人狼物語 三日月国


62 【ペアRP】ラブリーナイト【R18】

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 やはり、生の方がいいですね。


[足を開かせた彼の蕾に、自分の精液で滑る先端を押し付ける。
ずっ…!!と楽に入った瞬間、ダイレクトに彼の肉圧が伝わってくるのが心地いい。
そうとう企業努力と技術の進歩で開発されているだろうコンドームだけれど、少しの摩擦や膜を通した違和感は、どうしても存在してしまうから。
奥に引き入れようとする蠕動も、みっしりとしている熱いものが感触を確認しているかのように自分を食んでいるのも先ほどとは違っていて。
既に癖になっている。この躰と、生での行いに。
このまま生で種付けを自分たちのセックスの基本にしてしまいそうで、怖い。
彼の体のためにこの癖を治さないといけないのに。
しかし、ずず……とゆっくり引き抜いて、そしてぱん!と音が出るくらい激しく突いて。

あー、キモチイイ。
そうじっくりと彼の体を味わう。
あんまり体をそらせさせると、縄が首を擦れて傷を作るかもしれないし、と少し考える仕草をする]

 どうしようかな……。
 正常位って好きだけれど、同じのばかりすると飽きちゃうかな?


[繋がってゆっくりと腰を回しながら彼を抱きしめる。
彼の頬に手を添えて、滑らすように唇を自分の唇で覆うようにしてキスをした。

ああ、こうして触れ合っているのだけでもキモチイイ。
頭を撫でて、抱きしめてくれるその腕が欲しくなってきて、しゅる、と彼の腕を繋いでいる服の袖だけをほどいていく。

そちらを見れば、綺麗な手首がうっ血しているかのように赤くて]


 ああ、要さんの肌が………。
 ごめんね?


[手首痺れてない?と彼の手首をさすりながら口づける。
こっちも外そうか、と彼の赤い縄を引っ張れば、ぱらり、と縄がほどける。
上半身の赤い縄が、白いシーツに広がるように落ちて。

―――白い肌を飾る胸の粒。それを取り囲むように残るその縄の痕に………とんでもなく発情した。

彼の中にある自分の質量も熱量も増えて、彼は自分の慾にわかっただろうか。
それをごまかすかのように、ゆるゆると動かしていた腰を、奥めがけて一息に突いた]


 痕がえっろい。
 要さんの肌に痕つけていいのは俺だけですからね

 
[中も外も。ひくひく、と躰を震わせる要を抱き上げて、自分の上にのせてしまう。
くたッとした体での座位は体格差がそれほどない自分たちでは少し辛いかもしれない。
少し待ってあげようと、彼が自分から腕を回してくれるようになるまで待とうか。


そして、彼が抱きしめてくれるようになれば、彼の後頭部を掴むようにして、飽きもせずその唇を味わって。


ああ、そうか。

縛られる姿にそそられるのは、縛られたそれが自分の物だと錯覚できるからだ。
でも、今はこの腕が、俺を縛ってくれる。
そう思えるのが嬉しくて、彼の腰を掴むと揺さぶった*]


[……よかった、居てくれた、と。
 その笑顔を見て心の底から安堵して、
 身体中から力が抜ける。

 おはようございます、と何故か敬語の
 サクライさんの視線は、僕のものとは
 重ならなくて。
 なんとなく気まずそうに
 宙を彷徨っているように感じた。

 シャワーを浴びたらしいサクライさんの姿に
 目を奪われて。
 ふと、乱れたままの自分に目を落としたら
 急に恥ずかしくなってかぁっ……といまさら顔が
 熱くなる。
 手近にあったバスタオルに手を伸ばして、
 ばっ!と頭から被ってまたへにゃりと
 ベッドに倒れ込んだ。
 ついでに散々暴れたベッドの上、
 奇跡的に掛け布団が残っていたなら
 それも引っ張ってせめて下半身だけでも
 隠そうとしただろう。]
 


   ……そう、なんですか。
   よかった、まだ───

   まだ、チェックアウトの時間じゃなくて。



[ぼそりと呟いた言葉は、質の良い分厚いタオルの下。

 カタツムリみたいにそぉっと首を伸ばして
 見やったサイドテーブルの上には何もなくて、
 僕の不甲斐ない吐瀉物を黙って受け止めてくれた
 タオルも、部屋には見当たらなくて。

 現実と夢との境目がぼんやり霞む。

 それでも首元に触れれば、そこに革の感触は
 たしかにあって、両手を添えて、
 身体ごとぎゅっと丸めて抱きこんだ。]
 


   ……あ、えっと。
   はい、嬉しいです。
   ─── あの、先に、水、貰えますか。


[コーヒーを薦めてくれるサクライさんに
 ゆっくり顔を上げた。

 それにしても身体中痛い。
 頭もぐらぐらして、胃がコーヒーを
 受け付けてくれるかはわからなかったけど、
 二人で飲むコーヒーにすごく惹かれて。

 行為が終わったあと、こんな風に過ごすのは
 もちろん初めてで、どうしていいのかわからないまま。

 おまけに色々な箇所から訴えられる痛みには
 まぁ慣れているはずなのに、
 なんだか今日の痛みは甘く、焦ったく
 身体にしがみついてくる気がする。]
 


[サイドテーブルまでサクライさんが水を
 持って来てくれたなら、手を伸ばして
 受け取ろうとするだろう。

 けれども手に力が入らなくてうまく持てなくて、
 困ったように眉を下げてサクライさんを見上げたら
 困らせてしまうだろうか。

 早く入れて、とか、奥に出して、とか、
 さっき散々恥ずかしいことを言ったくせに僕の口は、

 飲ませてください、とは言えなくて。
 ]*
 

普段通りので良いよ。
それに着けて見せても良いものを選んでしょう?


[特別にエッチな下着でなくとも構わないのだ。
朔月が選び持ってきた中から自分が選び、それを着てもらう。
その過程が大切なのであって下着の良し悪しと言うものは朔月が選んでくれているかによる]


大胆なものならそれも一緒に選びたいな。
季節的には後は水着とかも見てみたいけれど――。


[手の中で柔らかな膨らみの形を楽しみながら笑っている朔月の反対側の耳朶へと口づける。

それは、それは――の続きを示すものだった。
緩やかに身体を求めてゆく。
穏やかに快楽を芽生えさせてゆく]


ふふ、今は、朔月をいっぱい甘やかすことに専念しようかな。


[朔月もそちらの方が良いだろう。
目が覚めても昼になっても、そして約束の時間が過ぎ去っても。
自分は変わらず朔月を可愛がり甘やかし続けたいというのだから夢はどこまでも夢となるのだけれど*]



  仰せの通りに、殿下。


[水をご所望なら、なんなりと。
 深々頭を下げて見せたけど
 さっきまでとは形勢逆転した様に
 自分でもちょっと笑えてしまって、
 カッコいい執事にはなれなかった。

 ベッドサイドに腰をかけて
 真新しいペットボトルのキャップを捻る。
 それを手渡した……はずなのに、
 史郎の手から、ボトルが転げてしまう。]


  あっ……ご、め……


[咄嗟に謝ってしまったけれど
 何かに向けた謝罪というより、
 眩しいから目を細めてしまった、みたいな
 反射的なものだった。]

[最中ならば躊躇わずに
 口移しにしたかもしれない。
 一夜の相手と割り切っているなら、特に。
 そういうプレイなのだ、と
 胸を張って言えるのだから。

 けれど一方的に(?)むず痒い気持ちを抱いている
 俺としては、そんな不埒な真似をする勇気もなく。]


  ……手、俺が支えてるから。


[と、史郎の首の後ろとボトルの底とに手を添えて
 ゆっくり、水を彼の中へと注ぐだろう。

 晒された喉には、しっかりと
 皮の首輪が残っていて
 
寝にくいし、飲みにくいだろうに……

 それに目を向けて、俺はぼそりと呟いた。]


  その首輪、何となく取れなくって。


[可愛がった犬を捨ててしまう時みたいで、
 なんて失礼なところは伏せたまま
 俺は眉を下げて笑って見せた。]



  ……あの、勝手にキスとかして、
  すんませんした……なんか、つい、
  昔の事とか、思い出しちゃって。


[謝るついでに過去の話をしたがる、なんて
 年寄り臭いな……と自分で苦笑しながらも
 水で喉を湿して、俺は少し胸中を吐き出すんだ。]


  なんていうのかな……
  俺の家は多少古い考えの家で、
  今日日になっても跡取りがどうとか
  血縁がどうとかって話をしたがるんで……

  自由になりたくて、そんな家を捨てて
  一緒に来てくれる友達と一緒に
  気侭に暮らせる道を選んだんですけど、
  そいつが……居なくなってからというもの
  何をしてても寂しくなって……

  それで、探しちゃうんです。
  一緒に雁字搦めにされて、堕ちてくれる人。


[だから、ただのプレイの一環よりは
 重い意味を孕んでいたのを詫びなくては。
 こんなの、勝手に押し付けていいものじゃない。]

[下げ眉で、何となく頬笑みを浮かべたまま
 もう一度、ペットボトルに口をつける。
 乾いた身体に、じんわり水が染みていく。
 次の言葉を出すのには勇気がいるから
 染みていくのをじっと待つ。

 布団の端をにぎにぎしながら
 俺はあれこれ言葉を探して、口を開いた。]


  ……まだ一晩、肌を重ねただけで
  運命の人ぶるつもりはない、けど……

  でも、もしもう一度、俺の運命を変える人に
  出逢えたかもしれない……とかって、
  考えて、まして……えっ…と……


[ええい何が言いたいんだ俺は。
 ちんこが勃ってないと物が言えんのか俺は。
 ぴしゃり、とひとつ自分を頬を軽く叩くと
 勇気をだして、史郎の目を見つめよう。]

[奉仕されている、大事に大切にされ
愛されているという実感が身体を火照らせる。彼は唯一無二の騎士様だ。何処までも甘やかされて溶けそうな程の熱を宿らせ、鳴いた。欲しがりは互いに同じ。

獣のように交わってよがって

破けた、ゴムを理由に更なる深みへ誘いかける。
けど彼だってそうしたかったはずだ。生の方がいいという言葉がその証拠。言葉に薄く笑い、生の屹立の形、大きさ、固さを味わい。身をよじり、歓喜で迎えひときわ大きくのぞけった]

やっん、はぁっ、ん
ん、生、…すきっ、すきや

…寿が、おる、


[お腹の中におる。と啼く声は白濁を纏い入る熱を悦び。
奥にと進む形にそって壁が蠢くのを感じれば、薄皮に隔てられていた熱の量に喘ぎ。みっしりと食い飲み、身を悶えさせては縄に絞められ更に感度を増していった。もっともっと、自分に落ちてほしい。のめり込んで、夢中になってや。

媚肉が願いを込めるごとく、締めては喘ぎ
癖を宿す。彼じゃないといや、

彼がええ。

気持ちエエの、もっと、]

[寿ぃと鳴き声を漏らす頃には
肉体はよがり、彼の縄の痕を体に宿しては、路を作る。そうして彼のものであることを刻まれるのがこれ程気持ちいいと知ってはのめり込み。彼をのめり込ませるはずが、ミイラ取りのように陥りて

激しい突きに曝されて喘いでいたが

不意に抱き締められ]


ふ、え?
…ぁ、


[大好きなキスに蕩ければ
縛っていた腕をほどかれ、突如、自由を与えられて惑う瞳をさらけ出した。が、自由になった手がしたいことは一つ。赤くなった其れを案じる声に柔く笑い、落ちるキスにくすぐったさを覚えつつも

息を整えて]

[すきやと。笑みを浮かべ
彼がほどく、縄に隠されていた肌をさらけだそう。自由になった手で彼の頭をなで、誇らしげな顔を見せるのは彼の執着の証を宿す故。ふふふ、と蠱惑の笑みを深めようとして、自らの胸を囲うような紐痕をなぞった瞬間、]


っ、ぁ!!!


[突如大きいなった熱にのぞけり
彼にとしがみついた。彼の興奮を伝えるそれはまだ大きくなるのかと思うほどの質量を誇り、中を変えていく。喘ぎ声をもらし、息をこぼし、快楽の涙を溢しても。俺だけという言葉に

手を伸ばし、しがみついていた手を
頭部へと添えて

やさしゅう一度なで]

当たり前やろ?
…自分が痕つけるんも、


[俺だけや。と髪の下、後ろ首に爪をたて
抱き締めよう。囲いのなか、逃がさへんで。彼に囲われ、囲い返し唇はキスを悦び受け入れる。自由になった熱源は天をむき、彼の腹部にとあたるだろうか。彼の上に乗った腰を自ら揺らし

なぁ、と合間の誘い声は甘く]


おちんぽ、食ってええ?


[もっと気持ちいいのがほしいんよ。
もっと彼を感じたいんよ。そんな思いを込めて彼のものを意識して締め付けながらゆっくりと腰を少しあげよか。ぐちゅっ、と鳴るのは彼の熱が纏う白を壁が擦り、塗りたくる音で。

快感に笑う声ととも、こちらから
キスをして、彼の上で

はしたなく]



踊りましょや、騎士様


[姫は嗤う*]

[特別なものはないけれど、自分から見て似合っているものを選んできたつもり。
それでいいと言われれば、少しだけ安堵した]

それは勿論。
好みかはわかりませんけど…。

[大胆なものも一緒に選びたい、水着も見てみたい。
そう言われて、なんて返せばいいのかわからない。
自分にとって夢であるこの一時が、日常に浸透するかもれないなんて思わなくて。

身体を緩やかに求められ、快楽を穏やかに芽生えさせられて。
今は考えなくてもいいのかなって。
思考を手放してしまう]

ふぁ…あっ…きもち…。

[彼から与えられる快楽に身を委ねて、小さく嬌声を零しながらもこの行為を満喫するのだった*]

[抱きしめるのも、抱きしめられるのも好きだ。
緊縛が好きな自分の性癖の基礎は、抱きしめられることへの渇望なのかもしれない。

抱きしめたくても抱きしめられなかった、あの騎士とお姫様ごっこのあの初恋の子。
離れる時に迷って迷って我慢して、結局抱きしめられなかったあの後悔がきっかけなのかもしれなかったのだけれど。
あの時の胸がツキンと痛むような感触は、彼にこう抱きしめられると、癒されていく気がする]

 エッチな踊りですね。
 ………踊り子さんに触ったらダメですか?



[気持ちよくさせてあげるから、触りたい。
そう、自分の上で淫らな舞を披露するお姫様に言いながら、彼の尻たぶを揉んで。
口寂しいから、そのまま彼の胸に唇はちゅぱちゅぱ吸い付こう。
なるべく左右均等になるように、そう彼の体を美しいまま育てるのだ。

要は脚を大きく開いて、ずっぽりと肉杭を蕾に串刺しにされて受け入れている。
随分と慣れたようで、体重で強引に受け入れさせているだけではないことは、蕩けるような彼の表情でわかる。
見える彼の屹立の先端は反り返りすぎて彼の腹にぶつかりそうだ。
挿れた瞬間は縮こまってしまうその箇所は、男を受け入れることに慣れて、もっと欲しいと飢えをアピールする時は雄々しくなっていて。
それはやはり、受け入れさせられていても、彼が雄である証拠だろう] 

 せっかく、ドライの練習したのだから、このまま俺のメスになります?


[ぺろりと彼の胸の粒に悪戯しながら、そんなことを言って。
そしてそのまま。まだ残る赤い縄の痕を舌先でなぞっていく。
彼の尻から手を離し、二人の腹の間で遊んでいる彼の屹立に両手を添えた。
たぷ、たぷ、と揺れて動く袋部分を優しく揉んで。
裏筋を親指で擦りあげながら、そのまま割れ目からカリ部分から、とゆるゆる優しく擦っていく。染み出た銀色の液をそこに塗り伸ばすようにしながら。

メスイキさせるのもいいけれど、でもちゃんと出してあげなかったら逆流するとかも言うし。
それは彼の体に負担がかかっておまる。
ちゃんとご主人様のこういうところの管理をしてあげるのも騎士の仕事だろう。
きゅう、と物欲しげに蠢く淫らな花に、心配しないでとばかりに腰を回してかきまぜて宥めた]

 ほら、その程度でいいんですか?
 小食ですね。
 もっといっぱい、おちんぽ食べていいんですよ?


[そう彼の下で彼を煽る。自分は腰を振る彼を見るだけだからすごい楽だ。
でも、どうしても悶々としてしまう。
ああ、自分も動きたい、貪り食いたい。思うさまに突き入れて、啼かせたい。
そう自分の上で踊る彼から目を離せずにいつつも我慢して。
今の自分は待てを命じられた犬と同じ。
それを紛らわせるためにも、手の中の彼の屹立をお守りのように優しく握りしめて。
にゅるにゅるくちゅくちゅと、その音が彼を追い立てる風になるように、と思いながら。
我慢しきれなくなって動いてしまう腰をなだめていた*]

好みかどうかは見てみないとね。
でも朔月に似合うやつが好みと言えば好みだから、
どれもこれも好みになってしまうかもしれないかな。


[逃さない。
そう言外に伝えるかのように腕は朔月の身体を抱き寄せ身体を密着させている。

心地好さに溺れ始めた様であれば耳朶を唇で食みながら繋がる二人の熱を擦り合わせてゆく。
湯に波紋が広がり、それはやがて大きくうねり始めてゆく]


可愛いよ、朔月……好きだよ。


[思考を押し流しながらも好きと謳う。
波立つ湯舟の中から立ち上がることを促して壁に手をつけるよう促してお尻を突き出させた格好をさせよう。
後ろからじっくりと熱棒による愛撫を始めれば思考を押し流す快楽は増してゆく]


可愛い声もっと聴かせて。
朔月の背中も可愛がってあげるから。


[先は触っていなかった背筋が目の前にある。
その背へと口づけはじめ、背中を隈なく愛してゆく**]

う…直継さんずるい…。

[私に似合うものが好みなんて、そんなのずるくないですか?
初めて会った時から思ってたけど絶対モテるし、ずるいよなぁって思ってしまう。
照れたように両の手を頬に当てて。
まるで逃がさないと言うように身体を抱き寄せられ、密着している。

思考を手放して心地良さに溺れ始めれば、唇で耳朶を食まれ、繋がる互いの熱を擦り合わせゆく]

はふっ…直継さん……。

[快楽に微睡みながら、好きと謳われきゅんと中の熱を優しく締め付ける。
湯舟から立ち上がるよう促され、壁に手を付けた。
お尻を突き出すような格好は少し恥ずかしいけれど、きっと可愛がってくれるから。
じっくりと彼の熱で愛撫され、背中を愛されれば唇から甘い嬌声を紡いでいっただろう*]


[こちらに向かって、どこかにお仕えの
 執事のような台詞を言いながら、
 深々と頭を下げるサクライさんに思わず吹き出した。
 サクライさんが小さく笑った声も重なった。

 わざわざきちんとキャップを捻って
 開けやすくしてくれたことに胸がほわ、と弾んで。
 けれど受け取ったはずのペットボトルが
 手を滑り落ちて離れ、ころりと転がってしまうから、]


   あっ、ごめん、なさい……


[慌てて謝った声も重なる。
 髪に触れ、ひとつ掻きながら
 気まずさを抱えてまた笑った。]
 


[サクライさんの思いなど知るはずもない
 いつのまにか図々しく育った飼い犬は、
 口移しが欲しかったなぁなんて思うのだけれど。

 噯気にも出さず、手と首を支えてくれた
 サクライさんにゆっくり
 凭れてみるだけにとどめた。

 注がれた水を飲み込む時
 ごくりと喉が動いて首輪との距離が一瞬、詰まる。

 その感覚はやっぱりどうしたって好きで。

 だって、サクライさんがつけてくれたものだから。
 だから、『なんとなく取れなくて』と
 サクライさんの口が動いた時、
 僕は咄嗟にまた首元に両手を添わせた。

 ───大事な宝物を取られないようにする
 子供みたいな動きで。]
 


[切れた唇がしみて、荒れた喉がしみて、
 空の胃がしみる。
 見えないはずの内臓の形を示すように
 小さな痛みを伴って下っていく冷たい水。
 それさえサクライさんとの時間を
 ひりひりと思い出させてくれるようで。

 そんな感傷に浸りかけたら
 さっきまでとはまるで別人のような声と表情で
 サクライさんが謝ったりするから驚いて、慌てて。]


   やめてください、謝らないで。


[覗き込むように瞳を見つめて、そう言った。]
 


[黙って聞いていた。
 ぽつりぽつりと紡がれる彼自身の話、
 家の事情、
 
 ───そして、大切な人のこと。

 その人は今どうしているのですかなんて、
 聞かなくてもなんとなくわかる気がした。
 時折サクライさんの瞳に見え隠れしていた、
 どこか寂しげな光の理由。
 優しい手つき。]


   一緒に、堕ちてくれる、人。


[サクライさんの言葉を、独り言みたいに繰り返す。
 布団の端を所在無さげに
 握ったり離したりを繰り返すその手に、
 届くなら僕は自分の手を重ねるために伸ばした。]