188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】
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僕には、『塔』しか居なかった
君が関わりを持っている人が他にもいると知らなかった
君には僕以外にも居て、1人ではなかった
君の最期の言葉は、そこも関係しているのではないか
……分からない、想像するでしか分からない
君を見ているようで、結局自分の周囲以外を見ていなかった
独りよがりだった僕には分からない、分からなかった
僕が居なくとも1人ではない事への安心のような
僕が自分の事しか見えていなかった負い目のような
君を友として気にかけているのも嘘ではなかった
でも、自分が1人になりたくなくて縋っていた
そのくせ、助けなければ処刑されるというのに
君の願いを跳ね除けられず、見届けるに終わった
よりによって君の願いを聞き入れないなんて
自分が許さなくなりそうだったから
君に嫌われてしまうと思ったから
自分の事や周りしか見えていない
こんなにも独りよがりな情けない自分の姿
……気付いていたさ、自分の事だもの
『塔』という希望と共に在る為、蓋をしていただけだ
命ある間に、その蓋を開けられなかっただけ
| /* いただいた設定を貼っておきましょう。
指定チップ:オイスター キュリア U『女教皇』の証持ち 17歳 女性 南の出身。裕福な家庭に生まれたが、一般的な証持ちと同様、両親に存在を無視され、別宅を与えられる。物には困らない生活だったが、使用人にも避けられる等、家の中で一人きりだった。家にいるだけの日々の生活が暇で、読書や裁縫や料理を極めており手先は器用。 14歳の時(3年前)に親から洋館に引き渡される。広さなどは自分の別宅と似ているものの、人のいる洋館が好き。 大人しく気遣いの出来る“いいこ”だが、人に距離を置かれていた生い立ち故に、そうする以外の人への接し方が分からない。人の世話を焼くのは好き。 世界は好きではないが、世界が滅びては大変だと分かっているため結論は出ない。
縁故
箱庭で『女教皇』は『魔術師』に光を見ていたが、『隠者』を殺した自分に『魔術師』の隣にいる資格はないと思っていた。現世でも『魔術師』と接していると安心する。 箱庭では『女教皇』と『隠者』は考えの合う仲だったが、狂った『隠者』を『女教皇』が制裁することとなってしまった。現世でも複雑な思いを抱き距離を取ってしまう。 (43) 2022/12/22(Thu) 14:26:06 |
――おおい! 『神様』
今から『正義』と一手仕合うんだが
立ち会ってくれないかい?
見ているだけより楽しいかもしれない
なーに、どうせ暇でしょ
ホラ おいで。
『神様』もやってみる?
持ち方にもこう、コツがあってね
気になるかい? 気になるだろう
そうかそうか気になるか〜
なら手取り足取り教えよう――『正義』が!
実は向こうに新しい花が咲いてね。
そこでのんびりしようと思うんだ――が
お供に膝まくらが欲しい気分になった
どうだい?
『女帝』様も一緒に、あちらまで
知っているかい『女帝』様
この花、紫苑と名をつけたらしい
ふーむ……
へえ 少し甘―――いや?
なん だ これ
苦 ……ぐ ぇ
お前が平等を追い求める『正義』なら
俺は不平等を司る『悪』にでもなろうか
なんてね。
お前なりの平等を俺は否定しない
お前の平等は俺が保ってやる
だから 自分を見失ってくれるな
――振り回されるなよ 『正義』
不思議だな
こうして空を見上げていると
まるで全部 夢にさえ思える
『女帝』様を横に転がすというのも
風情があって 悪くない
――ふふ
ここがいつか崩れ去るとしても
俺は最期まで貴女の傍に居るよ
――― "約束" だ
……。
今ほどお前を哀れに思った事は無い
――…馬鹿だね、『正義』
[ こんな所で 使ってやれる命ではなかったのに ]
| (a1) 2022/12/23(Fri) 15:38:52 |
[ ――――
『魔術師』が『恋人』の
最期の表情を見ることはなかった。
目に入っていなかったというのが正しいのかもしれない。
――有り得ない、と否定して、
『恋人』のことを見ようともしなかった。
最初から理解などしようとしなかった。
本質的な不快で遠ざけるのではなく、
智慧者として、もっと深く突き詰めても良かったのだ。
不快を我慢してでも、先に進むという手もあったはずだ。
『魔術師』はその時に既に思考を止めていた。
『魔術師』はそれに気付くこともなかった。]
………僕には分かる
最期の言葉を告げた時の君の表情
抵抗しない『塔』を見ていた時の僕の表情
そういう時の表情に、それぞれ似ていた
似ていて、同じ匂いを感じる
そんな表情だって、それだけだったけど
あまりにも、似ているように感じて
『塔』、君はまさか
また……
逝こうとしているのか?
[それは『箱庭』が平穏だった頃の記憶─]
新しい花…?
良いでしょう。
付き合いましょう。
…こうしていたら、
あなたは花を愛でられないのではないですか?
………別に嫌と言ってはおりません。
紫苑…、良い名ですね。
………『力』!! 大丈夫ですか?
無茶は、しないでください。
………横になるのも悪くはないですね。
空が遠く、花が近くみえます。
そうして、あなたが近くに感じられます。
夢…なら、誰の夢かしら?…神様?
…あなたはいつも楽しそうね。
ふふ…もちろん私も……。
[ 神さまは私たちを愛してくださいました。
私たちも神さまを愛していました。
いえ、他の人のことはよくわかりませんが、
少なくとも私は。
与えられた幸せに満足していました。
微かな不協和音に気づかない振りをして、
小さな綻びがやがて崩壊へと広がっていくのを、
為す術もなく見守るばかりで。
諌めはしました。
でも、私の声は届かなかったのです。]
不吉なことを言わないで。
でも、ありがとう。……約束、ね。
[ どうして、どうして、どうして。
あなたが死ななければならなかったの。
誰かが『正義』を止めなくてはならなかったとしても、なぜあなたでなくてはならなかったの?]
…約束、したのに。
[ 止められなかった、護れなかった、
もう一緒にいられないなんて……!]
[『力』が『正義』と相打ちをして果ててからは、
打ちひしがれる日々を過ごした。
眼の前で起こる出来事は何も目に入らず、
俯いて、悲しみにくれるばかりで。
そんなある日、後頭部に衝撃が走った
不自然に跳ね、地に倒れ伏した。
霞む視界に、見慣れた姿を認識した。]
( あなたが私を嫌っているのはわかっていました。
ここまでするほど憎まれていたのですね…)
ああ、でも、もう彼のいない世界で、
泣いて暮らさなくていいのね。よかっ……**
きみが深刻な時はだいたい深刻なほどおかしくって
堪え切れずに笑いだすわたしにきみが拗ねて怒って
おさまらない笑いに滲む涙を拭いながら
心にもない「ごめん」をくりかえせば
余計怒ったきみがつかみかかってきて
よろけて一緒に転げて、いつの間にか一緒に笑って
わたしたちの過ごした時間は
話せない秘密を抱えた苦悩の時や
別れの瞬間だけじゃない。
そんな風に二人笑いあった時間の方が圧倒的に多かった。
そんな暖かで幸せでなんでもない記憶を
ふたり、幾つも積み重ねた。
お互いに言葉にした事は無かったけれど
わたしたちはきっと親友だったから。
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