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【人】 朝日元親[ 先生の偉そうな熱弁が聞こえる。 VとBの発音の話は十分を超えた。 そんなくだらない話は聞こえるのに いざ声をかけられると気づくことが出来ない。 それぐらい深く心の奥底へ沈んでいく そんな思想に耽る時がしょっちゅうあるんだ。 朝日が地球の裏側に沈んでしまえば その先は感傷を駆り立てる、薄暗い夜なのだ。] (17) 2022/10/21(Fri) 1:18:44 |
【人】 朝日元親[ 四限の息の根を止める鐘が鳴ると 淀んだ薄暗い世界から強制送還される。 ふと覗い窓際の席からは四季の映りがよく見えた。 季節外れに半袖の生徒、無駄に暑い気温、 夏はドジっ子なのか忘れ物が随分多い。 ] (……まいった。頭が重い。) [ 夏どころか時世にまで置いていかれたボクには 此処はあまり居心地のいい場所ではない。 此処は居るだけで体力が削られる毒沼だ。 ボクは此処から消え去るように席を立って離れる。 混んでしまう前にさっさとパンでも買って 邪魔者が居ない屋上にでも逃げてしまいたかった。] (18) 2022/10/21(Fri) 1:20:52 |
【人】 朝日元親*** [ ボクは独りが怖かったのだろうか? 違う。ボクが本当に怖かったのは 誰とも仲良くなる魅力なんてないと ボク自身が思い知らされてしまうことだ。 誰かと行動を共にしていれば 認めたくない事実が大手を振って訪れる。 ボクが無価値な人間であることがバレてしまう。 相手にそんな気はさらさらないと 頭では分かっているのに。分かっているのに。 頭の奥から心臓へと伝う真っ赤な涙が 傷つくことを強く恐れて、拒絶し続けてしまう。] (20) 2022/10/21(Fri) 1:25:45 |
【人】 朝日元親ボク以外に屋上に住み着く人がいるなんて 驚いたのはボクの方だよ。 [ この場所はいつも人気が少ない。 わざわざ友達を連れてくる場所じゃないし、 あるのはせいぜい安っぽい青春イベント。 ボクが居ることにも気づかず愛の告白をして 見事に玉砕した気まずい空気にも慣れてきた。 空気が悪くないと思えたのは、ハツナがいた時だけ。] 他に話すことがないんでしょ。 [ 先生に対する辛辣な感想を零すと ハツナの誘いに乗るようにパンの袋を開けて 食べる?と差し出してみただろう。 今日のパンもいつも通りメロンパン。 ]なんとなく、分け合いやすかったんだ。 (38) 2022/10/21(Fri) 22:48:46 |
【人】 朝日元親[ ボクがいることで空気が悪くなる。 その可能性を考えない程ボクは大人じゃない。 お昼を食べようと誘うハツナが いつかボクの前から居なくなってしまうことも ボクには想像がついている。 この時間を好きだと思ってくれる彼女には こんなボクはあまりに相応しくない。] (39) 2022/10/21(Fri) 22:49:35 |
【人】 朝日元親[ 頭の中に黒いもやがかかる。 ボクなんかがハツナと一緒にいちゃいけない。 でもこの時間を手放す勇気も持てない。 決して振り払えない強い感情の濁流に ボクはただ、流されていくだけ。 留まることも許されず、逆らうことも許されず。] (40) 2022/10/21(Fri) 22:50:26 |
【人】 朝日元親[ ハツナの隣で考えに耽けようとすると 戒めるように携帯が震えた。 画面を見ると、 何に必要かも分からないクラスラインに 五限が自習である連絡がきていた。 つまりボクら生徒にとっては至福のひととき。 クラスのみんなは今頃バカ騒ぎということだ。] 次、自習だってさ。 [ まさかの自習にボクは思わず小さく笑って。 ハツナに画面を見るように促しもしたのだった。]* (41) 2022/10/21(Fri) 22:51:05 |
【人】 朝日元親*** [ 誰ともいられない孤独は目に見えて分かるのに 誰とでもいる中の孤独は目には見えない。>>30 仲良しグループという安全圏で浮き足立つ そんな大衆心理から抜け出そうとするみたいに この地に足をつけ、立ちたいという思いが 本来噛み合うはずのない二人を引き寄せていく。] だって、そんな顔してる。 [ エスパーじゃないしただ思い込みが強いだけ。 ご機嫌な様子の惜別さんにボクは困ったように 頭を抱えてしまうだろう。>>32 想定できないリアクションには 誰だって困る。そうじゃない? そしてどうやら今度は ボクが彼女を困らせてしまったみたいだ。>>33] (42) 2022/10/21(Fri) 22:51:46 |
【人】 朝日元親[ ボクが居ないことで彼女に影響があるなんて 当時はまだ付き合うどころかまともに会話もしない 関係だったんだから分かるはずもない。 人当たりのいい可愛らしい女の子が 孤立した惨めな男子に声をかけてるだけ。 こんなの疑うなという方が無理な話だ。] 惜別さんは物好きなんだね。 [ 理由を尋ねることに意味が無い事は分かった。 ゲテモノ食いにミシュランの星の数なんて 到底理解できないだろうし、 マックのチキンナゲットがいくら粗悪品でも ある人は喜んで20ピースも平気でたいらげる。 クチコミにも流されず自分の思う物を食べる。 惜別さんはそういうタイプの子なんだと思っていた。 自分の商品価値のなさを伝えたところで きっと、彼女にはこれっぽっちも関係ない。] (43) 2022/10/21(Fri) 22:55:10 |
【人】 朝日元親[ でもきっとボクをからかうやつがすぐに現れるだろう。 そこに彼女が混ざっているかどうかは別として。 傍から見た朝日元親はキョドり、気持ち悪いと 周りから引かれるくらいがそれっぽい。 求められる朝日元親のイメージはそう。 けどこの時はなんとなく、 思い通りにシナリオを描いていくのが 腹立たしく思えて仕方がなかったから。] (44) 2022/10/21(Fri) 22:56:56 |
【人】 朝日元親[ しばらくボクは黙って、 先生が話し始めたタイミングを見計らうと。] なんてね。 サボりなんてやめた方がいいと思うよ。 惜別さんには何もいいことなんてないから。 [ ボクはその先の惜別さんの言葉も聞かずに 視線を彼女から正面の黒板へと移した。 こんなのはただの言い逃げだ。 相手の想像を裏切る言葉を吐き捨てる 典型的な天邪鬼のような仕打ち。 肘をつきながら授業を聞き流すボクは ]その時はもう何も返事はしなかったんだ。 これ以上彼女と関わるのが、怖かったから。 (45) 2022/10/21(Fri) 23:01:01 |
【人】 朝日元親[ そんなやり取りをして日が浅かった時に それがまさかまさかの屋上でコンサートを 盗み聞きする羽目になったなんて。 神様の悪戯にしては やりすぎだと思うんだよ、ボクは。]** (46) 2022/10/21(Fri) 23:04:55 |
【人】 朝日元親[ いつだったか直接文句を言われたことがあった。 ハツナと僕の関係が知れ渡ってからすぐ、 知りもしない女子に呼び出されて屋上に行くと 複数人の女子に囲まれて、言われたんだ。>>50] 「どうしてハツナと付き合ってるの?」 [ 私もあなたが好きだったの、って? いいや、そんな優しい展開ではない。 なんでお前なんかがハツナと付き合えるのか。 お前といるだけでハツナが可哀想になる。 さっさと別れてよ。あの子の為に。 つまりボクの方から手を引けと。 ボクが可愛い彼女を理不尽に振った クソ男の汚名を被って、ハツナの立場を守れと。 そういうことだ。 (62) 2022/10/22(Sat) 0:52:43 |
【人】 朝日元親[ 美しい肖像も、素晴らしい小説も全て ベタベタなヘドロのような感受性で塗りつぶす。 悲哀も、激情も、官能も、情緒も。 積み上げられた芸術作品のように美しい ハツナという存在でさえ、 ベタついた感性で全てをドロドロに壊してしまう。 そしてそれを友情、優しさなんて耳触りのいい言葉で 取り繕った見てくれだけの劣悪サービス。 女という生き物の最も嫌悪すべき性質。 ボクが今ぶつけられているのは、そんな物だ。] (63) 2022/10/22(Sat) 0:54:54 |
【人】 朝日元親[ 身長も器も小さいからこそ見えるのだろう。 ボクの中で何かが壊れた気がした。 そんな音が聞こえたかのように、女子達を 取り巻く空気が静かに凍りつく。 分かってるらしい。 ]人の地雷を踏んだという事も。 ボクが常識も何も無い人間だって事も。 強い劣等感を抱いた人間は そこを刺激されると何をしだすか分からない事も。 (65) 2022/10/22(Sat) 0:57:22 |
【人】 朝日元親[ 次は無い。 それは決して人に対して向ける目ではない 明確に軽蔑を示した目。 そして、ハツナには決して向けることのない目。 女子達が逃げていったのを確認すると 身体の力がどっと抜けて金網にもたれかかって 思い詰めたように大きな溜息をついたんだ。 願わくばハツナには見られたくないと祈りながら。]** (67) 2022/10/22(Sat) 0:59:50 |
【人】 朝日元親[ 二人の意見は一致したということで 晴れて五限は二人仲良くおサボりに決まる。 金網を背もたれに寄りかかると メロンパンのお供に買っておいた ココアの蓋をあけようとするのだが、 しかし上手くあかずに奮闘していると ハツナからさっきのことを聞かれて。] うん?いつものことだよ。 ボクって性根がネガティブだからさ しょっちゅう被害妄想が止まらなくなるんだ。 [ こんな話をハツナに出来るようになったのも つい最近、やっとのことだ。 そこには確かな信頼があって それだけボクが甘えていることを意味していた。] (70) 2022/10/22(Sat) 1:05:24 |
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