132 【身内RP】穏健なる提案【R18G】
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
>>水族館
見て回る途中でポスターが目に入った。
Wバックヤード見学ツアーW。
……。ここは怒られない。怒る人がいない。つまりバックヤードも入り放題。
悪いことに気付いた青年はツアーに申し込まず正々堂々関係者以外立ち入り禁止と書かれた扉を開けてあちこち不法侵入し始めた。
来場した人間を楽しむ為の空間と違い、関係者にとって必要なものを詰め込み見てくれは二の次にした場所は他のエリアよりも少し眺める時間が長かった。
「……む」
一つだけからっぽの水槽がある。
否、中身はある。紫と赤の花。清掃員の帽子と黒いエプロン。
誰かが生きて、生きようとした事の、名残。
その終わりに寄り添ったものの、名残。
それを汲み取る事のできる、最後の痕跡。
人が人らしく生きたように
思える最期のメッセージ。
梯子を作り出し、それを使って落ちないように水槽の中へ。
表に咲いた血は一度に流れ出たにしては少々不自然で、二回にわたって血を流したと考えるほうが自然だろうか。また、争った形跡らしきものも無い。まるで抵抗なんてする気がなかったように。
思いを馳せる。何があったのか、名残から組み立てていく……
……が、足りない。自分では補えそうなパーツが作れなかった。何が起きたかまでは穴だらけの推測はできても、"何を思っていたか"までは分からない。それもその筈だ。他人のことなど、今まで碌に興味を持たなかったし、今も殆どそうだから。とある一人を除いて。
>>水族館
端末でいくつか操作を済ませる。とある人が水族館を一人で徘徊した後、裁判所にも向かわず外を出歩いている形跡が発見された。
返ってこない連絡。置き去りにされた帽子。表示されない現在地。
……名残が教えてくれるものは。即ち。
「……そうか」
それだけを呟いて、更に端末を操作する。
モップ、水の入ったバケツ、それからオキシドールの入ったハンドスプレー。
清掃員が教えてくれたものをなぞるように取り出していく。
「カミクズさんは恐らく死んだのか」
最後に紙袋を取り出して、それに帽子と血のついたエプロンをしまった。
>>水族館
このまま放置してもよかった。
ただ、まだ彼が投票権を持っていた頃。立候補した際自分の事は話さないでほしいと語っていたのを思い出す。それは帰ってからの話ではあったが。
それに。
「誰かがそこに居た事を、踏み躙られないように。
それが、その人の望まない形に歪められてしまわないように。
ちゃんと…綺麗にする必要もあるんですよね」
そうも話していたから。ここに踏み躙るような者がいるか話は別だが、そう考えているのなら。歪まないうちに綺麗にしてやるべきかもしれないと判断する。
このまま放置してもよかった。
ただ、彼には世話になったから。それくらいの義理を果たしても、きっとバチは当たるまい。
水槽の中を綺麗にしていく。そこで何を起こして何を思ったか正確に知れるのは、当事者二人だけ。
>>水族館
どれくらい時間が過ぎたのか定かではないが。
暫くして水槽の中は文字通りからっぽになった。橋の上から生きていた名残も死の欠片も、何もかも無くなってしまった空間を見下ろす。
「……」
お世話になりましたくらい言うべきだっただろうか。
とはいえもう清掃員はどこにもいないのだから此処で言っても仕方がない。無意味なものだと青年は切り捨てた。
帽子やエプロンを詰めた紙袋をかさりと揺らしながら、手帳型の端末に何かを書き込む。
「水槽いっぱいの水と、それから……」
書き終えて満足したのか、それを最後に青年は水族館から立ち去った。
程なくして、からっぽだった水槽は水で満たされ始める。誰かの生きた名残は、人が人らしくいた痕跡は、水の底に沈められる。
──その場に残されたのは、生きた名残を塗りつぶしていくのは、水槽という狭い箱庭の中で泳ぐ二匹のクラゲだった。
| (t18) 2022/03/07(Mon) 15:09:19 |
残された言葉を聞かれていたら困る。だからW今W言った。
少し脚を気にしながら寮の廊下を歩く。
傍聴席から送受信した、いくつかのメッセージを読み返して。
そういえばあの人は上手くいったのかなあ、と思い出した。
呼び出したマップを眺めて、アイコンの数を指折り数えていく。…また一つ減っていた。
二つ減っていないってことは、多分、概ね計画通りできたのかな。
運良く殺せたのか、それとも、運悪く殺せたのかはわからないけど。
(感想はちょっと聞きたいかも)
(それぐらいはいいよな?)
………同じ人殺しでも、やっぱり自分と違うことを感じるんだろう。
だから難しいんだ、理解者作りって。
誰かと会う約束をする前に手を洗った。ちゃんと、教わったことを実行する。
| メイサイは、あはは。いつものように笑って、手を振った。 (t19) 2022/03/07(Mon) 19:54:13 |
| とある誰かと少しの気晴らしの時間を過ごして、その後暫く。
見慣れない水族館がいつの間にか出来ていて。 マップ上から、合議の間いなかった人のうち1名の反応がなくなっている事に気付いた。 それで、何となく色々を察してしまった。 あの人が最後、どこにいたのかももう分からないけれど。
「お疲れ様でした」
青い水族館の中を歩いていて、クラゲが2匹だけ入れられた水槽の前を通り過ぎた。 ああ。いいな。 クラゲってさ、臓器も考える脳みそもなくてちょっと羨ましいよね。 (@4) 2022/03/07(Mon) 20:16:41 |
| メイサイは、全体メッセージを見て、少し笑った。返事はしない。見学なので。 (t22) 2022/03/07(Mon) 20:17:49 |
| (t23) 2022/03/07(Mon) 20:20:17 |
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