[ かつて死神が師のように慕った“慈愛の聖者”の仮面は
狂気を孕んだ声と共に崩れ落ちました。
死神はどのような表情をしていたでしょうか。
どのような表情でも、態度が変わる訳ではありませんが。
やがて『死神』の首筋に向けたままの杖先から
顔色一つ変えず、爆発を発生させました。
しかし、僅か数秒後に知ってしまいます。
この爆発だけでは、終わりが訪れないことを。
『死神』の再生の力の賜物でしょうか。
それとも、肉体のみならず
魂まで消滅させたかったのでしょうか。
『教皇』はそれはもう念入りに
ぴくりとも動かなくなるまで
幾度となく攻撃を続け、殺害しました。
その時の形相といえば
悪鬼羅刹の類のそれと言えたでしょう。
後世、なかなか『死神』の証を持つ者が
生まれ落ちなかったのは、通説の
「22人揃わないようにと考えた人に殺された」他に
この悲しい出来事の影響もあるのでは、と
唱える説もあります。*]