【人】 魔術師 ラヴァンドラ「 …… だって、嫌でしょ。 傷付いたひとを見るのは … 」 >>89 彼の言葉は実際その通りで、否定する隙もない。 すこし拗ねたような顔でちいさく呟き 彼の心遣いを敢えて無視して、床に座り込んだ。 正確に言えば、見るのが嫌なのは傷付いた友人だ。 見知らぬ他人や、或いは女を敵視するような同業者なら 求められれば助けはするけれど、それだけでしかない。 ―――― それでも魔術師にしては 人当たりや対応が柔らかな部類なのだが。 (103) 2021/12/12(Sun) 15:34:13 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ「 肉食の獣人? …… そう、気性の荒いひとたちなら 確かに暴れることもあるかもね … 」 どれくらい獣の血が濃いかにも依るけれど、 それにしたって中々の暴れ方ではある。 猫に毛が生えたような類などというあからさまな詭弁には 「嘘でしょ」と切り捨てて、咎めるような視線を送った。 かといって怪我人にそれ以上の文句を言う気も起きず、 後はもう怒っています、と態度で表すしか無い。 そっぽを向き、耳を揺らし ―― 言葉に詰まって。 (104) 2021/12/12(Sun) 15:34:18 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ「 ―――― … ううん、なにも? 」 ふるふると頭を横に動かし、それ以上を断ち切った。 最初は事故だったとはいえ求めたのは女からで 見知らぬ他人に、あんなことをする理由もない。 代わりにこのままここにいることの危険性を説き、 裏街が人魚には適さぬ場所であることを紡ぐ。 せめて自分のように魔術の心得があればと思うが、 かといって魔力を使いすぎれば凍えてしまう。>>92 人魚とは斯くも脆い生き物なのか、と ―― それを識ってしまったが故に 女は過保護になってしまっているわけで。 (105) 2021/12/12(Sun) 15:34:28 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラけれど、心優しいからなどではきっとない。 本当の意味で優しいのであれば、…… ―――― 「 ふふ、……どういたしまして。 」 胸中に過った苦い思いを飲み込んで 女は床から身を起こす人魚の手を握った。 最初の時のようにひどくはないだろうけれど あまり余裕を抱いてもいられなさそうだ。 鞄に荷を詰める作業を手伝い、 冷え切った外へと足を踏み出す。 (106) 2021/12/12(Sun) 15:34:37 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ裏街には女の同業も多いから、ローブを被り直し 隣の彼にも顔を隠すことを勧めようとして ―― ばつが悪そうな顔に、きょと、と目を瞬かせた。 「 ……………… ? 離すの? 」 繋いでいた方が何かと安心出来るのだけれど、 かといって強制するようなことでもない。 彼が解きたいというのならば、 やや不安げな色を眸に乗せながらも、それに従おう。 ―― そうでもなさそうなら、手は繋いだまま。 雪が彼を冷やさないように魔術で覆い、 相も変わらずしんしんと降りしきる銀白の世界を つめたい人魚と共に歩く。 (107) 2021/12/12(Sun) 15:34:58 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ―――― 自宅 ―――― 自宅の扉を開けば彼に入るよう促し、鍵を閉める。 手を繋いでいたままならば、部屋に入れば温もりを離し 「そこ座ってて」と、机近くの椅子を指差した。 彼が出て行ってからは、椅子なんて二つも要らないから 奥に仕舞っていたのだ。 椅子をもうひとつ引っ張り出し、両手で持ち上げて 彼の隣へ並んで座れるように置きながら。 (108) 2021/12/12(Sun) 15:35:11 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ流石に昨日の今日ともなれば、 自室には友人の魔力がまだ消えずに残っているけれど ここで話す分には、勘付かれることもないだろう。 「 あったかいもの飲む……より、 先に魔力あげちゃう方が良いかな。 …… さむい? 」 幾ら室内の温度を上げたとしても、 魔力不足による影響はそれだけでは到底補えない。 心配そうに彼を見つめ、 女は指先へ魔力を込めると、彼の頬を掌で包み込んだ。* (109) 2021/12/12(Sun) 15:36:38 |
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