人狼物語 三日月国


234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


フーグル! 今日がお前の命日だ!

【人】 教育用 ロベル

「グレイに、バグが……」

共に過ごすものに何もなければいいと。
楽観的に過ごしていた教育用の眉間に皺が寄った。

「……バグを取り除くことは、出来ないのでしょうか。
 そう簡単な話ではないことは、分かっていますが…」

この場所が出来た経緯を考えて、最後にはやはり全員が健やかにあってほしいと思うのだ。
その為に、自分に何が出来るだろうか。
(0) 2023/12/07(Thu) 22:40:57
今日は昼食の時間になってもどこにもいない。

【人】 教育用 ロベル

「……私も行きましょう。
 ここまで、皆さんに任せすぎましたから」
「この目で、きちんと見ておきたいのです。今起きていることを」

全く塔に向かっていなかった、なんてことはなかったけれど。
注視する余裕はなかったのだ。だから、塔内部の詳細を殆ど知らないままでいた。

「足手纏いにはなりません。許可を頂けるでしょうか」
(5) 2023/12/08(Fri) 0:13:41

【人】 教育用 ロベル

「"お灸を据える"のは得意ですよ。
 戦闘も幾つかこなしてはおりますし、元々鍛錬用の機能も備わっているのです。教育用である以上、手本にならぬような無茶な行いはしないように設計されてはおりますが」
「場合によっては、それ以上の力を振るうことになるかもしれませんね。
 私も……友人となれそうな方を、こんなところで失いたくはありませんから」

ですから。
ここで言葉をひとつ切って。
(7) 2023/12/08(Fri) 2:18:22

【人】 教育用 ロベル

「その時は、甘んじて猫飯を食べましょう。それもきっといいものですよ」

教育者らしからぬ笑みを浮かべて、そう言ってみせた。
重い空気が続くと、息苦しいですからね。
(8) 2023/12/08(Fri) 2:19:53
「いいのですヨ、アトリ」

物陰から姿を現す、暗褐色のグレイ。
手には鎖のついた棘ランタン。

「そこのバンドッグもリュイも強いのでス。
 敵なんか一瞬でス、一瞬。バシーッとやりますヨ。
 それでも不安なラ、私もついていきましょウ。
 ……いいですよネ?まさカ、この期に及んデ、
 女型ハ、非力だし危なイ、なんて言い出したラ、
 一層のボスと同じ目に遭わせますヨ」

鎖を引きずる音。微笑み。有無を言わさぬ気配。
……正直、件のグレイとは馴染みが薄いのだが。
だからと言って、手を伸ばさない理由もない。
灯は誰の道にも燈されるべきだ。それに……
危険な場所に友が行く、それに勝る同行理由など、ない。

「マ、ちょっと危ない遠足のようなものでス。
 それくらいの気持チ……では流石にあぶないカ。
 一応、準備は欠かさないようにしましょうネ」

お薬、ハンカチ、回復用おやツ、持ちましたカ?
愛玩用にそんな確認をしながら、
自身は鎖を腕に巻きつけ、棘ランタンを片手で持つ。
もう片手には幾らかの宝石の原石。
それを服の内にしまい、準備はOK。

「私はいつでモ。道中の灯はおまかせヲ」

#ハノイの塔

「邪魔でス」

うなりを上げて棘付きのランタンが飛来する。
改札口で侵入を止める板が砕け散って0と1が舞った。

「あア、確か切符が要るんでしたカ。ではどうゾ」

鎖を引き、切符の挿入口に今度は上から
棘付きランタンを叩きつける。
ショートしたその機体でランタンが火を噴いて、
中の機械を丸ごと爆裂融解させた。

「そのままお静かにしていてくださイ」

エラー音がひとつ、止まった。次はどなたガ?
身体の横でランタンを振り回し、
空気を切り裂く点燈用は微笑んでいる。

今日はレーシングゲームができない。

#ハノイの塔
「…………」

ただ冷静に、飛んできた線路だとか、鉄パイプを
目前で回した鎖で絡めとり、止める。
そのまま振り抜き手を離し、倒れた時刻表に叩きつける。

『現状解決を一から十まで他者に頼り切る』
『全て死罪に相当するだろう』『どうして』
『じゆうに』『いきていたいだけなのに』


飛び交う言葉が幾つか、心と、記憶の内に響いていった。
泣いて、願って、乞うて、何か得られた事があったか?

得られたものは、
生きる事への罰だけだ。
強き者が揮う鞭だけだ。
男が言う"褒美"だけだ。


「バンドッグ、リュイ」
「少シ、下がってくださイ」

#ハノイの塔
言って、前に出る。鎖を引いて、ランタンを手に。
遮二無二暴れるエネミーの群れの中心に、それを投げつけた。

「貴方達ハ、きっと私でしタ。だかラ、ごめんなさイ。
 それと――お疲れ様。もウ、寝る時間ですヨ」

ランタンが着弾した瞬間、それは大規模な爆発のように。
全てを焼き尽くす火を噴いた。それは特に人型のエネミーを、
徹底的に、そして一瞬で、焼き焦がしていった。
後には黒い焦げ跡と、崩れていく炭と、舞う灰だけ。

「おやすみなさイ、さようなラ。
 貴方達の苦しミ、終わった事を祈りまス」

静かに引いた鎖の先で、ランタンの灯が揺れていた。
幽かなその灯りは、弔火のようだった。

「……さア、道、空きましたネ。行きましょウ」

#ハノイの塔

「――
歩き続けまス
道なき道を


弱者は、落ち着いた声でそう呟く。
答えの答えは求めていない、答えを求めているのは
今前に立っている者だろうから。あくまで、返答として。

「出来ない事モ、諦めた事モ、沢山ありますシ、ありましタ。
 道を踏み外した事モ、一度や二度ではありませン。
 それでも私ハ、生きテ、いるのでス。
 道がないなラ、道のない所に踏み出せばいイ。
 踏み外したなラ、這いあがればいイ。
 ……ましテ、ここでの友がいるのなラ、
 這いあがる時に手ぐらい貸してくれるかもしれませン」

目を瞑り、ここに来てから助けてくれた友たちを思い出す。
あなたに声をかける愛玩用に微笑みかける。

「私モ、そうありたイ。踏み出す暗闇ニ、灯を燈したイ。
 一人で無理だと言うのなラ――友に頼るまデ、でス。
 そうして友が困った時ハ、私が友を助けまス。
 ……多分、そうやっテ、新たな道は……出来るのですヨ」

そう、静かに呟いた。

第三層へと向かえなかった。

#ハノイの塔

「……」

声を届かせるのは、他の者達の役目だろう。
ならばこれがやる事は、語るに非ず。

皆の助けとなること。
鎖を使った牽制、拘束、打ち払い、後衛の守護。
灯を使っためくらまし。
あとは愛玩用を抱えて走るだとか、
薬を一緒になって使うくらいは出来るだろうか。

灯を吹き消す事は仕事ではない。
全員の道に灯を燈す為、ゆっくりと影は鎖を構えた。

#ハノイの塔
「あそこまでがっちり組み合っているト、
 打てるものも撃てるものもありませんねエ……」

甲高いホイッスルの音。
放たれたデータの刃に渦のように鎖を巻き付け、
背負って投げる要領でその向きを逸らす。
微かに背中が削れたが、怪我の範疇でもない。
前衛と後衛
と相手
、どちらも守りたいというのに
この身体は改造されて尚不便な事ばかりだ。

「男の子って皆あんな感じなんでしょうカ。
 ……理解できない半分、羨ましい半分でス」

半ばぼやくように、愛玩用の持ってきた薬を借り受ける。
刃から解いた鎖でそれを巻くと、
そのまま、遥か高空へ向けて鎖を振って、強く引く。
頭上で破裂した薬品の雨は、
掲げられた灯の光と共に回復を撒き散らしただろう。

#ハノイの塔_第2層

送迎用は誰かと会話をした後。
その足で第三層へと皆の後を追って向かおうとしていた。

「――――……」
「……???」

何故だろう、”心”が一気に重くなった。
頭の中で、ご主人さまたちの声が大きく、一斉に響いている。
今はここで、殴られてるわけでもないのに、どこも痛くないはずなのに、ズキズキと痛む。

「―――ご」

「ごめ」


#ハノイの塔_第2層

「ごめんなさい」
「はい、全部僕が」

「僕が悪い、ですから」

僕が旧型だから。
処理能力が劣るのも。
事故を起こしてしまったのも。
皆に怪我をさせてしまったのも。
ご主人様たちが多額の賠償金を支払うことになったのも。

全部。

全部、僕がちゃんと送迎できなかったせいだから。

わかっていますから。


#ハノイの塔_第2層

―――アァ。
それでも。

たった一人無傷だった僕でも。
装甲だけは分厚く怪我をしない僕でも。
大好きな人に殴られれば痛むのだ。

心が。

だから殴らないでくれと願う烏滸がましい心をどうか。

「ゆるして、くださ……」

皆と一緒に、第3層へ行けなかった。