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【人】 3年生 津崎 徹太[でも、またそこで、チカさんと別れる時は、 多分、泣いた……。 どうしてかな。 どうしてかな。 なんで、俺の身体は二つじゃないんだろう。 どうして、心の一部だけを持ち帰ってもらったりできないのかな。 大切なものを護りたいのに、 その人が泣いてる時間に自分は寝てるかもしれないし、 その人が笑ってる時に、自分はただ疲れ切ってるかもしれない。 チカさんが寂しい時に寄り添えないし、 俺が転んでも、チカさんは知らない 本当に、ごめんなさい] (413) 2022/09/19(Mon) 23:27:28 |
【人】 1年生 朝霞 純>>380>>381 [告げられた言葉に、そっと視線を落とした。 故人を悼む気持ち、その思い出に触れたい気持ちは分かる。 でも、もう喪われてしまったものは戻らないから。 続く言葉に私は目を見開いた。>>382 工藤さんが私に何かしてほしいということは殆どなかったからだ。 工藤さんは工藤さんなりに小泉さんを悼み、そして一歩ずつ、前に進んでいくのだろう。 私は頷いた。] 分かりました。豆カレーを作ります。 そして一緒に食べましょう。 [そこに香坂さんがいたのなら、香坂さんにも振る舞いたいのだけど、彼女は私の作った豆カレーを一度は食べているから、二度目も食事の誘いに応じてくれたかは分からない。 それでも工藤さんの家で、豆カレーを作るだろう。 工藤さんと一緒に過ごす時間の、少しの変化。 それが工藤さんが私と共に過ごす時間を大切に思ってくれている証だと知っていたから。] (414) 2022/09/19(Mon) 23:27:31 |
【人】 3年生 武藤景虎[緩く動かした腰の先でも充分快感は拾えたのだけど、もどかしさがどうにも先に立つ。 一度目よりは苦しくはなさそうでも、中のきつさはあまり変わらず。 優しくする等言ったことは頭をよぎるけど。 もっと強くして良いとの言葉に乗ってしまったのは、彼女を求める気持ちの強さに負けて。>>410] っ、ん…、っ [徐々に速めた律動に、下から揺らされた動きが重なれば、結局歯止めなどは効かなった。 気持ちいいと伝える声に安堵して、打ち付けた腰から乾いた肌の音と粘質の水音が鼓膜に響くのに興奮が増して。 腕の中の身体が揺れるのを強く抱いて抑える。] (417) 2022/09/19(Mon) 23:32:55 |
【人】 2年生 松本志信─書き換えられた未来─ [津崎くんがイギリスにいって>>344 暫くしてから 掃除ついでに自分の荷物も改めて片付けていた。 引っ越しの荷物の中に、少し古ぼけたおもちゃがはいっていて その緑色のペン型ボイスレコーダー>>6:107 は、小さい頃使っていた覚えがあった。 早くに亡くした両親が買ってくれたもので 色字共感覚のことを気にして、録音できるおもちゃを選んでくれていたらしい。 再生のボタンを押す。 玩具はもう壊れていて、正しく音を再生することはなかったけど 「ありがとうな。」 ノイズに塗れた誰のものかわからない音声でも、その部分だけは何とか聞き取れた。 ある晴れた日の午後。 そいつをペン立てに片付けると背伸びを一つして すっかり慣れたように合鍵を持ち、マンションを後にした。] (418) 2022/09/19(Mon) 23:33:01 |
【人】 3年生 武藤景虎っ…、は、っ…、 ごめ、ん、止まらなさそ…、っ [揺らす腰の動きは宣言通り止まることなく。 それで良いと答えてくれるのはわかってるから、昇りつめてく感覚を頼りに腰を突き動かした。] ぁ、っ…、く、 ゆず、き、…もう、 ……、っ ─────……ッ、 [達する瞬間、同じ位置に歯を立てたのは無意識で。 でも、薄く歯型を残すように噛んだのは意識的だったかもしれない。 彼女の肌に自分の印を刻んで、二度目の精を吐き出した。]* (419) 2022/09/19(Mon) 23:33:15 |
【人】 2年生 松本志信[自転車に乗って颯爽と風を切り、街を行き交う人々とすれ違う。 毎日見る光景は、あの日を境に変化があった。 世界は色褪せたものだと思い込んでいたのに 今はこんなにも、鮮やかに見える。 気持ち一つで変わるものだと、自嘲さえ毀れる。 あんなに単調だったのに、今は目まぐるしい。 煙草はやめて数カ月たったし。 部屋を掃除するなんてのも定期的にやってるし。 切り刻む事しか知らなかった包丁さばきも ちゃんと切り方を覚えるくらいにはなったから、成長してるんだろうと思う。 レシピ本も数ページなら読めるようにはなった。 そんなことをいちいち子供みたいに誰かに報告なんてしないけど イギリスの時間に合わせて、夜津崎くんが寝る前にメールを打つのは毎日続けてる。] (420) 2022/09/19(Mon) 23:33:41 |
【人】 2年生 松本志信[信号が赤になり、自転車を止めて足をつく。] ………、…? [心の端を突くような、既視感があった。 一匹の猫が走っていく。 赤信号の道路めがけて、車が往来する中に。 思うよりも先に身体が動いていた。 自転車を投げ捨てて、車道に飛び込んでいく猫を追いかけて。 飛び降りるのも怖いと思ってた俺が、だぜ?] (421) 2022/09/19(Mon) 23:34:07 |
【人】 2年生 松本志信[死ぬのってあっけないんだなぁって思った。 痛いとか苦しいとか怖いとか、そういうの感じる暇もなくて。 おもいきり車にぶつかった俺の身体は天使みたいに宙を舞って 道路に落ちた後、どんどん真っ赤に染まっていった。 その熱が自分の皮膚に伝わっていって あの時屋上で抱き締めた、津崎くんのことを思いだしてた。 ああ、俺が死んだら泣いてくれるのかな。 悲しいって言ってくれんのかな。 寂しいって思ってくれんのかな。 ごめんね、ってそればっかりが頭を占拠して──] (422) 2022/09/19(Mon) 23:34:55 |
【人】 2年生 松本志信 「 ──!!!!」 [引っ張られた、気がした。 猫を腕に抱えて道路に転がった、けど車に撥ねられることはなくて。 かわりに俺は擦り傷と切り傷に塗れることにはなったが 幸い、どこも対した怪我じゃない。 歩道の端に座り込んで、上がった息を繰り返し ばかみてぇにうるさい心臓を何とか落ち着けようと。 死ぬんじゃないかと思った。 実際きっと本当は死ぬはずだった。 ]……、…はは。 [死ぬのが怖いと思った。 生きていたいと、思った。 書き換えられたこの未来を 一緒に歩みたい人の貌が浮かんで、目の奥が熱くなった。] (423) 2022/09/19(Mon) 23:36:07 |
【人】 2年生 松本志信[今、向こうは何時だろう。 わからないけどたまには遠慮せずに送ってみよう。 つかまえた猫と、ボロボロの写真。 ちょっと心配させるかも知んねぇけど。 遠い国の愛しい人のスマホが、震える**] (424) 2022/09/19(Mon) 23:37:00 |
【人】 1年生 朝霞 純【お盆を過ぎて】 >>397 [工藤さんは、食事のレパートリーにクリームパンと豆カレーが加わったこと以外は、特に代わり映えのしない生活を送っていたように見えた。 “小泉先輩の焼いたパンが食べたかった”という願いは叶えられることなく、それでも彼女は諦めずにパンを作り続けていた。>>381 きっと、彼女は死を悼んでいて、その苦しみに押し潰されそうで、だから小泉さんのパンが食べたいのだと、どうしても諦められないのだと分かってからは、私も工藤さんのパンではダメかとは言わないようにしていた。>>326 月日は巡って、お盆が過ぎて、工藤さんの家に訪れたとき。 工藤さんの癖が変わっていた。>>405 力を入れ方も、粉の振るい方も、焼き加減の確認の方法も、ほんの僅かな差異ではあるけれど、でも確実に違っていた。 その日焼き上がったのは、ふんわりと優しい味わいのするクリームパンで。 工藤さんはもう納得していない様子を見せることなく、それを仏壇に供えて、私に食べさせてくれた。 目の前でパンを咀嚼する工藤さんに、もう迷いはなく。 彼女の中で、一区切りついたのだと、小泉さんは形を変えて工藤さんの中でいきていくのだと、ただそう感じた。] (425) 2022/09/19(Mon) 23:39:37 |
【人】 3年生 武藤景虎───道程─── [日常は少しずつ戻ってきている。 それでも戻らない日常は確かにあって。 研究室に顔を出しても会えない顔が一人いることを思い出しては悲しみが胸を浚うことだったり。 変わっていく日常もあって。 徹っちんがイギリスに経ち、まつもっちゃんの様子を見にくっきーと徹っちんの家に行くようになったことだったり。 後輩女子たちも少しずつ変わってきているなと並ぶ姿を見て思ったりする。 オレはといえば、多分周りから見たらそんな変わってなかったと思うけど。 胸に抱えてた空虚はもう感じてなかったし、何かを残すことに急くこともなくなっていた。 歩んだ後に道は続いてて、其処に足跡は残ってる。 あの時経験した多くのこと、関わった人たちがオレの中に残ってるように。 オレの足跡も、誰かの心に残っていくのだと思うから。 そしてこれから先にはきっと、隣に一人分、大切な人の足跡が加わるのだと思えば、*心細くはなかった。*] (428) 2022/09/19(Mon) 23:46:52 |
【人】 3年生 津崎 徹太【そして、イギリスから帰る日】 (1)1d3年後 〜♪For you will bend and tell me that you love me And I will sleep in peace until you come to me.〜♪ [風が穏やかで、日差しもそんなに強くない日。 丘で最期に祖母に歌を捧げた。 ここで暮らした日々が思い起こされる] [祖母は亡くなる数日前からは少女になっていた。 だから、孫のことは忘れ、俺のことをなぜか兄だといっていた。 実際、兄がいたらしいが、戦争で亡くなっている。 名前もいつのまにかダニーと呼ばれていたのは、 こちらのでお話。 ただ、それでも、毎日を大切に過ごし、 毎日お茶の時間に、スマホをあけて、 学友たちの写真やメッセージをみる日々、 それも、もう終わるんだと] (429) 2022/09/19(Mon) 23:48:49 |
3年生 津崎 徹太は、メモを貼った。 (a44) 2022/09/19(Mon) 23:52:27 |
【人】 1年生 朝霞 純【翌月末、手紙参り】 [松本さんが手紙を書き終えたのは、皆よりも少しあと。 一緒にお焚き上げするのには間に合わなかったので、一枚だけ、別で持ってきた。 小泉さんの名前が読み上げられて、そうして文字を見るのが苦手な松本さんが、友人のために書いた手紙が火の中へと投じられる。>>-1346 薄く上がる火の粉、それよりも遥か高いところへ昇っていく煙。 死にたがった人は、大切な人と、今、精一杯に生きている。 自分の夢や未来を大切にしながら。 最期、小泉さんの最期に紙吹雪の魔法を使おうと提案してくれた、優しい人の友人宛の手紙が、薄い煙と共に天国へと運ばれていく。 小泉さんは見てくれるだろうか、今の状況を知ったら、きっと喜んでくれるだろう。 松本さんと小泉さんは周囲から頼られる人同士、何かと話してもいたようだったから。 そっと天国から、たまに見守っていてほしい。 大切な友人のことを、放っておけない人のことを。 これからを生きていく私たちのことを見守っていてほしい。] (430) 2022/09/19(Mon) 23:53:59 |
【人】 工藤美郷── 十数年後 とある夏の日 ── [ドアが開いた途端、忘れていた熱気がむわっと美郷を包み込んだ。一瞬にして全身から汗が噴き出す。改札を出れば、目の前を子供が駆け抜けていった。彼らは移動するとき、当然のように走る。 電車は予定通り到着した。ターミナルの時計は、純さんとの約束にはまだ時間があることを示していた。 アスファルトがゆらゆらと空気を歪めていた。熱せられた上昇気流に乗って、香ばしい香りが空へと昇っていく。美郷は紫外線に肌を焼かれる感覚を味わうと、ほんの少しの時間たりとも外で待つのを速攻で断念した。純さんに『駅前のパン屋7:364に居ます』とメッセージを送り、足を向けた。 相変わらず食べられるものは少なかったが、パン屋を見つければ店内に入るようにはなっていた。それは若い日に食べたあの味を求めてというよりは、小泉先輩へのお供え物を探す感覚だ。] (434) 2022/09/19(Mon) 23:55:26 |
【人】 工藤美郷[美郷はすっかり大人になった。食生活が変わって、代謝も落ちて、体格も幾分か丸くなった。小泉先輩の享年など、随分前に追い越した。 小泉先輩の時間は止まったままなのに、今の自分の方が人生経験も積んだはずなのに、いつまでも彼の方が年上のような気がした。 胸の内に思い起こす小泉先輩も、少しずつ変容しているからだろうか。] (435) 2022/09/19(Mon) 23:55:40 |
【人】 4年生 小泉義哉[ 記憶喪失だった時のことにも触れた手紙には、>>393 夢の中でも謝ってもらったのに律儀だなと思いながら。 彼女の心が少しでも楽になったのなら、 自分の生きた時間も無駄ではなかったのだなと思う。 この手紙で工藤もパンを作っているのを知ったときは、 すでにお供えが来ていただろうか。 いずれにせよ、美味いといただいていたのは 変わらないが。>>258 きっと朝霞と工藤は仲良くなったのだろうと、 文面からも分かるから、そのことも嬉しい。 天国から姿形を見守ることは難しく、 現世に還るときに見つけられたら、にはなりそうだが、 転生するまでは、ずっとこの場所から、 みんなの幸せを祈ることは続けようと思う] (436) 2022/09/19(Mon) 23:55:42 |
【人】 4年生 小泉義哉[ もしかしたら、 その他にも手紙は届いていたかもしれないが、 いずれにせよ―― みんな、ありがとうな。と心の中で呟きながら、 目を閉じて、届いた手紙を胸に抱える。 みんなと出会えて本当によかった。 次にもしまた会うことが叶うのなら、 みんなのことをもっと大切に思えるような 人間として出会い、 自分が死ぬことに決して満足しないような そんな人間でありたいと義哉は願う]** (438) 2022/09/19(Mon) 23:56:11 |
【人】 工藤美郷[ご飯時だからか、パン屋は繁盛しているようだった。窓越しに人影が見える。 ドアを開けようとした途端、中から子供が飛び出してきて、誰かの名前を呼びながら走っていった。友達がいるのだろう。] ………………。 [美郷は呆けたようにその子供を見送る。後ろの客から声をかけられて、やっと我に返って店内に入った。] (439) 2022/09/19(Mon) 23:56:19 |
【人】 工藤美郷[混雑していて、総菜系の甘くないパンはほとんど売り切れていた。しかし美郷の目的とするクリームパンはまだ売ってあった。 イートインコーナーに行く頃には、純さんも合流していただろうか。 美郷はパンを一口食むと、じっと考え込んだ。それから窓の外で遊ぶ子供たちに目をやった。 ちょうど隣の席を整えるためにやってきた店員に、] このパンはあなたが作ったのですか。 [確認すると、その通りだと言われた。少しだけ息子が手伝ったとも。 工藤は頷くと、] 遠い昔に、同じ味を食べた気がしました。 ……また来ます。 [そのように伝えて、再び窓の外に目を向けた。店員もまた同じ方向を見つめていた。 少年は太陽の光を受けて、力いっぱい遊んでいた。見ている間にも転んだ友達を励まし、あるいは喧嘩し、泣きながら仲直りをして、幼い感情を自由に放出しながら、空へ空へと成長していた。] (440) 2022/09/19(Mon) 23:57:25 |
【人】 工藤美郷[美郷は目を閉じて瞼の裏に小泉先輩を描く。小泉先輩は、美郷が見たことの無い、屈託のない笑顔を浮かべていた。 美郷は願った。彼の永遠の幸せを。] (441) 2022/09/19(Mon) 23:58:19 |
【人】 2年生 松本志信[電話がかかってきたのは、あの夢みたいに晴れた遅い夏の日で。 綺麗な青空が広がる、風の穏やかな日だった。 突然かかってきたものだったから驚いたけど。 丁度、そろそろオムライスもマシなものが作れるようになってきてて 今度の電話でそんな話でもしようかな、って思ってたところだったから。 泣き虫な彼の報告に、柔らかく微笑んで] (442) 2022/09/19(Mon) 23:59:56 |
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