どこかで出席を取る声が響くころ。
「先生」
あなたと
最初に出会った時と同じように。
今はまだ数少ない、あなたを先生と素直に呼び慕う生徒の一人は
この時も、やっぱりひょいと顔を見せた。
夜闇はもう随分と薄れてしまって、
生者の時間にほど近くなりつつあるけれど。
曖昧な色は、今もまだ白日夢じみてそこにある。
「……みんなは、呼べなかったね。」
名簿の空欄がひとつ埋まっても、全員にはならない。
飽くまでも、全員、というのは努力目標ではあったのだけど。
とはいえやはり、そうなれば良いと思っていたのも確かな事で。
そうはならなかった理由が、ただ時間の制約だけであれば。
少々強引なやり方をしてでも、今すぐに解決していただろう。
けれどそうではない。だから、でも、と言葉を続けた。
「今日だけじゃ、皆は揃わなかったけど。
牧夫兄達の事はちゃんと先生のおかげで呼んで来れたし……
…すぐには来れなかった皆も。いつかは来てくれると思うから」
いつかはきっと来てくれる。
今はまだ少し、生きてやらなければならない事があるだけ。
おおよそ何を疑う事も無くそう思っている。だから、