[ いつまでも律儀に"待て"をしてくれる彼の理性を
心底信用している大咲は、完全に無警戒で誘いに乗った。
というより、長く一緒にいたい気持ちが勝って
したごころ …のことまで考えなかった方が近いか。
そうして手渡された、彼のマンションの合鍵は。
大咲にとっては、ごく普通なんてことはなく
特別で 大切で 片想いの頃は考えも出来なかったような
軽いのに何よりも重い、そんな存在になる。 ]
──…じゃあ、今だけの特別ですね。
ふふ。
[ 違う鍵になったら、最初から貰う数は二つ。
その意味を理解しては、照れたようにわらって。 ]