102 【身内RP】泡沫に消えし夢の随に
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[ ピシリッ、ピシリッ
ひび割れる音が響く、砕けていく音が響く
私の夢は、もうすぐ終わる
悪夢に呑まれて、蝕まれて
愛
した世界は、
愛
した子らは、
壊
れていく、
失
っていく
それでも、私には
まだ、できることが残されているから ]
[ 今はもう、自分とストル以外
誰もいない白亜の神殿で、中庭から空を見上げた
シャン、と錫杖を鳴らすと、
涼やかな金属音が波紋のように空気を揺らせば、
同時に、空に手のひらほどの白い光が舞い上がり
残された門の神殿に流れ星が落ちるように
眩い光が降り注ぎ、門の神殿を守るように
聖なる結界が張られた
これで悪夢も、この夢が終わるまでは、
門の神殿を脅かすことはできぬだろう
さらにシャン、と錫杖を鳴らす
天高く伸びた白い光が、
雲に覆われた空を水面のように揺らせば、
ゆらりと、自分の姿を映した ]
聞こえるだろうか
残された愛しい我が子たちよ
どうか、白い光の柱の下にある
門の神殿を目指して欲しい
せめて、残ったお前たちを、
この世界ではない場所へ、送り出させて欲しい
愚かな私の、せめてもの償いに――どうか、
[ 泣きだしそうになるのを、
ぐっと堪えて、凛と顔をあげて、願う
創造主として、この世界の主として
最期にできることを全うするために
門の神殿がある方向を指させば、
そちらに白い光の柱が見えるだろう
どんな遠い場所であろうと、目印にして分かるように ]
[ やがて、空が大きく波打てば、
創造主の姿は、空から消えていた
愛しい我が子に見せる姿を保てなくて、
ガシャンと、大きな音を立てて錫杖を落とし
膝を折って、その場に蹲る ]
はぁ、ッ、……く、……もう、残された時間は
そう、多くは……ないようだな
[ 苦しそうに息を吐き、
眉を寄せれば、自嘲交じりの笑みを浮かべた ]
ストル……
[ 縋るように、名を呼べば
私の夢守りは、傍にいただろうか
顔を上げて、その姿を探した]
私の夢の欠片たちは、
無事に、逃れることができるだろうか
[ 門の神殿には、結界を張っている
だが、その道中までは守ってやることができない
気がかりなのは、そのことだけではない
倒れた錫杖に手を伸ばして――]
…… 浄化の水晶を、ッ、
作らねば…… 一つでも、多く……
[ 悪夢に呪われたままでは、
別の世界に行かせることができない
だから、浄化の力を込めた水晶を作らねばいけない
しかし、視界が揺らぐ。身体に力が入らない
倒れている時間など、ありは――しないのに、]
| (a4) 2021/10/19(Tue) 21:52:04 |
| ── 昼 ── あれからも同様に、アルトの声を張り上げれば 道端で突然芸を披露しておりました。 拍手をいただけるのは悪くない気分です >>0:12 時に鳩を出し、時に旗を出し、時には アクロバットな動きを見せて。 そうこうしていればすっかりと日も昇りきり 朝に食べたものも消化しきってしまう 時間となっていたのでございました。 (39) 2021/10/20(Wed) 19:26:33 |
| 一芸を終えて、今向かう先は劇団の控え場所 ─── ではなく。 「 こんにちは! おいでと言われたので、お言葉に甘えて 来てしまいました。 」 客はどれくらいいたことでしょう >>0:25 もうドラゴンステーキを受け入れる準備をしている テオドールのお腹は、どれくらい客がいたところで 諦めることをしませんでしたが。 (40) 2021/10/20(Wed) 19:26:47 |
| 午後になればぼちぼち、公演の準備を しに行かなければなりません >>0:8 その活力を得るため、店主に微笑めば 澄んだよく通るアルトの声で注文します。 「 ドラゴンステーキを一皿お願いします! 」 さて、願いは叶えられたでしょうか。 目の前で焼かれるのならおぉ! と感嘆の声を上げますし 皿に肉が盛られるのならごくりと、生唾を飲み込んで。 受け取れたのなら満面の笑みを向けて お礼を言うことでございましょう。** (41) 2021/10/20(Wed) 19:27:02 |
暗闇の中にいた。
昼だけど、暗い闇の中。
当たり前だ。視力を失ったのだから。
悪夢との戦いで、失ったものの一つだ。
たくさんのものを失った。
父も、母も、悪夢の化け物になってしまって、
あの時は、創造主様が一緒に戦って、殺して、
最後は、綺麗な光に包まれて、消えていった。
それが3年程前のこと。
近所に住んでた爺様も婆様は、
悪夢になる前に、悪夢に殺された。
それが、2年前のこと。
視力を失ったのは、1年前のこと。
歌王の娘を助けた時に、不注意で失った。
毎日毎日、戦いに明け暮れて。
たぶんきっと、疲れていたんだ。
生きる為に、生きる糧を得る為に、
誰かを守るため、誰かを救うため、
振るってきた槍と炎は、もう何の意味も、
戦うことの意味も、見出せなくなって。
たぶんきっと、
もういい
かなって。
あの日から、少しだけ身体が重くて。
10か月程前に、偶然、創造主様に逢った時
あの方は癒そうとしてくれたけど、
でも、勿体ないからって、断った。
俺は、浸食値なるものがあって、
それが(54)1d100だなんて知らない。
だってさ。
数十年前までは、一緒に戦った時も
力強い声と姿だったけど、1年ほど前は、
創造主様が、随分と弱弱しくなってたから。
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