
断末魔をじっくり間近で見たいからこそ
ダンジョンマスターやってる所もあるからなー。
あー……
すっげぇ辛いけどしょうがない。
目の前の奴隷ちゃんが苦しむ姿で
我慢するしか無いかー、という現状だな!
[最後はひっひっひと意地悪く。
蔦に絡まれ回復中のアシュレイちゃんに
残った片目でウインクを送るのだった]
[そんな訳で、色んな意味でデバフ中の今。
頼りになる相棒ちゃんを
絶賛生産中だったんだが────
まさか自分からやって来てくれるとはなぁ……
これも俺様の日頃の行いって奴か]
へぇ、貧しい生まれん中、
腕一本でのし上がって来たって訳か。
道理で歳に似合わず
修羅場慣れしてると思えば。
[ひゅぅ、と軽く口笛を吹き。
続く言葉にはぱたぱたと軽く片手を振った]
まー、確かに俺様には
家も金も力もあるけどさ。
その俺様の所有物な奴隷ちゃんも
この家を自分ちだと思ってくれて構わないし。
[オークとか徘徊してるし、
そこら辺中事故物件だが]
おちんぎんだって欲しけりゃあげようか?
[使える所に行けるかは別として]
そんで"力"を手に入れるにゃ、
やっぱ経験とマジックアイテムっしょ。
だからこそ魔術師は開発に心血を注ぐし、
冒険者の皆様方は、奪い取ろうと躍起になるし。
ちな、俺様も人間だぜぇ?
うっかり悪魔に騙されて、
眼玉を取られちまうレベルには善良な。
[俺様が魔族だと思ってたのか、と
カラカラと破顔して。
まぁ、モンスターを使役してっからなぁ。
要はちょいと才能のある召喚師なんだが
魔術系統に詳しくなけりゃ
魔族と思っても仕方がないだろう。
いやしかしこいつ、素直なやつだな……]
だから俺様の言う事を聞いて
がんばって経験を積みゃあ
お前さんだってこの程度にゃなれるってこった。
[首輪から伸びる魔力の鎖を、
チャリチャリと指先で揺らし遊びながら。
少しばかりセクハラな質問を
アシュレイちゃんに一つ。
……いやだってだな。
すげぇ真面目な顔で会話してっけど、
格好、すごいからな!?
服というよりもはやボロ布ってな有り様だし、
そのせいもあって、動くたんびに
手の平で握れるくらいのたわわな何かが
ふるふるしてやがるしさぁ。
これが元男の無防備さってやつか……
アシュレイちゃん、恐るべし……]
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