封じ手 鬼一 百継は、メモを貼った。 (a1) TSO 2021/04/23(Fri) 23:56:56 |
【人】 武官 継置>>2:57 ドラマシーン 一葉 絆取得 澄んだ池に石を投げ込むと、 水底に積もった土が 煙 のように舞い上がる。俄かには信じがたい事であった。 とても平静では居られなかった。 百鬼夜行のあやかしが人間の姿を真似て 9年もの間人間として過ごしていたと。 ――――しかも、そのあやかしが人間を誑かすのではなく、 百継や継置を慈しみ、育ててきたというのだから。 9年の間に、――少年は大人になり、幼子は少年になり。 されど心までは未だ、どこか呪いのような憎しみに囚われているのだろう。 あやかしとは。 狂気とは。人とあやかしの、境は。 百鬼夜行を受け入れる人間と、 人間を望んだあやかしとに、 何処に違いがあるだろうか。 家族を奪っていったものの本質というものを、 今まで斬り捨てていたものを受け入れるとするならば、 人があやかしになるのであれば、あやかしの元もまた人でありうると。 (2) 青磁 2021/04/24(Sat) 0:40:21 |
【人】 武官 継置-------------------- 百継邸に戻った後、 庭に一葉の姿を見かけて、咄嗟に口をついたのは 「もういいのか、身体の具合は」 労りの言葉だった。 屋敷で倒れたとは聞いていた。 それがあやかし除けの香のせいであったらしいということも。 そうまでして、一葉は。 (3) 青磁 2021/04/24(Sat) 0:41:32 |
【人】 武官 継置「欺かれていたことは、 正直、おれにもどう考えるべきなのかわからん。 しかし、斬ってやりたいとも思わん。 ――お前はもう、百鬼夜行の一部では無いのだろう。 お前はあやかしだ。 …………それでも、この9年の歳月。 百継とおれと共に居たのは、 その姿を借りた人間では無くて、一葉、お前だった。 おれはそれを信じる」* (4) 青磁 2021/04/24(Sat) 0:42:13 |
【人】 封じ手 鬼一 百継>>3:34 誘蛾 絆取得 === 月に向かって弦をはじき歌う誘蛾を見ていた。 ――ただ 請うは そう この世の すがた これこそ 真実 あな 美しや 歓びと快楽の涙がぽろぽろと珠に成ってあふれるように、誘蛾の調べは、こぼれ、止まらぬ。 その姿を見ていると、儂は、どうしても、ひとりの女性を思い出さずにはいられぬ。 ――ねえさま。 徽子ではない、鬼一の血を同じくする姉のことだ。 9年前の百鬼夜行。 それまで、鬼一の一族は、定期的に訪れる百鬼夜行で封じ手としての力を振るい、犠牲を最低限に抑えてきた。 そう聞いていたから、5歳の儂は安心していた。今回も大丈夫だと。 それが突然、父、母、姉を連れていかれたものだから、通例よりどれだけ強力な"百鬼夜行"が行われたのかと、それは如何なる理由故かと、不思議でならんかった。 真実を知れば、なんてことはない。 徽子はすべて知っていた。 姉が百鬼夜行の狂おしい饗宴に魅せられ、屈し、与したのだ。 身内の……ごく親しい身内の裏切りによって、父と母は喪われた。 記憶の中の姉はいつも溌剌としていて男勝りで、その瞳は知性で輝いていた。 堕ちたなど、信じられん。だが事実だ。 つまり、百鬼夜行には、そんな姉を惹きつける"何か"があるのだ。 (5) TSO 2021/04/24(Sat) 0:47:27 |
【人】 封じ手 鬼一 百継目の前の、この少女にしか見えぬ女性もまた、そのひとり。 音を奏でれば場を支配し、色を描けば釘付けにして離さず、それでいて只々自由なこの女。 誘蛾。 彼女自身は儂の姉にまったく似てはいないが、ふたつだけ共通点がある。 ひとつは、百鬼夜行にこそ生の真実を見出してしまったこと。 ふたつめは…… 「……優雅、ねえさま」 優雅……いや、誘蛾。教えて欲しい。 「百鬼夜行の魅力、如何ほどか。 なあ。抗おうとは、罪深いとは、思わんのか。 お主の見る世界には何があり、どう聞こえておるのじゃ。 あやかしのもたらす享楽は、その他総てを犠牲にできる程、素晴らしいものなのか」 誘蛾は、奏で続ける。儂など此処に居らんように。 儂の歌姫は、知らぬ間に、手を伸ばしても届かぬところまで遠ざかっておった。 理解しようとも、できるとも思わぬ。連れ戻すには遅すぎる。 それなのに語りかけるのは何故か、自分でもようとして説明がつかぬ。 が…… 「……教えてくれ、誘蛾」 最後に、祈るように、一言だけ。 [こちらからは〆] (6) TSO 2021/04/24(Sat) 0:49:46 |
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新