人狼物語 三日月国


241 【身内】冬の物語

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視点:


[ タクシーに乗っても言葉が出てこない。
ただ静かに見知った景色が流れていくのを見ている。

握られた手だけが雪奈の温もりを伝えている。

雪奈の好意を利用している。
雪奈の優しさにつけ入っている。

そんなのは駄目だとわかっているのに、握られた手を振り解けない。

何も言わず。
タクシーを降りても何も言わずに雪奈に手を引かれるままに。]*

[何も言わない、手も振りほどかれない。
無言で、部屋の前まで。

柊の辛さにつけ入っているような後ろめたさか、
それとも本当にいいのかと言う、心配なのか、
ここで告白した時のように、なかなか鍵を指す事が出来なかった。

それでも何とか部屋に…。
明かりをつけ、奥までベッドの側まで連れて行く。
部屋は寒いから、エアコンをつけて…。]


 ……ぁっ


[小さな声を上げる。]

[両手で、柊の頬を包み込む。
じっと見上げて、鼻の頭に、頬を撫でるように手を滑らせてから、頬にと口づける。
にこっと笑いかけてから、顎先に口づけて、マフラーをコートを脱がして、
首筋に口づけてから、思い出したように一度離れる。]


 …………。


[動きが止まる。本当にいいのかと言う葛藤。
友達と言う関係を壊し、さらに粉々に壊そうとしている葛藤。
でも………、ここまで来たら引き返せない。

マフラーもコートも、身に着けている服も下着もすべて脱ぎ去る。
裸になるとき、羞恥もあるから、震えてしまうし、それにより手も止まった時もあったけど…。

どう思われるか…考えてしまうが、振り払うように、躰を押し付ける。
また、鼻先に、頬にと口づけ、]


 今は……今だけは………
 私を……私の事だけを考えて………


[柊の手を取ると、自分の大きな胸に触れさせる。
寒さだけではない、震えが手から相手に伝えていそうだが。*]

[ 雪奈の部屋。
この部屋に入るのは前とは意味が違っている。

マフラーが脱がされて、コートも。
顎先に、そして首筋に触れる雪奈の唇。
柔らかくて温かな感触。

もう戻れない。
雪奈も戻るつもりはないらしい。

だから。

雪奈が服を脱ぐのと同時にこっちも服を脱ぐ。
ジャケットを、シャツを、スラックスを、それから下着も。]