人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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イレネオ! 今日がお前の命日だ!

ニーノ! いざや恩讐の碧落に絶えよ!

脳裏には、薄紅色のバスボム。
――目を伏せて。ただ。

ただ、…なんだろう。

"渡し忘れ"た一通を受け取った時、予感を感じた。
あれを嫌な予感とでもいうのか、
端末を片手にさてどうするべきか……。

話通りであれば名の上がった二人のどちらか、
それを決めるために動かなくてはならない。

想定内と言えばそうだが、
落ち合う場所を考える必要性に
少し乱暴な手付きで端末を机上へ。

/*
本当にふたりになってしまいましたわね…

対象を決める必要が出てきますが
予定通りカンターミネさんでよろしいでしょうか?
もしくはもう一人のルチアーノさんですが
もしも他に希望があれば遠慮なくお伺い出来ればと

あと落ち合う場所は何も考えていませんが
先にPL同士で運営ちゃん報告のために
襲撃先のみ決めておくのはいかがでしょう?
RPはいくらでも後付け出来ますため…

以上N.N.PLよりの相談でした。

道を往く。海沿いの道。
心地よい海風。でも、今は。

「……」

近付いてきたのは、自動車工場。
それを外から、軽く眺めた。

「………アレッサンドロさん」


人に聞かれてはいけないささやきは、海風に攫われて、溶けていく。

#Mazzetto

嫌な予感というものはえてして当たる。
“忘れ物”を受け取ったその後の出来事に
A.C.Aの一人でもある凶狼は考え込んでいた。

何があってももう戻れない。
重い腕を持ち上げて、端末を操作した。

/*
ご連絡ありがとうございます。
本当に二人きりになっちゃいました。

つきましては襲撃先のご相談ですが
予定通りカンターミネさんを先に、と思っています。

RPなどなどは別でやる形で大丈夫です。
黒眼鏡さんが暗殺者キルだとして
波魔キルが恐らくニーノさんなのが若干気になるところです。
波魔が樹木子にやられた可能性、魔女の呪詛死も微レ存ですが(

ちょっとその辺探り探りのRPかましていくかもです。
多分まだ我々は疑われてないでしょう…

「………」

あなたの部屋の前まで来て、インターフォンを鳴らす。
仕事に出ているのだろうから、返事はきっとない。

「(そういえば、開ける時は連絡してくれって)」

言ってたっけ。

扉の横に座り込んで、メッセージを送った。

『今日、家に居させてほしいの』
『時間がある時、開けに来てくれる?』

/*
お返事ありがとうございます!
それでは一先ず相談等々失礼します

そして襲撃先の件かしこまりました
それでは予定通りカンターミネさんに、その上でふたりで襲撃するか
もしくは前回同様片方はパスにするか希望はございますか?
最悪叢魔陣営が生きていればゲームは続きますが

ニーノさんについては本当に分かりませんね
何かが発動したのかキル職からなのか
謎ではあり気になりはしますが答えが出ない…

探り探りのRPにつきましては了解です!
疑われていなかったらいいなという希望を抱いておきます…

――たとえば。

自分が警察官じゃなかったら。
こんな法案がなかったら。
本当に、家族だったなら。

今頃、大きな声で泣いているんだろうか。

……あまりにも、無意味な仮定だ。
だってそうだったなら、きっと今頃、ここでこうしてなんかいやしない。

潮風に髪を揺らし、ゆっくりその場を離れていく。
吐き出す先を、探す。
吐き出したい想いの形を探す。
……それすらも分からないのに、何を吐き出せばいいんだろう。

誰も知らない訪問が、自動車工場にひとつ。
この場でやれることなんて、自分には何もなかった。

まだ、始まったばかり。
自分は自分の戦場に、戻らないと。


#Mazzetto

/*
樹木子、猫又を警戒するのであれば
片方はパスにする方が生存率は高まりますね。

それでも暗殺者や波魔の襲撃と魔女の呪詛のリスクは
変わらず残りますが…

パスと指定と、希望はありますでしょうか?

『はい』
『戻ったら開けます』『連絡もその時に』

しばし遅れて、簡潔な返信で伝えるべきことだけを伝える。

『寝るところはないんでソファで寝てください』

特記事項も忘れずに。

『分かった』
『連絡、待ってるから』

メッセージを送って、小さく溜息。
一人になれる場所、探さないとな。

「……っ…」

とにもかくにも、立ち上がって。
しばらく時間を潰すために、歩き始める。このままここにいると、泣いてしまいそうだったから。

祈りでも捧げてこよう。もう、何も起こらないように。

/*
ゲームを続ける上で必要な陣営がまとめて落ちかねない場合
運営ちゃんからストップは入るそうなので
そこらへんの処理はお任せするとしまして

パスも指定も希望はございませんがパスで特に希望がなければ
ダイスを振って出目が高い方(あるいは低い方)というのも1つの案ですね
カンターミネさんとはご縁がないのもあり
A.C.Aとして強制検挙以外の案が思いつかないため……

/*
カンターミネさんは
実は此方の方が少しご縁があるのですよね…
なので、特にそちらにご希望が無ければ
此方が行こうかな〜と考えてました。

ので、今回は此方でセットする形で
N.Nさんの方はパス、でどうでしょうか?

良ければ運営ちゃんにはその予定でお伝えしておきます。

/*
了解しました
ではではそのように致しましょう

運営ちゃんへのお伝え助かります
こちらもパスにセットした点に関しては連絡しておきます
無事に生きていた場合は次回襲撃でこちらがセットにしますね
御手数ですがよろしくお願いします!

牢の中にいる。


「……この夢も、随分騒がしくなったもんだな」

この日も続く奇妙な夢の中。
今やいつも通りの景色となったそこに、
曖昧な誰かの声や何処かの光景が流れては消えていく。

「さて、さて、これは誰の声だ…?」


「…………」

溢れんばかりに流れてきた情報に大した反応を見せない女は、
旗から見ただけでもわかる落ち込みようだった。
警察と違い理由の推測は貴方にとっては簡単かもしれないが。


「マフィア、警察からも逮捕者続出。
 相変わらず新聞もニュースサイトもその話題で持ち切りだ」

「ヴィットーレちゃんも。
 ハァ、こんなに早く隠蔽を急ぐ事になるとはな」

名前を挙げたのは、先日手助けを承諾したばかりの知人。
そして、逮捕者はそれだけに留まらなかったのだろう。
あなたも、そしてこちらも。


「ごめんね、ペネロペにも無理をお願いしちゃったのに。
 それ程、誰かがヴィットーレを強く狙っていたのか、な……
 ……あんなに、優しかったのに。だからなのかな。

 私にとっては、大切な"家族"だったの。
 ……夢の中なら、言っても許されるよね」

尋ねてもいないのに、唐突に紡がれた呟き。
勿論血の繋がりはなく、孤児院と教会は全く同じではない。
けれど、確かに自分達は家族であると信じていた。

表向きはそれを伏せねばならないのだろう。
それがここの夢に来て、思わず零れ落ちてしまった。


「別に。頼んだんなら謝るなよ、堂々としてろ」

それほど簡単に割り切れる話でもないから、
そうなっているのだろうが。
少なくとも、礼を言われた方がこの男にとっては快いというだけ。

「『誰が』までは夢は教えちゃくれないみたいだな。」

頬杖ついて、移り変わる場面を横目に。
そこにあるのは、重要そうな情報から、日常の一幕まで。

「優しいから見せしめにされる、ってのは無くもない話だ。
 ま、俺ぁ別に警察じゃねえし、手柄にも興味は無いからな。」

「"家族"が連行されて落ち込まねえ方が無理だろ、普通」


「……うん。ごめ……ううん。ありがとう、ペネロペ」

「ふふ、落ち込んじゃ本当は駄目なんだけれど、ね。
 私まで逮捕されれば、私達が守りたかったものに
 危害が及ぶかもしれない。関係性を探られちゃだめなの。
 ……本当に、結構これ、辛いなぁ……」

そうして、流れてくる場面の数々を見て、んん…と戸惑う。

「ここ、名前出ているわね。ロメオ……それにこれはニーノ?
 随分日常的な会話をしているのは、ここかしら」

「あと、この特徴的な喋り方……ダニエラ?
 なんだか、随分取引みたいなこと……どういうことかしら」

Inutile piangere sul latte versatoこぼれたミルクを嘆いてもしょうがないという諺がある。
その通りだと思う。
最初にそれを思ったのは、母が死んだ時だった。
…今は、きっと、あの時と変わらない。

小指のエナメルを緩く撫でる。
トップコートのお陰で、つるりと陶器のような手触りだ。

まだ。
まだ、大丈夫。

まだ独りじゃないから。頑張れる。


「おう」

ありがとう、には、それだけを返して。
気を損ねているわけではなく、元来そういうたちなのだろう。

「ダニエラ……ってえと、そっちの巡査殿か。
 こっちで部下を可愛がってそうなのはルーカスくらいだな」

「肝心の逮捕・摘発をやってる方は全然声がねえな。
 見えるモンから推測するにも限度がある。
 だが……イレネオの野郎が身内にやられたとは驚いた」

「それ以外は『わからねえ』が答えだな。それにしても」

ハア、と大きな溜息。


「次にウチから引っ張られるのはそこか。
 まあ、妥当なところだろうが…仕事が増えるな」

「俺が上手いこと無能のフリできてるって証拠でもあるが」

でももしも、ひとりになったら。
浮かんだ思考を、大きな吐息と一緒に吐き出した。

この手には約束がある。
だから、大丈夫。
大丈夫。


「おっと、そうだったか。……あー」

「俺も早くに両親に死なれてなあ、
 代わりに面倒を見てくれた奴らがいる。
 苦労も親孝行をしてる……つもりって言うのも。
 少しは同じもんを感じるねえ」

できてるかわからないのも。
こちらはそんな素振りもなければ不真面目ではあるが。

「あんたにとってのそいつが無事であるならいいんだがな」

「お粗末様。
 お礼は、そうだなー……」

突然会いに行ったのに材料を用意してくれて。
ピンクのエプロンを付けさせてきて、いつもの笑顔で迎え入れた男の顔が思い浮かぶ。


「……次のデートの約束をしたんでね。
 その時にでも伝えておこう」

また次の日。
自分達は改めてホテルに集まり、手に入れた情報を伝え次の作戦を考え解散するはずであった。

この後にやってくる一通の電話音が鳴り響くまでは。

「……あのくそ旦那」

片手で頭を抱えながら手渡すのはあまり分厚くはないが文字の多い書類。
対処に困っていた男と元上司まで牢に捕まったことで正直混乱は隠せない。

それはそうと、あの時聞いた名前も共に無事に報道されていたのも目についてしまう。
……貴方はうまくやったのだろう、だからこそその表情を伺っていた。

「……」

女はいつものデスク。
手のひらの上でバスボムを弄んでいる。
イチゴfragolaのジェラートの色のような、薄紅色のバスボムだ。

書類を受け取り目を通す。
ことり、と静かにバスボムを置いた。

「……何か、ありましたあ?」

くそ旦那
はさておきだ。
やけに落ち着いているという印象を抱いたならそれはきっと間違いではない。
元来あまり感情を表に出す方ではないのだ。
作り笑いだけは、昔から得意だったけど。

よく笑う人は、愛されるから。
署内ではよく笑い、愛されるよう振る舞ってきた。
だけどここ暫くは、それが板に着いてしまったんだろうか。
“楽しい”という感情が付随してくるようになっていた。

そんなの、今まで、数える程の相手との会話でしか感じたことなんてなかったのに。
そのことを思うと、少しだけ、書類を握る手が震えた。