人狼物語 三日月国


222 【身内RP】猫様としもべの夢【R18G】

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視点:


 
大人しく
その態度のまま
、死ね」

 


おいでよおいで 神仙祭り
試練と褒美 たくさんくれる 神仙様
たのしいたのしい 神仙祭り
猫のように きまぐれで悪戯好きな 神仙様

しもべがたくさん 神仙様!
だれもが見上げるばかり 万歳! 神仙様!

おいでよ おいで 神仙祭り
家族も しもべも ひとりぼっちのきみも
神仙様は みな 平等!


……やー、じゃもん♡
しょうがないのう




ひく、と喉を鳴らす。笑い声に似たもの。
いつもの我儘。絶対変わることのない態度。
……レグナの願いを叶えることは容易だった。

冷たい床の温度で冷えてくる身体、白い頬にかかる乱れた髪。
弧の形に歪む、渇いた唇。着崩れた浴衣から覗く無防備な首元。
畳で転んだ時と似ているのに、何もかもが違う状況。

「おまえに殺されるのなんてちっとも怖くないな。
 なんだ口だけか、早く殺してみろよ! ほら!」

力づくで両手を伸ばす、レグナの首の後ろへと回し
ぐいと顔を近づけさせて牙を剥いた。
首筋に痕がつくくらいかみついてやる。
首がだめなら、顎でも唇でも、どこでも。



「殺されてやるから、終わったらちゃあんと笑えよな」


耳元で皮肉っぽくお願いを囁いて、やがて手を離した。
"自分勝手ねこじじい"がいなくなってはっぴーだろうからな!

冷えた身体も、無防備な首も。乱れた髪も。
若草色の視線が合うのも。
こんな事になってしまうなんて、転んだ時には想像もしていなかった。
それでもあなたは変わらない。

両手を伸ばされれば、案外その身は簡単にあなたの方へ近づいてきて。
牙を剥かれれば鋭い痛みと共に、首筋に赤い花が咲く。

耳元でお願いが囁かれた。
その願いを、叶える事は―――

「なら、望み通り」

まるで悪者にでもなったかのような口ぶりでそう告げたかと思うと。
手袋で覆われた手が、ゆっくりとあなたの首に掛かり。
そのままぐっ、と。力を込めていく。

あなたの温度が、脈が、手に伝わってくるのを、感じる。

細い首をあなたの手が覆って、呼吸を塞いだ。
マオは、じっとレグナの瞳から視線を外さないまま
与えられる苦しみを、受け容れる──否、受けて立ってやる。

おかしな話。見たことなどないはずなのに
悪者を演じるレグナをどこか知っている気がした。


「……ぁ…………っ……」

──苦しい。減らない口は、既に声にはならなかった。
吸うことも吐くこともできず、かひゅ、泡沫となって消えていく。
ただただ陸に上げられた魚みたいに、口を開閉させるだけ。

「……ぅ………」

──苦しい。じわりと涙が滲むのは、生理現象。
反射的に、あなたの手首を掴むのは防衛本能。
爪を立て、また傷をつけてしまうのかもしれない。

──苦しい。
段々と靄がかかってくる意識の中、片手を伸ばす。
口元は笑みのような、歪みを湛えたまま。
ただあなたの頬に触れるため、指先は目元をなぞった。

冷え切っていた温度は、何時しか熱を持って。
ぽたり、あなたの涙と混じる様に、汗が垂れた。
レグナもまた、あなたから目を逸らさない。

「………―――、」

苦しむあなたの表情をじっと見る。
爪を立て、疵が付けられていくのを黙って見ている。
生命を奪われているのはあなたの方なのに、
変わらぬままで有れと言ったのは自分の方なのに、
まるで呪いでも掛けられた様に左胸の奥の方が痛む。

道化の様に笑んでいた口元は、
何時の間にやら。ぎ、と何かを耐える様に歪んでいる。

――それでも、その手を緩める事はなかった。

「………、…………」


涙と汗で滲んだ視界では、あなたの顔がもうよく見えない。

「   、」
「……     」

意識が遠のく中、マオは、最後にゆっくりと唇を震わせる。
まるで、壊れた人形みたいだった。
その声にならない声は、あなたに届くはずがない。

──どれだけの時間が経っただろう。
やがて、マオの手がだらりと力なく床に放り出される。
……あなたに触れていた手も、爪を立てていた手も。

ずっと目を離さなかった明るい若草の色も
淀んだように濁って、光を失っていく。

マオは、もうこれ以上動かなくなった。