人狼物語 三日月国


65 【ペアRP】記憶の鍵はどこ?【R18】

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視点:


一日目

村人:1名、霊感少年:2名、念波之民:2名、人狼:1名、童子龍:2名

【人】 とある書物

 
 
   君たちは幸せを守れる?
 
 
(0) 2021/04/03(Sat) 0:00:00



【人】 ??? 館の主


 君の大切な人の記憶の一部を預かった。
 返してほしければ
”記憶の鍵”
を探すことだ。

 鍵を大切な人の両手に握らせれば記憶は戻る。
 心配はしなくていい。
 時が来れば…現実で目覚めれば、
 君たちは元の場所へ戻ることができるのだから。
 
……記憶の保証まではしないがな。

(1) 2021/04/03(Sat) 0:02:12


(n5) 2021/04/03(Sat) 0:03:47

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2021/04/03(Sat) 0:06:51

??? 館の主は、メモを貼った。
(a0) 2021/04/03(Sat) 0:07:11

【人】 ハチヤ

[
目が覚めたのはベッドの中で、ひどい倦怠感と頭痛がするのはよくある魔力酔いの症状だろう。

とりあえず水を飲もうとおれは体を起こしてキッチンを見てみたんだけど……
なんでだろう?キッチンがあるはずの場所にキッチンがないし、廊下に続く扉があいている。

まだ本調子じゃないけど寝直すなら閉めなおさなきゃいけないと、おれは扉へ向かうのだけど
]


 ……あれ?


[
寮ってこんなん>>n0だっけ?


目をこすって見てみても、目に入る風景に見覚えがない気がする。
魔力酔いって幻覚症状あったかなぁ?
]
(2) 2021/04/03(Sat) 1:55:20

【人】 ハチヤ

[
扉を閉めて、ベッドに戻ると二つ並んだベッドのひとつが膨らんでいる。


 
おかしいな?おれは一人部屋だったはずなんだけど。



まあ、昨日はパーティーだったし、扉を開けたままだったから、酔っぱらった誰かが迷い込んだのかもしれない。

迷い込んだ誰かさんが起きるまでに、おれは鱗隠しの包帯を巻いておこう。

ああ、そうそう、サイドテーブルにコップと水差しがあったから、水にありつくこともできたんだ。
……でも、寮のベッドにサイドテーブルはなかったってことと、幻覚じゃ喉は潤わないってことぐらいは、おれにだってわかるから。

*ここ……どこだろ?ってなるよね?*
]
(3) 2021/04/03(Sat) 1:58:59
ハチヤは、メモを貼った。
(a1) 2021/04/03(Sat) 2:09:39

【人】 エン

[ハチヤがベッドを抜け出してドアに向かって歩いていく足音がする。


どうしたんだ、と声をかけようとちょっとだけ布団を持ち上げた──ところに。


>>1]


 ……は?


[愉快犯な誰かの悪戯?記憶の一部。試しに自分の記憶を辿ってみるが、消えた記憶なんて自分では分からない。本格的に布団を持ち上げて、ハチヤの姿を探すとすぐ近く、隣のベッドに姿が見えた]


ハチヤ?


[こいつが包帯を巻いてるのを見るのなんて久しぶりだ]
(4) 2021/04/03(Sat) 2:23:10
エンは、メモを貼った。
(a2) 2021/04/03(Sat) 2:31:19

【人】 文月 美鶴

   
―  ―

[

 
貴方と積み上げたものがなくなったとき。

 
私の中に残るのは、苦い記憶。

 
蜘蛛の糸のように細く、取るに足らないはずの

 
でも、私にとっては重い
記憶


 
その
記憶
は心の奥に封じてた。

 
貴方にも言うつもりなんてなくて。



 
貴方の言葉は私を本当の意味では変えてなかったけど

 
表面上は、私を変えてたんじゃないかな。

 
少なくとも貴方以外の人には

 
“なんか変わったね”

 
って言われたりしたから。

 
……貴方には気づかれてたみたいだけど。>>0:41


 
 
ちゃんと答えられなくて、>>0:129

 
貴方が後ろめたいことがあるからじゃないか、

 
なんて思っているのを知れたなら

 
私はそれに否定を返すことが出来ない。


 
――私はね、

 
貴方が思うような素敵な女性じゃないから。

 
後ろめたいこと、があるとするなら、それ。

                     
]*
(5) 2021/04/03(Sat) 2:36:41

【人】 エン

[
ハチヤが。俺を見る目が、まるきり他人を見る目をしてることに、凍りついたみたいに思考が止まった*
]
(6) 2021/04/03(Sat) 2:38:07
文月 美鶴は、メモを貼った。
(a3) 2021/04/03(Sat) 2:40:26

【人】 アマミ


   まぁ嘘の付き方なんて知らん方がいい。

   はは。島の件は今でも悪かったと思ってる。
   あの頃は少し他人に不信気味だったのさ。

   ............いや。今も、か......?


[顎に指を当て考える。
前よりマシになったというだけだと自覚しているつもりだったが、そのあたりはアマミの事を見てきたクラヴィーアの方が詳しいのかもしれない。

3年もかけて己の前にこうして姿を現している時点で大概じゃないだろうか、と。アマミが彼女の心境を知れば揶揄うことになっただろうが、それはさておき。>>0:149


仮面を被った自分とは違い彼女の表情の変化は実に分かりやすい。
おかげでアマミは余計な勘ぐりをしなくて済むというものだ。

傍にいても不快感を抱かない理由は彼女のこういう一面にあるのだ。]

(7) 2021/04/03(Sat) 8:12:48

【人】 アマミ


[互いの願いが一致した今なら>>0:150、「心が読める」と嘘をついても信じてもらえそうだが、残念ながらアマミは嘘が下手だ。

結局、自分がどうしたいかしか考えてはいなかった。

彼女に風邪をひかせない様に、など。
嘘ではなくとも彼女を家に留める口実に過ぎない。


隣を歩くクラヴィーアから向けられる感情はかつて己が願い、あの島で捨てた物を彼女に拾い上げられるようで。]


   知ってるさ。
   だが口実にするには上等だろう?


[島の事を思い出してくすりと笑う。

「あの島を生き延びる人間に生活能力や免疫力が無いわけないだろう。何を言っているんだ。」


街を歩きながら、彼女をそんな風に揶揄って見せるのだ。]

(8) 2021/04/03(Sat) 8:14:26

【人】 アマミ



   あぁ、暖かい食べ物については同感だ。
   それに、最近栄養も不足している気が
   するんだ。


[だからなるべく栄養価の高いものを彼女には頼むことになるだろう。料理のリクエストをしなかったのは、もてなされる者のささやかな礼儀だ。

食材を手に入れる時には費用負担について少々彼女と言い合うことにはなっただろうが>>0:152、結局アマミは自分が折れることを選ぶ。]


   あぁわかった。だがこれは俺の持論だけどね。
   料理や家事をする事にも対価があって
   然るべきだ。

   礼くらいはさせてくれ。


[そう言えば彼女は納得してくれるだろうか?なんにせよ、その礼が何になるかは彼女次第のところがあるが。

先に家に入るなり、
おかえり
と冗談めかすクラヴィーアは>>0:153なんとも可愛げのある姿だとアマミは思うのだった。]**

(9) 2021/04/03(Sat) 8:16:34

【人】 アマミ


[ところで彼女の使用人はやけに理解がある。
それどころかむしろ使用人は我々を見る時に何かを期待しているように思えて、彼女の家に寄った時にはアマミも流石にたじろいでしまった。

今でも使用人のにやけ顔がやけに気にかかっている。

その目はアマミからは利害を求めたものではなく、他者の色恋を囃し立てるある意味タチの悪いものに見えたのだ。

クラヴィーアの想い人である己が変人なのはいいとして。
使用人もまた変人なのだろうか?
普通もっと男側の己に対して厳しく当たるものでは無いのだろうか?

アマミはそんな疑問を抱かざるを得ないのである。]**


(10) 2021/04/03(Sat) 8:19:04

【人】 アマミ

──買い物を終えて──

[クラヴィーアが夕食の準備をしてくれている間>>0:165、アマミは当初予定していた執筆を足早に済ませていた。

構想は既に練ってるが為にこの印字の作業がなにより大変かつ面倒なもので、筆先を走らせながらも頭の中ではほかの事を考えるようにしている。

今考えていたのはあの島でのことだ。
失った記憶を思い出すことは出来ないが、記憶を失ったという事実だけは覚えていられる。覚えていてしまえるのだ。

それはきっと、クラヴィーアも同じなのだと思えばアマミは苦痛など微塵も感じはしないのだが。>>0:161

あの島での出来事に疑問がないといえば嘘になってしまう。]

(11) 2021/04/03(Sat) 8:45:46

【人】 アマミ


[まだあの島にいてクラヴィーアと出会う前では、幸せな思い出など一握りだ。

彼女の未来に平穏を。>>163
その対価にたった一握りの幸福を捨て去るのは釣り合いが取れているだろうか。

アマミはずっと疑問に思っていた。
自分自身が一握りの幸せな思い出にそれほどの価値を見いだしていなかったのだから。>>162


釣り合いなんて微塵も取れておらず、
この先に試練という名の対価が突きつけられるなど。
この時のアマミは知る由もない。


(12) 2021/04/03(Sat) 8:46:54

【人】 アマミ


[疎まれ虐げられ、時には生命すら脅かされた幼少期。
記憶を抜かれた今となっては過去は苦痛でしかないが、
まこと皮肉であるのは断片的に記憶を残されている事だ。

記憶によって抱く感情は月によって淘汰され、そこには事実だけが残る。
己が何を感じたかなど。そこにはもう、無いのだ。

人の想いは記憶の奴隷なのだと、かのシェイクスピアは綴るが隷すべき記憶すらなければ何かを想うことも出来はしない。

それは感情を奪われたまるで機械の型番に等しい空虚なプロフィール。気分が悪いことには違いなかった。]**

(13) 2021/04/03(Sat) 8:49:41

【人】 アマミ


[しばらくして、執筆に勤しみながら思想に耽っていたアマミを現実に引き戻したのは、彼女が持ってきてくれた食事から漂ういい匂いだった。>>0:166

ありがとう、といつも通りクラヴィーアに礼を言うとまた彼女と食卓を囲む事にするのだが。
ちなみに味の方は完食した皿を持って答えとした。
味に対する絶対的な信頼、という方が正しいかもしれない。



   ワインか......久しく飲んでない気がする。
   せっかくだから貰うとしよう。

   君も一緒に飲むか?


[彼女にワインを見せられるとグラスを取りに行くのだが、いつか買ったワイングラスは少しだけ埃っぽい。その為一度洗って食卓にグラスをふたつ置いて、ワインを揺らしながら乾杯を告げることになるだろう。

教会からの貰い物らしいが、ワインは高級品だ。それ故に貰わない方が失礼というものなのだ。]

(14) 2021/04/03(Sat) 8:51:09

【人】 アマミ


[喉を通る酸味と渋みはクラヴィーアの作ってくれた煮込み料理に良く合う。

貴族共の真似事はゴメンだとワインは敬遠していたアマミであったが、これを機にワインをまた飲もうなんて考え始めすらしていた。

一口ワインに喉を鳴らす>>0:166クラヴィーアに何気なく]


   リアンの育てた林檎でりんご酒を作ったら
   きっと美味いんだろうな。


[と話題を振ってみるのだが。
おかしい。ちゃんとした返事が返ってこない。>>0:167

アマミは思わず目を丸くしてしまった。
なんとも間抜けな
本人に言ったら怒られそうだが
様子のクラヴィーアは、いままで見たことがなかったものだから。

彼女の新しい、しかも滅多に見ることが出来ない一面が垣間見えたと思うと自然と笑みが零れてしまった。]

(15) 2021/04/03(Sat) 8:54:53

【人】 アマミ


[体力の消耗や疲れの蓄積は酔いを煽る。
もしかしたらクラヴィーアは今日のことで疲れてしまったかもしれない。

そう思えばアマミにはクラヴィーアをみっともないと糾弾できる訳もなく
椅子に深く座る彼女にそっと腕を伸ばして。]


   いつもありがとうクラヴィーア
   今日はゆっくり休むといい。


[彼女を労いながらその華奢な体を抱き上げ、普段自分が使っていた寝室のベッドへと運ぶ。

どのタイミングで彼女が意識を手放したかは定かではないが。


彼女を寝かせた後は優しく頭を撫でた後、アマミはソファーで眠ることになるだろう。
多忙期にはベッドで寝ることなどほとんどないこの男には、寝床など関係ないのだ。

朝になれば今度はアマミがクラヴィーアに間抜けな姿を見せることになるだろう。]**

(16) 2021/04/03(Sat) 8:56:46

【人】 アマミ


[アマミが見る夢はいつも陰惨であった。
幸福な夢など見たことは無い。

正確に言うならば、彼女との時間こそがアマミにとっての夢に等しいもの。
だからアマミにとって、夢を見る必要などないはずだった。]**

(17) 2021/04/03(Sat) 9:27:52




  [目が覚めた時
   クラヴィーアの音色は聞こえない。]




        [聞こえたのは
         
運命の歯車が回り出す音
だけ。]








[気づくとアマミは大きな館の玄関のような場所にいた。
少なくとも館が何を模したものなのか、その内観にアマミには心当たりがない。
彼女は何か心当たりのかもしれないが。


わけが分からないと半ば呆れたかのように胸元のパイプに手を伸ばすと、違和感に気づく。
実はクラヴィーアが家に来るようになってからパイプを吸う回数が減ったのだ。

身体に悪いし長生きをしてみたくなったのだと、これは彼女には言っていないことである。

それはそれとして。
これは明晰夢なのだろうかと、違和感の消化を始める前に矢継ぎ早に聞こえる声には、アマミは苛立ちを隠せずにいたのだった。]




   預かっただと...?
   ふざけた事を...冗談でも許さんぞ。


[記憶の重みをアマミは誰よりもよく知っていた。それを預かるなどと言うものだから、冒涜にも程があると憤らずにはいられない。

しかし声はそれっきり聞こえては来なくて、小さな舌打ちと共にアマミは周りを見渡した。

大切な人
など、一人しか心当たりがないのだから。


姿が見えれば駆け寄ることになるだろうし、
姿が見えなければ
彼女
を探すことになるだろう。]*


【人】 クラヴィーア

>>7 アマミさんの疑問にちょっと返答を考える。
 ……私以外に対応している姿の記憶が
ろくに浮かばない。

 ならば ]

 別に悪いなんてないですわよ。誰にだって言われたらいやな言葉位ありますし。

[連鎖で思い出す。言い返した顔が好みだって言葉を。思い返すとかなり恥ずかしい。
どんな返答だ、自分。

 だが今でもそれは変わってない。趣味に合致している。お面があって直視する機会が少ないのはある意味助かっているのかもしれない……。]

 少なくとも、今の私にはそう見えないよ。

[こんなに優しくしてくれて。私の事を悪い人間じゃないって信じてくれるんだからな。>>0:142
 
(18) 2021/04/03(Sat) 10:34:34

【人】 クラヴィーア

 
[歩きながらかけられる揶揄われる言葉。>>8
 そうだなって笑い返す。
 まだ一緒にいたい。同じ願いでいてくれるのなら。口実なんて何でもよかった。

 栄養価が不足していると言われれば心配を隠さない視線を向ける。>>9
 私が来ない時ちゃんと食べてるのか? この人……。

 お礼、と言われればそれを拒否することもない。
 仕事に対して報酬があるのは当然の話だ。]

 わかりましたわ。
 楽しみにしてますので。

[私次第、なんて考えてる事は知らない。
 私としては何を選んでくれるのか。それを楽しみにしたかった。
 なんでもいい。仮に趣味が悪いのが来たって笑って受け取るとも。選ぶ間自分を考えてくれる。自分の事で悩んでくれる。

 そんな時間がアマミさんに出来るだけで十分嬉しいんだ。]
  
(19) 2021/04/03(Sat) 10:36:31

【人】 クラヴィーア

 
[うちの使用人はロマンス小説かぶれを起こしている。
 貴族の間では顔をしかめられるロマンス小説も私は読んだりしている。虐待されている時期、本の世界に逃げる事が多かった時からの習慣だが本というのは面白い。

 使用人にも勧めたらすっかりはまってしまった。
 私の今までの境遇、そして恋。
 それらははたから見れば物語のような、観客から見れば実に心わき踊るものだったようだ。

 『恋というのはどうしようもないものですわ!』なんて豪語された。うん、反対されないのはいいんだがな。

 囃し立てる視線に感じたのは、決して間違いでないのを謝罪しよう。……すまない。

 なお親戚はわりと普通に心配してくれている。が私が意思を曲げなかったから折れてくれただけである。]
 
 
(20) 2021/04/03(Sat) 10:39:24

【人】 クラヴィーア

 ― 夕食時 ―

[食事を完食されればほっと一安心。>>14
 ワインを勧めれば一緒に、と言われ断る理由もなく受け入れた。

 呑んで少ししたら頭がふわり、として来た。
 ……リアンさんの名前が聞こえた気がする。>>15

 ……ん。

[生返事に目を丸くされたのにも気づかない。
 間違いをうっかり起こさないように。と気遣い続けていたのに。今日は失敗を犯したとも。ああ。
 
間抜けと言われても反論出来ないな、これは。


 体が抱き上げられる感覚。>>16
 ……物凄く心地よかくてつい甘えるように身を軽くよじる。

 布団に入って少しで完璧意識は落ちる事となった。]*
 
(21) 2021/04/03(Sat) 10:40:48
 
[幸福な夢というのはどうして、覚めてしまうのか。

 痛い思いをしていた時、何度も思った。


       
 ──────もう、私は紅の月を見ても、何も願ったりしないのに。

 

 
[目が覚めた時、見覚えのない洋館にいた。
 そこは廊下で、立っていた事に理解がおいつくと思わずふらついた。壁に手をとっさにつく。]

 ……夢か?


[いきなり知らない場所にいる。それはあまりに現実感のないことだった。
 これが縛られたり閉じ込められているなら真っ先に誘拐を疑う。これでも貴族だしその可能性も十二分にあるしな。

 だが……体を動かしてみても自由に動く。
 これは一体どういう状況なんだろうか。

    ・・・・・
    
見知らぬ人
が見えた。 

 そうして声が聞こえた。

 ……なんの事だ?
 何を言っている?

 記憶の一部?
 そう言われてふと、おかしい事に今度はすぐ気づけた。]

[    ・・・・・
 なぜ、私は
誰もいない
知らない家で食事をとっていた?
 わざわざ材料を買って、そんなことを?

 直前の記憶だけで既におかしい。
 そんな行動普通に考えたら狂っている。

 私は覚えがあった。
 不自然に思い出せない記憶。
 それは、
願った後に気づいたこと────……


 ──────っ!!


[違う、あの月を見ていない。もう見たとしても家族の事が片付いた今、記憶を対価にしてまで願う事がない。
 じゃあなんで記憶がおかしい?

 心臓がバクバクなる。体が震えそうになるのを必死に堪える。
 見知らぬ人が自分を見つけて駆け寄ってくるのが見える。

 お面が顔を隠しているのなら、不信感をわずかに顔ににじませる。
 この状況で顔を隠している人は普通に怖いさ。

 落ち着け。私は前とは違う。今度こそ無力であらない。

 私は相手に向かって優雅にカーテシーをした。]
 

    
・・・・・

 どうも
初めまして。


[どんな反応をされただろうか。言葉を続ける。]

 さっきの声を聞きました?
 ……記憶を預かったとか。

 何かご存じですか?

[相手がどんな立場の人間なのか。それを知ろうとじっと反応を伺った。]**
 

クラヴィーアは、メモを貼った。
(a4) 2021/04/03(Sat) 11:09:27

【人】 ハチヤ

[ここがいつもの部屋じゃないってことはわかった。
じゃあきっと隣で寝てる人の部屋で、おれが迷い込んだのかなって過ったんだけど──…

パーティーで知らない女の子から変なものを食べさせられて、それから先がもやもやしてるんだけど……
今起きてきたのは髪型とか顔だけなら女の子で通るかもしれないけど、体つきはどう頑張っても女の子じゃない。
おれの名前を呼ぶかすれ気味の声も、女の子のものじゃない。

んで、この人はおれの隣で寝かせられてた。
状況的にこの人はおれと同じってことなんだと思う。

…………つまり]


 ……おれら、誘拐されたの?


[って、ことだと思うんだ。

あの子の被害者おれが1番、この人2番。
この人ひどい目に合わされたみたいだから順番逆かもしれないし、他の部屋にもおれ達みたいな人がいるかもしれないから、ほんとはもっと番号があるのかもしれないけど……
今はそういうことにしとこう。

そういえば、この人なんでおれの名前知ってるんだろ?]
(22) 2021/04/03(Sat) 12:12:41

【人】 ハチヤ

[学園に放り込まれてすぐの頃、何が原因だったのかは思い出せないけど、
おれが大事にしてたものが盗まれて、ぼろぼろになって返ってきたことがあったんだ。
きちんと宝物がぼろぼろにされた分、犯人もぼろぼろにしたけれど、先生にはめちゃめちゃ怒られたし、一部の授業は出れなくなっちゃって。
それ以来、わからないヤツとは付き合ってもいいことなんてないだろうから、おれは必要最低限の人以外と関わらないようにしてたんだ。

だから、えっと、ほんとに]


 ごめん、きみ、だれ?


[知らない=交流がないって言ってもいいから、2番の人に心当たりが無さすぎた**]
(23) 2021/04/03(Sat) 12:21:20

【人】 メガネ 忽那 潤

────微睡の中に入る時



  彼女の願いが届いたか、届いていないか。
  彼女のごめんなさいは彼の耳には入らなかった。
  彼女を愛した代償に、
  彼女よりも先に微睡の中に入ってしまったから。

  もし、彼がその謝罪を聞いていたのなら

  『そう思うなら、信用してほしい』

  から入っていたかもしれない。
  全部、彼女の過去も背負いたいから。
  彼女との未来を考えているから、
  尚更知りたくなってしまうのだ。

  教えてもらえないのなら、
  心が苦しくなりそうで、辛い。

                      ]*
(24) 2021/04/03(Sat) 12:59:22



[どうして幸福な夢は覚めてしまうのか。
きっとそれは、夢だからなのだろう。

覚ましたくなければ、現実に落とし込むしか道はないのだ。




覚めたくなければ、願ってはいけないと。
そんなこと己も彼女も知っていたはずだ。






[アマミは自身でも驚く程に冷静でいられた。感覚はあの島でクラヴィーアの傷の手当をした時に近い。

気に入らないが今は声の言う通りにするしかないということは分かっていたが、重要なのはクラヴィーアがなんの記憶を失っていたか、だ。
己の記憶におかしなところがない以上、
彼女に何かあると考えるのが自然であろう。



   ............。


[その言葉が答えだった。
有り得るかもしれないという懸念があったとしてもいざ的中すれば流石に動揺はするものだが、面を隠しているならば顔色の変化を見られることもない。]



[彼女から微かに感じる警戒心は皮肉なことにどこか懐かしげのあるものだった。

あのころはどちらかと言えばアマミの方が彼女を警戒している節があったのは否めないが、それから今に至るまでの軌跡を彼女は丸ごと取り上げられたことになる。

まるであの島でのクラヴィーアとの出来事をなぞるように、アマミはお面を外して。]


   ごきげんよう。

   ...さぁね。俺は君の記憶を取り戻すために
   手伝い役としてここに連れてこられたようだ。

   有り体にいえば、君に巻き込まれたと言うべきか。


[状況整理のために改めて鍵を探せば記憶が戻ることなどを伝えた後、行こうかと声をかけるが彼女はどう答えただろうか。
警戒心が少しでも薄まればいいとは思うが、それが難しいのは人嫌いのアマミが何より分かっていた。]*



[私の言葉に、目の前の狐のお面をつけた人は少し沈黙をした。

 お面は外され顔が見える。その作りが自分の趣味に合致していようとも、それに心を動かされるような状況ではない。
 ただ、顔が見えた事に少し、安心しただけだ。

 ……え

 手伝い役……ですの?

[ただ戸惑う。
 考えがまとまらない内に、目の前の人に状況整理の説明を受けた。
 行こうかと言われようともまだ状況についていけてない。]

 いや、いえ。待って下さいませ。
 ……巻き込まれた、とおっしゃいましたわよね。
 でしたら私より其方の方が問題ですわ。

 それならばまずは其方が帰る手段を見つけなくては。
 知らない方を巻き込む真似なんて出来ませんわ。
 私の事は自分で何とかします。

[目覚めれば、元の場所に帰れる。そう言われたが確実かどうかなんてわからない。ここがどういう状況なのか。普通でない以上他人を巻き込む真似はしたくない。どうしたって。
私はやはり、私の事を優先する気がない。
]
 

 
[待て、一回ちゃんと考えよう。

 私の記憶は消えている。
 そう思っていいんだと思う。でないとおかしい。

 あの声は大切な人の記憶の一部を預かった。そう言っていた。
 ……願いが叶う月があるのなら、こういった理不尽で、人の手で不可能な事をやる存在がいたって何もおかしくない。
 何故、どうしてとか色々思うとこはあるが……今は全部無視してやる。

 
 ……この人は手伝い役、巻き込まれたと言った。
 大切な人というのはじゃあどういう事なんだ?
 いや、勝手にそんな事をする声の存在を信じる方がおかしいのか?

 ……待て、なんか変じゃないか?]

 あの、どうして私の記憶がなくなっていると?
 他に何か説明でも聞いたのです?

[そう、私はまだ何も相手に話をしていない。
 なのにどうしてそれを理解の上でいるのだろうか。

 他に知っていることがあるなら教えてほしい。
 情報がないのはそれだけで不安だ。]*
 

【人】 エン

[記憶の一部を奪った、という誰だか知らない声は、疑うべくもないらしい。一部というのがまさかピンポイントで俺だとは。タイミングといいよっぽど性格が悪いらしい]


[あいつの目が俺を知らない人をみるみたいな目をしてた。あいつは感情が全部顔に出るから、隠すなんてできないし嘘だってつかない。だから>>1はたぶん本当で


誘拐されたの?なんて見当違いに違うという否定を返す余裕はない。むしろそれが事実であった方が、むしろいいのではないだろうか。だって違うというのなら]



「ごめん、きみ、だれ?」



[凍り付いたみたいになった俺に、一番聞きたくない言葉が聞こえた]
(25) 2021/04/03(Sat) 20:51:50

【人】 エン

 ──………。


[これは、なんと返すのが正解?友達?寮の同室?それとも、お前の嫁だとでも?

どれと答えたところでこいつは俺のことを覚えていないのに。何と答えても、きっと俺はこいつにとって不審者だ。こいつは不審者は徹底的にスルーするやつだから、俺が不審者になったらきっと俺に興味なんてなくすのだろう。


この上なにこいつ?みたいな目を向けられたら泣くかもしれない]


 ……あー…


[どうしよう。けど]


 ……ちょ、っと。たんま。ちょっと、待て。おち、つくから……


[それだけ言うのがやっとだ。一度剥ぎかけた布団をばさりと頭の上までひっかぶって、完全にこもってしまおう。今は、コイツの声も聞きたくない*]
(26) 2021/04/03(Sat) 20:53:12

[もうひとつ気になることがあったとすれば、記憶をなくしたとしてクラヴィーアが大人のままか少女に戻ったかという事だったが。

心が動くよりも先に事態の解決を望む姿は少なくとも少女のそれとは趣を異にするとアマミは解釈する。]


   そう、手伝い役だ。
   1人じゃ心細いだろう?


[とは言ったものの、彼女はまだ状況を整理出来てないらしい。無理もない事だが、続く言葉には思わずふふっと笑いが溢れてしまう。

そうだ。クラヴィーアという女は、そういう人であった。]



[アマミはクラヴィーアへと告げる。
嘘ではないが、記憶を戻してもらわないと困るという己の意志を。]


   どうやら君が記憶を取り戻さないと
   駄目なようだ。
   それに、時間制限もあるらしい。

   これはもう、君だけの問題じゃない。


[記憶をなくせば人は死んだことと変わらない。それはあの島でもよく分かっていたことだ。
クラヴィーアに死なれては己も困る。

伴侶に選ぶと決めた女の問題は、決して他人事ではない。
しかし彼女の疑問には一度首を傾げて、その真意を理解すると1人納得するように頷いた。]



[目の前の彼女には「大切な人」が何を示しているのかがきっと伝わっていないのだろうとアマミは解釈した。
記憶をなくしたからだけではなく、
己が彼女に伝えて来なかったせいなのかもしれない。



   生憎、俺の記憶は抜けていないからね。

   2人ともか、どちらかが抜けているかしか
   有り得ないとしたら、きっと君の方が記憶が無いと
   考えるのが自然さ。

   それでは不十分かな?


[そう、そこまでは推測でも充分たどり着ける領域だ。しかし彼女の不安を拭うために必要な情報量にはまだとどかないもしれない。
だからこそアマミは彼女に手を差し伸べて言うのだ。]





   少なくとも言えるのは。

   俺は君を守るためにここにいるという事だ。
   俺の目を見て嘘じゃないと思うなら、

   俺の傍を離れるな。**





 
人の成長は人と関わって起こる。
 私はアマミさん以外の人とも沢山接して来た。
 彼の影響は決して少なくないけれど、だからと言って何もかもを失い続けて、すがっていた希望すらなくた時もブチ切れて自分の足で無人島に行くだけの精神は元からしていたんだ。
 彼の記憶が抜けたからといって一気に大きく退行することはない。

 ただ、心の一番の支えを失った分……それに今の私は自覚はないが相応に不安は大きい。それを他人には見せる気がないだけだ。


 それは……
 否定は致しませんわ。
 一人よりは二人と言いますし。

[まだ戸惑いつつも一般論として返答した。この状況に一人は普通にその通りだから否定しても仕方ない。
 続けた言葉に何故か笑われた。 当然の事しか言ってないのに何故だ。

 目の前の人曰く、私が記憶を取り戻さないといけないらしい。
 申し訳なさが胸に広がる。私の問題に人を巻き込むのはいい気分じゃない。]
 

 
[私の質問に対する返答を聞けば疑問は納得に変わる。
 いいえ、十分です。と説明に対する納得を示しておいた。

 ……しかしこんな意味がわからない状況に巻き込まれて、知らぬ相手の記憶を探す手伝いを強要されているわりに冷静だ。
順応力高いな
、狐のお面さん。

続いた言葉に、違和感を感じた。
 嘘と思ったとかじゃない。その言葉は知らぬ相手に対してかける言葉に聞こえなかったからだ。

 どういう訳か仕方なく、という感情を感じない。

 ほんの少し自分のここに来る前の記憶をたどるだけでも私の中に欠けた『誰か』がいるのは流石にわかる。
 あの大きな家に私は『誰か』に会いに行って、共に過ごしていた……筈だ。

 
 その欠けたピースにいるのが目の前の人だなんて今は流石に思わない。

 だが……もしかして、私の事を知っているのか? というわずかな気づきはあった。

 差し出された手をどうするか考える。
 ────……信じるか、疑うべきなのか。

 

 
 
────……



 

 
 
 嘘じゃない
、そう思います。


[そう言って目をしっかり見返して手を軽く重ねる。]

 ただ、無理して守ろうとしなくていいですわ。
 貴方は巻き込まれただけの人でしょう?
 なら守るなら私の方ですわ。

 何があるか分からないことに巻き込んだ責任はとります。
 記憶を戻して、無事に必ず帰れるよう致しますわ。

[そう言って空いている手で軽くスカートを持ち上げつつ頭を下げた。


 私は選ぶなら、人を信じる人間でありたい。

 母の事を思えば愚かな選択肢だろうし、裏切られることもあるだろう。それでも、自分で選んで傷付くならそれでいい。
 どういう思いでこの人がここにいるかわからない。
 だけど感じ取った守ろうとしてくれる心を踏みにじったりしたくない。相手が他人であろうとも、それでも。私は踏みにじる人間になりたくない。]

 改めまして巻き込んだことをお詫び申し上げます。
 大変申し訳ありません。暫しの間宜しくお願い致します。
 私の名前はクラヴィーア・シーモア。

 貴方の事はなんとお呼びすればよろしいでしょうか。
 

 
[名前を聞くことが出来たのなら、軽く笑ってでは行きましょうか。と進みかけて。
 念の為に玄関から出れないか調べてみませんか? と歩みを進めることにする。

 扉からでれない事を確認すれば、それもそうか。と軽くため息をこぼす。
 そうして近くに飾られている蝶の置物に目を付ける。
 なぜだろう。
『鍵かもしれない』
と認識出来た。

 それを手にしたら……それは
『違う』
と消える事で認識する。……というか物が消えた。うん、これ現実じゃないな。
 そうして馬鹿にしたような笑い声を聞く事になる。
  

  
 ……この館の主は随分な性格なようですわね。

[目が決して笑ってない笑顔で静かに怒った。
 とりあえず、
元凶を許さないことは決定だ。
]**
 

 
[……方法が分かっている訳じゃない。
 自分だって状況に振り回されている。だから言った言葉に自信があるわけじゃない。そうしようという意志は嘘じゃないがな。

 私はただただちっぽけなだけの人間だ。
 心は
多少
逞しい方かもしれない。だがそれだけだ。
 それでも、何かあった時一回だけでもいい。巻き込んでしまった人を庇う位は出来るはずだ。

 心の奥の不安はただひたすらに隠して。
 相手の少し前を歩こうとするのは相手に気づかれるだろうか────…… ]

 

 ― 喪失 ―

[ピアノが好きだった。その記憶も思いも失った。
 それでも今私は出来るだけ音を鳴らせるよう教会にあるオルガンに触らせて貰ったりしている。今の家に運ぶには実家のピアノは少々重量すぎたしな。

 失くしても、もう一度好きになれない訳じゃない。
 思い出はもうなくても練習すれば体が覚えてくれていた楽曲をへたっぴながらに響かせる事が出来た。

 それが嬉しかった。
 心が忘れても体が覚えてくれている事があった。

 たまには聞きに来てくれてもいいんだぞ、って誘ったこともあったがあの人は果たして聞きに来てくれたことがあったかな。


 教会にあるのがそれだから、という理由もあるが
 オルガンを弾くとどこかくすぐったい思いがあったのは
 『どこぞの誰かの本の題目を思い出すからだよ』
って事を話したことは、あった。

 今は、その本の存在すら……思い出すことは出来ない。
]**
 


[人間は足さえあれば歩ける。
彼女の足を支えるのは何も自分だけのことではなかったようだ
考えてみれば当たり前のことかもしれないが、人との付き合いがないアマミにはそれを察するのに時間を要するのである。]


   だろうな。
   俺がもし君の立場なら1人はごめんさ。


[助けを求めることは決して悪では無い。
そこに後ろめたさがあったとしても、そうやって互いに義理を通して行くことで人はこれまで生きてきたのだ。

だからアマミは彼女の問題に躊躇いなく
首を突っ込むことになる。


こちらの返答は納得いただけたようで、彼女の聡さを改めて実感しつつアマミは彼女の答えを待っていた。]
   


[たとえば記憶の欠片をピースに例えるとして。ピースを填める外枠は何に当たるだろうか。

それは即ち記憶を元に感じた情動と言うべきか。欠けたピースがアマミであろうと、クラヴィーアが気づかないのも無理はない。

そもそもアマミというピースが存在する、その事実そのものをこの館の主は彼女から奪ったのだから。
アマミは今の彼女にとっては、外枠の更に外側にいる異分子でしかないのだ。]




[嘘じゃない。
そう答える彼女は少なからず己を思い出してくれているのかと一瞬そんな期待が脳裏をよぎる。
しかし、そんな都合のいいことなど起こり得るわけはない。

期待はすぐに捨て去られることとなる。]


   俺は無理して人を守るような人間じゃあない。
   単純に、君に危険な目に遭われたら俺が困るんだ。


[それは義理ではないのだと、今一度つよく彼女に主張するのは自身がクラヴィーア程に義理堅い人間ではないことを示すためだった。

彼女と自身では思考の根幹が決定的に異なっているのだと。]


   俺か?俺は.........アマミ。
   君がこの先二度と忘れられなくなる名だ。


[そう意味ありげに微笑むとクラヴィーアの一歩前を歩くことにした。]



[それからアマミは彼女に顔を向けないまま、クラヴィーアにひとつ提案を示す。
それは言葉遣いのこと。いきなり示されればクラヴィーアは混乱するだろうか?
アマミは彼女程気遣い上手でもなければ優しくも無いためにそこまで気が回せないのだ。]


   ところでこれは老婆心のようなものだが...
   その口調、喋りづらくないかい?


[クラヴィーアの提案に乗る形で玄関を調べている時、さりげなく話題提起を試みるのだった。]**



[それから結局、大方の予想通り玄関の扉が開くことは無かったわけだが。

彼女が
それ
を手にした時、アマミは独り言のようにその名を呼んでいた。

Бабачика(バーバチカ)、『蝶』と。

しかしクラヴィーアが静かに怒りを滲ませた時にはその通りだとしか思えず、同調するように下唇を軽く噛んでいただろう。]


   あぁ。それについては同感だ。
   人の記憶で遊ぶとは、悪趣味が過ぎる。

   
[赤の他人がヘラヘラと弄っていいほど記憶というものは安くないのだと。
彼女の前では久しく怒りで声を震わせていたのだ。

昨日ロゼリアを追い返した時よりも
怒りは強かったが、今の彼女がどう覚えているか
分からない以上、比較出来たのかは不明だ。




[それから彼女の様子を見つつ探索を続けることになるのだが記憶の鍵を探すのは手伝えるが直感的に正解を導き出せるのはクラヴィーアのみだ。

ならばと彼女の進む方向について行く事にしたのだが、彼女の前に出ようとすると何故か彼女が更に前に出てくる。

彼女の言葉は、その行動の裏付けとなるのだろう。
アマミはその場に立ち止まって、彼女に語りかける。]


   クラヴィーア。突然だが...
   これは俺の持論なんだけどね。

   記憶を無くすというのは
   死んだも同然だと俺は思うんだ。

   その人が得た経験や感情の成り行きが
   丸々抜け落ちてしまうからな。
   その人の歩みの記録が無くなったというべきか。


[緊張を解すための話題提起にしては少々重すぎたかもしれない。
それでもアマミは言わずにはいられないのだ。このまま彼女の記憶が戻らない可能性は避けたかったから。

アマミは前に出ようとする彼女を止めるように腕を彼女の前に出して庇ったのだった。
奇しくもこの言葉を彼女に向けたのは初めてではなかった。







   だから、クラヴィーア。


            死ぬなよ。絶対に。*





 
[私の意見に同調する言葉にそうですか、と返答した。

 助けを求める重要性は身にしみている。それでも、どうしたって自分は頼るのが苦手な性分を変える事が出来ない。
  
────それは、かつて頼りたいと願っていた相手に信じて貰えなかったトラウマが起因となっている訳なんだが。心のトラウマは簡単に完治しない。


 巻き込まれただけの人に望まない事を、無理をさせる気は一切ない。
 それなのに目の前の人はそうじゃないと言葉で示す。

 この人は私を知っているのかもしれない。

 それを確信に一歩一歩進めていく。]

 困る事がありますの……?

[可能性を確信に進める質問を一つ投げてみた。どう返ってきただろうな。
 意味ありげに笑って告げられる名前。
 どこからくる、その自信は。夢なんて覚めたら忘れてしまう事も多々あるというのに。]

 ……アマミ…殿ですか。
 え、と。それはどういった意味で……?

[今まで一度も呼んだことのない敬称を付けて呼べば、体が違和感を訴えた。
違う
、と。
 その呼び方でない
、と。でも私はその違和感の理由に辿りつけることはない。

 とりあえず、今回のこの人の第一印象は落ち着いて冷静な大人の人だな。とはなった。
加えて変わった人だな。という評価もついた。

 

 
[玄関を調べている時、不思議な事を言われた。
 ……日ごろから使ってる口調なんだがなぁ。

 見た目からして私は貴族とまで仮に見えなかったとしても、いいところのお嬢様以上には見えるはずだ。
 目の前の人だって身なりがいい。ごきげんよう、と返答してきたり、言い回し的にきちんと教育を受けた事のある立場の人間だろうという事はわかる。
 そういう立場の人間が口調を指摘してくるという事は余程変だったのか……?
 え、
そこまで板についてないのか?


 いえ、特には……。
 どこか変でしょうか?

[もしかしてとてつもなく言葉遣いを間違えているのだろうか、とかなり不安になった。]
  

 
[そういえばバーバチカは蝶という意味だったな。
 と思ったのは小さな呟きとほぼ同時だった。

 全くだな。

[あ、いかん。怒りすぎてちょっと素が出た。
 さっきの指摘をくらったのでどう喋るべきか考え過ぎた。軽く咳ばらいをする。]

 ……記憶というのは軽いものではありませんものね。

[失った事がある分余計にわかる。
 あの時は願いの為の対価。だから納得も出来た。
 今は? ……見返りなんて何一つないじゃないか。
 関係ない人(?)まで巻き込まれているとかどんな冗談だ。

 ロゼリアさんの事は今は連想することがない。
 ただ、記憶を浮かべるとしたら彼女が来訪して来た事がある事実のみ。顔は浮かんでもどうして来たか、どんな会話をしていたかが浮かぶことはない。

 

 
[少し前を歩こうとすると前に出られる。
 身長差というのは歩調にも出る。小さいもんな、私。頑張らないとどうしても抜かされる。
くそぅ。


 アマミ殿が立ち止まったのに合わせて私も足を止めた。どうしたんだ? と思うと言葉がかかる。

 ……死んだも同然。

[記憶を失くすことを軽く見ている訳じゃない。
 それでもなお私は、人より自分の方が軽い。それだけなんだろう。


 前に出るのを止められる。
 腕で庇われる。]

 …………

[とっさに言葉が出なかった。
 “失くしてほしくない”そう願われた気がした。]
 

 
 どうして……。


[どうしてなのだろう。
 この人にとって本当に、私が他人じゃないという事なのだろうか。
 どうして、そこまで……。


 ただ、その言葉に心を強めに叩かれた。
 最悪この人が無事に帰れれば、私は記憶を失くしてもきっと満足するんだと思う。
 それを許さないような言葉が、ちっぽけな自分を救いあげようとしてくれているようで……。


 どうして 私にそんな言葉をかけれるのだろう。
 ……少し泣きそうになるのをぐっと堪えた。



 そしてあの時と同じ返答を、今の私はまだ 返せない。
 ]**
 

【人】 ハチヤ

[しっとりした髪のまま、おれは一人で部屋を出たんだ。
おなかすいたからなにか食べるものを探さなきゃって思ったし]


 記憶、戻さなきゃ…


[やらなきゃならないことがわかったから。]


 頭を打つ、
 電気を通す、
 あと今出来そうなのはなんだろ……


[
目的はわかったけど方法はわかんないから、それっぽいことは全部試そうって思ってるんだ。

エンが起きたらエンにも聞いてみるつもりだけど、一番いいのは起きる前に記憶を取り戻すことだと思うから。

まあ、起きたらおなかすいてるだろうから、最優先は食べ物なんだけどね**]
(27) 2021/04/04(Sun) 15:56:25
アマミは、メモを貼った。
(a5) 2021/04/04(Sun) 16:51:41

クラヴィーアは、メモを貼った。
(a6) 2021/04/04(Sun) 17:29:35

【人】 文月 美鶴

[
 潤さんはいつも可愛いとか綺麗とか
 料理美味しいとかたくさん褒めてくれる。
 ……褒められるのは嬉しいし
 なんとなく自分が素敵な女性になった気分に
 させてくれる、けど……。
 
 偶にふと、考えてしまう。
 私ができることなんて潤さんだってできる。
 料理だって、美味しいって言ってくれたら
 そうかなって思うけど、
 そのあとで潤さんの料理を食べたら…
 ……やっぱり私はまだまだかなって。
 上達だって遅いと思うし。
 
 潤さんを信用してないわけじゃない
 そう、思うけど……
 でも、この気持ちは多分……
                    ]

    貴方にはわからないんじゃないか

[
 なんて、そう思ってしまうのは
 信用してないってことになってしまうのかな。
 貴方はどこまでいっても出来る人、で
 私はどこまでいっても平凡な人、だから。
 
 
そんな悲しいこと、言えるわけないでしょ?

                      ]*
(28) 2021/04/04(Sun) 20:54:00

【人】 ハチヤ

[

 ──その屋敷はよく似ていた。
 
 
ほとんどが焼け落ちて柱のみで間取りを示していたのなら、瓦礫でふさがれた地下に続く隠し通路なんてものがあったなら、ハチヤは気づいただろうけど。

館の形をしていた頃の館の姿を、地下で生まれ地下で育ったハチヤが知ることはないし、
こちらには地下室なんてものは存在自体していないから、きっと偶然の産物なのだろう。

健在のころの屋敷を知るであろう人物は招かれていないのだ。
きっと偶然の産物なのだろう。

]
(29) 2021/04/05(Mon) 1:46:54

【人】 ハチヤ

[部屋を出たおれはふと窓の外を見てみたけど、真っ暗で何も見えなかったんだ。
吸い込まれそうな黒を眺めていたら、自分がどこを見てるのかわからなくなって気持ち悪くなってきちゃったから。


できるだけ窓から離れて階段を降りていこう。
こういうお屋敷って一階中央に広間があってその奥とかに厨房って感じだろうだし]
(30) 2021/04/05(Mon) 1:47:38

【人】 ハチヤ

[やっぱりね!
エントランスホールについたら、大広間って感じのでっかい扉があったから、おれはさっそくお邪魔した。

広間自体もテーブルの上もやたら豪奢だったし、並べられた料理からは湯気がたっていたけれど、
料理に用はなかったのでおれは果物籠だけもらって、
厨房に続く扉に耳を当てて物音がしないのを確認してから、中に滑り込んだんだ]


 ……


[温かい食事が並んでいたのに、滑り込んだ厨房には誰もいないなんて状況、おれだってさすがに変だって思うから]
(31) 2021/04/05(Mon) 1:48:27

【人】 ハチヤ

[オレンジとメロンにご退場いただいた果物籠に、皿とカトラリー、ついでにマグも突っ込んで……
それからほかにも何かないかって冷蔵庫をあけたんだ。




 











そして、閉めた]
(32) 2021/04/05(Mon) 1:50:42

【人】 ハチヤ

[それからおれは、果物籠をひっつかんで全力ダッシュで部屋まで帰ったね!


 
ちょっとこの屋敷ろくでもないんじゃないかな!!



エンに料理は食べるなっていっとかないと。
あと冷蔵庫も開けちゃダメって言っとこう! 
どっちも、
ごはん
を見たことないエンには、ちょっとどころじゃなく刺激が強すぎる!!
**]
(33) 2021/04/05(Mon) 1:51:46


   まぁ...色々とね。
   

[困ることがあるのかと聞かれたなら、ついついはぐらかすことになってしまった。
「求婚予定の女性に記憶を無くしままでいて欲しくない。」

などと、まさか今の状況では言えるまい。]


   その辺は好きに呼んでくれていいよ。

   ん?あぁ、意味は.......明日になればわかるさ。


[起きる確証を持っていられるのは、ここが夢の中であるとわかったからだろうか。
夢は必ず覚める。それが自然の摂理というものだ。

ところで、記憶があってもなくても変人としての印象を植え付けてしまったようだ。
己は何も変わっていないから評価が変わらないのは当たり前だが。


アマミは相変わらず嘘をついたり自分を取り繕うのは下手くそなのである。]



[会話の中で彼女の言葉を指摘したが、もしかしたら説法などと誤解されたのかという不安が過ぎり。]


   ............いや、気にするな。
   変ってわけじゃない。


[余計なことを言ってしまったかとアマミは口を噤んだ。
今のクラヴィーアに我が家にいた頃の彼女のような振る舞いを求めるのは酷が過ぎる。

彼女の顔色から察するに、余計な不安を煽ってしまったようだ。
アマミは彼女にすまないと一言謝罪を告げて。]


   バーバチカ島の再来、か。
   皮肉なもんだ。



[とぽつり呟く。
それはクラヴィーアの前で発した言葉であるが、彼女に向けた言葉というよりは独り言に近い。
しかし彼女は記憶の重みを忘れてはいないようだったから。
無くなったのはもしかしたら己の事のみかもしれないとアマミは推測を伸ばすに至る。


もしも記憶をなくした者と無くしていない者、立場が逆であればなどと、何度もたらればの空想を思い描いてしまうのだ。]




[大切な人の記憶を預かる。
己の大切な人の記憶を預かるという名目で奪われる。

彼女にとって大切な人との記憶が奪われる。

どちらにも通ずるような声の主の物言いは、腹立たしく思えてならないものだ。

気づけばアマミは無意識に彼女を庇うように差し出された手は怒りを堪えるように拳を握りしめていた。





[思想に耽けてしまいそうになった時、聞こえた声はどこか弱々しい...あるいはか細いと言うべきか。
彼女の顔色を覗けばどんな表情を見ることが出来ただろうか。]


   ふむ、どうして俺がこんな事をするかは。
   帰った後に改めて教えてあげよう。

   さぁ、今は時間が惜しい。
   少しでも気になることがあれば言ってくれ。


[アマミは考える。
彼女は己を大人のようだと思ったかもしれないが、お面の奥に伏せた焦燥は。
少しずつ確実にアマミに負荷をかけ続けていた。]*


【人】 アマミ

──回想:三年後 アマミside──

[実際のところ、あの島でアマミがクラヴィーアに告げた3年という時間は縁切りのようなものであった。
それは火が自然に収まるのを待つかのよう。

そもそも婚約や恋愛など政略の利害に基づいた極めて合理的なメソッドに過ぎない。
それはアマミが人生を経て培った持論のひとつであったが、その持論は極めて非合理な少女に3年の刻をもって壊されることとなった。

元来アマミにとって、自身と添い遂げようとする女達は皆金や名声にがめつく蛇でしかない。
長年培い続けた持論を直ぐに手放すことは出来ず、アマミは少女にあの言葉を告げた。>>0:81

未熟なEveは蛇に唆され、リンゴを食べて堕ちた。
未熟なリンゴは果たして毒か、蛇か。あるいは両方か?


アマミは3年も経てば、糸は切れると思っていたのだ。
そして想定では3年経った頃にはもう二度とクラヴィーアに会うことなどないはずだった。]

(34) 2021/04/05(Mon) 6:42:57

【人】 アマミ


[しかし、それがどうしたことか。
少女は心身共に成長を遂げ、自身の前へと現れた。

あの時アマミは自身が培った経験や想定の中ではありえない事が起きたと、彼女には見えないお面の奥目を丸くしていたのだ。


    「アマミさん、私は貴方が好きだ。

     貴方の側にいさせて下さい。」



そう頬を赤らめながら告げるクラヴィーアを前にして、アマミは思い知らされる。
彼女は蛇なんかではなかったのだと。

『未熟だったリンゴ』は毒など微塵も入ってはいないのだと。

自身の想定した二者択一の中には
そもそも正解なんて存在しなかったのだと。


(35) 2021/04/05(Mon) 6:45:42

【人】 アマミ


[彼女を前に己の経験など何の役にも立たない偏見に過ぎないと気づいた時、アマミは彼女を家に招き入れることを決めた。



   「君にはまいったよ。」



そう冗談交じりに彼女に告げたアマミだったが。
あの時の彼女に対する心象はそれに尽きるのだと、アマミは今でもそう言うだろう。

らしくないのは承知の上で、運命とはこういうものなのだとすら思えてしまったのだ。]**

(36) 2021/04/05(Mon) 6:54:08

[彼女に合わせるように探索をしていると、どこかのタイミングで書斎のような場所にたどり着いたことがあっただろう。

クラヴィーアには鍵はありそうかなどと尋ねつつめぼしいものを探していると、一冊の本がアマミの足元にパタンと落ちてきたが。


その表紙を見た時アマミは驚いたように息を呑んでしまった。

その本がかつて自分が書いた小説『όργανο』だったからだ。]




   ............。


[アマミは本をパラパラとめくり始める。
クラヴィーアをモデルとした一人の少女が成長する軌跡を描いた長編文学は、自身の彼女への感情の変遷を分かりやすく書き記していた。

彼女への想いを指先でなぞっていくようにページをめくると、最後のページが空白になっていた。]


   クラヴィーア。
   すまないが、そこら辺にペンはないか?


[クラヴィーアの捜索の邪魔をしない程度にアマミは彼女に尋ねるのだった。
そして彼女からもらったかあるいは自分で拾ったペンで空白のページに文字を書き始めるのだった。]**

[はぐらかされた返答にそうですか、と軽く答えた。
 初対面の人間にそう突っ込む真似はしない。
 誰にだって言いたくないことくらいあるしな。

 明日になればわかる。
 その言葉に確信をほぼ持つ。
 でもそれは言葉に出さず、わかりました。とやはり追及しない。
 嘘をつかれてる感じがしない。それに信じると決めたならそれを貫くだけだ。明日にわかる。それならそれでいい。]


[どうやら喋り方は変ではなかったようで。
 わかりやすく安堵をこぼす。
 流石に初対面の年上の異性に対して口調を崩す気はなかった。
 謝罪にいえ、と返答して気にしてないと示した。

 『バーバチカ島の再来』その言葉が耳に入って思わずアマミ殿を見てしまう。
 ……あの島の存在や願いの話だけを知ってたっておかしくはない。ただ、現状の記憶喪失と絡めてつい考える。
……この人もあの島に、あの時もしかして……?

 首を振った。今はそれどころじゃない、と。

 怒るように握られている拳。
 それは何かに耐えているようにも私の目に映る。

 思わずつぶやいた言葉を出した時の私は、不安も相まって迷子になったような顔をしていた事だろう。
 実際、自分の欠片を失っているこの現状は迷子と近いのかもしれない。
 わからないだけで、心が欠けているのと同義なのだから。それが、私の一番大事にしているものならなおさら。]

 ……わかりました。
 では帰った後。約束ですわね。

[帰った後に会うのを確信している言い回しに疑問を示さず、凛とした態度でカーテシーをした。]


[思い返せば、巻き込まれたという言い回しと自分にとって初対面だから、相手も初対面だろうと勝手に判断したのは私の方だった。

 アマミ殿は一言も“初めまして”と言ってない。]


[探索を続ける。庇われた腕に根負けして前を歩くのは諦めた。

 部屋の扉を開いては見回して。
 鍵になりそうな物がない部屋もあった。
 次に見つけたのは、ガブリーシュの実だった。
 ──エリック先生に教えて貰ったんだっけ。ああ、それとアラウダさんと出会う切欠はこの実だったな。

 なんて思い返して懐かしい気持ちになって触れれば……消えた。
 余計な笑い声には構わない。
絶対に構ってやらない。

 
 ピアノもまた鍵でないものだった。ふむ、あの島の時と関連あるものだけが鍵とは限らないのか。
 こうなってくると段々気づいてくる。
 私の記憶に関連している物が鍵かもしれない物だ。]


 
[だからと言って、流石に虐待を受けていた頃の関連の物が現れた時には……引いたが。
 苦い思いを顔に出さないよう必死に堪えて蝋燭や、乗馬用に使う鞭にも渋々触れた。
 本物でないのに逆に安堵したぞ。ったく。

 ……ちょっとこの館の主、
顔を貸してくれないかな?
 と思考は少々危険な方向に向かっていた。まぁ顔を合わせてもどうせ私は殴れないくらいちっぽけな人間ではあるんだが。]

 

 
[書斎のような場所に入った時、慣れてきたのもあり少し別に動いていた。ふと、自分のポケットに何かが入っているのに気づく。

 ……私の字の招待状。宛先は 『Amami Oda.』 ]

 ─────……やっぱり。

 
[私が失ったピースのどこかにこの人は いる。
 ピースの外枠に追いやられた人は、まだ元の位置に当てはまらなくても、内側に入るものだと理解が出来た。


 自分が残していた私の残滓を開いてみる。招待状はまた書けばいいだけだ。内容はいたって普通の誕生祝いの夜会への招待。これと言った手掛かりはない。

 ただ、最後に小さく
 エスコートして、一緒に踊ってくれたら嬉しい。

 なんて書かれている。

 ……どうにもしっくりこない。
 私が男の人にこんな文章を書くことが、わからない。
 友人関係ならまだわかるが父と婚約者の件を考えるとどうしたって恋愛をする自分なんて想像も出来ない。
 ただの友人に頼むにしては、違和感のある書き方にただ混乱した。

 あの声は言ったのは君の大切な人の記憶の一部を預かった。
 その君は、私? 
それとも……

 どっちの意味なのか。 その答えを私は知らないといけない気がした。

 

[かかった声に慌ててその手紙をしまい込んだ。
 ペン? と周りを探す。
 万年筆があって、慌ててとっさにそれを手にしたら……
消えやがった


 あれ? 今の鍵(偽)だった感じはあるが……あんな万年筆に見覚えはないぞ?
 失くした記憶の欠片まで混ざっているなんて、わかるわけがない。どこまでもこの館の主は意地が悪い。


 申し訳ありませんわ、こっちには見当たりません。

[そうこうしている内に相手は自分でペンを拾う事になる。
 だから見なかった。気づけなかった。


 アマミ殿が手にしたその本もまた
 
『鍵』である事に───
 ]

 

[書斎の奥にまだ扉があったから、私はそれを開く。]

 ……冗談だと言ってくれ…………。


[思わずつぶやいた言葉が素だったはもう仕方ないだろう。
 目の前に広がった何百という本がつまった本棚がつまった巨大な図書館のような部屋。その本のいくつかが見ただけで『鍵かもしれない』と感じたのだから。
 広すぎる。対象が多すぎる。だが触らない訳にいかない……。]

 ええと、目の前にいくつか鍵らしきものはありそうですが……
 申し訳ありません。少し休憩させてくださいませ……。

[動く前に流石に気力を戻したい。
 返答がどうであれ私は御免なさい、と部屋にあった椅子を引いて座り込む。

 ……そういえば、ここまでアマミ殿が何かを手にして消える、という事がなかったし記憶が消えてないという判断はそれで多分平気だと思う。思うがちょっとだけ心配だった。]

 アマミ殿、生憎でもなんでもなく記憶がなくなってないとおっしゃってましたが

 昔の記憶は平気です?


 ほら、そういった時期ならすぐ思い出せなくても不思議はないじゃないですか。

[自分が過去そうだったから心配だった。
 踏み込むのに躊躇していた理由すら覚えていない。今まで問えなかったことも平気で口に出来る。]**
 

【人】 文月 美鶴

   ―“私”の気持ち―

[
 私がどう思っていたか?
 
………好きで好きでたまらないって思ってた。

 私だけを見ていて欲しい。
 私だけの貴方でいて欲しい。
 私だけに時間を使って欲しい。
 
 もっといろんな姿が見たい。
 もっと貴方が喜ぶことをしてあげたい。
 
 
ずっと、そばにいたい。


 結婚したいって言われるのなら
 断る理由なんて、全然思い浮かばない。


 
………でも。



 
気持ちが大きすぎないかなって、心配だった。

 
嫌がられないかなって、怖かった。

 
頼りすぎてないかなって、不安だった。

 
 
貴方にふさわしい私でいられていたのか

 
 
自信が、持てなかった…………。

                     ] **
(37) 2021/04/05(Mon) 10:09:07

【人】 ハチヤ

[隣で眠るエンの寝顔を覗きこんで、もう大丈夫かななんて、おれはほぅと息をついて、それから起き上がって頭を抱えてしまった。

おれがしってるエンは、不安がったり怯えたりって弱ってる状態ばっかりで、
おれがエンを忘れなきゃ、エンはもっと笑ってたりしてたのかなって思ったんだ。
弱々しくじゃなく、笑う顔がみたいなって思ったんだ。


それにしても、お嫁さんのことをすっぱり忘れるなんて、ハチヤってやつは酷いヤツなんじゃないか?

おれだったらエンのことを忘れたりなんてしないし、あんな風に泣かせない。
おれもハチヤだけど、酷いハチヤにエンを渡したくないなぁって思うんだ!

……おれ、記憶が戻ったら、どうなるんだろ。

エンを知ったハチヤが消えて、エンを知ってたハチヤだけになるのかな。
それは
だなって思うけど、おれが知らないエンのことを思い出したいって思うし、エンが会いたいハチヤはエンを知ってたハチヤだから…………

どうしよう、おれは、エンのこと、思い出したいけど思い出したくない]
(38) 2021/04/05(Mon) 11:31:46

【人】 ハチヤ

[

わからないものを判別しようと警戒しながら近づく犬に
わからないものを切り捨てる方向に割り切った男

緩やかに着実に
鮮烈に急激に

ただの同室者に
番、伴侶という存在

出会い方が違うから、とっていた距離が違うから、同じ存在同士でも、抱いたものは違うもの。
別の印象、別の感情を抱いても、名前をつけるならそれでもこれらは同じ名前をもつらしい。

**]
(39) 2021/04/05(Mon) 11:46:11
ハチヤは、メモを貼った。
(a7) 2021/04/05(Mon) 11:47:10

【人】 クラヴィーア

 ― 回想:
に落ちた ―

[恋に落ちるなんて
想定外だった。

 あの島にいた時の私は一番悪い状況で、心身共に傷付ききっていた。

 婚約者に信じて貰えなかった傷だって深いまま。
 恋をしてなくても相応に親しみはあったんだからな。
 恋をするには最悪の心の状態だった。


 ───それなのに、落とされた。

 力もなく、何一つ出来ない。怪我をしていて助けられるまま人の手を求めないと動く事一つすら満足に出来ない状態だった弱くちっぽけな人間。それが私の自分の評価だ。

 願いが必ず叶う月が本物と分かって、喜ぶどころか私は怯えた。必ず叶うというのが怖かった。
 人に出来ない事が出来るのが実在するのを恐れた小心者だ。

 『未熟なリンゴ』は本当にただの未熟な人間だったさ。]
 
(40) 2021/04/05(Mon) 21:36:43

【人】 クラヴィーア

 
[アマミさんはそんな未熟者の為に願い、ちっぽけなだけの私をそれだけで十分な理由にしてくれたんだ。>>0:104


 あの時、どれほど心が震えただろう。
 どれほど嬉しかったのか。
 どんな言葉でも言い表せない。


 私の心の一番奥深くにそのたった一言で根付いてしまった。
 あの人が私の存在を救って、そして報いてくれた。
 世界の隅っこで小さくなってた私を見つけてくれたんだ。
 それを特別に感じないなんて出来なかった。


      
に落ちた


 おまけに相手が縁切りを想定した言葉は>>34、皮肉な事に私にとどめをさしていた。
 そんな事言わなければ思う事は続けても、会いにいってその言葉の責任をとらせてやろうなんて願わなかったのにな。

 
(41) 2021/04/05(Mon) 21:38:53

【人】 クラヴィーア

 
[家族の事、体と心に深く残ったトラウマと戦う事。
 三年の間にあったことの中には苦く辛い事も多かった。

 判決が決まる頃父が脱走しようとした。
 私はそれを聞いた瞬間駆け出していた。
 目が合った瞬間、その父は偶然が重なって……捕らえられた。


 ────守って貰った
 そう思っている。

 悪夢を見た時、体が痛んで上手く眠れなかった時
 ふっと、穏やかになる瞬間があった。

 そんな瞬間を重ねる度、気づく度
 私は必ず願いを思い出して、彼を思い出して
 掴まれた心をぎゅっと握りしめていた。


 三年は短くない。
 恋は三年すれば冷めるとか聞いたこともある。
 冷めるどころか掴まれた心は、落ちてしまった心はただただひたすらに会いたい気持ちを募らせていた。]
 
(42) 2021/04/05(Mon) 21:42:00

【人】 クラヴィーア

 
[会いたいと、月に願った内容は条件付きだった。
 条件の一つ、三年好きでいるかは正直賭けだった。

 賭けに
は勝った。

 馬鹿でも良かった。呆れられてもよかった。
 ただ、伝えて返答を貰えればそれだけでもこの恋は報われた。

 側にいたい。
 恋を伝えた時願ったのはただそれだけ。
 当然だろう? 相手にとって私は通りすがりの少女でしかないのだから。

 そうしてそれが受け入れられて、傍に居続ける事でこの恋はさらに育っていった。
 好きを募らせずにいられない。


 私にとってアマミさんはきっと運命の人なんだって
 そう思うんだ────  ]**
  
(43) 2021/04/05(Mon) 21:46:50


[追及こそされないが彼女は実に聡いとアマミはよく知っている
ならばアマミが何者であるかは、彼女もそのうち気づくことになるのだろう。

なにより、それをアマミが知ることは重要では無いのだ。]


   あぁ、約束だ。
   忘れたりするなよ?


[アマミはカーテシーをするクラヴィーアの頭をぽんと撫でようとする。
その様子は貴族らしく凛と振る舞う彼女と対照的に、砕けていた。]



   それは...?


[クラヴィーアがガブリーシュの実を見つけた時、彼女はなにか思うところがあるような様子でその実を触れていた。
消えた途端に聞こえた笑い声は、彼女の様子を見ていたアマミの耳には届かない。


ピアノはアマミにはまるで思い当たる記憶が無いが、もしかしたら己と出会う前の彼女の記憶の中にあるのだろうか。
彼女があの島で失った記憶だとすれば、知る術は誰にも持ち合わせてない。

途中見た蝋燭や鞭をクラヴィーアが触れた時、アマミの中には嫌な予感が浮かんでいたが。それ以上を考えるのはやめることにした。


考えだすと、声の主を本気で殴り飛ばしてしまいそうになるからだ。]



[別々に行動をしていたために彼女が手紙の切れ端を見ていたことには気づかない。
そもそもそんな手紙を彼女が書き留めていてくれたことすら、アマミは知らないのだ。

彼女の誕生日が近いことを彼女から聞く機会はあったか、
なんにせよ誕生日はいつだったかと気になっていたのは本当のこと。


返事を求めてクラヴィーアの方へと目を向けると、見当たらないという返事が来る。


   あぁわかった、気にしないでくれ。


[そう言ってアマミは自身で拾い上げたペンで空白のページに綴る。]






          最愛なる君へ。

   
     『Dear you, Klavier.』






 




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