人狼物語 三日月国


54 【半再演RP】異世界温泉物語【R18】

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 いや、俺がしたかったんだよ。
 俺がお前の分を敷きたかったんだ。


[こうしているとまるで新婚さんのようだ。と思う。
二人とも全裸だけど。仲居さんを呼ぶということはこの状態の彼を晒すということで、何よりその時間が惜しかったというのは内緒の話だ。温泉旅館なのだから、こういったことにも慣れているのかもしれないが。彼の白肌を見せる気はない。――誰か見ているかも、とエッセンスにするのは別にして。

そうして布団を拭けば]

 …ん


[彼が髪を拭いてくれる。
それが気持ちよく、目を細めてバスタオルで拭いてくれる手に擦りつき。もっとと強請っただろう。あ、また甘えてしまった。と思ったけれど、彼の手が慣れているのがわるい。窓を閉めて、電気が消えれば完全に雪の中。
二人だけの世界だった。]


 なあ、鬼走。
 今いう事じゃないかもしれないけど。


[二人潜り込んだ布団は暖かい。
このまま肌を寄せ合い、眠るのもいいかもしれないと思う程。けれど、甘えるように抱き着いてくれる彼が足を絡ませて腕に触れてと欲を煽ってくる。それは、自分だっておなじだ。鼻先のキスには頬へのキスで返して、手は背を撫で触れて、悪戯の仕返しのように足を擦り付け。またキスをして。
と繰り返しながら、彼に甘いトークを綴る]


 …こうやっていると新婚さんみたいで
 俺はたまらなくなる。もっとお前を独占したいって



 もっとお前と同じ世界にいたい。


[ちゅと顎にキスをして。
それから髪を撫で、雪灯りを頼りに彼へと顔を寄せた。どんな顔をしているだろう。指は薬指を探して絡めようとする。甘いトーク、けれど。その先は、真剣な言葉を孕んでいる。]


  俺はお前と一緒に住みたい。


[ずっと考えていた事を打ち明けて
それからぎゅっと抱きしめた。肩口に彼の顔をうずめるように後頭部を抱いて]



 旭、俺のところに来て。


[彼を呼んで掻き抱く力を強めた。*]

 
[何でオレは謝ったりしているんだ。
 相手は敵対組織の首領ではないか。
 もう、オレの主人ではない筈だ。

 彼の低くてイイ声のあと
 摘まれていた胸の先が
 削り取るように強く扱かれながら離された。]


    
ッひ、 ウうん……っ



[眉間の皺を深くし目を潤ませつつ
 唾液に濡れた唇の隙間から漏れてしまうのは
 甘さ混じりの声。

 また、気持ち良くなってしまった。

 浴衣の上からでもわかる程
 ビンビンに勃起した二つの尖りに残る、疼痛と甘い痺れ。
 絶頂の時間が延長され、頭がクラクラする。]
 

 
[もっと罰を、ということは
 先程のもこれも罰の一つだったのだろう。
 だけど、感じてしまった。]


    はぁ…、 はぁ…

   (……痛いのに、気持ちいい……)


[苦痛ではあるけれど、それ以上に甘露だった。]
 

 
[こんな風にされて感じてしまうのは
 普通じゃない。どうかしている。

 けれど、彼に体液を飲まされると
 何をされても気持ち良くなってしまうのだ。

 先刻も唾液を
拒もうともせず

 たっぷりと飲んでしまった。

 だから……、感じてしまっても仕方ない。
 オレの身体がおかしくなった訳じゃないんだ。]
 

 
[体液を飲む前、耳孔に吹き込まれた声だけで
 達してしまったことは忘れたフリをして
 彼の体液には普段通りの効果があると
 思い込んだまま]


    っ


[腕を掴まれ引き摺られるように
 部屋の中へ連れ込まれる。

 腕の力で身体を寄せて
 首があまり絞まらないようにするのは
 彼の下に居た期間に身につけた対処法。
 離せとか止めろとかの言葉を飲み込んで着いていく。

 下手に反抗すれば仕置きが増えるだけ。]
 

 
[何故オレに拘るのか。
 何故直ぐに連れ帰ろうとせず
 ここで罰を与えるのか。

 わからない。
 何か目的はあるのだろう。

 彼の思惑通りになってはいけないが
 しかし昂る身体のまま投げ出されたら
 拷問より苦しい思いをすることは
 身にしみて理解していた。

 部屋の中ほどか、壁際にて離される。
 

 
[出された指示、
 内容の恥ずかしさに頬の赤みが増すけれど

 この人の不興を買い
 放置されてしまったら堪らない。

 
オレの身体を、慰めて欲しい。



    ……っ


[良く見えるようにとのことだから、
 肩のみ壁につける形で、畳の上、浅く腰掛けた。

 羞恥に耐えながら筋肉のついた太い太腿を開くと
 浴衣の裾が割れていく。]
 

 
[眼差しに灼かれて、おかしくなりそうだ。
 錯覚に違いないのに、
 彼に求められている気がしてしまう。]


    ……っ、見ないで、下さい……っ


[そう訴える脚の間では
 セーマの時には穿いていなかった下着
 黒いボクサータイプのそれが露わになり

 薄くすべすべの生地を
 硬く聳り立つ性器が押し上げていた。*]
 

[彼は本当に自分を甘やかすのが上手だ。
そして自分はまるで彼の子供のようにまとわりついている。
彼と自分とでは子供を望むべくもないけれど、こうして子供ごっこをするのは楽しいかもしれない。
二人で布団の中で話していれば、唐突に彼が改まって話しかけてきた]


 ん、どうした?


[キスをしたり、触れ合ったりして。甘やかな恋人同士の時間。
温泉で温まり、盛り上がった気持ちで浮かれたまま彼の話を笑顔で受け止める。

新婚さんみたい、と囁かれてくすぐったそうな顔をする。
自分もそのように思っていたから。
顎先に口づけられ、指を絡められ、何かを約束するならば小指なのに、薬指にはどんな意味があるっけ、と彼の言葉を聞きながら頷けば、続けられた言葉に目を見張った]

夜長………。


[付き合いだして一年経って。
仕事の時間がバラバラで会うことがなかなかできないけれど、自分から共に暮らすことを言い出すことができなかったのは、どこかで彼に対してまだ遠慮をしていたから。
いや、彼の愛を信じて感じてはいても、“自分”とは違う存在の彼の負担になるのではとどこかで思ってもいたし。
強く抱き寄せられる。
彼の肩あたりに抱きこまれて身動きが取れないのは息もできないからか]



 ………伸……忠



[普段は呼ばない名前を呼ばれ、自分も彼の腕を抱きしめる。
名前を呼ぶのが精いっぱいで、言葉が出ない。



しかし、首を振った]


 ダメだ。お前のところに俺はいけない。



[鼻の奥がツンとなる。泣きそうになるのを必死でこらえて、呼吸を整えて何度も言いかけるのを止めて、言い直す]


 俺はお前のところにいかない。

 ………二人で新しいところに住もう。



[なし崩しの同棲みたいなものではなく、ちゃんと未来を見据えたけじめとして。独占されるのでなく、彼の世界に自分が入るのではなく、二人で新しい世界に住むために。
そんなの同じじゃないかと思われるかもしれない。この思いは通じないかもしれない。
でも自分の中での線引きはちゃんとしておくのは、もしかしたら彼より年上の務めだと思っていたからかもしれない*]

【人】 きっと教育係 キネレト



 ……へ?


[我儘? だったか??
何が? どこが?? 具体的にどの辺りが???

尋ね返す音を発した半開きのまま
ぽかんと口を開けた間抜けな顔になってしまう。
君の言葉の意味を理解するのに数秒かかった。

ぱちぱち、瞬いて君へと視線を向ければ
君は君で不思議そうに首を捻っている。>>2:102
その様子から察するに、
本気で我儘を言ったつもりでいるらしい。

なるほど。そうか。ふむ。そうか…………
ううむと顎を摩って首を捻ってしまったのは、
君の真似をしようとしてやったわけじゃない。
自分でも無意識のうちに
自然と君から移ってしまった癖だ。]


 ……?
 ………………???


[尚も暫く考え込んでいたのだけれど、]
(7) 2021/01/03(Sun) 19:30:24

【人】 きっと教育係 キネレト



 …………あぁ。


[続いた言葉ですっと腑に落ちた。
君はそういう人だった。
望まれて言われるがままになる僕ではなく、
ありのままの僕を尊重して受け止めてくれようとする人だった。

無理に合わせようとしなくたって
自然と歩調を合わせて寄り添ってくれる。
君はきっと僕以外の人間にも
同じように相手を尊重して接するのだろうけれど、
そういう君だから、僕は好きになったのだった。]


 …………、ふふ。


[二の句が継げなかった。
自分でも知らなかった自分に気付かされるようで。
子供たちを諭すことはあっても、
自分が言い聞かされるようなことは思えば殆どなかった。

それだけ努めて聞き分けの良い子供で居た記憶はある。
君の言葉が温かくて、心地良くて
じっくり嚙み締めるように反芻してから口を開いた。]
(8) 2021/01/03(Sun) 19:30:28

【人】 きっと教育係 キネレト


 ……本当に、
 二人で生きるのって難しくて…………面白いね。
 一人で居たらきっと知らないままだったことが
 どんどん見つかる。

 それじゃあ、……お願いしようかな?


[おかわりなら自分で、と言いかけて
湯呑みを手に取り君に差し出す。
お茶を煎れて貰える、ただそれだけのことが
なんだかこそばゆくて小さく微笑んだ。]


 例えば身体に染み付いた習慣であっても、
 変えるべきところは変えていきたいと思ってるんだ。
 自分にとっても良くない自分なら猶の事ね。

 僕はつい手を出したがって、
 君に出来ることは何かないかって
 無意識に探して実行してしまうけれど……
 君が何も出来ない人だと侮ってるわけでも、
 君の気持ちを蔑ろにしたいわけでもない。

 でも僕が先んじて片付けようとする度に、
 君はきっと無力感に苛まれてしまうんだろう?
 君に喜んで欲しくてやっているのに
 君を悲しませてしまうようじゃ本末転倒だよ。
 
(9) 2021/01/03(Sun) 19:30:32

【人】 きっと教育係 キネレト



 今は良くても、そのうちに君に
 煩わしく思われてしまいかねない。
 僕にとって一番辛いのはそちらだからさ。

 
[改めて、そう考えると僕のこれは
傲慢で一方的なお節介の押し売りで自己満足な我儘だ。

君のお世話をさせて貰える自分は
君にとっての特別なのだと承認欲求を満たして、
君がそれを望んで喜んでくれるって幻想を見ている。]


 君も薄々気付いていると思うけれど……僕は、
 突っぱねても構わないっていう選択肢が
 自分では思い浮かばない程度に、
 周囲に合わせて生きるのに慣れきってしまっててね。


[それが短い人生の中で学んだ、
自分を護れる一番楽な処世術だったから。

合うものも合わないものも人前では全部呑み込んで
顔色を窺って、『正解』を探して、
それでも決められない事柄は全部神様に丸投げしてきた。

けれど君には、僕は自分の意志で納得して
ちゃんと希望を伝えられているような気がしているんだ。]
(10) 2021/01/03(Sun) 19:30:36

【人】 きっと教育係 キネレト



 こう話した後だと
 君に合わせて言っているみたいに聴こえてしまいそうだが……
 君の杞憂は的を射ている。

 まだ大丈夫、まだいける、って知らぬ間に度を過ぎて
 身体を壊して一歩も動けなくなったこともあるし、
 何年かに一度は自分でも訳の分からない激情に
 呑み込まれて暴発してしまうんだ。
 みっともない姿を晒してしまう前に君が止めてくれ。

 ただ、自分を大切にする方法さえわかっていないから
 どうすれば君を大事に出来るのかもわからなくて……
 ……君はどんなときに、大事にされていると感じる?


[こんな話を誰かにしたのは初めてじゃないだろうか。
煎れて貰ったお茶を啜って喉を潤してから、]


 僕は、君が僕を大事にする方法を模索してくれてるって
 それを知れただけでとても幸せに感じるよ。

 
(11) 2021/01/03(Sun) 19:31:05

【人】 きっと教育係 キネレト



 ……なんて大真面目に
また長々と
語ってしまったけれど
 僕はこういう真面目な話を君とするのは好きだ。
 君とのより良い将来について考えるのは
 むしろ楽しいことだしね。

 ああ、もちろん
 もっとどうでもいいような
 明日には忘れてそうな馬鹿馬鹿しい話も
 いつでもしたいと思ってるよ。君となら。


[君との会話が心地良く感じられるのは、
君が僕と話すことを楽しんでくれていて
僕を理解しようとしてくれているのが
伝わってくるからなんだろう。

知っての通り僕はつい生真面目に受け止めてしまうけれど
君は疲れさせてしまわなかったかな?
そうだ。これは反省会じゃなくて慰労会だった。

ゆっくり落としどころを見つけていきたいな。
もうじき年も変わるしね。

「君には敵わないなぁ」

声には出さず微笑み返すことで、話題を一旦切り上げた。]*
(12) 2021/01/03(Sun) 19:31:33

【人】 きっと教育係 キネレト



 そうか……
 彼らしか知らない勝手や作法もあるかもしれないね。
 却って邪魔をしてしまうかもしれないな。
 大人しくしておくことにするよ。


[もてなしのプロに張り合っても勝てる気もしない。
もう冷蔵庫や金庫や非常口の確認とか
夕食朝食の時刻チェックとかしか思い付かない。
そしてそれは別に僕が率先してやらなくとも、
君にだって一瞬で確認出来ることだ。
借りてきた猫のようにしゅんと肩を落とした。

手持ち無沙汰になって、ゆっくりとお茶を啜る。
人に煎れてもらったお茶って
こんなに美味しいものだったっけ。

君が煎れてくれたお茶だからかな。
なんだか泣いてしまいそうになって、
外の雪を眺める振りをして誤魔化そうとした。のに。]
(13) 2021/01/03(Sun) 19:39:01

【人】 きっと教育係 キネレト



 夢見がちなのは僕も同じさ。
 ……今、ひとつ我儘を思い付いた。

 10秒で良いから君の胸を貸しておくれ。王子様。


[君は本当に、
本当に感情を言葉にするのが上手い。
君自身の気持ちは勿論、時には
僕自身が言葉に表せないような想いまで
的確に掬い上げてくれてしまう。

返したい言葉が喉奥に張り付いて、
嗚咽になってしまって言葉にならない。
自分でもよくわからないんだが
君とともに過ごすようになってから、
多分僕は随分と泣き虫になってしまった。
なんだか子守りをさせているみたいで申し訳ない。

でも君だって悪いぞ。
君が底抜けに優しいから甘えてしまうんだ僕は。]


 僕だって、
 ……大好きな君を大切にしたいだけなんだ。
 僕が大切な限り治らない病なら、諦めるから
 君も諦めてどうか一生患ったままで居てくれ。
 
(14) 2021/01/03(Sun) 19:39:10

【人】 きっと教育係 キネレト

[君に畳の端から端まで転がされている気分では居ても、
君を転がせている自信はあまりない。
君は感情を言葉にするのと同じくらいに、
それを澄ました顔で包み隠すのも上手いから。

今脱がせたい場合を訊かれたとしても
きっと同じ答えを返していただろうけれど、
君の問いは飽くまでも浴衣姿限定だったから
言及するのはやめておいた。
余分な墓穴を掘ってしまえば
いよいよ羞恥心に耐えられなくなりそうで。

浴衣を着た君もさぞかし格好良いんだろうな、と
誤魔化すように少し冷めたお茶を啜りきった。]*
(15) 2021/01/03(Sun) 19:39:21


 ……アザレアくん、

 自惚れじゃないよ。
 事実だよ。

 
[情けない僕をもっと見たいだなんて言ってくれる人も、
こんな僕をお姫様扱いしてくれるのも君だけだよ。]


 君だけの姫で居たいと僕も思ってるけれどさ、
 ほんと、酔狂だね……どこが良かったのかな……


[顔でも声でも料理でもなんでもいい。
何か君を僕に繋ぎ止められる要素があるなら。
言葉を続けようとすればするほど
じわじわ視界が滲んできてしまう。

畳み掛けるように降り積もるどこまでも優しい言葉に
溜め込んでいた言葉にならない感情が溢れてしまいそうで。

……と、君に胸を貸して欲しいとお願いする前に
言う筈だったんだ。抜けた。
なんかうまいこと聞いてやってくれ。]

【人】 きっと教育係 キネレト

[ほう。君もそんな顔をするんだなぁ。
貴重な一面を垣間見れた気がしたのは一瞬のことだった。
少し残念だなんて思ってしまって、
僕を揶揄う君の気持ちが少しわかった気がした。]


 なんでもはできないよ。流石に。
 でも君の役に立てて嬉しい。

 カウンターに座っているのだって
 ただ座っているだけではないだろう?
 手続きやら取り寄せやら相談やら……

 ……なるほど。その発想はなかったな。
 人手は年中足りていないが
 かといって気軽に雇えるほど潤ってもいないから……


[どうやって、と尋ねるより先に寄付の申し出だ。
やっぱり君が神様なんじゃないか??

思いきりが良いというか、時々こうやって
僕の予想を遥かに超えた発言をしてくることがある。
まさかその上を行く教会ごとどうにかする案が
ちらっとでも彼の中にあるとは知らなかったが、]
(16) 2021/01/03(Sun) 20:04:45

【人】 きっと教育係 キネレト



 忙しい期間に臨時で雇えるだけでも
 かなり助かると思うよ。
 ありがとう、無理のない範囲で頼む。


[子供たちにとっても、先生役は一人でも多い方が安心だろう。
実現されるかどうかは別として、それだけ
僕と過ごす時間を熱望してくれることは素直に嬉しい。
遠慮するのも野暮だなとお言葉に甘えることにして。]


 うん、行こう。
 折角来たんだからさ。


[君が玩具のあひるちゃんにまで
妬いてくれているとは微塵も気付かない。
厳選したスタメンあひるちゃん6匹を携えて
改めて君の手を取った。

ところで、何か忘れている気がする。
とても大切な何かを。
そう思ったけれどそれが何だか思い出せないままに
露天風呂へと続く回廊を歩み出す。]
(17) 2021/01/03(Sun) 20:04:52

【人】 きっと教育係 キネレト



 …………
忘れないでね。



[改めて口にすれば己の大胆さに火が出そうだ。
僕は君に内緒で言ったのに。内緒で言ったのに!!


脈が上がったのも繋いだ手から
容易に伝わってしまいそうで、
露天風呂に入る前からなんだか眩暈がしてきた。
こんな調子でだいじょうぶなんだろうか。
ただ、神様に止められようと君を拒むことはないと
言葉にする代わりに君の手をしっかり握っておく。

ぺたぺたと二人分の足音を並べて進んでゆけば、
湯気に包まれた屋根付きの露天風呂が姿を現す。
隣の君へと視線を上げれば──あ。これは見えないやつだ。
眼鏡ケースを取りに戻る君に一緒に着いていき
若干の歩数を余分に稼ぐことで、
一先ず平静を取り戻せるだけの落ち着きを得た。]


 洗うのは入浴の前……かなぁ? 後かな?
 どうなんだろうねその辺。
 
 でも確かにな、
 先だと洗っている最中に凍えてしまいそうだ。
 温泉って奥が深いねぇ。
 
(18) 2021/01/03(Sun) 20:05:42

【人】 きっと教育係 キネレト

[言いながらヴェールを脱ぎ、上着を脱いで畳む。
胸元を飾る紅い布を引き抜き、
ブラウスの釦をひとつひとつ外して
ぱさりと小さな音を立てて肩から落とそ……
……うとしたところで、
隣から積もる雪をも溶かしてしまいそうな熱い視線を感じた。

ちら、と君の様子を窺えば、明らかに此方を見ている。
折角落ち着けた熱をぶり返してしまいながら、
一旦脱ぐのを止めて君の服の裾をちょんと引いた。
お兄さん、お兄さん。手が止まってますよ。]


 じゃあ…………
 脱がし合いっこするかい?
 
 ただ脱がし合うだけで、
 続きはお布団までおあずけだよ……?


[冗談だ。ちょっと言ってみた(かった)だけだ。
その証拠に、項を不意に撫でられただけで
肩が少し跳ねてしまった。

君の手でネックレスとピアスが外されて漸く
忘れていたものを思い出す。宝石箱だ。
あまりにしっくりと身に馴染みすぎていて
外さねばならないことも忘れかけていた。]
(19) 2021/01/03(Sun) 20:06:05

【人】 きっと教育係 キネレト

[君の眼鏡と一緒にケースに仕舞い込まれる
ネックレスとピアスを安心して見守って。
君にありがとうと礼を述べて残りの服を脱ぎ始める。]


 靴を脱ぐのに気恥しさを感じたことはなかったなぁ。
 普段見せないものだからかな? 破廉恥……?

 でも外が見えているのに裸になるのは
 僕も新鮮な感じだな……
 家や教会のお風呂に比べると凄く心許ないよね。

 おもしろい。そうかも。
 あまり大きな声で話していると
 周りにも響いてしまうかな?


[雪が音を吸って、ここだけで声は留まるかもしれないが。
仕事で子供たちをお風呂に入れたりもする手前
あまり気にしない面はあるかもしれない。

尤も、好きな人の前でもそうかと言われれば
必ずしもそうじゃないしなんなら
誰の人気もない外で裸になるより恥ずかしいかもしれない。
それでも順調に最後の一枚を脱ぎ終わって、
6匹のあひるちゃんたちと
薄っぺらい小さなタオルを一枚だけ手に持った。
貧相な身体なのが申し訳ないがこればかりは致し方あるまい。]
(20) 2021/01/03(Sun) 20:08:00

【人】 きっと教育係 キネレト

[さむい。脱衣所でもう寒い。
君だって寒いだろう。お互い素っ裸だし。
僕らは可及的速やかに湯船に浸かるべきだ。
さ、行こう! そう視線で促して
扉を開く君を見守っていると、

……あれ? 出ないの??

高速で閉じられた扉と彼に小首を傾げた。
うん? なんだい?
なんだか信じられないものを見るような目をしているね??

思わず躊躇うほど外は寒いんだろうか。いやそうか。
結構な量の雪積もってるもんな。
ゆきだるまもかまくらも余裕で作れそうなくらいの。
ヒートショック、なんて単語が薄っすら頭を過ぎって
ぶんぶん首を振った。
折角の夫婦水入らずの旅行で君に万が一の事があろうものなら
僕は泣くどころじゃ済まない。]


 寒かったかい……?
 じゃあ、……お先に…………?


[譲られた場所へ踏み出して扉を開きさあ一歩、
表に出た瞬間思わず『
さっむ!!!
』と本音が飛び出した。
59秒だけ君が一緒に出て来てくれるのを扉を抑えて待ち、
耐え兼ねて風呂桶を引っ掴んで湯船に駆け寄ると
汲んだお湯を自分に掛けて──……]
(21) 2021/01/03(Sun) 20:08:23
 




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