26 【身内】朧月夜とお散歩犬【R18】
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| [ああ、けど 血や臓物に興奮するのは アレ が原因で狂ったからじゃない。 おそらくは 生まれ落ちた時から持っている気質。 小さい時分から 昆虫やカエルなんかを ハサミやカッター、彫刻刀なんかで 分解したり解剖したりして 愉しんでいるような子どもだったし。 タロと初めて出会った時だって────……]* (11) 2020/04/18(Sat) 14:36:23 |
── 回想 ──
[あの夜も
ケガ人いねーかな?って
探しながら街の中をふらふらしてたんだ。
真っ赤な体液に
触れたい衝動を正当化できるから
応急処置の道具を、愛車の原付きに装備して。
(どっかに血まみれのヤツ、
落ちてねぇかな?)
喧嘩の多いエリアをぬってみてたら
案の定の、怒鳴り声。
お! いいんじゃね?って
向かった先に、見つけたのがタロだった。
実際には
他にも何人か屯してて
顔見知りなんかも居たんだけどさ。
失礼ながら、俺の意識は
彼の頬に走る傷と
そこから流れ出た真紅に釘付けで
あとの記憶は、霞が掛かったように朧げだ。]
[見つけた獲物を
逃したくないとばかりに熱く見つめて、
極薄のゴム手袋をぴちりと嵌めると
救急セットを片手に
自販機前で正座に蹲る彼へ近づいた。]
ん‥‥、凄くイイな。
血の吹き出し方が、完璧だ。
[称賛の言葉を紡ぎながら跪くと
美しい真一文字の傷をぬるりと撫ぜる。
色白の肌に真っ赤が映えて
とんでもなく綺麗で
酷くゾクゾクしてしまったことを覚えている。
とてもとても鮮明に。]*
── ある夜 ──
[血を流す片頬が、熱い。
自業自得と言える負傷をした僕は
自動販売機の明かりを背負って
座り込んでいた。]
え……おにーさん?
んん……っ
い、痛いよ……
[知らないおにーさんが目の前で屈んだかと思えば
カ……ッ
と頬の熱が増した。
反射的に肩が跳ねて、呻き声を漏らす。
手袋をした手が傷に触れてきた所為だと気づけば
涙目で見上げながら、不満を漏らしてしまった。
痛いのは普通に、苦手だから。*]
[その反応にも
堪らないというように目を細め
ハァ…と、熱い溜息を吐く。]
痛いか? 痛むよな?
さらに痛むかもしれないが
まずは洗わないといけないからな。
滲みるだろうが、我慢して、耐えて……
[荒くなる呼吸を隠しもせずに
掠れた囁きを耳元へ。]
[それから、
自販機にドンと片手をついて
内側に彼を囲い込み、]
楽になりたいだろ? な?
[欲を滲ませた、凄絶な笑みを贈った。]*
| [帰宅して玄関の扉を開けると 内扉を開けたルーと 目が合った! >>9 想定外に 扉一枚分はやく再会できて きゅーんと胸が高鳴っちゃう。 すき。……だぁいすき。] ルー、ただいま ん……っ [ぎゅってされながら顔を見ようとすれば ルーの背が高いから 殆ど真上を見上げる形になる。 近づいてきた甘い顔に ぺろぺろ舐められて、キスをされて 嬉しい気持ちと心地よさに 瞳がとろーんとしてくる。] (12) 2020/04/19(Sun) 9:44:46 |
| [言葉でもいっぱい 愛を伝えてくれるから >>10 マナの胸は高鳴り続けて大変だ。] ルーすきすき だいすき ちょぉすきっ 愛してる……ッ [スポーツ用品店の袋を掴んだまま ぎゅーーって抱き締め返した。 あったかくて、顔がもふもふに包まれる。 ルーは気持ちいいなぁ。*] (13) 2020/04/19(Sun) 9:44:53 |
| [僕には、優秀な兄と優秀な姉がいる。
二人はそれぞれに家を出て行き 不出来な僕だけが残った。
留年してしまうほど、僕は馬鹿だ。 両親から期待されていないことは もうずーっと、知っている。
僕は、お兄ちゃんと もう少し話をしてみたかった。
……そんなことを、唐突に思い出していた。*] (14) 2020/04/19(Sun) 9:59:06 |
……ッ
[喧嘩の声音をBGMに
僕に向けられる瞳が細まる。
この場にそぐわぬ色香を纏う彼に
メモを取ることも忘れて見惚れてしまう。
おにーさん、って呼んでも嫌がられなかった。
……そのことは何だか嬉しかった。]
[耳に当たる吐息は擽ったくて
またビクッと肩が跳ねてしまう。]
う、ん……痛い、よ……っ
うわ、わ……っ!?
[片手が顔の横につかれて
自動販売機と彼との間に閉じ込められた。
歳はそう変わらない筈だけど
やけに艶めいた彼から視線が外せなくて
顔が、殴られてないところまで熱い。]
[バクバクと心臓が鳴ってる。
眉尻が落ちて、薄い唇がちいさく震える。]
……あ、……ら、楽に……ッ
なりたっ、なりたい、です……っ
[頭は混乱している。
よくわからないままに
潤んだ瞳で見上げて、乞うた。*]
[返される反応がまたいじらしいから
俺の興奮をさらに煽って
元々、細身に作られているデニムが窮屈さを増す。
屈んでいる間は目立たないかもしれないが
それは明らかに兆していた。]
くく、そうか
素直な子はキライじゃないぞ。
じゃあ、がんばって耐えような?
[嬉しそうに、再び傷をなでてから
精製水を浴びせ掛けた。
頬をすべり落ちる雫を脱脂綿で拭えば
美しく染まるのが、また愉しくて。
時折、傷にわざと触れ
痛みを覚えさせるようにしながらも
それ以外では
的確な処置を施していく。]
おにーさんは、レオって言うんだ。
上から読んでも、下から読んでも
「俺はレオ」な。
もう忘れられないだろ?
まぁ、忘れても、全然構わないけども
[くつくつと喉を鳴らして
酷く楽しそうに自己紹介を挟むみながら。]*
[おにーさんは、
素直な子はキライじゃないって。
……おにーさんの前では、
素直ないい子でいたいって思った。]
わ、わかった……耐えるよ
おにーさ……、 ……ッ
[傷口がまた触られて、熱が走り
かけられる水は、冷たくて沁みた。
痛くて逃げちゃいたくなるけど
膝の上に置いた両手を拳の形にして
目をギュッと閉じて耐えようとする。]
[治療って、こんなに痛いものなんだね。
必要なだけ触られてるって思ってる僕は
わざとだなんて気付かずに
おにーさんから与えられる痛みを受け入れて
長い睫毛を震わせる。]
……ん、……ぁ……っ
[おにーさんの指が傷口に届くたび
鋭い痛みが走るから
呻き声が漏れてしまうのを
完全に抑えることは出来なかったけど。]
[治療の最中、おにーさんが名乗ってくれた。]
ん……、レオ、さん……?
[「新聞紙」や「トマト」みたいに言うから
苦痛に耐えながら笑みがこぼれる。]
……ふふ、覚えた、よ……
確かに、忘れられそうにないね……
僕は……、アベル太郎、だよ……
[名乗り合う間は瞼を上げて、
彼の瞳を見てた。
涙で少し滲んでしまってたけど
黒くて、吸い込まれそうだって思った。*]
| [とろけたナーが かわいくて仕方なくて >>12 いっぱいいっぱい言葉で伝えたら ナーからも いつもよりたくさんの「すき」を 贈ってもらえた。 >>13 ( うれしい、しあわせ、だいすきっ ) 胸が温かいので、満タンになる。] (15) 2020/04/19(Sun) 18:45:09 |
| [さらに、 腰の辺りに回った腕が ぎゅぅ…って強く抱きしめてくれるから >>13 別のところまで、みちみちに満ちた。 部屋の中で 零しちゃうのは イケナイことだと思っているから はっ‥と我に返って、] (16) 2020/04/19(Sun) 18:47:20 |
| [ナーにちょっと困ったような 切なげな視線を向けて、口を開く。]
んっと…… ねぇ、ナー?
フク着たら、おさんぽ すぐイケる?
ルー、もう しーって シたくて、シたくて、たまんないんだけど……
[背中でガサガサ音を立てている袋からは 新しいフクの匂いがする。 すぐ着て、すぐおさんぽイッたら まだ間に合う。だいじょうぶ。
でも、急ぎたくて そわそわと、小さく体を揺すった。*] (17) 2020/04/19(Sun) 18:51:38 |
| [ルーが何か話そうとするから もふもふの毛皮に 鼻から下をつけたまま見上げ直すと 何か困ったような表情をしてる。 >>17 えっなに、って内心慌てて顔を離して ルーの言葉に耳を傾けた。 彼は、しーってしたいって……] ……あっ、そっか、そうだね いつもお散歩のときにスるもんね……! 気付かなくてごめんね……! [すっかり失念しちゃってた。 早くさせてあげないと、と抱擁を解く。] (18) 2020/04/19(Sun) 23:40:25 |
| [ああだけど、と思い直す。
人型のルーが お外でしーってするのは 問題なのでは……?]
……ッ
[……幼少の頃 見せられたモノを思い出して 顔が青褪める。
あの変質者が捕まったとは 聞いてないけど……、
ルーが捕まったら大変だ。] (19) 2020/04/19(Sun) 23:40:52 |
|
ルーは、ひとの姿になったから もうお外でしーってしたらダメなの
マナと一緒で、トイレって所でスるの
……おいで?
[絶対、離れ離れになりたくないから キツめの眼差しと言い方になっちゃった。 マナが真剣なこと、伝わったかな。
玄関の鍵をかけて、 片手を繋いで、お手洗いに連れていこうとする。*] (20) 2020/04/19(Sun) 23:42:14 |
[拳を握り
睫毛を震わせて
必死に痛みを堪らえようとしている姿に
酷く唆られた。
執拗に触れてしまうせいで
漏れる声にも、熱が溜まっていく。]
そう、 レオだ。
[繰り返される自分の名前に
妙に浮かれながら、潤んだ笑顔に頷くと
彼も律儀に名乗ってくれた。]
へぇ、アベル太郎…?!
お前のも、インパクトすごいなー。
忘れられなさそ。
けど、ちょっと呼びにくいから
「タロ」でいいか?
俺のことも、好きに読んでいーから。
……っと、処置完了。
[普段は、怪我の状態で覚えるくせに
珍しく固有名詞で
脳の海馬に書き込んだのは
────彼のことが、気に入ったせい。]
1日1回か2回は洗って
これ塗って、これ貼り直しとけば
傷は綺麗に消えっから。
はい。 これは、やる!
[彼が傾倒している創作物で
活躍することのあるモノだとは知らぬまま、
今、使ったばかりの
純度の高いワセリンのチューブと
創傷被覆材の入った箱を押し付ける。]
腐るほどあるから、遠慮しなくていーよ。
代わりに、また怪我したら
俺んとこおいで。
…って、連絡先わかんねぇか。
ちょっと待ってて。
ボールペン取って来る。
[そう言うと、ゴミ袋の中へ
手袋をぺいぺいと脱ぎ捨てて立ち上がった。
渡したばかりの箱に
携帯番号を書きつけようと
愛車に突っ込んだ上着を取りに行くためだったが、
シルエットが変わるほど隆起した
中身のせいで
歩き辛そうなのは、誰の目からも明白だった。]*
| (a1) 2020/04/20(Mon) 12:49:07 |
[タロ、だって。
かわいいニックネームをつけてくれた。
嬉しくてちょっと笑う。]
うん。
……じゃあ、僕はれおにーさんって呼ぶね
[処置は済んだらしい。
痛い時間が終わってホッとしたような
残念なような……、
相反する思いを自覚しながら
膝の上で作っていた拳を解いた。]
[手当てに使っていたものを渡される。
落とさないように
わたわたしつつ受け取った。]
……えっ、いいの……っ?
これも、これも……?
[手当てしてくれただけでも有り難いのに
こんなに良くして貰っちゃって良いのかな。
上目で顔色を伺えば、
何だか機嫌が良さそうだ。]
……ありがとう、れおにーさん
[お言葉に甘えることにした。
なんと連絡先まで教えてくれるらしい。
僕も立ち上がることにして
腰を浮かすと、――目にナニカ飛び込んで来た。]
[そのままぺたん、と地面に逆戻り。
なんで!? って思っちゃったから]
……ぅ!?
……あの、れおにーさん……
その……、下、勃って……!
[つい、野暮なことを言ってしまった。
指摘されたくなんてなかったよね。
そう気付いた時には、もう遅くて。
こみ上げる恥ずかしさに、
また頬が熱くなるのを感じた。*]
| (a2) 2020/04/21(Tue) 9:59:20 |
| (a3) 2020/04/21(Tue) 10:00:09 |
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