【人】 X『教皇』 カルクドラ[ アリスの誕生日パーティーは恙無く終了した。 有志による祝いの合唱は、アリスの歓喜を受け オルガンの演奏も間違えること無く無事終了。 ほっと胸を撫で下ろした。 多くの者から祝福を受けたアリスの嬉しそうな表情は あまりにも純粋で眩しく、心から喜んで貰えたのだろうと 思えた。 来年には更に成長した姿を見られるのだろうと、 まるで親のような思いを抱きつつも 次の瞬間には、明日から平穏な日々に戻り 寂しくもある、など考えている間に 末っ子の楽しい記念日は終了した。*] (177) 2022/12/14(Wed) 20:39:55 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 『世界』の帰還 ── [ パーティ―の翌日。 日課である神への祈りを捧げてから 余韻が残ったまま中央へと向かう。 通り掛かる人達に挨拶を交わし 昨日の話に花を咲かせていた。 平穏な日常が始まる──はずだった。 ヴェルトの帰還は、まさに青天の霹靂。 信じられない思いと、待ちに待った時がついに訪れた 喜びと感動が交互に沸き起こる。 数年前にはどこかで死んだ扱いになっていたものの>>2 信じることも出来ず、いつの日か戻ってくると信じていた。 七年も経てば変わって見えただろうか。 少なくとも当時少年だった男からすれば 憧れの恩人は当時の記憶のままに見えた>>4。 今すぐ会いたい。話したい。 この期間、ヴェルトさんは何をしていたの? 僕は大人になったんだ。 ヴェルトさんの知っている生意気な子じゃなくなったよ。 話したいことが山ほどあるんだ。 立派になったと褒めてもらえるだろうか。 淡い期待と希望を抱え、駆け付けようとしたものの、 生憎すぐに彼は姿を消してしまった。] (178) 2022/12/14(Wed) 20:41:22 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ やがて洋館の玄関ホールに召集が掛かり 証持ち達が一堂に会することになった。 改めてヴェルトの姿を見るが、遠くから見た時とは何か── いや、先程からそうだったのかもしれない。 恩人への盲目で気付けなかっただけで、 七年も経てば大人になるのは当然だ、と 自らに言い聞かせていると、恩人が口を開いた。>>5 同時に。 魂が鈍器で殴りつけられたような 脳に直接染み込むような 通常の理解と違う感情が入り込む。 (179) 2022/12/14(Wed) 20:42:17 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 同時に、瞬時に悟ってしまう。 恩人の姿をした『箱庭の神』が降臨したことを>>6>>7 毎日祈りを捧げていた神。 神が降臨したとあらば、畏れ多く平伏し 感涙し言葉を失うものだと信じていた。 しかし、いざ神を眼前にしてみると そのような感情は欠片も湧かずにいた。 ヴェルトの外見だからなのか。 あまりにも急すぎて脳の処理が追いつかないのか。 しかし神について思案する時間も無く 、 神の本心から嬉しそうな様子も>>8 全て真実であると理解出来てしまう。 心臓近くの ]黄金の波紋 が、熱を帯びた気がした。 (181) 2022/12/14(Wed) 20:43:37 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 唐突な神による二択の提言が出ると>>9>>10 言葉を失ってしまう。 この世界はあまりにも不平等で不幸>>0:616 証持ちが誕生するだけで 自分自身も周囲も不幸になる現実>>34 なら、一度この世界を壊す提言も、納得出来なくはない。 同時に、自分達の選択で世界を滅亡させることは あまりにも重過ぎる。 男のことを思い、泥を被った両親も。 様々な土地で今を生きる、何の罪も無い普通の人間も。 人間だけではない、動物達まで 自分達以外全ての命が、大地が、刈り取られて行く。 破壊されたものは何であれ 簡単に戻すことは出来ない。 戻すことが出来たとしても 同じものをもう一度 完全に作り直すことは出来ない。] (182) 2022/12/14(Wed) 20:44:31 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ (183) 2022/12/14(Wed) 20:44:46 |
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。 (a27) 2022/12/14(Wed) 20:51:35 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 回想:ゼロという名の ── [『悪魔』が洋館に来たのは五年前。 男が洋館に来て二年後のこと。 『恋人』─クリスタベルと同時に来たのだから 当時のことはよく覚えている。 クリスタベルと上手く会話出来なかったことを 引き摺っていた頃、同時に来た彼ならば 何か知っているだろうかと聞こうとした矢先、 先に彼が呟いた。] 僕の名はカルクドラ。名前で呼んでくれていいよ。 [ 洋館に来て早二年、たったの二年。 『教皇』と呼ばれる>>0:514ことは 未だ違和感が拭えずにいた。 勿論、呼び方の強制まではしないが。 少しの間続いた沈黙に首を傾げていると>>0:515] (256) 2022/12/15(Thu) 0:18:44 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ…………は? [ 彼の言葉の、笑顔の意味が理解出来なかった。 少なくとも自ら選んでいる気は無い上に 何か嫌味な雰囲気を感じ、言い返そうと思った時] 八つ当たり? 何の? ……よく分からないけど、うん。 [ この場では相手のペースに乗せられたままで 終わったのだが、実際彼は再び祈祷室に訪れた。 特に追い返す理由も無いので、普通に茶をして 与太話をして、時には荷物持ちが欲しいから、と 買い出しにつき合わせたりもした。 最後は、彼がすんなり納得したかは不明。 ちなみにお駄賃は幾らか渡していた。 男もまた、彼に嫌悪感は特に感じなかった。 噂に聞く行動や評判に、過去の自分自身を 思い出すこともあり、何か近いものを 感じたのかもしれない。] (257) 2022/12/15(Thu) 0:19:52 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ だからこそ、目に見えて祈祷室に立ち寄らなくなると 偶然洋館内で見つけた時には、チャンスとばかりに 肩を掴んで引き留めて] 最近来ないけど忙しいの? そろそろ来ないと用意しておいた君の好物が腐るよ? [ と、冗談を含ませた笑みを浮かべ問うたこともあった。 彼が来ない理由を聞き出せても聞き出せなくとも 「そろそろ僕が寂しくて寂しくて仕方がないのでは? 久々においで」と、冗談交じりに誘っていたことだろう。*] (258) 2022/12/15(Thu) 0:20:33 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 『悪魔』という名の ── [ 経典によると『教皇』は『悪魔』のことを 快く思っていなかったとされている。 『愚者』を殺し>>0:156 『吊るされた男』と対立した者。 時に言い争っている様子が記されてもいた。 . . . . しかし経典後半部分(箱庭混沌時)の記録によれば 彼らが共に行動する姿が、幾度と見られたとか>>0:515。 理由までは、未だ解明されておらず。**] (259) 2022/12/15(Thu) 0:20:49 |
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。 (a40) 2022/12/15(Thu) 0:27:13 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ──回想:南の香り── [ アリアは五年前に洋館に来た。 思えばこの五年前は四人も新顔が増えていた。 クリスタベルとゼロにはろくに出来なかった分 アリアとヒナギクには、初めての後輩ということもあり 余計張り切って先輩面をしていただろう。] 僕も最初来た時は戸惑ったよ。 西地域には、留学で来たことがあったけど 人も物も建物も多過ぎて、田舎の南出身者には 目が回りっぱなしだったよ。 うん、賑やかでいろいろな人がいて退屈が無くて。 ……僕もそう思う。 [ 彼女が初めて訪れた際>>0:633入れた紅茶は 甘味とまろやかさに特化したバナナ味のミルクティー。 これが南地域の名産品のあることには気付いただろうか。 同郷であることが判明したならば、 故郷の話で盛り上がったかもしれない。] (360) 2022/12/15(Thu) 19:08:25 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 彼女自身は祈祷室にあまり訪れる方では無かったが 男の方も、ハーブや香草を貰う為 彼女の元を訪れることが多々あった。 眠れず悩んで来る子がいたり 急に体調不良者が発生した時の為 祈祷室にも薬は常備してあるが、 それらは大半、彼女に調合してもらったものだ。 より良い睡眠、リラックス、メンタル改善効果もある スペシャルブレンドの数々は、彼女に監修も受けていた。 売店で売り出せば小遣い稼ぎになるかもしれない、と 笑って話していたこともあっただろうか。*] (361) 2022/12/15(Thu) 19:08:55 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 人を好きになるのに理由は要らない、とは 使い古された良い人の言葉であるが なら、人を嫌いになるのに 理由は要るのだろうか? 何をした訳でも無い。された訳でも無い。 それでも、苛立ちを覚えてしまうのは 何の理由があるのだろうか。 相手の何が悪い訳でもないけれど、どこか苦手。 生理的に苦手。 そのような人が居ることは、珍しくないだろう。 ただ、表に出さないだけで。 少なくとも、今の僕は 君のことが“苦手”なのだと思う。 前世からの因果、なんて陳腐な理由を盾にして。 過去の行いを、認めたくなくて。 過去の『教皇』の行いに『僕』は関係ない。] ──なら、何故僕は今でも 君を避けようとしている?] (362) 2022/12/15(Thu) 19:12:54 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 回想:君の僕の思い出の場所 ── [ 男が館に来た時、既に『死神』が居たことを知った。 『死神』の証持ちは誕生し難いはずだが 最初に感じた正直な感想は 「何故いる?」 だった。彼が男に会わないように注意したのと同じく 男も彼に会わないようにした。>>86 全員が集まる会合等では、なるべく離れた席に座り 目を合わせることもせずにいた。 まるで子供のような意地の張り合いを続けていた。 それは、七年経った今でも変わらぬまま。] (363) 2022/12/15(Thu) 19:21:30 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 当時のことを謝り、赦してもらえるのだろうか、 自分が彼にしたことを思えば 僕が彼の立場ならば、きっと赦さないだろう。 今の自分には関係ないから、少しずつ修復していきたい。 箱庭の『教皇』は僕ではない。 修復も何も、一からやり直せば良いのではないか。 だが、どの顔で彼に向き合える? それ以前に、彼を前にすると 魂がざわつき、否応無しに苦しくなるんだ。 その苦しさは、何の苦しさなのだろうな? ] (364) 2022/12/15(Thu) 19:22:18 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 倉庫──綺麗に改装されたばかりの祈祷室で 男は部屋の整理をしていた。 全体が水色ベースで空、もしくは海を思わせる雰囲気。 その時洋館に訪れていた女性── シャルレーヌだったかチェレスタだったか。 彼女に貰ったシオンの花を飾ろうとした頃、扉が開いた。 不在時以外は基本施錠していないので、 扉が急に開くことは珍しくない。 しかし、来客の姿が予想外過ぎて 花を思わずテーブルの上に落としてしまう。>>89。] …………。 [ 小さく狭い空間で 舞い落ちる花びらのみが揺れ動いていた。] (365) 2022/12/15(Thu) 19:22:45 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 声は出なかった。 何故君がいるんだ。 何の用? 肯定的な反応を必死に探しても出てこない。 存在しない訳では無い。 きっと、胸の奥の見えない奥深くに隠れてしまっている。 時間をかけて探し出せば見つかるはず。 なのに、なかなか出て来ない。] …………。 (366) 2022/12/15(Thu) 19:23:20 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ たった一言を探し出し、発するまでに 数時間掛かったかと思うほどに、数秒の経過を長く感じた。 怒りの表情、声色は無く共に硬いまま。 他の人達に当たり前に見せている 普段の柔らな表情や声は窺えなかっただろう。 彼はその後どうしただろうか。 男からは「出て行け」と言った類の言葉は出なかったが 碌に目を合わせることは無かった──出来なかっただろう。*] (368) 2022/12/15(Thu) 19:24:38 |
(a58) 2022/12/15(Thu) 20:05:54 |
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