[女にしないでほしいと言うのに、
女になりたいと言う。
悲痛な願いを聞いて、俺は思わず眉を顰める。
それなら俺の手で無理矢理女にして、
全部俺のせいにしてしまえばいい。
そんな仄暗い気持ちが噴き出して来るくらいに、
男として育てられた彼女の運命を呪った。
けれど、
激しく揺さぶる彼女の手が俺の襟元を肌蹴させて、
そこに彼女の視線が、気持ちが注がれる]
シール様……?
[はっとした様な顔の彼女を見つめれば、
更に吐露された彼女の秘密と本音に、
え、と唇だけ象って、声を失ってしまう]
(……シール様が、俺の事……?)
[そんな思いもよらなかった事に気を取られそうになって、
彼女の話をちゃんと聴かなければと、意識を彼女の心に向けた]