人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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ダニエラ! 今日がお前の命日だ!

リヴィオ! いざや恩讐の碧落に絶えよ!

【人】 黒眼鏡


「サァテ」

 カウントダウンの指折りが終わって、
 鼻歌が独房に流れ出す。

「どうなるかな」

 『プラン』はもう成立した。
 あとは、どう進めるかだ。
(1) 2023/09/26(Tue) 21:49:31

【人】 黒眼鏡


「まァとりあえず」

 よっこいせ、と立ち上がり。


「『合図』からだな」

 独房の中にどうやってか持ち込んでいた、
 携帯電話のボタンを押した。
(2) 2023/09/26(Tue) 21:51:48

【人】 黒眼鏡


──ポン、と音がする。


釈放されていく人々の群れの中から、
あるいはその群れに紛れた何者かが、
人ごみの中から花火・・を打ち上げた音だ。

しゅるしゅると煙を曳いて立ち上った花火は、
警察署の直上でぽん、ぽんと音を立てて破裂した。


それがなんなのか、分かるものは少ないだろう。
ただ、何らかの『合図』であろうと思うだけだ。
(4) 2023/09/26(Tue) 21:53:42

【人】 黒眼鏡


──車の音。

「うし」

膝をパン、と叩いて、立ち上がる。


「出るか」
(9) 2023/09/26(Tue) 22:15:17

【人】 黒眼鏡

アレッサンドロ・ルカーニオは、かんかん、と格子を叩く。

「おーい、看守さんよ。
 おーい」

声を張り上げ、看守を呼んだ。
訝し気な顔で近づいてくる顔を見て、

「ああ、今日はあいつじゃないんだ。
 しょうがねえな」

うーん、と言ってから、懐から何かをとりだした。
(10) 2023/09/26(Tue) 22:18:52
黒眼鏡は、折りたたまれた<指示書>を取り出した。
(a1) 2023/09/26(Tue) 22:20:12

【人】 黒眼鏡


「――……っ、これは」


看守が目を見開く。

「ソ。
 
共和国元老院終身議員の委任状ね。


──「裏切らず、漏らさずの黒眼鏡」。
10年積み上げたその信頼は、
政治家すらも"港"を利用する切っ掛けとなっていた。

後は簡単な話だ。
絶対に裏切らないということは、
まだ裏切っていないだけ。


かくしてアレッサンドロは、自らの自由が法的に認められる手段を一つ、手に入れたのだ。
──少なくとも、混乱の極みにある刑務所を出るまでの間は通用するくらいの。
(12) 2023/09/26(Tue) 22:23:03

【人】 黒眼鏡



――――――
看守は、黒眼鏡を処刑するには畏れ多かったので、取りやめた。――――――



 
(13) 2023/09/26(Tue) 22:23:34

【人】 黒眼鏡


看守が直立不動の姿勢になって、牢の扉を開ける。
外からはパー、パー、パー!ファンファンファンファン!!!とすさまじい音が鳴り響く中、

「ドーモ」

がちゃり。という扉が開く音は、どこにも響かずにかききえて。



「あ。預けてたやつ、返してくれる?」
(15) 2023/09/26(Tue) 22:25:13

【人】 黒眼鏡


──受け取った黒眼鏡を、かちゃりと身につけて。

「チェックアウトよろしく」

───
──
(17) 2023/09/26(Tue) 22:26:09

【人】 黒眼鏡

>>8 ペネロペ


「おう、お迎えごくろー」

刑務所の正面玄関から、その男はぶらぶらと歩いてきた。
警察から貸し出されたと思しきスウェット姿に、
どう考えても拘留中にかけていられるとは思えない黒眼鏡。

片耳を押さえながら、

「お前が来るとは思わなかったわ」

なんていって、笑った。
(18) 2023/09/26(Tue) 22:27:33

【人】 黒眼鏡

「うわ」

ドンドンと壁に突っ込んでいく車を見て、肩を竦める。

「めちゃくちゃやるじゃん。
 カンターミネだな、あいつ」

口笛を一つ。
(19) 2023/09/26(Tue) 22:28:44

【人】 黒眼鏡

>>20 ペネロペ

「はい、ただいまSi, subito.
 元上司に向かって何を言うんだい」

ばん、と扉を勝手に開けて、助手席に乗り込んでくる。

「ほんとありがてえな。
 そんじゃ、店まで行ってくれるか?」

騒音の中で低い声で笑いながら、ぽんぽんと肩を叩く。

「で、それ終わったらアジトに近づくなよ。
 ダヴィード拾って、どっか隠れてろ」
(22) 2023/09/26(Tue) 22:41:27

【人】 黒眼鏡

>>24 ペネロペ

「お前もちゃんとダヴィード教育すんだぞ」

俺を反面教師にしてな、なんて言って笑う。

「そう、ちょっと喧嘩を売ろうと思ってね?
 ――貸しかあ。返せねえかもしれんから、あれだ。
 ルチアーノから取り立ててくれ」

──結局店まで運ばせたら、ボストンバッグを預かって、
 『おだちんな』といって現金をいくらか渡すだろう。



「なあ」
「ダヴィードのこと、よろしくな。マジで」

改めてそういう。わざわざ、念を押して。
(25) 2023/09/26(Tue) 22:56:04

【人】 黒眼鏡

>>26 ペネロペ

「しつっけぇやつだな〜〜」

アハハ、なんて笑いながら、バン、と扉を閉める。
そのまま硝子越しに、

「おう。
 車に気ぃつけろよ」

手を振って見送る。
──別れはあっさりとしたものだ。
どうせあいつなら、どうにかするだろと思っているから。
(28) 2023/09/26(Tue) 23:21:57

【人】 黒眼鏡

──真昼のこと。
海沿いの開けた道に面して建てられた、トラックがまるまる入ってしまいそうなスチール・ガレージを改装して作られた店舗。
それなりに古びていて潮による錆も無視できないが、そこは短パンとサンダル姿で表をぶらぶら出歩けるくらいには気ままなの城だった。

──ごり、ごり、ごり。


Mazzettoマツェット】という味気のない店名。
今その店頭に、看板は置かれていない。
入り口の脇にたてかけられたその看板には、そこの主に似合わない小さな花がセロテープで張り付けてあった。


──ごり、ごり、ごり。



店内は照明が落とされて、黎明に照らされた海の底のようにじっとりと薄暗い。
そんな中で黒い眼鏡をかけた怪しげな男が、カウンターの奥でコーヒーミルを回している。
男はむっつりと口をへの字に曲げて、額からぽたりと汗を垂らしながら重たいハンドルに力を込めた。

──ごり。


硬く、重い。金属質な音が部屋の奥底まで響き渡り、波に運ばれた石のようにカウンターの裏を埋めてしまいそうになるころ、

「兄貴?」


──店の扉をがちゃり、と開く音がした。

#AlisonCampanello
(40) 2023/09/27(Wed) 20:30:53

【人】 黒眼鏡

>>40
路面と海面が反射する太陽の光を背負って、
一瞬影となったその男が店内に足を踏み入れる。

「黒眼鏡の兄貴、よかった、ちゃあんと釈放されてるじゃねぇか!」


ガイオと呼ばれるそのマフィアは、観光案内所の役付き者だ──表向きは。
実際にはノッテ・ファミリーの一員として、観光客を相手にスリや詐欺、置き引き、恐喝などを働く、外貨・・獲得部門を取り仕切っている。

「おう、ガイオ。
 お前も出てこれたのか」
「部下たちもな、兄貴も早いじゃねえか。
 あんなネタが出たんだ、もう少し絞られるかと思ってたぜ。運がいいな」


気安く笑いながら、意外と丁寧に掃除されている床を踏みカウンターに肘をつく。
アレッサンドロもまたコーヒーミルから手を話し、かちゃかちゃとコップを用意しながら立ち上がった。

「ソウ、裏切者のアレッサンドロです。
 いいのか、こんなとこに来て。俺の処分はうやむやになってるだけだぞ」
「とぼけんなよ、『プラン』だろ?
 何言ってんのかと思ったら、こういうことだったとは。
 最初はびっくりしたが、すぐに失効したし、今なら取り返すのはなんとかなる。
 …そんでもってこの機会に恩を返したら、高ぇ利息を取れるんじゃないかと思ってね」

ははは。アレッサンドロがにやりと笑って、ガイオの肩をぱんと叩く。

「抜け目のねえやつだな。ま、わざわざ呼ぶ手間が省けたよ」
「あんたにしごかれたからな。今度またうちに来てくれよ、フィーコも寂しがってる」

「ああ、あの犬」
(41) 2023/09/27(Wed) 20:32:59

【人】 黒眼鏡

>>41

ガイオがスツールを軋ませて腰を下ろす。
アレッサンドロは何か思い出すように視線をあげながら、
ポットに入っていた珈琲をカップに注ぎ、カウンターの上にかちゃり、と置いた。
手をタオルで拭って、自分の分のカップも取ってガイオの隣の席に座る。

「そうそう…ってふざっけんなあんたが押し付けたんだろ!
 だが実際飼ってみるとかわいくてな、
 ただでさえ家を空けちまったんだ。
 早く帰ってやらねえと」

「ガイオ」

ん? と顔を向けたガイオに、
アレッサンドロが体を重ねるようにもたれかかって、

――
ぐ。


#AlisonCampanello
(42) 2023/09/27(Wed) 20:36:07

【人】 黒眼鏡

>>42

「兄  貴、…
は? …ぇ、

「ガイオ。犬の世話は、俺からお前の部下に頼んどく。
 引き取り先も探すよ」
「……ぁ、……っ、……」


ぼた、ぼた。

綺麗に磨かれた床に、赤い雫がぼたぼたと落ちる。
体ごとぶつかるように突き込まれたナイフの先端は狭い肋骨の間をすり抜けて、
ちょうどガイオの肝臓に達していた。
太い血管がいくつも同時に切断され、ごぼり、と大量の血が傷跡から零れ落ちる。
ナイフを握ったままのアレッサンドロの手が一瞬で赤に染まって、受け皿にもなりきれず、零れた血液はばちゃばちゃと床をまだらに汚していった。
──そのまま。固く握りしめられたナイフの柄が、ぐるんと捻り捻じ込まれる。
ぶぢぶぢと、さらにいくつもの血管が引きちぎられる音が響いた。

#AlisonCampanello
(43) 2023/09/27(Wed) 20:38:48

【人】 黒眼鏡

>>43

「……あに、……ぃ、
 なん、……で、」


「お前、10年前に観光客ひとりひっかけただろ」

「………、……」


それ・・だ。お前ほんと、引き運悪いよな」

「………」



「悪い」


ぽん、ぽん。
まるで幼子をあやすように、血に染まった手がガイオの背中を叩く。
出血性ショックで既に気を失ったその体は、男の手に支えられながらゆっくりと傾ぎ、倒れる。
それを抱き留めて、まるで気遣うように優しく床に横たえると、

「バカラの続き、できなくて残念だ」

アレッサンドロはいつもの、酒の席で別れる時にかける調子のまま、そう声をかけた。

#AlisonCampanello
(44) 2023/09/27(Wed) 20:39:48

【人】 黒眼鏡

>>44

ぼた、ぼた。
返り血がカウンターの上に数滴飛ぶのも構わず、アレッサンドロは立ち上がった。
血に染まったスウェットを脱ぎ捨てて、扉の隙間から差し込む潮風をも追い越すような早足で、店の廊下を歩いていく。
まだらに赤く染まったトランクスをひっつかんで引き下ろし、サンダルを放り捨て、裸足で全裸のまま私室の扉を蹴り開けた。
みしり、と音がして蝶番が歪み、中途半端に傾いた扉。
それを振り返ることもなく、乱雑にかけられた黒いシャツをとスーツをひっつかむ。

下着、肌着、シャツ、スーツ。
次々と脚と腕を通していって、ボタンが捻じ込まれるように止まる。
その一挙手一投足が鳴り響く開演のベルのように耳に響いて、
アレッサンドロの全身を流れる血流がどくどくと脈打った。
その高ぶりを鎮めるように一度、ぱちんと頬を叩いて。


「うし」

──すっかり準備を終えてから、壁際に据え付けられた鏡を見る。
ふーー、と吹きだした息は、まるで火が舌なめずりをしたかのよう。
ぎらぎらと燃え盛る堅炭の瞳がひび割れて、ごう、と熱が渦を巻く。
自分でその顔を見て、ふ、と笑い。

「確かに、こりゃ。
 人相が悪い」

#AlisonCampanello
(45) 2023/09/27(Wed) 20:40:45
黒眼鏡は、ポケットに突っ込まれていたサングラスをぴんと指先で弾き、つるを伸ばす。#AlisonCampanello
(a10) 2023/09/27(Wed) 20:41:18

【人】 黒眼鏡

>>45

拳銃に弾倉マガジンを装填する時のようにもったいぶって、かちゃり、と顔にひっかけて。



  
「──久しぶりの喧嘩だ。
   楽しくなってきたよなあ、おい」




に、と口許が、牙をむくように暴力をにじませて笑う。
その様相は馬鹿みたいに荒々しく、
気さくで飄々としたカポ・レジームの面影はもうどこにも残っていない。

──アレッサンドロ・ルカーニア。


それはかつて十四にしてスラム街の一角を暴力で纏め上げ、
その喧嘩の腕と狂暴性だけでファミリーへと拾い上げられた
喧嘩屋の小僧・・・・・・の顔だった。

#AlisonCampanello
(46) 2023/09/27(Wed) 20:42:25

【人】 黒眼鏡

>>46

そいつは格好をつけて黒眼鏡をかけると、またずかずかと店の方へ脚を進め、
折りたたまれた看板を片手で持ち上げる。
CHIUSO閉店】の面を向けて店先に放り出す。

潮風がごう、と吹く。
風に流された雲が太陽を覆い隠して、
三日月島の名物である太陽に照らされた海面はほどほどにしか光っていない。

それでもかまわない、と男は、革靴に包まれた脚をがつんと前にだした。
くるくると指先で回す、革細工のキーリング。
かちゃりかちゃりと音を手てて、愛車――フィアット500の鍵が音を立てる。

そんな音では、足りはしない。
そんな音では、贖えない。

10年を費やした弔いが、今日この時に結実する。
そんな風に喧嘩をしたことがないから、男にとってそれは最初で最後の、
──最初で最後の、

ことだった。

「負ける事考えて喧嘩するやつが、いるもんかい」


だから、彼は勝つつもりだ。
だから、彼は笑っている。

#AlisonCampanello
(47) 2023/09/27(Wed) 20:45:26

【人】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

>>47

潮風がごう、と吹く。
地を照らさぬ太陽の代わり、差別主義者・・・・・の神の代わりに、
俺がやる。
アレッサンドロ・ルカーニアはそういう風に生きて来て、
だから最後までそういう風にやるつもりだった。


「──さあて。」



──さあて、鳴らそう。
アリソンに捧ぐ鐘Alison campanelloを。


#AlisonCampanello
(48) 2023/09/27(Wed) 20:47:29
黒眼鏡は、行方を晦ませた。 #AlisonCampanello
(a13) 2023/09/28(Thu) 11:39:29



「いいじゃないですか」「俺がいるんだから」

それだけでこの部屋には価値ができる。
あんたが訪れる。誰かが遊びにくる。それを自覚した者の言葉。

この家には沢山の捨てられなかったものがある。
良いも悪いもない過去の思い出、漠然と受け取った賞状に、
頭にあるのに読み返してばかりいた書物たち。

これからの自分に必要ないものは多く、
きっと新しく増えるものもまた、多いのだろう。

「本調子じゃありませんし、
 適切な仕事の割り振りが行われている為か、
 案外忙殺されているという訳ではないな」

「俺がこうなる前に働き詰めでいた甲斐もあっただろう」

表情や視線に対しても全く悪びれずに言う。
ただ代償を支払っているだけのこと、罪悪感に苛まれるつもりは毛頭ない。

「失礼なのはお互い様でしょうが、全く。
 暑くないとは言わないが、こっちの方がマシですね」

少なくとも、剥き身で見せるよりかは。


──早朝も早朝。

貴方のスマートフォンに着信が一件入る。
表示される名前は非通知、或いは『公衆電話Telefono pubblico』。

怪しいそれにあなたがもし出てくれるのなら。


『……あ、ろーにい?』

『…………ですか?あってる?』


聞き慣れた声が届くだろうか。

「……ん”ぁ」「ぁに……何?」

早朝のコール音。
寝起きは良からずとも無理やり起きる事には慣れている。
また何か誰かの手伝いの依頼だろうか……とベッドサイドに置いたスマートフォンを手に取り画面を見れば、なかなか見ない表示がそこにあった。
訝しむ一瞬で受話ボタンを押すのが遅れたが、無視するわけにもいかないと通話に応じ、

「あいもしもし……
あ?


「フレッド!? 何お前ムショ出てたの!?」

……無事に一気に目が覚めた。
寝転がったまま電話に出たのに、
飛び起きたみたいに上体を起こす。
思わず問う声は早朝に出すにはやや大きかった。

『声でけえ〜』

電話口では貴方の大声に何やら笑っているらしい声。

『刑務所出たよ、ついでに家無し子になった』
『いや、今はそれいいんだ、あの、その』
『やっぱり困っちゃって……ええと……』

よくはなかったが、家が無いのは最初に戻っただけなので。
あまり深刻に捉えていなかった、今の一番の問題は別。
無期限、回数無制限、いつでも言っていい。
に、甘える最初がこれなのもどうかと思うが。

『ぁの〜、…………あのさぁ……』
『……よくないとは思うんだけど……』


よくないなあと思っているから声はちいさくなる。
犯罪だよなあ、わかってるんだけど。

『………………こ、』
『…………戸籍って……お金で、買えるかな……?』


身分を証明するものがないと、何をするにしても困る。
まだはっきりと貴方の素性を聞いたわけではないけれど。
想像がついている弟は、よくない頼り方をしているところだ。