239 【身内】ミッドナイト・カマイユ【RP】
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[誘い文句に彼も乗れば、シャワーノズルを渡して、
先に湯船に足先を入れた。
肩まで浸かっても溢れなかった湯は、
身体を洗い流した景斗さんが遅れて入れば
ざば、と勢いよく溢れ出して浴槽から溢れていく。
その勢いに、くすりと笑いを忍ばせながら
少し身体を移動させて隙間を作ろうとして。
自然と彼に背中を預ける形になり、
自身の心の赦し具合を知って笑った。]
……っン、……
[ぽたりと背中に彼の髪の雫が落ちたかと思えば、
強く吸われる気配に、あえかな声を漏らして。]
……ふ、……綺麗じゃないですよ、
洗ってもらうために残してたから。
[軽く洗いはしたけれど、彼が残した言葉通り。
洗ってもらうつもりでは居たからそんな返事を
笑い混じりに返して、ゆっくりと背を預けていく。
彼が息を吐くのを真似するように
ふぅ……、と長く息を吐き出した。
湯船に浸かると身体は自然と弛緩していく。
すれば、ぽつりと落とされたものは
反省するような声だった。]
[水面から顔を上げて、後ろまでは振り向けないものの
彼に後頭部を預けるようにして横顔を覗く。
言葉は続いた。
同時に伸びてくる手が身体を引き寄せるから、
小首を傾けて続きを促せば、
率直な恋人の欲を向けられて、頬を染めた。]
あー……その、気遣って出て行ってくれたのは
気づいて、ました、けど……
その、……洗うのも、
俺が躊躇ったから、です、よね。
[改めて言葉にするのはやはり恥ずかしい。
けれど、察して欲しいばかりじゃ伝わらないから、
ぽつ、ぽつとつられるように言葉を、落とす。]
[見上げた視線は再び逸らすみたいに前に戻り、
水面に落としてしまった。
さすがに視線まで合わせてしまうと恥ずかしさが勝つ。
お腹に回った片手を救い上げて両手で包み込む。]
呆れたり、は、しないです。
[もじ、と包み込んだを揉み込むように握ったり、
解いたりして、先程まで自身に触れていた手を眺め。]
[指遊びはまだ続けながら、首筋に当たる頭に
自身の後頭部を乗せるようにトン、とぶつけた。]
毎回?
ここもうちより十分大きいと思いますけど、
もっと広いところってなると
一軒家か、結構広めのマンションになりそうですね。
[ふふ、を笑いながらも嫌だとは言わない。
けれど、寝室の話になれば、ん?と少し首を傾げた。]
[引っ越しが同棲になるとはすぐには思い至らない。]
そう、ですね……、職場から近くて、スーパーもあって。
コンロがIHで3つあるといいですね。
[実際に物件を探すわけでもない。
希望を出すくらいならと思いつくものを口にする。
彼がマッサージの為に動き出せば、
ゆらゆらと湯船が揺れ始めて、その行為にまた笑って。**]
[ その声にいつも、思考を握られている気がする。
無防備に預けてくれるしっとりとした背中に、今は赤が
一つだけ。
行為に夢中になる内にいくつも散らしてしまうから
常は、赤が点々としている。
日に焼けることのない背中にその赤はよく映えて
そしてその声と同じくらい艶めかしい。 ]
綺麗だよ。
あったまったら洗おうね
[ そうして零した声に返る言葉には、 ]
それもなくは、ないんだけど
[ 気遣いとは少し、違う。概ねは正しいのだが
種類が少し違うような気がして。
それでも返る言葉を最後まで聞いてから。
もう一度、その背中にぺたりと懐いて ]
そうだよ、毎回。
毎日、でもいいくらい。
好きなんだ一緒にお風呂入るの。
[ もう何度だって互い裸など晒しているだろうに
律儀に恥ずかしがってくれるから、とは流石に言わない。
嫌だと言われないのを良いことに。 ]
一軒家かぁそれも有りだなぁ
通勤のことも考えつつ、そういう場所あるかなぁ
ああ、それは大事だね。
キッチンのことは那岐くんのほうが
使い勝手を考えてくれると助かるかも。
俺よりも那岐くんのほうが使うだろうからね
[ もにもにと腕の筋を揉みながら、 ]
泊まりに来る、くらいなら今のままでも
良いのかも知れないけど、一緒に暮らすとなると
那岐くんの部屋にあるものも、運んでこないとだし
それだと手狭になるよね。
[ 笑う君につられて、笑う。
まるで先の未来を夢想しているようでいて、
わりと現実的なプランニングをしていることに、
今は気づかなくても良い。 ]
[ 程よく温まって、常日頃酷使しているであろう
腕と手のマッサージを終えたなら、約束通り
背中を洗い、頭を洗って。
自分も済ませると、ドライヤーを手にした。
したいのだ、と訴えれば断られることは
なかっただろう。
そして漸く落ち着いて、食事の準備へと取り掛かる。
とはいえほとんど済ませてくれていたようだったので
鍋に火を入れるくらいのことしかしていないが ]
………そう言えば、那岐くん夕飯は何時に食べた?
[ すっかり忘れていたが、0時前後に帰宅している
よもや自分を待っていて食事もまだ、などと
言うことがあれば両手を合わせて謝罪をしたに違いない。* ]
…………、
泣く、のは嫌だからって訳じゃないから。
それに……、
[涙を流す理由が一つだけじゃないこと、
それは何度となく涙腺を壊してきた彼なら知っているだろう。
身体を揉み込む手はそのままに、
もう片方の手を大切そうに引き寄せる。
彼が自身の体を洗いたいというように、
甘やかす表現は一つ一つ、人によって違うのだから。]
恋人は甘やかしたくなるものでしょう?
[自身を余すところなく触れる指先を撫でて笑む。
不意に切り替わる話題に一瞬、虚を突かれつつも、
徹夜で?と笑えば、湯船の中の湯がまたちゃぷんと跳ねた。]
[毎回、毎日。
互いの環境を思えば、実現には叶わないものだろう。
それでも、好きだと言われたら叶えたい気持ちはある。
一軒家は仮定の上で出した話。
通勤と言われて郊外を何となく思い浮かべたけれど、
自身がそこに収まっている感覚はしない。
けれど、キッチンの使い勝手に彼も入っていることや、
個室の話にまで話題が上がれば
彼の計画の中に自身も入っていることに擽ったくなり
身を竦めるようにして肩を少し湯に沈めた。]
……そうですね、いつかは。
合鍵じゃなくて、同じ鍵を持って。
”泊まる”じゃなくて、”帰る”ようになるのも、
いいかもしれない。
[
それまで、呆れないで居てくれるなら──、
偶に彼が口にする言葉と同じものを、自身も抱いている。]
[ その不安を彼がいとも簡単に掻き消してくれるのは、
もう少し、先の話になるけれど──。 ]
[ 後から追いついてきた彼と鏡越しに目が合って
緩んだ表情を見られたせいか、目を逸らされたが
ひとまずは歯磨きを終えて、彼の歯磨きが終わるのを待って。
広げられた両手の下から体を掬い上げるように、
抱き上げて。 ]
運賃は、そうだなぁ
キスがいいかな。
回数はお気持ちで。
[ 頬を寄せながら浴室を出て、ベッドへ向かう。
よ、と自然と出てしまった声に、年嵩を感じて
しまうのはご愛嬌。
優しくベッドにその体を横たえると、
自分もベッドに乗り上げる。ぎし、とスプリングが
軋む音と同時に、テレビと照明の電源を落とす。 ]
運賃、貰おうかな
[ 覆い被さるではなく、横に並び、
相手の唇を指先で、とん、と叩いて。
至近距離まで近づくと、目を閉じる。
何度しても、されるというその行為を、
欲してやまないから。* ]
……っ、
[脇の下に腕を差し込まれ、足が床から浮く。
あまり慣れない浮遊感に、一瞬身を固くしながら
身体を支えるように首筋に回す腕に力が籠もった。
いくらか体格は彼のほうがいいとはいえ、自身も成人男子。
この体勢を”される”側になるのは
未だに照れが残りつつも、なんだか嬉しそうにも見えて。]
お気持ち、ですか?
…………、
[回数と言われて更に迷う。
その間にもゆらゆらと身体は揺れて、
彼の足はベッドへと向かっていく。]
[運ぶといいつつも、距離は部屋の中の短い距離。
ベッドまではすぐそこで、足が止まると
壊れ物のようにゆっくりとシーツに横たえられた。]
…………、
[降ろされた後も、首筋に添えた手は離せなくて。
照明を落とす彼は少し窮屈だっただろう。
隣に彼が身を横たえれば、
さらりと長い髪が重力に沿って流れ落ちていく。]
[彼の指が、とん、と自身の唇に触れた。
離れていく指を視線が追って、彼の目に映る。
瞳は、瞼に覆われていて見えなかったか。
首筋に添えた手をゆっくりと滑らせて、
彼の頬に片手を添える。]
……じゃあ、まずは一回。
[キスの回数を数えたことはなかった。
整った顔立ちに顔を寄せ、
そっと唇を押し当てるように、触れる。]
[ これまでの人生、とくにそうするのが
好きだったというわけではない。
初めて、そうしたときは完全に
たった数歩の距離、歩くのを厭い、
また触れ合う肌の心地よさを手放すのを
惜しんだために抱き上げた。
ではそれから――は。 ]
ん、好きな回数で
[ 身を、全てを任せてくれるような心地になるから
時折、したくなってしまって。
成人男性の平均、であれば
持ち上げることに難はない、長時間とは
いかないが。 ]
[ わがままを叶えてくれる、と思っている側
ではあるが、運ばれる側には申し訳無さが
滲むのか、――恥ずかしさもあるのか。
それでも何度か付き合っているうちに
慣れてきたのだろう、抱え上げやすいように
首に回す腕に力がこもる。
短い距離を大事に抱え、寝具に降ろしても
首に回された手はそのままだったから
腕だけリモコンに伸ばして照明を落とし、
待機の姿勢に入る。
目を閉じているせいか、感覚がすこし
鋭敏になっているようで、
首から頬へ手が滑る感触に、小さく息を吐く。 ]
[ まずは、と前置きがあり唇が押し当てられる。
噛みつくような情熱的な口付けも良いものだけれど。
ただ触れ合うだけ、熱を受け渡すように、
柔らかく、触れるだけのそれに、
何故か、どくり、と心臓が跳ねた。
それを彼にも知って欲しくて。
片手を重ね、掬い上げ、己の胸に押し当てた。 ]
………、
[ ふ、と瞼を持ち上げたのは同じくらいの
タイミングだっただろうか。
ほんのひととき、泣いてしまいそうな表情を
してしまったのは、 ]
[感じるように味わうように、触れるだけのキス。
瞼を下ろせば、触れ合う場所だけが過敏になり、
互いの温もりだけを感じた。
もぞりと動いた彼の手が自身の手を導いて、
胸に添えられていく。
その動きに次第に視界を開けば、見つめる瞳と目があった。
微かにその瞳が歪んでいることに気づいて、
きょとりと、瞬いてしまう。]
……、
[胸に添えられた手は彼の鼓動を伝えているのに、
その表情に戸惑って。]
[なにか言葉を発しようとする前に、彼が口を開く。
その言葉を聞けば、ほっと安堵するように今度は
こちらの表情が僅かに歪んだ。]
……びっくりした。
泣かせたのかと、
[微かなすれ違いに笑う。
彼の心音を聞き分けていた手が自身の胸に
添えられると、自身も同じように鼓動が脈打っている。
僅かに驚いたせいで彼よりも心音は少し早かった。]
俺もですよ。
一緒に居られて嬉しいです。
だから、そんな顔しないで。
[眉尻を下げて、あやすようにこめかみに口づける。
次は、頬へ、鼻先へ。
少し休むように唇を離したら、こつりと額を擦り合わせ。
前髪を擦れ合わせて、様子を伺う。]
まだ、足りない?
[自然と柔くなった声色は、細く。
頬に添えていた手が彼の髪を撫でつける。]
……足りなかったら、
満足するまで、景斗さんから、
して。
[蠱惑の瞳を浮かべて、今度は誘う声を寄せて。*]
[ ベッドの上に転がって、睦み合うなかでの
歪んだ表情に、驚かせてしまったようで。 ]
泣いてるとこ見られたくないなと
思って。変な顔見せちゃったね。
[ 連鎖するように、僅かに歪んで、そして笑う。
一緒に居られて嬉しいと続ける
それを証明してくれるみたいに、彼の胸から
指先が拾う音が、少し早い。
あやすように、こめかみ、頬、鼻先へ唇が落とされ
額を擦り合わされれば、表情はとろりと溶けていく。 ]
[ 足りない?と問われれば
導かれるように、頷いた。
誘われるままに、吸い込まれるように、
唇を重ねる。
触れて、離れて、また触れて。
それでもまだ、足りない、と訴える本能のままに、
唇を舌で割り開き、上顎を舌先で撫でる。 ]
――まだ、 もっと、
[ 満足するまで、して。一度しか言われていない
その言葉が何度も頭を回っていくから、
再び噛みつくように口づけると、
根本から舌を吸う。
呼吸さえ忘れてしまうほど、夢中で。* ]
……ふ、泣きそうだったってこと?
泣いてるより、笑っていて欲しいですけど。
[困ったように苦笑を零して、またキスを落とす。
実際あやしているのかもしれない。
泣かれるとどうしていいか分からなくなるから。
泣きたいのなら、泣けばいいけれど。
傍にいることしかできないもどかしさを伴う。
だから、微かに笑う気配に分かりやすく
安堵の色を見せただろう。]
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