100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】
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| 「はわわ、忙しい忙しい……!」 ばたばたと、ゲイザーは駆け足でホールを駆け回っている。 料理の載った盆を片手に客人に届けたり、注文を訊ねたり。 けれどもその様子は瀟洒とはとても言い難く。 「あっ!」 その時! ゲイザーは何もない所で躓く!! そして! 載せられたカトラリーのうちのナイフが滑り落ち、 美しいフォームで<<アマノ>>allwhoの胸元へと向かっていく……! ヒント:神の慈悲か導きか、ナイフは本当にブッ刺さる前に 地面へからりと落ちる。 (11) 2021/10/15(Fri) 21:51:21 |
「ギャハハハハハハ!!
このままブッ刺し殺してやるぜェェエーーッッ!!」
「……と、チッ。外したか。
だがこれは唯のマグレに過ぎねェ。
──何故なら!」
「オレは天下の殺人鬼『リーパー』様だああ
ああああああ!!!!!!!!」
………
……
…
「………嗚呼、そういうことか。真相なんて随分と呆気ないものだね。
見る夢というのも存外楽しかったが
これから忙しくなりそうだ。そうだろうリーパー君?」
キエは騒がしい協力者へ微笑う。
夢が醒めるのはいつだって唐突だ。どんな夢にも等しく終演は訪れる。
次に視線の見えない男、仮面を持つ男、探し求める女。キエはそれらに目線をやれば目を細めた。
「それとこの囁きが聞こえる君達………そう、この館に永くいるらしい君達さ」
「ーーーーどうか見逃しちゃあくれないか。従うしかない弱い立場の僕らを哀れんでくれると嬉しいねェ?」
「ンン? あァー……大体わかってきやがった。
しかし、この館の主サマもセンスもイケてるな!
まさか、このオレを選ぶとはよォ!
……ま、あの『探偵』? とかいう、
知ったカオしてやがるヤツがお仲間なのはいけ好かねえが」
「オレの足、引っ張ってくれるなよ?
あァあと、一発目ヤるのはオレだ。」
勝手に決めている。
が、キエ。あなたはべつに、断りを入れたっていい。
「え、えぇと……。ミズガネさん?
あ、あなた、あたしの声が聞こえるんですかっ……?」
| この館の空気はいつだってこのように喧騒に満ちていたが、 つい先日訪れたばかりのゲイザーは、 それが落ち着かない心地だった。
「待っ、待ってください! あ、あたしもお給仕します……! 皆さん。下女に頼みたいことがあったら、 なんでもあたしに頼んでくださいねっ!」 (46) 2021/10/15(Fri) 23:18:09 |
「やる気充分で僕ァ嬉しいよ。僕も頑張らせてもらうとするさ。探偵が犯人っての、陳腐だけど単純で面白いだろう?」
キエはそんな協力者へ朗らかに告げた。今宵はゲイザー、否リーパーに任せるつもりのようだ。
「なあリーパー君。僕ァ探偵としても楽しみたいんだ。だから遊んで来てもいいかい?」
「……ま、面倒くさそうな探偵サンをこっちに呼んでくれたのは
オレとしても好都合だ。
ゲヒャヒャ! アンタも随分とやる気だねェ。
で、だ。そいつは歓迎するよ。
勿論オレの邪魔をしねェのが大前提だがな!
オレはマヌケでノロマなゲイザーとして紛れてやるさ」
| (a33) 2021/10/16(Sat) 0:28:16 |
「聞こえていないと言ったらどうするんだ。
お前は……そう、確かゲイザーと言ったか。別の給仕から聞いた。それと、噂もな――」
礼を告げ相槌を挟みながらゲイザーの話を聞いた。“邪魔をしない”ことに関しては「勿論さ」と笑った。
「そりゃあ良い。ああして下手に出てるのも油断を誘う為だろう? 中々手馴れているねェ」
「僕も頼れる探偵としての立ち位置を固めたいモンだ。折角だ、一人目をどんな風に誘ったか後で教えとくれよ。始めから答えを知ってるなら推理なんて容易いだろう?」
「ふ、ふええっ? なんでそう思うんですか!?
う、噂程度で……あ、あたしを疑うんですかあ!?」
「オイオイ、探偵ってのは推理をするシゴトだろ〜が。
プライドとか無ェのかよ。ま、どーでもいーけど!
と・に・か・く!
背筋も凍るような真相をお届けしてやるよ……。
それまで精々遊んでいることだな、探偵モドキ!」
「僕ァ探るのは好きだが考えるのは嫌いなのさ。ずるができるなら其れに越したこたァないだろう?
嗚呼楽しみにしているとも。沢山遊べる様に色々と考えておくよ。
そうだなァ、最初の1人がいなくなってから一寸した催し物を考えてるんだ。勿論僕らが動き易くなるような内容にするからね」
「中身が纏まったらまた教えるよ。きっと楽しい宴になる」
くく、とキエは小さく喉を鳴らした。
「はァ〜ン?
オマエの”遊び”とやらにゃあ興味無ェ。
オレが愉しいと思えるのは──そう! サツジンだけさ!」
響く声色には喜色が滲む。
性根の捻じ曲がっている、下卑た声色。
けれどもあなたもきっとそれは同じ。
「だが、ま。オレ達『愉しい』のセンスは異なるが、
どうやら目的は同じらしい。文句は言わねえさ……」
「……オレに聞こえるトクベツな会話は二つ。
オマエとのコレと、あともう一つ。
”共鳴”することで聞こえる声だ。
そんで、ミズガネが掛かった。」
「だが、妙なコト言ってやがるな。
アイツ何か嗅ぎまわってるのか?
まァいい、また連絡する。
じゃァな、ニセ探偵!」
そうして、連絡は途絶えた。
「
……やーめた。今きれいにしても、意味なかったや
」
「きっと館の主様も探偵と殺人鬼の組み合わせを見てみたかったのかなァ。そうでもないとこんな偶然有り得ないよ。まあ、『愉しみ』は違えど今暫くは夢の
饗宴といこうじゃあないか」
囁きが途絶えてからキエは告げられた名前を下の上で転がした。この声が聞こえる観客達へ向けて、胸中で事足りる思考を敢えて口にする。
「ミズガネ君が言っているらしい妙な事と彼が何か調べている可能性。ふゥむ、確かに気になるな。しかしそれを此方が一方的に知っている以上有利なのは現時点で僕らだ。…特に僕ァまだ彼の捜査網にかかっていないからねェ。
ーーーくく。朗報だねェ、
怪しげな人物がもう二人もいるよ
」
キエは愉悦を享受すると一度瞬きをした。そして一種の静寂が訪れる。
…
……
………
| >>20 ユピテル 慌てた様子でナイフを拾いに行くゲイザー。 早速ドジを露呈させてしまった彼女の顔には、 忍びなさが浮かんでいる。 「す、すみませんすみません……! あ、あたしまた失敗して……!」 声を掛けられれば、はっと顔を上げた。 けれども、どうやらそれは叱責ではないらしい。 善意と気づけば、その張り詰めた顔は緩んだ。 「ゲ、ゲストの方にお手伝いさせるなんて! 折角のお申し出ですが、それは下女の名折れです。 ……でも、その。や、優しいんですね……。 あたしみたいなのにも、親切にしてくれるなんて」 (86) 2021/10/16(Sat) 11:22:23 |
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