「………………、」
どうして、と言いたかったけれど。
なんで、と問い掛けたかったけれど。
口を噤んで俯いて、頷いた。
昨日の自分の様子を見て
負担を掛けさせまいとしてくれてるのだろうか。
あなたがひとりで罪を負おうとしてるんじゃないか。
また失敗されては困ると思われているのだろうか。
大人から、頼まれたことをやれない子供だと罰されないか。
あなたに、役に立たないと思われてるんだろうか。
ううん、そんなことは無いと思うけど。けれど。
後暗い不安が消えなくて、あなたの顔が見れない。
「…………じゃあ」
「また、夕方…………」
「教えて、ね?」
出入扉へ足を向け、
返事も見ないまま、退室しようとする。
次の標的は、標的を。私は知らない方がいいんでしょう?
わかったよ。
……ちゃんと、わかってるよ。