162 【身内】奇矯の森【R18G】
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| クローディオは、ただ頷いた。誰に、というわけでもなく。ただ一人で。 (a0) 2022/07/26(Tue) 1:14:43 |
どんなに悲しくても、足を止めてしまいたくても、畑は作物は時を止めて待ってはくれないから。
朝から起きて、手を動かす。
水をたっぷりやって、夏の旺盛な雑草を抜いて、そろそろ豆類は取り入れ時かな。
秋冬野菜のための場所も耕して、畝を作っておかなきゃ。
クロほど鍛えられてない身で一人でやるには結構な重労働なのだけど、その疲労で思考を誤魔化すように熱中している。
皆と、次の季節を生きるための作業に、没頭している。
また、断たれた命に。絶たれようとしている命に。気づいていない。
〔
▙ ▜▓▗
_ クロ……くろ…………いる?
どうしよう…………どうしよどうしよう…………っ〕
日記の記述を読み、到底理解したくないその内容は全て漏らしてしまったのだろう。呼び掛けた者以外にも、きっと近くにいてくれた子達に。
悲痛と動揺と共に。
| >>+1 ユングフラウ 声が聞こえた。 それで、一旦、何もかもの動きが止まった。 すぐに立ち直って、声の主の元へ。文字通り、飛んでいく。 何?何があった?なにを、 ………何を、 君の姿が見えて、モノオキが見えて、それで手に持った一冊の何かを見て。 「……………ご主人の?」 死んでからも全く変わらない素っ気ない口調で。 日記を指差して聞いた。 (24) 2022/07/27(Wed) 1:26:35 |
クロ
声が聞こえて、それでやっと、呼吸をすることを思い出した。
無意識に息を詰めていたらしい。それでも喋れるから、うっかり。
〔▙ ▜▓▗
_ この文字……多分〕
推測に留めたくても、確信しない理由がなくて。
貴方がページを読めるように、少し場所を開ける。
声ばかりで姿は見えていないから、ちょっと頓珍漢な動きになったかもしれないけど。
| >>+2 ユングフラウ そういえば見えてはいないんだ、と気付いたのは指を差した後。 指を下ろして、ページを覗き込むように身体を寄せる。とはいえ実体なんてないから無理矢理めり込んででも読めるものは読めるのだが。 そうして、読んだものは。明らかに主人の字で。そして。 「……それ、でか?それで、ご主人を殺して……」 自分が何故殺されたのかと、フィラメントが殺された理由までは分からないが。きっかけと大元の理由がこれなら。 「どうにしろみんな連れていかれることになる。 これ、どうにかしないと」 (27) 2022/07/27(Wed) 2:04:47 |
クロ
〔▙ ▜▓▗
_ やっぱ、クロから見ても、間違い無い……?〕
自分の見間違いという一縷の線は木っ端微塵に砕かれたけど、そこでうじうじしてる時間を貴方達二人は与えてくれないのだろう。
どうにかすることを、既に話し合い始めていて。
〔⿻▫__ クロとモノ、実は行動力最強コンビなのかも……?〕
余計な考えを挟むことくらいは許して欲しい。
| >>29 モノオキ 「………もっとたくさん話せばよかった。通訳をユングに任せて」 そう、喋れなくてもユングフラウなら会話できる、というのがまるっきり頭になかったのだ。 だから死んで姿も見えなくなったクローディオが、通訳を挟んでまず最初に君に投げた言葉がこれだった。 「一気にたくさん石にできる?そうでないなら、一本道に誘い込む、1人ずつにならざるを得なくするしかない」 例えば狭い廊下とか、柵で挟まれた一本道でも作るとか。 ……人を殺していい理由なんてあるのか? 答えは、ない。そんなものはない。 でも、みすみすみんなが蹂躙されるくらいなら、クローディオは何も言わずに排除を手伝う。 害獣を追い払うのは俺の仕事だったから。 (31) 2022/07/27(Wed) 2:41:57 |
| クローディオは、石にする、の詳しいことは何も分からないが、大事なのはそこではないから、流した。 (a8) 2022/07/27(Wed) 2:42:51 |
| >>+3 ユングフラウ 「俺よりユングの方がご主人の字見てると思うけど。 見間違える奴いないでしょ、この屋敷で」 もしかして、なんて希望も木っ端微塵に打ち砕いていく。 そして、……少しだけ口をもごつかせて。 「俺が埋まってる近くに、いるよ」 今探している人。……向かえば、どんな場面かなんて、言わなかったけど。 だって、そこまで言うのは、フェアじゃないから。……あっちも、必死だと知ったから。 (32) 2022/07/27(Wed) 2:46:22 |
| >>34 モノオキ 「ずるいとは思わない。……俺はあんまり言葉教えなかったけど、それでも?」 バケツの頭が頷いたり横に振られたりするのがちゃんと分かるから、クローディオは大体ハイかイイエで答えられる会話ばっかりしていただろう。多分。 もし君をずるいって言うなら、クローディオだって十分ずるい。 「じゃあ1人ずつだ。……数を減らせるなら減らした方がいいな、……ご主人の死体を、屋敷に続く道にでも置いておく、とか。そうすれば、少なくとも相手側は『体質持ちの化け物たちに計画がバレた』って思ってくれるはず」 あれはもう生者でも死者でもない、ただの肉体。 そう思っているから、ユングフラウに通訳してもらうにはだいぶ衝撃的な案をさらっと述べたり。 「石になったらもう動けないからな。でも怖くない、別に。 ……生きてるときだって、笑顔かは分からなかっただろ?」 素っ気ない物言いは治らない。 そんな話をしながら、立ち上る光を見た。 あぁ、もうじきなのかな。 (38) 2022/07/27(Wed) 22:17:55 |
クロ
〔▙ ▜▓▗
_ 君たち……いや、ううん、とても頼もしいなぁ……〕
容赦のない作戦が立案されていくのを、一言一句伝えながら、ちょっと引いてる。
とはいえ、制止したりすることはない。だって、外の“敵”よりみんなの方が大事。
〔⿻▫__ モノが言葉を覚えたら、直接こんな風にお話して欲しかったなぁ…〕
そんな思考を溢した時、モノの声に……空を見上げるのだろう。
| クローディオは、モノオキとユングフラウと共に。死者にしか見えぬ身体を滑らせてついていく。 (a17) 2022/07/28(Thu) 0:40:21 |
| 見ている。その場に来た全ての顔を、その場の光景の全てを。 いなくなった姿も、実体などない視界に収めて。
ただ少し離れた場所で動きを止めている。 この場では、もう誰も見ることができないであろう姿だから。
悔いのないように、見ておこうと思った。
ーーー誰か1人の味方とかできないよ。 全員同じように好きだから。 (47) 2022/07/28(Thu) 2:27:37 |
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