人狼物語 三日月国


242 『慰存』

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【人】 葉山 裕太郎


[ここはマンションの中でも中層に近い場所で、外からの空き巣など入ってこない。それに自分がいるのは角の部屋で、肝心のお隣さんもよく知っている人物。

とても七海が空き巣を働くほど生活に困窮した人間とも思えない葉山は、その警戒を強く持たず、外出時には窓を開けたまま換気をする習慣を継続し止めることはしなかった。

たとえバルコニー同士が隣接してて侵入が容易だとして、出来るのは唯一七海だけ。その七海もあまり心配が要らない。問題は無いはずだ。]**

(13) 2024/01/11(Thu) 4:22:16


    私なんて、誰にも好かれない。
    好かれるほどの価値がない。


  



  「せなちゃんは"いけにえ"なんだよ。
   だから……ごめんね、
   わたしもせなちゃんとなかよくするの、やめるね。」

  



[小学校の時、クラスの子全員から無視されました。
 小さい頃の私は今より泣き虫で、
 今より体力もなければ運動神経だって悪くて。
 学校の大縄跳び大会の練習で
 うまく跳べずに足を引っ張ったのがきっかけ。
 最初は女子のほんの数人から無視されてるだけで、
 私は友達と笑って過ごせていました。
 ……結局私は跳べるようになったのに、
 その子たちは無視を止めることはなく。]


 



  「ねぇ、なんでせなちゃんなんかと話してるの。」

  



[他の子にもそう言い始めたのです。

 逆らえば次の標的は自分かもしれない。
 自分が標的になるくらいなら、無視するだけなら……
 そんな思いで私を無視する子は増えていき。


 友達だと思っていた子に生贄だと言われたのを最後に、
 私はクラスで孤立しました。]


 



[勿論、両親は気づきました。
 担任の先生に相談しているのを私は見ていました。]

 



  「でも、無視されるってことは
   聖奈さんにも何か問題があるんじゃないですか?」


  




    
―――――………。



 



[見ていなければよかったのかもしれない。
 今思えば、そう思うのですが、過去は変えられません。]


 



[私は二度と同じ目に遭いたくなくて
 家から離れた中学校に進学することに決めました。
 私に問題があったのかもしれないから
 中学生になったら体力を付けようと思って
 自転車で長い時間かけて通学したり、
 休日だって運動を欠かさずにして。
 もちろん勉強だって頑張りました。]

  





           
[………それでも、だめでした。]

 



  「聖奈ってなんかいつも人の顔色伺っててキモい。」

  「優等生ぶっててむかつく。」


  



[上手く、馴染めなかったんです。
 何が悪いのかわかりませんでした。

 ……対象は誰でもよかったのかもしれません。
 ただ、私ばかりが損な役回りを引くだけで。]


 




   そっか、私は誰かに好かれることはなくて。
   たとえ誰かを好きになっても
   想いを伝えることは諦めるしかないんだな。



 



[いつしかそう思うようになりました。
 自分には価値がないからしかたない。
 価値がないのだと言い聞かせるように
 何度も手首を傷つけていれば、傷だらけになりました。]


  



  
そう、私は頑張っても誰にも好かれない。


         
―――――でも、諦められないから。


  

【人】 七海 聖奈



[お辞儀をしてから、見上げれば
 そこには私の大好きな作家さんが立っていて。
 
 ―――――こんな偶然が起こるなんて。

 私、とっても運がいいみたいです!]

 
(14) 2024/01/11(Thu) 20:51:55


[まさか目的の人が隣に住んでいるなんて。
 こんなに都合のいいこと、滅多に起こりませんよね?]


  

【人】 七海 聖奈



   
え、あっ……、
サイン会以来、ですね……。

   こんな偶然、あるんだ…………。


[柔らかな微笑みに暫く見惚れて。
 言葉が浮かばず頭が真っ白になってしまった私ですが
 名前を聞けば、反応せずにはいられませんでした。]

  
(15) 2024/01/11(Thu) 20:53:27

【人】 七海 聖奈



  葉山祐太郎……、ミステリー作家の?


[反射で口に出してしまったのは
 それだけ葉山先生のミステリーが好きだから。

 でも、同一人物だと知らない私は
 まさかそんなわけないよね、と思い直して。]

  
(16) 2024/01/11(Thu) 20:54:01

【人】 七海 聖奈



  なんて、すみません急に。
  私、葉山先生のミステリー、大好きなんです。
  だからつい。お名前、同じなだけ…ですよね?


[あはは、と頬をかいて誤魔化そうとしましたが
 上手くいったでしょうか。

 どちらにせよ、手土産に持ってきた
 バターサンドを差し出して。]
 
(17) 2024/01/11(Thu) 20:55:26

【人】 七海 聖奈



  あの、甘いものがお嫌いでなければどうぞ!
  紅茶によく合うんですよ。
  

[にこっと微笑むと、その場は後にしたのでした。]**
  
(18) 2024/01/11(Thu) 20:55:54
***


[隣を伺っていれば、
 不在になるタイミングも自然とわかります。

 月曜日と金曜日の午後、5時間ほど家を空けること
 そして、どうやら家を空けるとき、
 窓は開けっ放しになっていることも。

 カーテンをしていなければ
 部屋の様子くらいは見れると思って
 バルコニー伝いに侵入したときに
 窓が開きっぱなしなことに気づいた時は
 少しびっくりしてしまいました。

 いくらここが中層で角部屋とはいえ
 無警戒にもほどがあると思って。]
 


[確かに困窮、というほど生活に困ってはいませんが
 所詮は大学生ですから。
 
 別に裕福って程でもありませんし
 お隣さんが作家さんだと知っていれば
 侵入される可能性がないとは言えないのに。]

  



[でも、私にとっては好都合。
 電源タップに偽装した盗聴器と
 いくつかの小型カメラを手に、
 好きな人の部屋へ侵入しました。]


 


[換気をしていても、
 煙草の匂いは完全には消せないらしく
 ほんのり煙草の匂いが残る室内。

 執筆に使っているらしきデスクの横には
 私が渡したぬいぐるみが倒れておかれていました。
 きっと、風で倒れてしまったのでしょう。
 なんの躊躇いもなく手をのばして
 ぬいぐるみを起こしてあげると、
 本来の目的を達成するために部屋の物色を始めるのです。

 コンセントに盗聴器を仕掛けて、
 見たい場所……デスク、キッチン、浴室の三か所に
 出来るだけ隠すように小型カメラを仕掛ければ
 今日はおしまい。あとは見つからないことを願いつつ
 葉山さんが帰って来る前に戻るだけ。

 何かを落としたりはしなかったはずです。
 強いて言えば髪の毛は
 落ちた可能性があるかもしれませんが
 葉山さんも私も白い髪ですし
 そこまで目立たないだろうと気にするのはやめて。]

 


[カメラを通して見る葉山さんは
 当たり前ですけれど知らないことばかりでした。

 男性の一人暮らしともなれば
 自炊よりは外食の方が多いのかなと
 勝手な想像をしていましたがそんなことはなく。
 朝ご飯もしっかり摂っているのを見ながら
 私も手作りのたまごサンドを作り、
 葉山さんが飲んでいる紅茶と同じ物を買ってきて
 ミルクティーにして飲むのがルーティンになりました。

 朝ごはんをしっかり食べると
 頭もよく働きますしいいことばかりですね!]
 



[ずっとずっと見ていたいのですが
 残念なことに学生である以上、通学は避けられず
 昼間講義を受けている間は
 あまり葉山さんを見ることは出来なくて。
 先生があまり厳しくない講義では時折スマホから 
 カメラ越しに何をしているのか、見ていました。

 とはいえ、お忙しいのでしょう。
 執筆している姿を見ることが大半でした。

 編集者さんとの打ち合わせ以外の外出では
 何処に出かけているのでしょうか。

 気になってしまえばすることは決まっています。
 後をついていけばいいんです。]