人狼物語 三日月国


98 【身内】狂花監獄BarreNwort【R18G】

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>>チャンドラ

 戦闘態勢に移りながら、男は先輩看守を一瞥した。

「……チャンドラ様。俺は貴方の怒りを買ったと思いますが。
 今は看守として、この企てを止める事にお力添えさせていただいてもよろしいですか?」

 淡々と貴方に問いを投げるだろう。

キンウの羽がバサバサしているなあ、となった。どこかやる気満々だね?

朱の混じる黒檀を向けている。ずっと、ずっと、

羽が周囲に当たらないようバサバサをちょっと控えめにした。バサ…バサ…

キンウ……キミも素直でいい子だね、になった。羽、綺麗だね。

ルヴァ

「思想はあるが……。…………。
……もう、いいよ


最後の言葉は、消え入るような声でこぼれ落ちた。庇われるほどに距離がある貴方に聞こえただろうか。

「単純に、貴様が何を考えているのか、何故この犯行に及んだのか。それくらいだ。ただの知的好奇心。好みのものが見れないのなら、その程度だ」

触ってもいいですよとふわふわの羽を向けたかもしれない。ふわっ…バサッ…

そして、なんだかお話をしても良さそうな雰囲気を感じ取った。

ソワ……キョロ……視線を配る。
それぞれの感情を"今"は捉えない。頑張れ、とは思うが。
ただただ、この現場の在りのまま。その"事実"を捉える。

アマノがルヴァを守る、その光景を見て。それならば。

先ずは……そう、何かを作業中のルヴァ  からだ。

「人形のキミ〜〜〜! ニアから質問、い〜い?」

あ!入口付近でなんか素のまま話し始めちゃった!
好奇心を持つ傍観者は、少女の振る舞いのままに雑談のお誘いだ。

キンウの羽が実はちょっと気になっている。ふわ……

キンウに、いいの?……恐る恐る触ってみた。ふあふあだあ…… 

メサに手を振った。あなたを真似て、いつもより元気そうにぶんぶん!

ニアにふあふあされた。ふあ…

アンタレスは、イクリールの分なかったことにしない方が良かったかもしれないとほんの少し思った。
(a21) 2021/10/11(Mon) 23:39:07

触ってもよいのですよ…?と羽をそちらにもちょっと伸ばします。ふわ…

ふあふあに触れてまんぞく。ありがとう、とても良い羽だ。

キンウの羽の魅力に何とか耐えつつ状況を伺っている。

おお……よしよし……元気だね、メサ。

「仰せのままに」

 星屑が集うのを確認し、
 男は柄を握り直す。

 けれど……すぐには、その恩恵に乗らず。

「《霧よ》」

 男は再度、力を行使する。
 増幅器を兼ねた得物がなければ使えない、制御の難しい変化の一つ。

 唇を震わせたその瞬間、刀身は──その身を崩した。


  赤。 

赤。

  赤。  


 晴れ渡る青空は、澄んだ草原は、血の霧によって穢された。
 空間を侵す霧は濃く、たちまち男の姿は掻き消えることだろう。霧は維持できても7秒ほど。すぐに元の光景に戻る。けれど、それくらいの時間があれば十分だった。

 兎の魔法で決闘者は、霧に包まれた宙へ。

「──っ」

 続いて、ガラスの割れる音。
 その数五発。
 霧の中を赤い銃弾が突き進む。狙うは対峙する相手の肩、胸、腹、両足。

 ただ突っ立っているだけなら噛み付かれるだろうが、警戒して動くのならば避ける事は容易い筈だ。

【人】 中堅看守 アンタレス

>>60 ナフ

これでもそれなりにここに務めてきたわけだ。
だからこそこの監獄で貴方ほどの超人も珍しくない
はずだ


どれだけ速くとも、こちらへ向かう動きならば多少は読めなくはない。貴方がすり抜けようとした方とは逆に強く踏み込み、また距離を取るように下がり、

ある程度貴方との距離を離すことが叶うならば、すぐ様、

「...君は、踊るのは好きか?」

言葉と共にダンッ、と強くヒール音を鳴らし床に薄い氷の膜を張る。
範囲はこの辺り一角、氷のリンクが出来上がるだろう。
(69) 2021/10/11(Mon) 23:55:41
ミズガネに羽をふわふわバササ。撫でても…いいのですが…? 

静かに戦闘を見守っている

キンウの羽に、少しだけなら……ふあふあ……

あっミズガネそんな所に居たの!?

ふあふあに釣られて隠密状態が解けた。あーあ。

メサの方にも羽をふわ…と向けた。メサ様もいいのですよ。

計画通り。 なんでもありません。いっぱいふわふわしてくださいませ

【人】 中堅看守 アンタレス

>>71 ナフ

「......そうか、残念だ。」

微塵も思っていなさそうに呟いて、ライトへとぶら下がる貴方を見ている。
動きが素早い人間には、こうした場は案外煩わしいだろうと。

男はというと、当たり前だが対策として氷の上でも歩けるヒールブーツとなっている。便利だ。


因みにイクリールは勝手に避けるだろうと視線は寄越さない。
もう好きにしてくれ、私は知らない。
(76) 2021/10/12(Tue) 0:17:29
ふわふわ!もふもふ!

先程の射線は……致命傷になるように

【人】 中堅看守 アンタレス

>>78 ナフ

「...そうか。」

落ちてくる、その姿を見つめ、

「遠慮しておくよ。」

半歩下がり身を引いてから肩へと向かうそれをずらし、落下地点に向かって片方の鉤爪を振るう。
すぐ眼前ならば、それは当たるのだろうか。...当たらなくとも、頭突きを防ぐことは叶うだろうか。

それとも。

楽しげに笑う貴方に対し、男はこれっぽっちも楽しげでは無いどころか無に等しい表情をしている。
(79) 2021/10/12(Tue) 0:40:22
メサがもふついてきたのを見て、!??

アマノ

 男はその胸に何を沈めていようとも、切り離した人を殺す術を振るい続けた。
 放った弾丸の一つは、ルヴァに当たるように仕向けられていた。だから、首謀者を庇った貴方の腹を赤い花が食い破るだろう。

 同時に放たれた神の裁きを思わせる雷撃。
 模擬戦闘と同じ状況であれば、なす術なく空へ駆ける雷に焼かれ戦闘不能に追い込まれていた筈だ。放たれるまでの動作を見ただけで、男はそう確信した。ああ……やはり厄介な相手だ。

 兎の魔法に願いを託す。雷撃を避けるように、物理法則を踏み躙りながら空を滑走する。

 銃をホルスターへ。刀にカートリッジを再装填。もう一度刃を顕現させて、そのまま──

「チャンドラ様。援護を願えますか」

 月に乞い願う。自分が相手の懐に飛び込めるよう援護を求める。
 それだけを口にして、柄を握り直した。構える。間合いに入った瞬間振り抜けるように。

 ──赤の流星は、月を信じて真っ直ぐ神へと堕ちていく。

アンタレスは、イクリールの考えは読めないがろくな事は考えていないだろうなと溜息を零した。
(a29) 2021/10/12(Tue) 0:47:40

「…………、?」

これは、やっぱみんな忙しいでは?になった不死兎。
墓守から溢れる音を聞きつつ、人々の音を聞きつつ。

不死兎は耳を立てている。
言葉、戦闘音、そして……滾る鼓動、その
たちの音を。
ここ以外の音も、全て拾えるように。

耳を立て、思考を続ける。

チャンドラ アマノ

「……」

 男は何も語らない。男は何も感じない。溢れ出るのは必要最低限の呼吸音のみ。
少し前まで、戦ってる最中であっても伝えたい事はあったけれど。それは胸の底に沈んでしまった。

 ただ敵を沈黙させるための殺戮兵器にでもなったかのよう。口を引き結んで役割を全うする。

 援護を受けて、更に加速。
 踏み込んで、横薙ぎに。

【人】 中堅看守 アンタレス

>>84 ナフ

血が舞う間も、男は表情を変えない。
何も楽しくはない、...こうして貴方と戦うことも。

肌を、服を、氷を染める赤に、何かを考えるように目を細めた。

「...死ぬまではと、言っただろう。」

思惑通り握り込むことは叶う、咄嗟に能力を解除できるほどの余裕はないからだ。

左の脇腹への蹴りを防ぐために、腕を犠牲にしてもと盾にするように左腕を動かした。...貴方の蹴りならば、もしかすると骨の折れる音が鳴るのだろうか。

「...っ............、
Gelida


声を押さえるように唇を噛めば、口内がぶちりと音を立てるがそれに構う時間はない。
痛みが脳を支配する。それでも止まらない、止まれない。


握りこまれた鉤爪を解除し、可能であれば貴方の手を掴み......唱える、凍れと。強く強く、その動きを止めるために。
(91) 2021/10/12(Tue) 1:20:50
 トラヴィス
「…………、うん。忙しそう」

頷きと共に、純粋な反応、感想をひとつ。

「みんな、目標はきっと、同じなんだ。
 …………、誰も彼もが、
自分だけの答えを見つけたい


「そして、人は欲張りだ。見つけたその答えを
 …………、誰も彼もが、
他人に認めて欲しいと願うんだ


この不死兎は傍観者だ。故に。

「難しい…………、だからこそ、
 誰も彼もが
"人間らしい"
と、……兎は想うよ」

箱庭の外から見える景色。……その答えが、これだ。

歌でも歌いましょうか?とトラヴィスに視線を投げた。その間も羽はもふもふされている。モフモフ…

もふもふされているキンウを見ている。和み。

「…………、アマノ」

彼とはあまり言葉を交わした事は無い。
だが、この聡い兎は。

「目標へと辿り着く為の"過程"…………、
 その思想、考え方……何処か兎と、似ている、気がする」

知的好奇心、探求心。"知る"ことの重要性。
その価値観や捉え方が、何処か、似通っている気がするのだ。

同じ、とは言わない。今は。
だって、
何も知らないのに定義したくないから。

走る光、稲妻、其の雷を。

紅水晶が、見つめる。

アマノ

 低い姿勢からの攻撃。ああ、これは……数日前に見た覚えがある。
 "彼"も、同じように顎を狙っていた。

「……」

 地を蹴って後ろへ。上半身を後ろへ傾ける。腕を畳んで、刀で防ごうと顔の前へ。
 顎を砕かれることだけは防いだ。けれど貴方の反応速度がこちらを上回っていたならば、腕を掠めていたかもしれない。そうでなかったにせよ……雷光は、しっかりと看守に喰らい付く。

「……ッぐ、……、……ぅ」

 視界が一瞬白く塗り潰され、そこからちかちかと明滅が続く。服の下にある体が熱い。きっと褐色の肌は焼けて爛れていることだろう。

「…………見たいなら見せようとは言ったが」

 ようやく口を開く。
 それでも戦う技術が染み付いた体は動き続ける。
 後退しながらカートリッジを取り出す。銃はまだ撃てる。刀もまだ維持できる。では、それは何処へ?


「…………、ルヴァ」

彼とはあまり言葉を交わした事は無い。
故に、この聡い兎は。

「…………、あの子の本当が、今でも分からないな。
 もっと早くに、話を…………、するべきだったあ」

でも確かに感じていた。"本当が見えないな"、と。
それは、今思えば、上手く偽装を施していたからかもしれない。

かもしれない、の話を推測する事はあれど、この兎は。
本当を知ってからじゃないと、解には出来ない
から。

一人称が変わったあなたの言動とこれまでの言動を。
記憶の中で、照らし合わせてみよう。
ズレがある所が、兎の疑問が生まれる場所だ。

紅水晶が、見つめる。

「俺の内側は、明かしたら排除しなければいけない程よくないものなんだろう、アマノ。それなら、見せる必要はあるか?」


 それは言葉による攻撃でもなんでもない。ただ、思ったことを口にしただけだった。

 話しながら、カートリッジを手放す。それは血を保存する以外の役割はないから、素直に地へと真っ逆さま。
 男はそれを踏み砕いた。ブーツの下で赤が広がる。

「《杭よ》」

 足元に広がる血溜まりに命じる。その刹那、血は貴方を貫こうとする無数の杭として勢いよく伸びていくだろう。

もう答えを見つけたいと思わない。もう認めてほしいと思わない。

「ーーー」

羽を動かし、撫でられながら。
キンウはルーム内を見ている。
視界を意識する。声の届く範囲を意識する。


以前聞いた事が行動の理由ならば、彼は愛のために行動をしているのだろう。
キンウはそう考える。
キンウはーーー祈りを、捧げない。

キンウは未練にもならない想いを抱えてこの場にいる。
これが愛する故の行動であるならば、キンウもそれ故に横槍を入れるでしょう。

そこに理屈なんて必要ないと、『私』は考える。
感情に突き動かされた行動にどんな言葉が響くのでしょう?
彼には他の理由もあるのかもしれませんが……『私』はそれ以外の理由になるものが、よくわからないのです。

キンウキンウの思考を必要としていなかったから、皆が何を恐れているのか正しく認識していないのです。
無知は罪であると教えられた。
罪人に無知を授けるのは、罪と罰のどちらになるのでしょうか?

 トラヴィス
「…………、ふふ」

またそれ?とは言わない。
悪い意味では無い事を、知っている。

「痛いのは、確かに嫌だねえ…………でも、」

「痛い事をしないと解が出ない場合もある。
 …………、それが、今なんじゃないかなあ」

分からないけれど。
新たな疑問を見つける為、思考する事を止めたりはしない。

キミが眠りに就く事も、もちろん止めたりはしないよ。

【人】 中堅看守 アンタレス

>>94 ナフ

真っ当すぎるほどの思考は、これを楽しむことには向かない。

それを知っている貴方であれば、きっと楽しんでいないことはいずれ気づくのだろう。

左腕は使い物にならないというように重力のままに落とされる。急激な腫れと強い痛みに思考を失いそうになるが、自身で作った口内の痛みが幾分か引き戻すような気がした。

「...なぁ、『ナフ』。」

強く踏み込む。足元の氷が勢いよく割れる。

「君は、...楽しいか。」

手を離し、唱えた。割れた氷の礫達が、鋭く尖った針のように変化し、貴方へと向かう。頭へと降り注ぐ蹴りを避けるために、後ろへと跳躍しながらの動作だ。

作ることも消すことも可能なら、形を変えることも叶う。
人体を凍らせるならば、先のように触れることが必要だが。
(101) 2021/10/12(Tue) 1:59:30

【人】 中堅看守 アンタレス

>>102 ナフ

貴方が礫と躍る間に、男は折れた腕を確認する。
処置を施す暇もないから、ただ見るだけに留まるが。

すぐに視線を貴方へ戻し、溜息を零す暇もないなと思考して。

...問いへの答えに言葉は返さなかった。
何故なら、男は貴方の行動を避けはしなかったから。

そして、攻撃をすることもなかった。

勢いよく氷が張り巡らされた床へと押し倒される。
割れる音。そしてそれは牙を剥くように男へといくつか突き刺さる。

動かない。...貴方の瞳を、その柘榴色を見つめている。
遊びではないと知りながら、抵抗をすることも無く。
(107) 2021/10/12(Tue) 2:27:49
「…………、!」

違和感。咄嗟の防衛本能。
その不死兎、手折られた脚の傷を忘却す。

入口より後ろ、その通路へと……一瞬にして跳んで、翔けた。
一時的な退避。その部屋が見える位置に。

この身はまだ在る。

アマノ

「そうだな。気付かなかった。明かしたことがなかったから」

 杭の間から表情を削ぎ落とした男の顔が覗く。無機質な翡翠は、静かに貴方を捉え、分析を始める。半端な傷では行動不能に持ち込めないのだろう。ターコイズの光の、その意志の強さを静かに理解する。

「でも、もういいんだ」

 開幕で一本。刀の装填に一本。そして先程の杭で更に一本。血液を満たすカートリッジの予備は六本作成していたから、もう既に半分を使い切ってしまった。
 それでも出し惜しみはしない。出来る相手じゃない。

 もう一本、取り出して真上へ放る。

「思考すること自体が良くないなら、俺はそれを棄てる。

 人が人として考えるがために存在する知性を。
 人が人であるが故に抱き揺れる不安定な感情を。
 人が人であるが故に願い進むために用いる意志を。

俺が一人でいる時……と、例外一つを除いて。俺はを殺そう。もう間違いを犯さないようにしよう」

 銃を引き抜いて真上、カートリッジを撃ち抜く。
 その血に命じるのは《雨》。開幕のものと同様、針となって貴方に降り注ぐ。

 最初と違うのは、天から地にいる貴方へ注ぐ雨のほかに……真横から男の銃が立て続けに吠えていることだ。

「……ッ!」

 血の雨を降らすその直前、己の先輩の姿を見た。

「……トラヴィス様……!?」

 男の声に乱れが生じる。拳銃を握る手が横薙ぎに空を切る。
 それは力の行使の中止を命じる合図だった。

 針へと姿を変えたはずの血が、その役割を放棄する。
 文字通りの血の雨が、真下にいる男を容赦なく濡らした。

 二方向からの攻撃はルヴァによって阻まれた。
 せめてものと、思考を切り替えた男はすぐさま再び拳銃の引き金に指をかける。赤い銃弾達は真っ直ぐ男へ。

「…………、ダビー、」


男の名を呼ぶ。その不死兎の音は小さい。
あなたの意思を、選択を。歪ませたくないからだ。

キミはやっぱり素直で、律儀で、真面目な子だね。
これは今のキミを見て、改めて勝手に抱いた感想だ。
実際のキミがどうかなんて、完全に汲み取れやしないのだから。

それでもやっぱり、……どこか孤独を感じてしまうよ。

「…………、キミの努力や葛藤は、人だからこそ、生まれる物なのに……、」


なんて、こんな言葉をキミが……
望んでいるのか、望んでいないかすらも分からないんだ。

紅水晶は……箱庭の外から。見守り続ける。

【人】 中堅看守 アンタレス

>>109 >>112 >>113 ナフ/イクリール

無邪気な瞳に目を細め、その輝きがどうにも眩しくて目を閉じる。撫でるように差し入れられたそれも、その後の行動も受け入れるつもりでいた。

...けれど、それを許さないと言うように観客イクリールの声が聞こえた。

閉じた目を開きそちらに視線を向ければ、投げられたナイフがナフを上より退かせていて。

「......ようやく休めるかと、思ったんだが。」

転がったままそんなことを呟いて、溜息をひとつ。

仕方がないからと身体を起こし、立ち上がる。
突き刺さる氷を全て溶かし、今度は傷を覆うように力を使う。

「...礼は言わない、助けたつもりもないだろう。
......はぁ...分かった、やればいいんだろう。...嗚呼、面倒だ。」

給料よりも何よりも休暇が長く欲しい。

舌打ちとともに何かを唱えれば、この部屋の温度は更に下がるだろう。
鉤爪を砕き、再度床に氷を張り直した。今度はもう少し頑強に。
(117) 2021/10/12(Tue) 3:24:40
「――――――……」

言葉にできない遠吠えを発する。
戦闘の中で、対話の果てに、己の在り方を見失い。
独りはぐれた狼が、声なき声で鳴く。

ここにいるのだと。私を見つけてほしいと。
離れていてもそばに在ると知っていて、それでも求めてしまいたくなるほどの痛みに狼は鳴いた。

ああ、けれど。
こんな自分を見ないでほしいから。
どうか君は、君の役目を。

アマノ

「何故捨てるだと?」

 男は顔色を変えない。声色を変えない。
 機械人形めいた様子のまま飛び退き、迎撃の姿勢に移る。

「楽だから」

 銃が吠える。けれど紅色はターコイズと交わらない。弾丸では捕らえられないと理解して、再び銃を納めて刀を持ち直す……はずだったのだが。

 ──多分、刀でも駄目だ。

「アマノ、勘違いしているようだから教えよう。
 俺はただ、愛したいだけなんだ。ただ愛でたいだけなんだ。

 傷をつけたい訳じゃない。壊したい訳じゃない。ただ、静かに愛するものを愛したいだけだった。
 罪を犯してそちらに逃げる理由がないんだよ。少数の世界に行けば生きやすいかと思ったけど……そこでも受け入れられる訳じゃないというのは、もう学んだ」

 刀すらも鞘にしまう。所持しているだけで得物は駆動し、男の能力操作を補助しているから決して無意味では無いのだが。得意な武器の使用を放棄したのは確かだ。

 両手を空ける。拳を握って、構え直すけれど──男は貴方の一撃を、避けずに受け止めた。

「……ッ、げほッ、ゔ、ぇ…………、

 …………アマノ、もういいよ。
 もう、面倒で……疲れたんだ」

 体に打ち込まれる拳を、両腕で絡め取ろうとする。もし叶うのなら、足と足の間に自分の足を割り込ませて動きをなるべく封じようとするだろう。

>>チャンドラ

「──チャンドラ様。トラヴィス様を抑えていただいているところ恐縮ですが。
 
俺ごと、アマノを攻撃することは可能ですか?


それがダメなら……俺が血を流すくらいの傷を、俺にいただけませんか」

ダビーの言葉を部屋の外で聞いて、…………。

その諦観とよく似たものを知っている。

誰かを一瞬思い出した。

一欠片ほど思考した。ああ、少し前に俺を殺した相手は、こんな気持ちで死にたがったのかな。

 




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