47 【半再演RP】Give my regards to Jack-o'-Lantern【R18】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
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[ 真っ白に染まった視界。
誰の気配も感じられず。
────しん、と痛いぐらいの静寂が耳に染みる。
聞こえるのは己の呼吸と
とくりとくりと鼓動を刻む心臓の音だけ。]
[ もしかして、あの後
何者かに捕まってしまったのだろうか。
そして、命を奪われてしまったのだろうか。
自分の事だというのに
他人事のような考えが浮かぶ。
───何処か現実感がなかった。]
時見様……。
[ もう、彼と会えないのだろうか。
俯いて視線を地面へと落とす。
悲しみに顔が歪む。
せっかく新婚旅行に来たというのに
こんな事になってしまって。
彼が悲しむ事を思えば
申し訳なさに胸が苦しい。]
[ ───ふと、視界に何かが過った気がした。
ゆっくりと顔を持ち上げ、目線を前へと向ければ
そこには懐かしい人の姿。]
[ はっきりと顔が見える訳ではない。
全身も輪郭がぼんやりとして朧気であった。
───それでも、それが誰であるか。
伝わってくる雰囲気で理解出来る。]
────……っ!
[ 己の唇が音を形作る。
けれども、それは声にはならなかった。
───何故なのか。
呼びたくて、呼びたくて堪らないのに。
懸命に唇を動かす。
それでも己の唇は音を紡ぐ事は無かった。]
[ 瞳にうっすらと膜が張る。
すぐにそれは溢れて、
きらり、輝きながら落ちていく。]
[ 情けない顔になりながらも顔を前に向ける。
視界が滲んでそれはさらに形を朧気にしていた。
そんな中、それは私に何かを伝えようと
口を動かしている。
けれど、声が伝えられないのは
向こうも同じであった。]
[ …───諦めきれなかった。
折角会いに来てくれた。
そして何かを伝えようとしている。
口の動かす形に神経を集中させる。
それが意味するものは……。]
( "向こう" "山の奥深く" ……? )
[ もしかして、目指す場所は山の中に?
顔のある部分に目を向ける。
さらに姿は朧気になって、
今や人であるかすらも分からない。
けれど、それは頷きながら、
懸命に指で何かを指し示している。]
[ 徐々に視界は白から黒へと染まっていく。
朧げなそれは
小さな光の粒を空気中に漂わせ、
徐々に薄くなって消えていく。]
待っ………!
[ 消えゆくそれに手を伸ばす。
けれど、それに触れる事は出来ず。]
[ 意識が遠くなっていく。
そして────……。]
*
─五里霧中─
…────俺とした事が……!
[歯噛みをしつつ、霧の中をひた走る。
もはやその硫黄臭の、黄泉平坂の薫りの煙は
ある種の質量すら感じられる程に周囲を満たし。
俺と琴羽の間に彼我の差を生じさせるのだった]
[琴羽は無事かと、焦燥感ばかりが募る。
考えてもみれば、
この事態は予想し得たのだ。
恐山や殺生石に代表されるように
古来より硫黄の匂いは死界の匂いとされてきた。
それだけでなく、
この人里離れた秘境の山奥。
昼よりも夜が長くなるこの季節に執り行われる
人々が異形へと仮装する祭事────…
これだけの条件が整っているのだ。
当然、人の世とあの世の境は曖昧になり。
その上俺らはつい浮かれて、
"黄昏時"に"地下に生え出ずる"モノを口にしてしまった。
言わば自ら地獄の釜の蓋を開いた様なものであり]
[そんな中に、餌としても、巫女としても、
依代としても最上級の琴羽が一人放り出されれば]
俺はけして、
琴羽の手を離してはいけなかったというのに……!
[彼女の名を叫びながら、
ついにはなりふり構わず背の羽を広げ。
周囲の霧を振り払い地を蹴った。
けれども見渡せど見渡せど
視界のすべては一面の霧に覆われ。
────そんな中。
琴羽の叫び声が遠くに聞こえたのだった]
琴羽……ッ!
[一瞬とも、無限とも思える距離を駆け。
ようやく彼女の元へと降り立った。
ゆらり漂う硫黄の薫りの霧の中。
周囲には人も、化け物も、何者もの気配は無く。
琴羽はたった一人で佇んでいた。
さぞや怖い思いをさせただろうと、
その身を抱き寄せ、猫耳ごと頭を撫でようとすれば──*]
──
──
[ 周囲は相変わらず霧に包まれていた。
足元には枯葉が積もり、女が一歩歩くごとに
かさりかさりと音を立てる。
吹きつける風は冷たく
剥き出しの肌から容赦なく体温を奪っていく。]
[ ふと歩みを止め、その場に立ち尽くしていれば
空から翼を羽ばたかせる音が聞こえてくる。
その音は次第に大きくなり、
すぐ傍まで近付いてきたかと思えば
誰かの名を力強く呼ぶ男の声が響く。]
[ 地面に人の降り立つ音。
がさがさと歩み寄ってくる足音。
男の手が女の身体に触れる。
抱き寄せ、頭を撫でようとした。]
[ 猫のような鳴き声と同時。
腰を落とし、両手を地面に付けながら
男の顔面に向かって蹴りを放った。]
蹴りが当たっても当たらなくとも
地面を強く蹴っては、宙でくるりと一回転。]
[ 素早く男から距離を取り。]
ふしゃぁぁぁぁぁー!
[ それから四つん這いの姿勢を取っては
目を金色に輝かせ、瞳孔を細めては
全身で男を威嚇し始めるのであった。]*
[今となっては距離に意味など無いかも知れないが……
どうやら此処は石畳の温泉街からは
随分と離れた森の中らしい。
落ち葉の中、
俯き勝ちに佇む琴羽の元へと駆け寄って]
よかった……
[長い睫毛に隠れ、その表情を伺う事はできなかったが
ようやく一安心とばかりに身を寄せれば]
────く 、ッ。琴、 羽……!?
[
琴羽のものとは思えない鳴き声が一つ。
その刹那、俺の腕は空を切り。
ついで、顎に感じた強烈な一撃。
たたらを踏んで数歩後退れば、
背が樹木を叩きはらりはらりと金の葉が舞い散った]
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