人狼物語 三日月国


246 幾星霜のメモワール

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エミール! 今日がお前の命日だ!


 
──これは、あなたが見た夢だったかもしれない。
 
 
──水晶玉を通して見た景色だったかもしれない。
 
 
──白昼夢のようなまぼろしだったかもしれない。
 

あなたはこの夢の光景を、音を、どのような手段で知っていても構わない。


 
これは、誰かに焦点を当てた夢。
 
 
ずっとずっと、この世界の外を見続けた誰かを見ている夢。
 

 
彩雲の夢

/*
主に一人称視点で描写予定です。
描写外のことは、曖昧になっているものとして
お受け取りください。例えば思考している時の声だとか。

過去のものも遡ってご覧になっていただいて構いません。
何かあればご連絡くださいませ。

この窓が見えているあなた様方の良きようにしていただければ幸いです。


彩雲の夢

夜の静寂の森の中、私は女神からの言葉を聞く。

その場で書いた手紙を鳥のような形にして魔法をかけてやれば、たちまちそれは空へと舞ってあなたのもとへ飛んでいった。

『【シヴァ】について聞いてきた』


あなたの元に届けられたその紙は、
一度手に取り読まれればやがて砂のように消えていくだろう。

『彼は遊び星 まるで龍のような強固な魂を持った存在
 誰にも害されず この世界から旅立とうとする者』

こちらに飛んできた紙の鳥の手紙を手にする。
そこに記された内容を把握した途端、手元からさらさらと消えていく。

ひとけのない夜の街を背に書物を開くと、遠く離れたあなたに向けて風魔法が知らせを届ける。
ノイズのような風切り音に交じる形で、あなたに向けて『声をかける』

『そういうこと――なるほど――。
 分かっ――た。ありがとう――。引き続き情報提供の継続を――す。
 できそうならプリシラ――調べて――。
 お願い――』

「……あー。なんだ。
 それもそっか。知ってるよね、聖女なんだから」

あんまりにあっさりと告げられた言葉は、冷気のように肺を縮こませる。
驚きと納得と、それから惜しみが女の顔の上でくるくると入れ替わっていた。

迷っているうちに結局切り出すのもあなたからだった。
それほどまでにこの聖女祭りというものは、あなたにとっては重要な節目なのだろう。
元の世界に帰る。それは望みはすれどまだどこか現実感を伴えない。
あなたに別れを告げなければ終わらないのではないかと、そんな風にすら心の奥底では思っていた。

「どうして私なの?
 私は、だって。帰れるなら帰りたいって思ってるんだよ」

己を覗き込む幽けき存在はどこまでも真っ直ぐに在り続ける。
たとえ女が寵愛を受けようと拒もうと、永く。
とうの昔に失ってしまった大切な何かを見せつけられているようで、女はただ準透明の空気を見るばかり。

「全部知っていて、全部を仕組んだくせに。
 その上で、最後かもしれないから一緒にお祭りを見たいって……私はどうしたらいいのか分からないよ……
 いっそ帰したくないって無理やりにでも私を呪って祝福してくれた方が自然なのに」

確かめていない事が多いのは、あなたを心から嫌いになりたくないから。
赤の他人のように、この世界の貴き聖女様としてあなたを型に嵌めることができないから。
手を繋ぐこともできない存在にどうやって触れられれば分かるのかも、正直分からないけれど。

「ねえリッカ。私は帰ってもいいの?」

聖女はそういうルールだと告げた。
世界が知らないこの祭りの本当の意味を。
無邪気にあなた。子供のあなた。隣に居てくれたあなた。
この瞳に映る透明でないあなたに問う。


静かに聖女は笑んでいる。
細めた瞳にはやっぱりあなたをまっすぐと映して。

「 ――― 知ってるわ 、ファリエ 」

りん、と。澄んだ声。
祭りを回りたいと口にしたあの時と同じように、
口許には含むようないろ。

「 ファリエだけじゃない。 みんな 、みんな、そう。
  帰りたいって 、そう言うの 」

聖女はぜんぶ、知っている。
だからこそ、笑っていることができる。
澄み切った冬の空の下。同じ色の、瞳で。




「 ねえ ファリエ 」

「 なのに、どうして そんなことを聞くの?  」


だけど。
知っていることと、
わかる
ことは別の話。


「 帰らないでって
  そう言ったら 帰らないでいてくれるの? 」


訊ねているようで、その実何一つ訊ねていない。
"そんなはずない"って、聖女は思っているのだから。






「 ほんとうは           

       かえりたいんでしょう ? 」







「 ――― なら ね 、いいんだよ 」
そう笑う口許に浮かんだ"含み"は
"あきらめ"によく似ている。



「 でも 最後におまつりだけ
       一緒に まわりましょう? 」
――― 聖女はそう、無邪気に笑った。
それが自然で、当たり前のことだから。
いままでだって、みんなそうだったんだから。

「────────」

はくり。開いた口から白い息が何度か漏れて朝日に溶ける。
女にだけ見えている白昼夢にすら届かない音はどんな形を成そうとしたのか。
寄った眉根は、困っているようにも怒っているようにも見えた。

「ごめん」


結局そんな逃げしか吐けない。
全部あなたの言う通りで目を伏せた。
口にしてからそもそもの元凶にどうして謝る必要があるのだろうかと内心苦笑しながら、歩み寄った。
今日はただ傍にいるだけではない。一緒にお祭りを見に行く。
実体のないあなたと過ごすまるでデートのような時間。
ファリエとして過ごしたことのない初めての時間。

「リッカは優しいんだね」

切り替えるように次に顔をあげたのは、祭り前の子供のような笑み。
ファリエとしての人生傍に居るあなた転生前の人生自分勝手な聖女を天秤にかければ、後者に傾くのは違いなく。
子供の世話を長くしているからか、言葉にできない訴えを読み取ることには長けている女は、浮かび上がった僅かな含みに気づいて。
それから。

「行こっか。最後ならめいっぱい楽しまないと。
 知ってる?今年は面白い出し物もあるんだって……」

──見ない振りをした。

みんながそうしたように。
特別な事なんてこれっぽっちもない人間だから。
きっとこれが自然で、当たり前のことなのだろう。
「優しくなんてされなきゃ良かった」

掠れるような言葉を踏み潰すように祭りの喧騒へと足を踏み出した。



…… どうして ファリエが謝るの?

そのことだって
わからない
から、聖女は首をことりと傾いで。
けれど結局口にはせずに、いつものようにまた微笑んだ。

だって、それは普通のことなんでしょう?
この世界が嫌いだからとかじゃ、ないかもしれないけど。

転生者あなたたちのほんとうの居場所はここじゃないから。
そして、ほんとうの居場所から連れ出したのは、他でもない聖女じぶんなのだから。


―――全部、胸に伏せた。

口にしない方がいいことが、往々にしてこの世にはあるはずだから。




「 わたし 優しいかしら?
     ふふっ 、そうかしら! 」

すとんと地面に足をつけ。
上機嫌にステップ踏んで、くるくる回る。
その足元に矢張り影はないけれど、はしゃぐ姿は子どものそれで。

「 面白い出し物? 知らないわ!
  どんなものかしら 気になるわ わたし! 」

けれどその姿すら、見えるのはあなたにだけ。
――― ううん。今この時に限っては、他の人達には、あなたと同じ色の髪をした小さな子どもに見えている。
そんな話を、街中へ向かうさなかあなたに告げた。
「 姉妹みたいに みえるかしら 」なんて無邪気に笑っているけれど、あなたの目に映る姿はいつもと変わらぬ聖女のリッカのままだ。


不思議そうにしているあなたは、なんだか本当にただの幼子のようで。
同時に時折見せるその姿はなんとなく見覚えがある気がした。

たぶんそれは。
──そうだ。鏡に映った孤児になったばかりの自分だ。
純真無垢なその心を、奔放にさせてしまないところ。
女はそのやり方しか知らないから、その気配を察しても何もできない。

あなたは会おうと思えば私に会いに来られるけれど。
私はあなたに会いたくても会いに行けないのと同じだ。

「そうなんだよ。私にとってはね」

徐々に賑やかさを増していく通りを歩きながら、あなたの説明通り周囲の視線を感じていた。
確かに姉妹に見えなくも、ない。
あなたに抱く感情も元々はそうだったから、すとんと腑に落ちた。

「『聖女様のたからもの』みたいな名前の演劇だったかな。
 大方聖女様にあやかった創作かな。
 他には一般参加型の催しもあるんだって。
 ミニゲームみたいなもので、勝ったら景品が出たり……あ、聖女様の祝福を受けた冠飾りだって」

右も左も聖女だらけ。それもそのはず、聖女祭りの名に恥じない。
その主役を連れていると言ったら大変なことになりそうだ。
あるいは案外笑い話で済ませられるかもしれない。
実在の祝福とも言える痣持ちという存在の方が、今は信ぴょう性がある。

「私が──
こほん
お姉ちゃん
がどこでも連れて行ってあげる」

どちらにせよ明かす気は無い。
あなたの計らいで中空に向かって話しかける必要がなくなった女はその役に準ずることにしたようだ。


「 たからもの …… 」

反芻ののち、またくすりと笑う。
聖女本人も知らない、聖女の宝物。
ううん、それだけじゃなくって。

「 ――― まあ。
  わたし 王冠に祝福したことなんて ないわ、
  にせもの にせものよ これ !」

……正確には、聖女を祀る神殿が祝福を施した可能性はあるのだけれど。
そんなことまで思い至らないものだから、だまされちゃだめよ、なんてお姉さんきどり。

それでも。

「 
…… お姉ちゃん …。
 …… ふふっ、ええ !
  今日は たくさん遊びましょうね!
  
ファリエお姉ちゃん!


今日の妹は、こちらの方。
ぱたぱたとはしゃいで、それでもあなたの傍を離れないまま。
ふたりで祭りの喧騒をあちら、こちら。




…… たからもの。
そんなものがもしあるのだとしたら。

聖女にはひとつだけ、浮かんだものがあったけれど。
やっぱり口にしないまま、ただただ無邪気に笑いかけていた。
だってそのたからものは、この手を離れてゆくかもしれない。
その方がしあわせなのかもしれない。
―――そう思えばこそ、口になんてできるはずもなかった。



「呪われてあれ」

最後の部屋の扉を開いた時に聞こえた声。
理解をするのに数秒を要した。
多分、これが呪いの品になった。
実際スキルを使って見てみれば、死の呪いが見えた。

遺跡の作者は嫉妬心やプライドの塊であったから、
死だなんて重い罰をくだすのならそれは、
本気で殺そうとしてのそれだと理解できた。

が、呪いは効果を持たなかった。どうしてか。

呪いの種類には覚えがあった。
魂の萎縮──ここでの魂はゲーム的に言えば、MPやMAGのこと。
それらの上限が減少していき、それに伴い精神的にも弱っていく。
最終的には恐怖に苛まれて死ぬ呪いだ。

そうであるはずだから、何も起こらないことには疑問しかなかった。
気付かない内に魔法が使いづらくなっていたり、
だなんてこともない。それくらいは感覚でわかる。


彩雲の夢


古い物だから効果を為さなかったということも考えづらい。
呪いは確かにそこにあると判断できるし、
この遺跡を作った彼の聡明さと周到さを見るに、
時が理由で効果をなくすようなものには思えなかった。

即死や封印ではないから、装備による無効でもないだろう。
ミューツバイに呪い無効のギフトでもあっただろうか?
神聖国家の一貴族だ、あってもおかしくはないが。


その場で答えが出ることはなく。
遺された研究物を一通り頂戴し、遺跡を後にする。
そうして数日は、持ち帰った記録に目を通して過ごした。

薄々そうでないかとは思っていたが、
あの遺跡を作ったのは隠し棚にあったあの本の著者で間違いなさそうだ。
ミューツバイではないが、あの地方の出身だったのかもしれない。
そうなると、あの国出身の人間には効かないとか、
そういうことがあってもおかしくはないのだろうか。

──なんて考えは、楽観視が過ぎた 


彩雲の夢


満月の夜、腕輪の藍海晶の手入れで光を浴びせる。
何度もやってきた、いつものこと。
腕輪を窓辺に置くのに外した時、背筋が凍る思いがした。

理由は全くわからないが、漠然とした恐怖感に襲われて。
パニックの内に腕輪を握り締めると、その感覚はスッと引いた。

つまりそういうことだった 
死ぬんだ、俺。
腕輪はすぐにつけ直して 
手入れをしないわけにもいかないから、窓辺に右手を置いて一晩を過ごした。
眠るだなんて、とてもできなかった。
死ぬんだ、俺。
即死か封印かならきっと封印だ。
そう言えばこの呪いが出てくるイベントの
おすすめパーティーメンバーは素で封印耐性持ちだった気がする。
レベルでゴリ押してのクリア後に
適当に流し見ただけだったものだからすっかり忘れていた。
死ぬんだ、俺。

彩雲の夢

死ぬんだ俺 
死ぬんだ、
死ぬんだ、
死ぬんだ、
死ぬ、死ぬんだ、
死ぬんだ、
死ぬんだ死ぬんだ
死ぬんだ
死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ
死ぬんだ
死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ
死ぬ
死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬんだ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死んじゃう、

彩雲の 

 


 

彩雲の夢

 




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