人狼物語 三日月国


84 【R18G】神狼に捧ぐ祀【身内】

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【人】 忘れ屋 沙華


「舞手がもっていかれるとは、祭りもいよいよ大詰めらしいやな・・・。」
宿の玄関口で島内の様子を眺めている。
その日に日に静けさを増していく様を見比べておくように。
よく覚えておくために。
(0) 2021/07/24(Sat) 21:22:04
「……う?」

 ぱち、ぱちと目を開く。

「くそ……頭が、」

 ゆらゆらと。

「……ぼんやりする……」

 げほ、と喉につまったものを吐き出すように、
 軽くせき込んだ。
 ぽたぽたと、汗か、涙のようなものが、少し垂れる。

リェンは、祠に水桶や衣服等を抱えて歩いて行った。
(a0) 2021/07/24(Sat) 21:30:43

はてさて、仄暗い中でも学徒は何時も通り変わらない。
一枚、一枚と紙を捲る。

「しかし、しかし。成る程。本を読むにはいい場所ですね」

其の様子は、何一つ代わり映えしない。
何時も通りであった。

【人】 よろず屋 シラサワ

島民達から声が聞こえる。
『一人の印が消えたのだから』『今日の印は二人に』と。

物語の頁は捲られ、運命は此処に決する。

煽り立てられ動くものたちが、
木の装飾を持つものを見ているぞ。

──…そして、
"口先だけ"で"煽り動かしていた"この男は。


「……しゃあなしやな。」

どこにも逃げられはせず、そう呟いた。

祭りに書生が戻ってくれば、男の顔を見たのなら。
(1) 2021/07/24(Sat) 21:37:26

【人】 左方舞 五十鈴

「……ちっ……」
(2) 2021/07/24(Sat) 21:48:54

【人】 左方舞 五十鈴

「……僕の出番はなし?
僕は要らない子なの?
”神狼様”にとって、僕は要らない子?」

心底不満そうに足を慣らしている。
(3) 2021/07/24(Sat) 21:54:36

【人】 よろず屋 シラサワ

>>3
言葉を装って、笑みで隠して。
瑕を覆い、曖昧で彩ろう。

「わからんなぁ、誰が選ばれるかなんてな。
 いっそ祠に願ってみたらどうやろな。
 案外いけるかもしれへん。」

いっそ執念のような五十鈴に、
保証はできせんけどなと言葉を続けながら。

道化は笑う。笑っている。
(4) 2021/07/24(Sat) 22:08:14
すく、と立ち上がる。
拘束はされていない。
見張りはいるようだが。

懐から、扇を二本。すらりと取り出し、しゃんと開く。
ひらひらと布をはためかせながら。

躍る。

踊る。

舞うように生き、舞うために生きよう。
不器用な自分の、それが生き様だから。

奉納の舞を舞っている。

【人】 左方舞 五十鈴

>>4 シラサワ

「……はあ。
もう自棄でも起こしそうだよ。
僕、ずっと選ばれるの待ってたのに……」

五十鈴はがっくりうなだれている。
(5) 2021/07/24(Sat) 22:18:50

【人】 奉公人 ユヅル

「……右方の舞が選ばれましたか」

宿の片隅に賜った自室。開け放った窓の遠くより、
印が消えたと騒ぎ立てる島民達の声がする。

部屋の中央に座して、喧騒を聞き流す。
暫くの間そうしてから
目の前に横たえた和弓に手を伸ばした。

弦を指先で抓み、弾く。

「ひい、ふう、み、よ、いつ、む、なな」

高くも低くもない声が七つ、数字を数え上げた。
弦の音は時間を置きながら半刻ほど、
宿の周りでひっそり響いていただろう。
(6) 2021/07/24(Sat) 22:19:54
ユヅルは、静かに弦を鳴らしている。
(a1) 2021/07/24(Sat) 22:20:37

【人】 左方舞 五十鈴

弓を弾く音がする。

「……や、ここの、たり、ふるべ、ゆらゆらと、ふるべ……か。
誰か使ったのか。
まだ伝わってたんだ、アレ」

戻ってきたのはシキ。
……もし、”それ”をする者が他にもいるなら、気をつけなければならない。
自分も戻されてしまうかもしれないから。
(7) 2021/07/24(Sat) 22:29:37

【置】 呪術師 リェン

「はてさて、祭りもそろそろ終盤と言ったところかな」

蝶間の言葉どおり“楽しいことになった”。
ここぞとばかりにブレスレットをつけていない村人たちの
神託を待つ声が聞こえる。
まるで自分たちの為の贄だとでも言いたげに。

「はてさて、鬼が出るか蛇が出るか。
気まぐれ相手に、ウチもソトもありやしないが、
せっかく逃げおおせたらしい彼は“先生”の元に戻れるかね」
(L0) 2021/07/25(Sun) 4:12:59
公開: 2021/07/25(Sun) 7:00:00
よろず屋 シラサワ(匿名)は、メモを貼った。
2021/07/25(Sun) 8:24:08

 舞う。
 舞って。

 この島の舞いは、独特だ。
 他の地方にない、特有の動き、特有のモチーフ。

 それはつまり、何か確たるものに根差している。

 舞の中から、それをつかみ取る。
 踊りながら、自分の身体に刻み込む。

 ──遠吠えが聞こえた気がした。

「──……狼、か」

 ぽつり、と呟く。

 脳裏に浮かぶのは、

 神々しく、畏ろしく、美しい。

 
 おおかみのすがた。

【人】 左方舞 五十鈴

「……そう。
そうやって……踊ってなよ。
外の奴がこんな事に巻き込まれなくったっていいんだ。

……神狼は、僕が…………」
(8) 2021/07/25(Sun) 17:25:58

【人】 書生 シキ

「―――。」

その青年は、ゆらり影のように"そこ"に居た。

暗い獣の胎の如き穴倉から歩み戻ったその姿は
あの時見せていた訝し気な佇まいそのままに
しかし、浮かぶ瞳の色には、"曖昧さ"を増している。

「………。」

まるで、皮を裂き肉を喰らう獣たちの姿を
遠目でのみ見眺めて来たかというように。

己の記憶に空いた虫食いを覗き込むその目は
どこか虚ろで、心ここに有らずとすら思えるような
生気に欠いた様を、顔に貼り付かせていることだろう。
(9) 2021/07/25(Sun) 18:44:55

【人】 書生 シキ

人目に付かぬ影の中で、青年は目を開ける。

己の意識へ、古錆の如く張り付いた曖昧な記憶。
おぼろげな"狼たち"の様を追憶する青年は
それと共に、別のものへとも意識を向ける。

「………、さん……」

まるで、寝言のように小さく曖昧な呟き。
手にした本を開くことなく座り込む青年の口からは
そうやって時おり、誰かの名が零れ落ちていたことだろう。
(10) 2021/07/25(Sun) 20:36:03
村の更新日が延長されました。

【人】 呪術師 リェン

「狼、おおかみ、大神ね」

言葉遊びだ。
だけれども言葉は、言霊は時に思わぬ作用を引き起こす。
姿無き物に形を、力を与える。
残滓は土着の文化に馴染み、心と行いを染め行く。

「本当に、随分大きくなってくれた物だよ。
 厄介な程にね」

どこへやら、羽織を喪った薬師は忌々し気な様子も見せず、
ただ、大きな存在への悪態をついていた。
(11) 2021/07/26(Mon) 0:47:11

【人】 よろず屋 シラサワ

「ほんに百年に一度やなぁ。」

誰しもの思惑が交錯し、火が爆ぜ、
空を彩るは何色の花火なのだろうか。

全員を眺め、男は呟く。

「……責任なんぞ取れんなぁ。」


男は道化、男はなんの力も持たない。
故に、他力本願とするしかなかったのだ。

だから煽り立ての真似事をしていた。

例えそれが、今日に神狼の怒りを買うとしても。
これが道化とされた男の精一杯の抗いだったのだ。

何年か島で暮らして、島民に情が沸いていない訳が無いのだから。

はは、好き放題やらせてもらったよ。
(12) 2021/07/26(Mon) 10:56:30

【人】 奉公人 ユヅル

「………………。」

奉公人が警策を携えて歩いている。
他の島民に出会っては仕事の捗り具合を聞き、
お疲れ様ですと声を掛けては次に行く。
今のところ軽快な音が響く様子はない。

あの警策はどうしたことか、と事情を知らぬ者達が
遠目に囁きあっているのが見える。

「祭礼の終わりが近づいているからか、
 皆々さま一様に仕事に励んでいらっしゃる。
 ………良きこと、でしょうか」

宿の遣いがてら運営の様子を見回っているだけなのだが、
当人の真面目顔と手に持った棒のお陰か
歩いているだけで島民の背筋が伸びるというものだ。
(13) 2021/07/26(Mon) 12:05:13

【人】 忘れ屋 沙華

>>12
>>13

記録係が簿帳へ今日までのあらましを記し終える。
各々の様子をその目に捉えながら、既に全員に"賭けて"いた。
誰がそれぞれどんな出方をするか、如何なる札を見せてくるか。
盤に乗せられ明かされる決着、その瞬間まで分からない。

だが少なくとも

「ふひひ、俺はあれが拝めりゃ心残りももうねえよ。」
茶をすすりながらに、ユヅルの大義をしかと見届けている。
島民達の気張り様が痛快だ、俺がやってもこうまではいかなかった。

「これでこれから起きる結果がどこへ転がれど、
賽を取ったことに後悔するこた無さそうだ。」

ふっと一凛の彼岸花を空へ投げた。
風に乗り、どこへともなく去っていく。


「おい、万屋 」
呟き声を聞いてかしらずか、最早お馴染となった宿敵に一喝する。

「最後の勝負だ。俺の賭け方はもう決めた、
あとは恨みっこなしだぜ。」


汝は半か丁か、白か黒か、人か狼か。
明日の空色、
最後に笑うは誰なりや。
(14) 2021/07/26(Mon) 13:18:18

【人】 よろず屋 シラサワ

>>14

「勝負か、俺が賭け出来るようなん、
 まだあったんかいなぁ。」

男は笑う。
これまでに己の出来ることはしたはずだ。
結果に潰えるか、はたまた。

「最初から恨む要素なんてあらへんよ。
 俺はこの島が好きやからな。」

この島外に広がる海と同じ色を瞳に持つ男は、
そう言って笑っている。

きっと、最後の瞬間まで笑っている。

空の下、海の底。

空には成れない同じ色。
(15) 2021/07/26(Mon) 19:57:49

【人】 左方舞 五十鈴

五十鈴はじいっと、その時を待っている。
上の、そのまた上の、更に上の、もう辿れないくらい上の代から、この時を待っていた。
この時のために、この家系は血を伝えていた。
執念だ。

「……僕とあいつ、最後に立ってるのはどっちだろうね?
でも、その前に……あいつと勝負もしなきゃ」
(16) 2021/07/26(Mon) 21:48:15

【人】 書生 シキ

――曖昧に残っている心の"痕"。
目を凝らし、その継ぎ接ぎへと意識をやる。

最早、大人たちの言葉紡ぎなど興味は無い。


何者の視線も掻い潜るかのように
ひっそりと、流れ往く足取りのまま
青年は、三度その姿を隠すだろう。
(17) 2021/07/27(Tue) 20:21:46
シラサワは、笑って皆を眺めている。
(a2) 2021/07/27(Tue) 20:29:08

はらり、はらり、一枚、一枚と紙を捲る。
残った項目も、後わずか。

「さて、いよいよ大詰めだ。仕込みは重畳」

はらり、はらり、一枚、一枚と紙を捲る。

学徒は静かに、天を仰いだ。
何とも侘しき、土天上。

「さて、最後に笑うのは如何なるものか……嗚呼、小生は犬死こそ御免だが、盛り上げるには充分な事は起きるとも」

「しっぺ返しを受けるか、悪が笑うか、或いは漁夫の利を得たものがいるか……」

はらり。最後の項目で、指が止まる。

「正鵠を射る者は、必ず現れる。さて、汝は如何なる事象なりや────?」

学徒は、問いかけた。
うすら笑いを浮かべたまま、有終を待つ。
……嗚呼、其れにしても、だ。

「可惜夜とは、良くぞ言ったものだ……─────。」

学徒は静かに、本を閉じた。

【人】 よろず屋 シラサワ

「祭りも終わりやなぁ。」

男は最後まで、笑っている。笑ったまま。

「……綺麗な花火、見れるとええな。」

彼岸花
を一輪、拾い上げて。
(18) 2021/07/27(Tue) 20:52:11

【人】 よろず屋 シラサワ

 

 「………道化は楽しかったよ。」


 

彼岸花の花言葉を、贈ろう。
血塗られた爛れた過去に、さよならを。
(19) 2021/07/27(Tue) 20:59:14
 




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