202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】
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| んー……そうだな。
[珠月の声が震えている。でも怖がっているわけではなさそうだし、自分も少し喉が詰まりそうだ]
幼馴染でいながら、恋人関係……が俺はいいな。
[曖昧なものではなく恋人。としっかりといって呼び名を含めてすべてを決める必要はないけれども、こうしたいな。という気持ちだけは伝えておく。] (206) 2023/03/13(Mon) 19:27:02 |
| [ようやく顔を見えたときは、目元は赤くなっていて瞳も揺れていた。 けれどもしっかりと自分を見てくれる。そして改まったような言葉にちょっとだけ噴き出してしまう。だって今更だ]
ふふっ、言われてみればそうだな。 未だにピーマンは苦手だし、炭になるまで肉も野菜も焼くし、いつまでも子供染みたことばかりして寝起きに突然やってきたり、部屋で勝手に寝てたりするし、俺が行く先だからついでとかじゃなくてバイクに乗せて連れてけー。っていうし。
[こちらはこちらでその全てにおいて優しく優しくなんてしてたわけではなく、時には雑な態度で、時には意地悪な風に、時に頑固な意志でと色々してきたが]
そんな臆病で強がり。しっかりもののようで甘えん坊の寂しがり屋な珠月を……大事にしてきた実績ならあると思うんだけどな。
[もちろんそれはお互い様だというのはいうまでもなく思ってることだけど、布団で丸まっている珠月をみて、手を伸ばし布団越しにちょいちょいと軽く叩いてみて] (207) 2023/03/13(Mon) 19:28:27 |
| 珠月…こっちきて、一緒に寝ない?
ぁー…えっとだな。今の話の続きでいうとややこしく聞こえるかもしれないが、正直いうと目が覚めて夢だった…なんてなるのが怖いからな。
[想いを向けて、ゆっくりとだけれども応えてもらって、そんなのも含めてだが、怖さの大半は消えてしまっていた昨日までの時間が関係する。]
目を閉じても傍にいて、目が覚めたときも傍にいたら、流石に落ち着けるんじゃないかって思うんだけど…駄目か?
[首をかしげて聞いた。 珠月にもそうだが、自分にだって欠点はある。珠月を甘えん坊で寂しがり屋を克服させれないような心配性なところだろうか*] (208) 2023/03/13(Mon) 19:28:57 |
[彼女が食事を乞う。その言葉がとても嬉しかった。
声はまだ弱々しいけれど]
卵か……、鶏飼ってたりしねェよな?
買ってこようか。
[小屋がこの有様では、ろくに食料が保存されていると思えなかった。
村まで行って食料を買う生活が続けば、森の中に住んでいる人がいると知れる可能性は気にかかったが……。
食べないわけにはいかない。特に今の彼女は。
二人とも“狼”として食べたいものが別途あるとはいえ、ヒトとしての食事もまた生きるために必要なのだから。
こうして、この地での彼女との二人暮らしが始まった。
これは彼女が旅に出られるほど回復するまでの一時的なもの。楓はそう思ってはいたけれど、それが結構な長期間になりそうなことは予想できていた]
[共に暮らし始めて間もない頃、彼女が無理なく会話できるようになった頃合いに、楓がふと脈絡無く紡いだ言葉があった]
なあ、椿……
“いらないもの”なら後に残るはずねェよな?
後に残るのって、それだけ重要なもの……、
存在の核とか、柱や基盤とか……
そういうものなんじゃねェのか……?
[それは確信というより、そうであってほしいという祈りだけれど。
あの夢から覚めた後、彼女に思いを馳せる間に考えついたことだった。
たましいを善と悪のふたつに分けて、悪を滅する。それが彼女が生み出された過程で、彼女は滅せられる側──不要物と扱われた側だった。
それなら、どうして先にもう片方が消えたのか? どうして滅せられる側だったはずの彼女が後に残ったのか?
真に滅せられるべきは向こうだったのか、それともどちらかを滅するという考え自体が誤っていたのか……そこまでは楓に理解の及ばないことだが。
楓にとって、彼女は間違いなく『存在していてほしいひと』だ。それを補強する理屈がどうしても欲しかったのだ]*
[初めのうちは楓が食事を作ろうとしただろうけれど、そのうちに彼女が作ってくれるようになったのだろうか。
彼女が歩けるようになったなら、短い時間でも共に散歩しようと誘っただろう。
楓は彼女と一緒にできることが増えるたびに喜び、彼女が望むことを果たす助けであろうとした。寄り添い、支え、尽くし、触れ合った。連理の如く]**
[やわらかな温度が、いつもの温度が。
待ち望んでいたぬくもりが触れてまた涙が零れていく。
瞼を伏せていて気づけなかったけれど、それはきっと、アスルが零した想いとともに風に攫われ湖へ落ちるのだ。]
なぁに、アスル。
[言えなかったこと。
不思議そうにも、予感しているかのようにも微笑む。
そうして彼の言葉にふわりと瞳に光が灯る。
たくさん見つめ、映し続けてきた群青色と空の色に近づいた瞳。
銀白色に憧れた月のような色の髪が彼の風をはらんで揺れる。
腕を伸ばして包むように抱きしめて。
まつげが触れ合うほど近くで見つめ、幸せを笑みにした。]
私は、ペルラ・ルーチェは、あなたを愛し続けます。
ずっと一緒ね。私のアスル。
[結婚し家族になって、寄り添いながら年を重ねていこう。
今、月明かりに照らされる姿も、ともに。]
[そうして抱きしめ合って。
ふと、目を瞬かせる。]
アスル、やっぱり、随分待たせてしまったのね?
[前髪が伸びてる、と指先で額にかかる髪にそっと触れる。
彼に出会ってからなんとなく感じていたことだが、あの狭間の世界とこちらは時間の流れが異なっていたのだろう。
話したいことがたくさんある。
今の巫女はどうなっているのか、今の島の状況、お互いの家族の話、何より彼のこと――将来の話だって、したい。
でも、今は思うままに。]
アスル、今夜はゆっくりしていても、いい?
話したいこともたくさんあるし、あそこの小屋で。
…………儀式のお役目の後みたいにも、ね?
[耳元で囁く声に、彼しか知らない色。
これからもアスルにしか聞かせない声を紡ぐと、]
――愛してる。
アスルは私だけの風で、自由な鳥で、ずっと大好きな人。
[それは永遠に。**]
| [実は、料理をしていて歌を歌うのは酔ってる時に限らないのであって。 母さんから教わった昔々のアニメ映画の主題歌をもじった"肉まんの歌"とかもあったりして。それはね、けっこうな長編だし品名連呼ではなくて、こう……サビの部分の感情の高まりをいかに表現するかがポイント……いや、なんでもないです忘れていいよ。 ともあれ、だから(?)、"とらの歌"もそのうちに出来るんじゃないかな。 長編系なのか名前連呼系なのか、それはその時の気分次第なので、楽しみにしていて欲しい。] うん、ありがとー。 ……あ、おにぎりおにぎり。 [さっきから武藤は、おかしな鳴き声を出したり >>203 、動きが不審だったり >>204 、ちょっとおかしい。 酔ってるのかな。酔ってるんだな。 仕方ないなあ、と笑う私は、自分の方が余程に仕方ない状態な事には、最後まで気付いていなかった。] (209) 2023/03/13(Mon) 20:28:22 |
一生が何度もあるってすごいじゃないですか……
ん……上手。
タマの方も舐めて?
[まるで心が読まれていたかのように、ビデオカメラのことを言われて苦笑してしまう。
でもそれだからこそ一瞬を切り取ろうとムキになってしまう。
鎖でわずかばかりに余裕があるとはいえ、いつもよりも自由がきかない両手。
彼は唇、口腔、舌、吐息だけを上手く使って、彼の雄を制御する。
そんな彼の髪を優しく撫でて乱し、もっとして? と指先だけでねだろう。
自分に奉仕しているだけでも感じているのか、きついのだろうか、彼の腰が揺れているのが分かる。
彼の喉仏が嚥下するかのように動く。
真空をつくられ、硬くそそり立った箇所が彼の上顎裏のざらついた箇所をこすって。
軽いタッチでシャッターが切れるはずなのに、それがひどく重い。
はぁ、はぁ、と上がる息の中、目の前が白く飛びそうなのを必死にこらえながら、シャッターを切り続けて]
んぅぅっ!!
[立ったままだから、思わず身体をそらして、彼の方に腰を突き出してしまった。
我慢しきれず、放つそれ。
思わず彼の口から引き抜いてしまって、その美しい顔にどろり、とかかった白。それは彼の口元のほくろを隠す。まるで化粧をしているかのように。
見慣れているほくろが、それが消えているのが自分が放った欲の多さを表しているかのようで。
彼を縛るボンテージのエナメルの艶にも白がかかり、光が反射している箇所すら自分の慾が飛んだように見える。
穢されてなお美しい人。
奉仕のせいでこすれて唇が紅くなっているのが、艶やかでますます色っぽい。
ああ、抱きたい。
このままめちゃくちゃに犯したい。
しかし、それは我慢だ]
…………最高の一枚が撮れたと思います。
[そんな風に言って、自分の中の欲を押し殺して隠してごまかして。
しかし、今撮ったこの写真を見るだけで、何度でもきっと自分は一人寝の夜に困ることはないだろう。
そして己ばかり欲を満たしたが]
要さんは、お預け、ですからね。
[片目をつぶって、ボンテージスーツの中の熱を持て余しているだろう恋人にそう言い放つ。
それは意地悪なつもりでもなく……いや、実際少しそういう気持ちがあったのは否めないが……彼が“欲しい”という飢餓感があった方がいい写真が撮れそうだから。
終わったら、いっぱい甘やかしてあげるから我慢して?
心の中で、ごめんね、と謝った*]
| [言い切る声の強さ >>205が胸を打つ。 言い聞かせるあやすような響きじゃない。 こちらの背を押しながらもしゃんと真っ直ぐさせる響き。 そんなことあるわけないじゃないかって思うことが出来る。 弱気な心が彼への信頼と自分を信じる心に変わる。 よし、って。ちゃんと立ったところで。 足を踏み出そうとしたら、恋人関係 >>206と今度は来て。] こっ、こここ、こい……こい、びと……! [口がぱくぱくしそう。 良かった、顔を隠していて良かった。] 言われてみればそう、じゃないしっ ピーマンは苦いのが悪いし、雅空兄ぃが作れば良いし! 火は起こすの上手いって言うから焼くのもって、そうしたら勝手に焦げるんだし……生でお腹壊しても困るし……! 寝起きはビックリさせてやろうってのはあるけど、……いや、それだけだからっ [反論しようと思えば全部に言い連ねられるけれど、結局全部の終着点や理由が恥ずかしいことになる予感がする。] (210) 2023/03/13(Mon) 21:05:27 |
| ……雅空兄ぃは、……もう実績過多だよ。 そういうのはちゃんと分かってるもん。 [どれだけ大事にしてもらってきたかなんて。 反抗期を過ぎて以来、自覚しすぎるほど自覚している。] 私だって、その……。 [さすがに実績があるという言葉には出来ない。 自信がないのではなく、羞恥心の問題だ。 こういうところ、この幼馴染はきっぱりはっきり言葉に出来るのが心臓には悪く、心はぽかぽかになる。] ……うう。 [布団の中が熱い。自分が熱くなっているだけか。 ちょいちょいと叩かれる感覚 >>207は昔から慣れ親しんだもののはずなのに、知っている強さとどこか違う気がした。 これも受け取る自分の想いのせいなのかもしれない。] (211) 2023/03/13(Mon) 21:05:34 |
| ……。……。 [この会話を経て、一緒に寝る。 >>208寝付けると思ってるのだろうか、この幼馴染は。 恋人関係がいいという幼馴染かつ恋人予定の雅空は。 でも理由はもっともだった。 むしろ自分こそさっきまでそれでお風呂までくっついて回っていたのだから、彼の恐怖は何より分かる。 色々を天秤にかけた結果。 そーっと掛け布団から頭だけ出して、彼を見上げた。] その前に、私から言っておくことが、あるの。 [急にとても改まった口調で。口調だけだが。] (212) 2023/03/13(Mon) 21:05:38 |
| ……。
[見慣れた、いつもの、レンズ越しの群青色。 天窓からの月明かりに柔らかく光る、優しい銀白色。
すうっと深呼吸。よし、いける。]
私だって、雅空に……の、恋人になりたいんだからね!
[言ってしまった。 真っ赤な顔で言い切ると、睨むように見つめて。]
(213) 2023/03/13(Mon) 21:05:52 |
| わかった?
今夜は怖いのが理由だけど、つまりそういうつもりで、そのことをよーく念頭に置いて、一緒に寝なさいよ。 あと私は絶対落ち着けないと思う。
……でも一緒がいい。
[これまでと状況が違うのだから仕方ない。 でもどんなに安眠できなかろうが同じ布団に寝ると腹をくくったなら行動は早く、急に飛び起きた。 そして雅空の隣をたたっとすり抜けるように駆けて、彼が今まで寝ていた布団に自分が先に潜り込むのだ。]
ほら、早く来ないと半分分けてあげませんー。
[明らかに赤い頬で、鼻先まで赤い顔で、にやにやと悪戯っぽく笑うと隣をポンポン叩いてみせた。
仕方ないなぁ、幼馴染で雅空は心配性なんだから。*]
(214) 2023/03/13(Mon) 21:05:58 |
ああ、三か月ほどな。
っていうことはペルラはそうでもなかったのか?
[そう聞くと時間の流れが異なっているという風なことを聞くが、プロポーズを受け入れてもらった熱い気持ちと再会できた喜びに、多少待っていた面での辛さなど気にも留めなかった。]
そうだな…俺も話したいこともあるしな。
[彼女が去ったあとどう過ごしていたかとか、二人のこれからこととか。
それに…会えなかった時間と体温を埋め合わせる時間も必要だ。もう慌てなくていいなどといっても、急いた気持ちになるのは熱情故。]
愛してる…ペルラ・ルーチェ…
[彼女だけを永遠に*]
[それから、彼女、元巫女であるペルラが帰ってきたことを伝えにいった。
力を使い果たしたら消えるといういわれる巫女が帰ってきたことへの反響などを考えてこっそりと、村のまとめ役の長老へと伝えにいったわけだが]
「おぉ、新婚旅行から帰ってきたか?」
[第一声はそれであった。は?となったわけだ。
そこから色々と色々と話し合ったが、どうも色々と相違があったらしい。
一番の要因である、巫女が消える。ということに関しては―――だいたいが嫁入りしていく。ということらしい。]
[そこからは長い話が繰り広げられたが大雑把にいうと。相当前の巫女が役目を終えたときのこと、その巫女にちょうどいい年齢の結婚相手がいないということが判明した。
元々浮遊都市という閉じた世界。結婚適齢期から考えても過ぎており、そしてその時代、ちょうど奇数で余ってしまったのだ。
その頃の巫女はここまで特別扱いするという形ではなく、同年代の人と接触が多かったのも悪かったらしい、なんでも夫婦生活を自慢されたりしていたようだ。
そんな役目を終えた巫女の不満のため、婿探しに奔走したという大変な過去があったようだ。
そりゃまぁ巫女になって、自分の意志でならばともかく結婚願望や青春したい!と不満たらたらで人生を終えるなど悪いし、そんなことが広まっては醜聞になるので隠す必要があったようだ。次代巫女居なくなっても困るし、後の婿取りにも響くしな。ということらしい。
ちなみに先代巫女が消えたという件についても、行商人の人と結婚予定だったらしいが、力を使い果たした直後、旅立つ直前だったらしく、このままだと数か月は会えなくなるのが嫌になって飛び出していった、ということらしい。
ペルラとアスルもそれだと思っていて帰ってきたという認識でいたらしい]
じゃあ…消えるってこう、泡になって消えるとか、死んでしまうみたいものじゃなくてってことなのか?
「そんなおかしなこと起きるわけないじゃろ。」
[まさかの全否定であった。
だがまぁ、要するにペルラは戻っても特に問題なかったらしい。なんだったら自分もペルラの両親もこっそり知ってるとのことだ。
ちなみに守り人というのもそれっぽい理由をつけて巫女の退職後の付き合い先とかを用意していたという裏話も聞かされるが、非常に疲れた心地であった。
だが、あの現象って結局なんだったのか。という謎は抱えたものの、まさか現代側のほうが異世界と通じる原因になっていたなど二人には知る由もないのであった。]
[そして]
準備できたか?ペルラ…
[アスルはやり残したことを遂げるために戻ってきた。そして今、それを叶える日だ。
彼は別れていた間、色んな島を巡り、そして他の島にある産物を持ち帰った。――それはゴムとそれを得るための苗木であった。]
…いくぞ。
[蒼色に銀のラインが引かれたそれ鳥のような形に上部と下部に翼が広げられた、現代で言うところの複葉機に近い形のもの。操縦席の隣にペルラを乗せ、ベルトがまかれているのをチェックする。
エンジン音が響き、前部のプロペラがゆっくりと周り、異常の動きがないのを確認すると、発着所の面々へと親指をたてて合図を送り、固定されていた翼の支えが外される。
そして発着所からゆっくり走り空へと浮き上がっていく]
…やっと…やっとできるようになったな。
[今回目指すのはペルラの故郷。高度が足りないからとすぐにはいけないといっていたあの山である。
時間さえかければ前からいくことはできたが、中心部から直でいけるようになりたい。とそう考えてしまっていた。
あれから月日が流れ形がつくられていったが、そして一番の問題となっていたのは着地の点。それを解決するのがゴムなのであった。]
[風を受け揺れる隣の月色の髪は美しく、高度をあげていった飛行機はハンドルを引くことで角度を変えて身体が真後ろに倒れるような圧を受けながら、中天まで伸びやか登り詰めていく。
この高さならば中央部から真っ直ぐにペルラの故郷へと迎えるだろう。]
はぁ…無事いけそうだが、これからペルラの両親への挨拶のほうが緊張しそうだな。
[そんな軽口を叩くような余裕はあった。それは隣に彼女がいるという精神的な余裕でもあっただろう。まだ着地が残っているけれど、自分ならやり遂げられる。
翼が雲を引くように少し機体の制動を確かめるためのテスト飛行をいくつかこなし――というのも建前にして、彼女と空を楽しみながら、ペルラの里帰りへと向かうのであった**]
……どうかしら。
元々の“わたし”は、知っていたのかもしれないけれど。
[彼女も全てを知っているわけではない。自分のことのはずなのに、まるで知らない他人のような気がするのだ。]
たぶん、いなくなろうとしたのね。“わたし”は。
——本当に、お馬鹿さん。
[伝わりそうにはない、曖昧な言葉で語る。
はじめにいた“彼女”が何をどう考えたのかは椿にはわからない。
ただ、“彼女”は“自分”を消して正しく生まれ変わろうとしたのだと思う。それに従って、片割れは正しくあろうとした。
しかし、人間の存在なんて、そう簡単に根本から変えられるものではないのだ。だから、失敗した。もう少し考えるべきだったのだ。古い書物にすでに“それは禁術とされている”と記されていた意味を。]
でも、いいの。
いまの私は、ちゃんとここにいるから。
貴方が、ここにいていいと言ってくれるから。
[そう言って、椿は楓の頬に両手を伸ばす。今では随分、おねだりが上手になった。]**
| [鼻歌混じりくらいなら聴いたことはあるが、柚樹が素面でも料理している時に謎のオリジナルソングを歌うことがあるとは知らない話だ。 >>209長編もあるとはもっと知らない話で、でもきっと、そのうち知る機会はあるんだろう。 いつか一緒に暮らすようになってからかもしれないし、ほんの数か月以内かもしれない。 料理中に歌うとして、"とらの歌"を歌う機会ってどんな時なのかとは思わないでもないが。 忘れた頃に歌いだされたりしたらやっぱり死にそうになる気がする。 終始ご機嫌な様子で微笑ましくはあったのだけど、随所で挙動不審になっていたのは酔ってるせいじゃない。 多少酔ってるのは認めるけど、素面だとしても似たような反応はしていたと思う。] (215) 2023/03/13(Mon) 22:06:02 |
[彼女の答えを聞きながら、考えた。
元々の“彼女”──その人が男か女かさえ知らないのだけれど]
自分が……嫌いだったのかな。
[『たましいから不要なものを取り除きたい』
その欲求はつまり、自己否定から生じるものだろう。誰か受け入れてくれる人がいたら、そんな考えは抱かなかったのではないか。
もっとも、その結果やっと椿が生まれたのだから、その行動を否定できはしないが。
自分の存在を許さないような自己否定は、かつて夢の中で彼女が思い悩みながら伝えてくれた言葉の内容に通じるものがあった]
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