人狼物語 三日月国


111 【身内村】あの日の、向こう側【R18】

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視点:


[犠牲者リスト]
とある書物

二日目

本日の生存者:木峰 海斗、天海谷 睦月、木峰 夏生以上3名


[ 屹立を口に含めば、焼けるような熱で口内が満たされる。
一層濃くなる男の臭いが粘膜越しに脳を揺さぶって、
触れられてもいない自分のものもがっつり
勃ち上がっているのが海斗にも分かってしまうだろうか。

噛み殺す声は甘く、鼻にかかる吐息混じりで
俺をどんどんと昂らせる。

たくしあげていたシャツを取り去って、
ぽいとベッドの外へ放り投げた。
下は上手く脱がせられたか、ベッドの上で
肌を露にする海斗にはいくつも赤い花が咲いていて、
未だ衣類を着たままの自分との対比に
ぞくぞくと欲望が鎌首をもたげて。 ]
 



  ─── ダメ。
  そうだな、やっぱ前言撤回。


[ 自分で言っておきながら、愛撫を止めて顔を上げた。
腕の中の蕩ける身体、染まる頬、
赤くとろんとした瞳を改めてじっと見れば、
自ずと答えはあっさり導かれて。 ]


  悩んでんだぜ、これでもよ。
  このままでいーのか、いーわけねぇよな、って。
 
 


[ 自分の腑の底に、じとりと燻る黒い焔を自覚する。
屹立の先端、鈴口をぐり、と親指で刺激しながら
ぎらぎら嫉妬心と執着心を瞳に纏わせて、
嗤うしかなかった。 ]


  でも、やっぱ無理かも。
  お前が誰かに抱かれてこんな顔してるの想像したら、


[ 一度言葉を切れば、狂気が抑えられなかった。 ]
 


[ 愉しげに、嫌悪感を吐き捨てて、再び口に含む。

海斗の腿で挟まれるのが堪らなく気持ちいい。
気道を全部塞ぐみたいに喉奥まで押し込んでしまっても、
生理的な嘔吐感に粘着く唾液で溺れて
窒息しそうになっても、苦しげに眉根を寄せるだけで
背を粟立たせ耐える。

繋がったままの手が力を増した。 ]
 


[ どくりと脈打つ熱が一層質量を増して、口内で爆ぜた。
甘い、切羽詰まった切なさと、くぐもった喘ぎ声が
鼓膜から脳を溶かす。
奉仕しているだけなのに、海斗の白濁と自分の唾液と
互いの熱が混ざってぐちゃぐちゃで、
あまりの興奮に達してしまいそうだった。 ]


  ─── ッ、 ぅ……ん゛ぅ


[ 呼吸するために、必死で嚥下した。
身体を震わせながら、粘着く液体を全て胃へ
送り込んだら、数回咳き込みながら息を整えて
ゆっくり口を離す。
確かに出したくせに硬さを失わないそれに、
目尻に浮かぶ涙を隠しもせず笑った。 ]
 



  ……っは、なんだよ、足りないか。


[ 惚けたように天井を見上げる海斗に、
若いっていいわね、なんて揶揄えば、
また行儀の悪い足が、俺の熱に触れる。 ]


  ─── っ、 やめて、暴発する。


[ くすくす笑いながら体を引けば、生意気に。
唇を指で指して、煽ってくるのだから。 ]


  ……わぁお、やらしー。
  してくれんの。


[ 冷静なふりをしてはいるが、心臓はどくどくと煩い。 ]
 



  どっちでも、海斗のしたいようにしてよ。
  ……久しぶりだから、早く抱きてぇのもあるけど。


[ 余裕を見せて、指をそっと海斗の後孔に触れて。
くい、と刺激を与えながら、答えを待ってみようかな。
海斗が俺のこと攻めたいってんなら、
もちろんやぶさかじゃないけどね。 ]**
 

[ ぱさり、とシャツを脱がされ放られ、
  するり、とスウェットも下着も、抜き取られる。

  日焼けしていない
い肌を露わにして、
  日焼けをした小麦色の腕を伸ばして、

  指を絡めて、髪に触れて。

  もっと深く触れ合いたいと、想いながら、
  まだ、理性が残る今は、口には出せない。

  零れるのは、小生意気に煽る言葉ばかりで。

  それでも、兄貴は笑ってくれるから、
  それでも、
してくれるから、
  俺は、また一歩、深く
っていく。]

[ あっさりと、撤回される言葉と、
  ねっとりと、吐き捨てられる嫌悪感。

  俺が、兄貴以外に抱かれるなんて、
  想像もできないけれど。
 
  それに、酷く嫉妬する。
  その狂気に、痺れる程の快感を覚える。

 悩んでいると、いう。       
 これでいいのかと――       

  同じようなことを悩んでいるのは、
  兄弟なのだから、当たり前だけれど、
  同じように、それは無理だと思っている。

  そう聞けば、どくり、とまた心臓が鼓動を打つ。
  嬉しくて、幸せで――
しくて、]
 
 
   …… だよな?


[ 深く咥えられて、脈打つものを
  また、一回り大きくすれば、にやりと嗤う。

  ―――― なら、と唇だけで、言葉を落とせば、
]

[ 悪魔の囁き。
  そうとも取れるような、
  脳髄まで侵して、犯して、正常な判断なんて、
  もうできないようにしてしまいたい。

  そんな俺の狂気を孕んだ甘い声は、
  とろんと蕩けて、掠れて、小さかったけれど、
  きっと、兄貴の耳には届いている。そうだろ?]

[ 一度、達した後も、
  それだけでは、まだ足りないと、
  すぐに固さを取り戻す様を揶揄われても、
  ふふ、と愉しそうに、喉奥を震わせて、悪戯して。

  くすくす、と冗談なのか、
  本気なのか、分からないような顔で、笑って
  身体を離して、いつもの調子で声をかけてくる。
  その余裕そうな兄貴面を早く崩したくて、堪らない。]

[
  なぁ、冷静なふりなんて、すんなよ。
  もっと、俺に夢中になれよ。
  もっと、欲しがれよ。


  狂暴さすら滲む欲求を満たすために、
  俺は、また嗤う。]
 
 
   っ、ん、――じゃあ、来いよ


[ 後孔に、微かに感じるむず痒いような刺激に
  小さく息を詰めながら。

  わざと、指を飲み込むように、
  腰を揺らして、そこを、ひくつかせた。

  風呂場でローションまで使って、
  念入りに解した場所は、
  指を埋めれば、容易く飲み込むだろう。
 
  自分で、入り口を捏ねて、肉壁を掻いて、
  それでも届かなかった奥を刺激して欲しいと、
  あの時、いない兄貴を呼んだ自分の声を思い出して
  羞恥芯に、目元や、頬を染めながら、]

 
 
   ―― 夏生、はやく、

 
[ 入れろと、求める。 ]      

[ 淫乱だ、なんだと、
  いつかのように、揶揄われても構いやしない。

  そう思う反面、それでも恥ずかしさはまだあって、
  言った言葉の恥ずかしさを誤魔化すように。

  俺に選択肢なんて、与えている余裕なんて無い程
  もっと夢中になれよ、というように、
  逃げた腰を負って、足を延ばせば、
  待ち望んで仕方がない兄貴のものを、
  足先で、撫で上げて、器用に指で先端を刺激すれば、
  さて、
やさしい
お兄ちゃんの顔を保っていられたか**]


[ 脳髄まで侵す悪魔の囁きは、小鳥の羽ばたきのように
小さな声だったけれど、
一語一語漏らさずに着実に鼓膜を擽り、
小指の爪ほどは残っていたはずの理性や常識が
犯されていく。

甘い、極上の、
毒。


一滴残さず飲み干して、食らい尽くしてやれば
毒がまわってぶっ飛んで気が狂ってくれやしないか。

そうすればいつか、
お前のことだけを考えていられる日が、─── ]
 


[ ふ、とこれ以上ないほど幸せな笑みを口元に寄せた。 ]


  ……最高。


[ 天使の誘いいざないに、
返す言葉は悪魔の蠱惑。

余裕なんて、初めから。
冷静?馬鹿言うなよ、
お前につけられた赤を目にした時から。

気づかないフリしていただけで、
嗚呼認めてしまう。

頭のネジがぶっ飛んで、
ずっと嫉妬で焼き切れそうだった
どす黒く醜い自分を。
]
 


[ 来いよ、と声が聞こえて、ふつりと
理性の糸が切れた。
後孔に添えた指がほとんど抵抗無く
飲み込まれていく様もそれに拍車をかける。

幾度となく体を重ね、あのホテルの一夜からは
随分柔らかくなったそこでも、所詮は排泄孔。
普段からこんなに柔らかくは、ない。
準備、してなきゃね。


ほとんど引きちぎるような手つきで衣類を脱ぎ捨てた。
両親と暮らす自宅で、弟の部屋で、
いい歳の男二人、まだ早い時間から裸体を晒して、

その卑猥さに震えるほどの興奮に襲われた。 ]
 


[ 慎重ではあるけれど多少荒っぽい手つきで、
ぐぐと指を一本、ねじ込んだ。
ぐじゅ、と粘性の音がする。
指に纏いつくのは、男なら自然に湧き上がるはずのない
潤滑液の滑らかさ。
意地悪な笑みが止まらない。 ]


  ─── 準備してたの?
  ひとりで。


[ 耳元に唇を寄せて、囁いて。
ああ、前は、口の中で出されたものを飲み込んだら
歯磨きしないとキスはしないとか言われたんだっけな。
今はそんなこと、構っている余裕はないけど。 ]
 


[ 雄臭さの残る口内で、耳を食む。
舌を耳の穴に突っ込んでわざとじゅるりと音を立てて
耳殻の軟骨や皮膚をねろりと舐めて。 ]


  風呂場で?
  ローション埋めて?
  誰のこと考えてこんなとこ解してたんだよ、
  俺のかわいい淫乱な弟くんは。


[指を一本増やして、ぐちゃりと音を聞かせるように
出し入れを繰り返した。
腹側の痼を見つけるのも、もう場所を指が覚えてるから
簡単で。
そこを執拗に指で刺激すれば、
詰めた息は声に変わったかな。

耳に這わせていた唇を下げて、胸の突起を食んで、
軽く歯を立てて、
空いた手は海斗屹立の根元をぎゅ、と握って追い立てた。]
 


[ 一方的に攻めさせてはもらえないのか、
足癖の悪い天使は、俺の熱を的確に捉える。
先端を抉られれば噛み締めた唇から声が漏れた。]


  ─── ッ、 ぅ……


[ 眉間にきつく皺を寄せて、快感に押し寄せる
吐精感をどうにか宥める。
ふー、と大きな息を吐いて、後孔に沈めていた指を
引き抜いた。
同時に手早く避妊具に手を伸ばして、
袋に歯を立てて開封し着けようか。 ]
 


  
はやく


[ 急き強請る声に、言われずともと滾る熱を
ひたりと押し当てた。
それだけで先端が飲み込まれ、どく、と脈打つ。]


  ……、欲しいって、言えよ。


[ ぬるぬると暖かい粘膜に包まれて、
快感に背を毳立たせながら、
それでも奥歯を噛み締めてゆっくり、ゆっくりと
腰を進めていく。

一気に奥まで穿ってしまいたい。
そんな欲望を全力で抑えるためには、
かっこいい兄貴の顔は出来なかっただろうな。
だけど焦ったい、と叱られても、
額に浮かぶ汗に顔を顰めながら、
はじめての体を開くようにゆっくり、挿れていこう。 ]
 



  どうして欲しいか、言えよ。

  ……、─── 無防備に、キスマークなんか
  つけられてんじゃねぇぞクソが。



[ とうとう吐き出してしまった感情に、
ギラリと狂気を光らせて嗤う。
にいちゃん、とあどけなく笑う海斗が
閉じた瞼の裏に浮かんで。

軽蔑されるかもな、独占欲丸出しの
かっこ悪い兄貴の姿は。

けれどもう、止められなくて。 ]
 



[ と、

さっきの狂気を一瞬で翻し、
迷子の幼児に似た声色を、耳に再び寄せた唇が

微かにかすかに、紡いだ。 ]*
 

[ 荒々しく自身の衣服を脱ぐ衣擦れの音に、
  また、どくりと興奮を覚えてしまうのは、
  その勢いのまま、求めているものを
  与えられると期待してしまうせいだ。

  既に柔くなった肉壁に、
  太い指が遠慮なくねじり込まれて、
  だけど、そこは拒むことなく、女のそれのように
  ぐちゅり、と淫猥な音を立てて受け入れて。]
 
  
  ん、ッ、……ぁ


[ 思わず漏れる、嬌声に近い呻き声。
  準備をしていたのかと、問われれば、
  羞恥に瞳を揺らして、すい、と視線を流せば、
  むわ、と雄の匂いが近づいてきて。
  顔を逸らすと、耳元に楽し気な声が落ちてくる。]

 

  
―― ッ、
そう、だよ……悪い、かよ
  

[ 耳を擽る唇が、優しく食む感触に、
  びく、と肩を震わせながら、
  甘さの残る悪態を零せば、手の甲を唇に押し当てて
  漏れそうになる声を押し殺す。

  だが、なお柔らかくぬめったものが、耳を犯す。
  猥雑な水音が、直接頭に響いて、
  脳すら犯されているように錯覚を起こし、
  逃れるように、頭を仰け反らせるけれど、
  下肢に走る刺激に、意識をもっていかれて、
  逃れることなんて、できなかった。]

 
 
   はぅ、……ッ、ん、
   そ、んなの……お前に、
――ッ、!



[ 耳を犯されながら、
  後孔も執拗に責められれば、
  堪らず、抑えきれない声が溢れ出す。

  増えた指すら、嬉しそうに飲み込んで、
  奥のしこりを、弄ばれれば、
  色に染まった声は、部屋に響いた。]

[ 扉一枚。窓一枚。

  たったそれだけで、ここは周囲から隔絶されてる。
  そう思えるほどに、この部屋の中が異常で、
  いやらしくて、幸せで、愛しくて。

  冷たい空調の風と、二人分の熱気。
  生ぬるい空気で満ちた、ここだけは、
  今だけは、許されていい、場所な気がして。

  色々な感情が入り乱れて、
  それでも、結局のところ求めるものは一つだけだ。

  ―― 夏生が、欲しい。
    欲しいのは、この熱だけ、


  俺の身体のことは、良く知っているとばかりに、
  イイところを責められて、快感に耐えるように、
  身体を強張らせては、力を抜いて。

  やられてばかりでは、と足で責めれば、
  兄貴の綺麗な眉に皺が寄って、
  耐えるような声に、自然と笑みを浮かべて、
  はやく、と求めた。]

 
 
   ぁ、ッ――…


[ ぐちゅ、と、
  いやらしい音を立てて、先端が埋めれて、
  歓喜に震える身体から、思わず悦びの声が漏れる。

  だけど、すぐには責め立ててくれない。
  焦れるくらい、ゆっくりと腰を動かして。

  強請ってくるんだ。コイツは。
  激情のまま、穿って、抉って、
  快感を貪りたいだろうに、それを耐えながら]

[ どす黒く灯される
嫉妬の炎
に炙られる。

  血の繋がった兄に向ける感情ではない。
  そう分かっているのに、その炎に炙り焦がれ
 
一塊の炭
になってしまっても良いさえ思う。

  嫉妬させてしまったことに、罪悪感もあれど、
  その感情は、酷く心地良くて、
  俺の顔をより一層、甘く蕩けさせる。]
 
 
   ん、……ばか、
   そういうのは、さっさと―― 言え、よ
   

[ 悪かったって。ともう一度、苦笑交じりに
  謝罪を口にした。

  こっちだって、ずっと昔から狂いきってる。
  もう、あどけなく笑うだけの、幼い弟ではない。

  禁忌だと、いけないことだと、
  許されないことだと、解っていながら、]

 
  
   …… もっと、よこせよ
   夏生を、全部―――― 俺に、よこせ


[ 欲しいなんて、可愛らしく強請れない。
  相変わらず、傍若無人に、我儘に強請る。]

[ 悩むことは、きっと多いし、
  この先も、迷い続けるだろうけど。

  結局。最後は同じ答えに辿り着く。
  一般論、倫理観、社会的な立場、当然の節理。

  そんなものは、
クソ喰らえ
だ。]

[ 耳元に寄せられた唇。
  獣の子が、慰めるように頬を摺り寄せて、
  背中に腕を伸ばせば、少しの隙間もないくらい、
  強く抱き寄せて、肌と肌を合わせれば、
  直接、熱も、互いの心臓の鼓動を感じる。

  湿った肌から香る夏生の匂いに、
  虐められた俺の熱芯は、またどくどくと、脈打つ。

  近親者同士って、
  本当は、匂いで嫌悪を覚える筈なのに
  狂いそうなほどに、心地良くて愛しくて、
  興奮して堪らないのだから、イカれているのは、
  兄弟揃って、同じなんだろうさ。]

 
   夏生、もっとくれよ
   何にも考えられないくらい、


[ めちゃくちゃにして。**]    



  そんなの、おまえに?
  そのあとは?


[ 望む答えが、漏れ出る吐息の隙間を縫って聞こえたから
続きを催促してやった。
口を塞ぐ手を引き剥がしてベッドに縫い止めれば、
耐荷重をゆうに超えて男二人分の重量を受け止める
スプリングが抗議するみたいに軋む。 ]
 


[ 曝け出した腹の内、蟠を巻くどす黒い嫉妬の感情に
返ってきたのは苦笑混じりのちいさな謝罪と、
今にも蕩けてへにゃりと崩れそうな海斗の表情で。
ぐ、と言葉に詰まる。

拒絶も罵倒も、そこには微塵も無くて。
ほとばしる狂気は、するすると淡く、小さくなっていく。 ]


  ……こわかったんだ。


[ 眉尻を情け無く下げて、そう呟くだけ。
ずっと一緒にいてやる、と、
聞こえた海斗の声に、ぎゅっと一瞬目を固く閉じて、
意を決したように持ち上げた瞼の下。

瞳に愛しい人だけを映して、ふわりと微笑んで
かすめるだけのキスを贈った。 ]
 


[ 甘い空気とは対極に、強請る台詞は我儘に、
傍若無人に。
虚になりかけた心に、じんわりと喜びが戻ってくる。 ]



  いいよ、全部、くれてやるから。
  ─── そのかわり、一滴も残すなよ。

 


[ 悩むことは、きっと多いし、
この先も、迷い続けるだろうけど。

結局最後は同じ答えに辿り着いてしまうのだろう。
一般論、倫理観、社会的な立場、当然の節理。

無碍に出来ない俺の隣で
きっと、そんなもんクソ喰らえだと嗤う
お前がいてくれるなら。 ]
 


[ 甘えるように擦り寄せられた頬。
互いの鼓動が皮膚越しに伝わるほど強く
抱きしめられるから、刹那、視界が歪み出してしまう。

汗ばむ肌と、海斗の匂い。
慌てて顔を首筋に埋めて、誤魔化すように
キスマークの数をひとつ増やしておいた。

イカれた兄貴は、聞こえた最高の殺し文句に体を起こして
イカれた弟によく似た無邪気な笑顔を浮かべてから
一気に穿つ。 ]


  ─── っは、やべぇ、……!

 


[ ぐぢゅん、と最奥まで抉れば、攻めているのは
己だというのにあまりの快感に達してしまいそうになる。
みし、と音が聞こえるほど奥歯を噛み締めて耐えた。 ]


  なんも、かんがえないで、
  おれだけ、みて
  俺にだけ抱かれてて



[ 譫言のような言葉を唇の隙間から滲ませたけれど
ちゃんと届いているだろうか。
海斗の様子を見る余裕はまだ少し残っていて、
それでも激しく穿つ動きは止められなかった。 ]
 



  ……気持ち、いい、 っ、海斗の中、さ
  あったかくて、ぐちゃぐちゃで、やらしくて、


[ きつく海斗の身体を抱きしめてがつがつと貪れば
わずかに残った理性さえ消え果てそう。
それでも激しい抽送の際、海斗の腹側の痼を
きっちり抉ることは忘れなかった。 ]


  ─── ぅ、あ゛…… マジでやばい、イキそ……

 


[ すぐそこまで来ている吐精感に乱れた吐息を
撒き散らし、そらして。
震える手で海斗の熱を探り、握り、擦り上げる。

達するなら、一緒にと。


何処にも行かないで、

何処までも、一緒に行くから、と、


無言のまま、縋るように乞う。 ]*
 

[ 誰を想って、慰めていたなんて、
  口にせずとも、知ってるだろうに、
  続きを促してくる声に、答えようにも、
  甘い声が漏れそうで、

  ―― お前に決まってんだろ、


  そんな言葉は、飲み込んでしまう。
  まぁ、言葉に出したら、悪態も漏れるのだから、
  言わなくても良かったのかもしれない。


  漏れそうになる甘い声を抑えようとすれば、
  無理やり手を剥がされて、はぁ、と荒い呼吸も、
  途切れ、途切れに、噛み殺しきれない嬌声も、
  全部、隠しきれなくなってしまうから。

  不満げな瞳で睨むけれど、文句を言おうにも
  口を開けず、俺の代わりに、
  ベッドが抗議の声をあげた。]

 
 
   何を、今更……


[ 呆れたというように、違う意味で眉を下げて。
  抱きしめながら、また頬を寄せる。

  ぽん、と軽く頭を撫でれば。
  望む言葉を口にする、俺しい言葉で。

  何を言われても、嫌いになる訳がない。
  嫌いになるなら、疾うの昔に嫌いになって、
  こんな苦しむだけだと分かっている感情なんて、
  捨ててしまっていたはずだ。

  苦しくて、辛くて、それでも飲み干したい
  これは、そういう
だ。


  もう、この毒なしでは生きていけない。
  骨の髄まで沁み込んで、手放すことなんて、
  ―――― できや、しないんだ。]

 

   はッ、誰に言ってんだよ?


[ にや、と不敵に笑い返して、全部受け止める。
  一滴だって、逃さない。喰らいつくしてやる。

  兄貴を包み込んでいる部分を、
  意識的に緩めて、時折、食いちぎるように
  力を籠めれば、快感に眉を寄せて、
  苦悶の表情を浮かべるけれど、
  より深いところを抉られながら、
  それでも、なんとか口に笑みを浮かべて、]

 
 
   ッぁ!、ぐ、――はッ、ふ、


[ 苦痛と快感の混ざった声を漏らす。
 
  奥を抉られると、入口を捏ねるように擦られると、
  気持ちが良くて、堪らない。

  ぐちゅ、と淫猥に泡立つ水音と、
  肌がぶつかり合う音が、耳に響き、
  溶け合っていく肌と呼吸。


  触れた唇の柔らかさと熱と、ほんのりの苦味。
  そのすべてに興奮して、欲を煽られて、

  触れられずとも、既に腹の間のものは、
  弾けてしまいそうな程、張り詰めていた。]

 
  
   ……ッんん、ゃ、ッ!、あッ、


[ それをまた、握り擦り上げられれば、
  堪らず、徐々に、抑えきれない声が大きくなっていき。

  気付けば、背にしがみ付いて、何処にもいかない。
  あられもなく喘いで、叫んで。
  ひと際大きく声を張り上げて、名まえを呼ぶ。
  ぐっ、いっそう強く抱きしめて、放しはしない。

  縋るように乞う。
  愛しい人の気配に、唇を愛しげな形に歪めて]


   ひぁ、あ"ッ――
ふッ、ん"ッ!!!



[ 繰り返し、激しく奥を責め立てられて、
  悲鳴染みた艶声が空気を震わせた瞬間。

  どくり、と触れ合う腹の間で、白く熱いものを
  解き放てば、がぶり、と肩口に噛みついていた。

  口の中に広がる、微かな血の味。


  とろり、と惚けた意識の中で、
  腹の奥にも、熱いものがじわりと広がる感覚を
  感じることができていたなら、
  嬉しそうに、噛みついた場所を労わるように
  ちろ、と舌を転がして舐め上げただろう。**]


[ 男に、それもよりによって兄に組み敷かれ、
自室のベッドに縫い止められながら、
海斗はそれでも小生意気に煽り、
言葉と共鳴するように後孔を締め付けてくる。
食いちぎろうとするかのように力が込められれば
思わず舌打ちが出るほどの快感に襲われた。

それでも挑む視線が快感と苦悶に歪むのがたまらなく
好きで、もっと見たくて、
もっと、俺の手の中で淫れてほしくて、
入り口を捏ねて、奥を抉る。

中での悦を得られるように、
同時に直接的な刺激を与えて、
完全に勃ちあがった熱を扱けば、
抑え込めないといった様子で声が、色を帯びて、響く。]
 


[ 海斗の顔や身体のあちこちにキスの雨を降らせる。

夏の名残の空気を懸命に冷やすエアコンも、
俺の役には立たなくて、本当の雨のように
ぽたりぽたりと汗が滴り落ちた。

乱れた前髪をかき上げて、海斗の顔に張り付いた髪も
そっと、払う。
手が、細かく震えているのが自分でもわかった。

愛しい人の名前を何度も呼びながら
穿つスピードを上げれば、海斗の口から
濁点の付いた嬌声が、半ば叫ぶように部屋に響き─── ]
 



  …… っ、 い゛ッ、
  ぁ゛…ッ!!ん ぅ、───


[ 腹に挟まれて、俺の手の中で海斗が爆ぜた。

震える身体をきつくかき抱けば、掌にどろりとした
白濁が生暖かく伝う。

ふいに肩に鋭い痛みが走って、思わず背を撓らせて
小さく呻いた。
けれど同時に脊髄をとんでもない悦が走る。

きっとほとんど変わらないタイミングで、
薄い膜一枚隔てて、俺もどくりと脈打つ欲望を
海斗の中、深く熱く、吐き出した。 ]
 


[ はぁ、はぁ、と荒い呼吸で肘を着いて
身体を少し起こし海斗の瞳を覗き込む。

とろりと蕩けて火照る頬で、嬉しそうに俺の肩に
舌を這わせる、蠢く赤が酷くエロいなと思った。
ちゅ、と軽い口づけを落として、 ]


  ……海斗、噛むの好きなの?


[ と笑う。
火傷しそうな熱い舌が伝う肩は、傷になっているのか
ぴりぴりと滲みて、相変わらずイカれているとは
思うけれどその痛みからは出血と共に
多幸感が滲んでくるような気がした。 ]
 


[ 腕の中にまだ閉じ込めたまま、汗ばむ額に唇を落とそう。]


   ごめん、なんか……
   カッコ悪かったな俺。
   いや早いとかそうじゃなくて、


[ にへらと戯けて。 ]
 


[ さて、気まぐれな彪のご機嫌とご希望は
いかがなものだろう、とちょっと小首を傾げて様子を
伺おうか。

ひとまず中のものをずるりと引き抜いて
手早く処理したいけれど。
……そうここは自宅なわけで、
ゴミの処分も、丁寧にしないと。ほら、ね。


まだ離れないとかわいいことを言ってくれたのなら
もう一戦ももちろん喜んで。
そうじゃないなら
汗となにやらでベタベタのバスタオルと
シーツを引き剥がして、 ]


  シーツ、洗わねぇと……って母親か俺は。
  お前、寝るとこないなら俺の部屋で寝ろよ。
  それか酒でも飲む?


[ そんな色気のない提案を口にするだろう。
一緒にシャワー浴びようと言いかけたけれど、
きっと狭いだのなんだの言われそうで
二人で入っても充分な広さの、あのホテルのバスルームを
ふと思い出して微笑みながら、じっと見つめるだけ。 ]*
 

[ 弱い場所を同時に責められ、
  快楽から溢れる涙と、閉じきることができない
  口から零れる涎で、ぐちゃぐちゃな顔や、
  身体に降り注ぐキスの雨。

  増えていく愛してるのサイン

  言葉でもらって、態度で示してもらって、
  身体にも刻まれていくのが、堪らなくイイ。

  濡れた髪を嗅ぎあげる仕草から、
  色香が漂ってくるように、こく、と唾を飲めば
  俺の髪を払う手つきの優しさに、小さく喘ぐ。]
 
 
    な、夏生―― ッ、


[ 呼ばれる度に、嬉しくて。
  同じ数だけ、呼び返した。

  愛しい人の名を、何度も、何度も。]

[ どく、と薄い膜一枚向こう。
  愛しい人の欲望の熱を腹の奥で感じれば、

  その熱が愛しくて、でも、
  まだ、隔てるものがあることに、
  ほんの少しだけ、不満を抱く。

 
  その感情を自分の中で誤魔化すように、
  噛みついて傷をつけてしまった場所を舐めていると、
  噛むのが好きなのかと、問われて、]
 
 
    さぁな? でも、悪くはねーな?


[ 身体中に散った赤い花よりも、
  より深く刻まれた所有印。

  そして、それをお前も望んでいると、
  囁く声で確かめれば、

  にや、と機嫌良さそうに笑みを浮かべて、
  もう一度、ぺろり、と舐めた。]

[ 久しぶりの交じり合い。
  正直、まだ物足りないが、腕の中で
  この微睡んでいる時間も嫌いじゃなくて。

  額に触れる柔らかさに、
  猫のように目を細めて、へにゃと笑っていれば、
  謝る声が降ってくる。]


   そんなの、今更だろ?


[ カッコ悪いとか、そんなこと。
  そんなもの、今更だろうと。

  大したことじゃないと、肩を震わせた。]

[ ずくり、と痛みそうになる胸の奥に、
  気付かぬフリをするために、
  両手を伸ばして、見上げた先の頬を包み込んで、]
 
 
   俺が好きなのは、お前だけだ
   ―――― ずっと、この先も、だ


[ 珍しく素直な言葉を口にして、
  そのまま顔を引き寄せて、触れるだけのキスをした。

  唇を離せば、ふ、と笑って、
  引き抜かれる感触に、
  微かに甘さの残る吐息を漏らす。

  ぐちゅ、とひくつく肉壁が、
  名残惜しそうに抜けていくものに絡みついて、
  また、火が灯ってしまいそうなのを、今は堪える。

  だけど、視線を一度、横に逃がして、
  ちら、と足りないと言いたげに、見つめれば、]

 
 
   1回で、足りると思ってるのかよ?


[ にや、と悪戯っぽく笑みを浮かべ、
  まだ、それほど汚れていない
  ベッドの空いたスペースに兄貴を
  押し倒そうと腕を引き寄せただろう。

  上手く倒れてくれたなら、
  腰の上に跨って、兄貴のものからゴムを外して、
  片手と歯で器用に結んで、ゴミ箱の中へと放った。
  あとでちゃんと片づけるさ。


  そのまま、未だぬめりの残る双丘を押し付け
  腰を揺らして刺激してやれば、
  もう一戦、もちろんできるだろ?*]



  待って
  カッコ悪いのが今更ってそれどういう意味、


[ 震える肩に自分も吹き出して、情け無く笑う。
両の掌で包み込まれる頬。

少しずつ異なる体温がじわり、重なり混じって。 ]
 


[ 珍しく素直な言葉と贈られるかすかな口づけ。

小さな小さな欠片だけ、切なく仄暗い、
後悔に似た感情を覚えながらもそれは
そっと押し込んで、鍵をかけて、
心の奥底に仕舞い込んで。

腕の中の確かな愛に向かい合って、
その心地良いぬるま湯に浸る。 ]
 


[ 誠意の証みたいな薄いゴム越し。
久しぶりの欲望をすっかり吐き出しても、
まるで女みたいに海斗の中はいつまでも熱くて。
後ろ髪を引かれるようにずるりと抜けば、
とたんに空気に晒されて、ひんやりと冷える。

ちら、と見遣った視線が、同じようにこちらを伺う
海斗の悪戯な笑みとばちんと重なった。
ああほらまた、煽る。 ]
 

  うわ、えっろ。
  そーかそーか、やっぱ足りないか。
  兄ちゃん力不足で悪かった。

  ……て言ってもお前は一回じゃねぇってのに、
  若いっていいわね。
 


[ くつくつと含み笑いを漏らせば、腕が引かれて。
さして強い力ではなかったけれど、素直に身体を預けたら
ぼす、と音を立ててベッドへ逆戻り。

押し倒された格好は、視界が変わって悪くない。
悪くないってか、好き。

するりと躊躇いもなく
白濁を溜めたゴムを外してくれる。

そんなことどこで覚えてきたの、と揶揄うけれど、
放出したばかりで敏感な屹立に触れる手つきに
簡単に身体は跳ねてしまう。 ]
 



  ───ッ ンっ……


[ 笑ってしまうほど単純に血液が集まりだすというのに
さらに海斗が滑りを帯びた尻を押し付けて
揺らしたりすれば、ぞくぞくと下半身から
痺れるような快感がそりゃあもう、走って走って。 ]


  ん、……ぅっ、ん……
  やば、えろすぎ、 ッ、
  好きだよ海斗───


[ 仰向けで、跨る海斗を熱っぽい視線で見上げる。

両手を伸ばしてその腰に触れ、下から強請るように
くねられせば、あんまり若いとは言えないお兄ちゃんでも
すっかり勃ち上がっているのが分かるだろうか。 ]
 

 
 
   ははッ、鏡みればわかんじゃね?


[ 弟相手に、でろでろに
  だらしなく緩み切った表情をしておいて、
  カッコイイもなにもないと思うんだが。

  くすくす、と楽し気に声を震わせて、
  そのまま顔を引き寄せて、唇を重ねた。

  永く泥に埋もれた
草は、
  いつまでもきっと
き誇り続ける。


  何度も踏みつけらても、隠そうとしても、
  昔々の御伽噺の、その後日談のように、
  苦難があろうと、幸せなものであったって
  ―――― なぁ、いいだろ?
]

 
 
   うっせーよ
   俺は、まだまだ若いんでね兄貴と違って


[ 年寄り染みた言葉に、
  けらり、と笑いながら、引き寄せ押し倒して
  腰を揺らせば、そんなこと言いながら、
  乗り気な様子で、跳ねる吐息に、笑みを深めた。

  素股のように、太腿と尻で擦って、潰して、
  刺激を与えるように動けば、
  二度吐き出したばかりの俺のものも、
  すぐに雁首をもたげて、兄貴のものと擦れ合って、
  激しくはないが、緩く焦れる快感に、
  熱情を隠せない、色めいた吐息を零した。

  ぽたり、と額から、堕ちた雫が、
  兄貴の腹の上を汚していく。]

[ とす、と、
  身体を倒して、顔の横に手をつき、
  覆い被さり、また唇を奪う。

  犯されているのは、俺の方だけど。
  喰らいついているのは、俺の方で。

  何度も、唇を食んで、
  舌を絡めながら、薄目をあけて、笑う。

  キスをしたまま、ベッド横の棚に片手を伸ばして、
  ローションのボトルを手に取れば、
  ちゅぅ、と可愛らしく、淫らな音を立てて、
  唇を放してやった。

  キスは相変わらず好きだ。


  手にしたローションの蓋をあけて、
  まだ、ぬめっているとはいえ、
  男であるが故に、乾き始めた場所に
  湿り気を足すために、手のひらに落とせば、
  自ら、後ろに手を伸ばして、入口に塗り込めてから、]

  

   こっちも、な?


[ たらり、と兄貴の熱持つ場所に、
  悪戯な好きの顔で、顔をにやつかせて、
  冷たいままのローションを垂らした。

  まぁ、部屋のぬるい空気で、
  そこまで冷たくはなかっただろうけど。
]

 




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