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【人】 技師 アユミ台風は山を削り、川を広げた。 未だ止まない雨。崩れた土砂は、道を覆ってしまう。 溢れ出る川の水は、村を飲み込んでいく。 山の中腹にある病院へ逃げ込んだあなたを、女は苦々しい面持ちで迎え入れた。 「っ、避難された方ですね。どうぞ、中へ。 …………大した物は、ありませんが」 (0) 2021/06/26(Sat) 17:26:33 |
【人】 警官 ハルカゼ──時は昭和三十九年。東京五輪の開催が迫る、夏のことだった。 「……ああ、お前は実家に戻ってたから知らねェか。 今度お偉いさんも来るから、資料は見ておけよ。 せっかく暇な駐在所に来たと思ったら、此れだ」 ハルカゼは大きな溜息を吐く。 小さな駐在所の中は散らかっていた。綺麗好きのハルカゼにしては珍しい。 其れ程忙しかったのだろう。▼ (1) 2021/06/26(Sat) 17:53:03 |
【人】 警官 ハルカゼ「お前が居ない間、大変だったんだぞ? 先ず台風だろ? 次に殺しだ、而も複数! こっから三途まで何往復したか、もう数えんのもやめちまった。 そんであの小さな村によォ、沢山ブン屋が来て……」 ハルカゼは疲労を隠さず愚痴を続けていく。 どうやらかなり鬱憤が溜まっていたらしい。 時折音が途切れるラヂオに、舌打ちまでする始末だ。▼ (2) 2021/06/26(Sat) 17:54:16 |
【人】 警官 ハルカゼ「ン? 順番が滅茶苦茶? 悪ィな、俺が最後に読んで其の儘だからよ」 ラヂオを片手に持つと、ハルカゼは立ち上がった。 「……ま。軽く読み流せば良いんだ、こんなのは。 胸糞悪くなるだけだからな」▼ (3) 2021/06/26(Sat) 17:55:39 |
【見】 流転 タマオ「怪我はありませんか? 一先ず無事で何より」 村の駐在警官の一人、玉青 博 (タマオ ヒロシ) だ。先に避難をしていたのか、彼の衣類は濡れていない。「さ、どうぞ。この時期でも体を冷やしちゃ良くないですから」 避難民にタオルを渡しつつ軽い情報共有をし……を何度も繰り返していただろう。 (@0) 2021/06/26(Sat) 18:43:25 |
【人】 奔放 メイジ「怪我人でーす。なんちて、これは元からなんで平気っす」 緊迫した状況にあまりそぐわない、暢気な声が響く。 それでもどこか疲弊した笑顔を貼り付けて 顔半分が包帯に覆われた青年が扉をくぐった。 「いてて。木の枝刺さっちったかも……いちち、へ、へへ…… いやあ、途中で転んじゃって。すんごい風と雨だねえ。 ……オレんちボロいから沈んじゃったかも」 タオルを受け取りもせず、雨と泥で汚れたまま 外の様子を気にしたように、一度振り返った。 (5) 2021/06/26(Sat) 19:19:27 |
流転 タマオは、メモを貼った。 (t0) 2021/06/26(Sat) 19:31:27 |
奔放 メイジは、メモを貼った。 (a0) 2021/06/27(Sun) 1:13:56 |
発熱 ニエカワは、メモを貼った。 (a1) 2021/06/27(Sun) 2:54:59 |
【人】 焦爛 フジノ小さく頭を下げ、差し出されたタオルを受け取る。 手首まで覆い隠す白いシャツは引き攣れた肌を浮かび上がらせるようにべたりと張り付き、酷く不快だった。 「ありがとう、ございます。ほんとに、酷い雨。 ……ここまでは、水、来ないよね?」 落ち着かない様子で外を見た後、腹を擦りながら重たい足取りで奥へ進んだ。 (7) 2021/06/27(Sun) 12:45:21 |
焦爛 フジノは、メモを貼った。 (a2) 2021/06/27(Sun) 13:15:46 |
奔放 メイジは、メモを貼った。 (a3) 2021/06/27(Sun) 13:37:58 |
【見】 療育 クレイシ「……っはは。よく来たね。ここに来るだけでも大変だっただろう?」 一拍置いて、笑顔と共に避難してきた者たちを見やる。その笑みはやや引き攣っているようにも見えるかもしれない。 「──ああ、ところで。あの子はどこに行ったんだろう。こんな天気なのだから、いつもみたいに外を出るなんて事はしないと思うけど……お兄さんは心配だなあ……」 人形をはめた手をゆらゆらと動かしながら男は病院の奥へと消えていった。 (@1) 2021/06/27(Sun) 16:21:01 |
療育 クレイシは、メモを貼った。 (t1) 2021/06/27(Sun) 16:43:15 |
療育 クレイシは、メモを貼った。 (t2) 2021/06/27(Sun) 16:43:32 |
【人】 猶大 ロク「ア゛〜〜〜〜〜…… ……ハハ、死んじまうかと思ったァ」 水に濡れた獣がごとく頭を振る。 散った水滴が床に落ち、小さな水溜りを作った。 新たに、或いは既にあったものと同化して。 振った拍子、十字架が揺れた。 右っかし、これでもかと開いた幾つもの穴を埋める耳飾り。 打って変わって左には一つの装飾品も無い。 そともん 「悪いなァ、こんな“外モン”まで入れてもらっちまって」 (8) 2021/06/27(Sun) 18:06:07 |
猶大 ロクは、メモを貼った。 (a4) 2021/06/27(Sun) 18:24:12 |
流転 タマオは、メモを貼った。 (t3) 2021/06/27(Sun) 20:32:48 |
【人】 商人 ミロク煙香に異臭を混ぜたような男が一人。 ―――――今宵、品を連れてくる。 イズコ 売リ物ハ何処。 カネ 求ムハ価値。 ナニ 欲シイ物ハ ? (10) 2021/06/27(Sun) 21:10:31 |
商人 ミロクは、メモを貼った。 (a5) 2021/06/27(Sun) 21:26:25 |
【人】 温和 セナハラ他の病院関係者と違い、その表情は柔らかい。 当然備蓄のことも、それがこの人数で分け合える量ではないことも知っている。 しかし、目を細めて笑っていた。 「さて、どうしましょうかね。 水がここまで上がってきたことは無いようですし……。 皆さん、ひとまず安心なさってください」 この男は、いつも笑っている。 (11) 2021/06/27(Sun) 21:33:54 |
温和 セナハラは、メモを貼った。 (a6) 2021/06/27(Sun) 21:35:31 |
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