人狼物語 三日月国


79 【身内】初めてを溟渤の片隅に【R18】

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[もう少し]




[ もう ]


 





   っ………


[示されたそれに、息をつめて、
 思い切りその首筋に顔を埋めて、口付けて、
 噛み付いてしまいたいのを抑える。
 少しばかり不安を帯びたようなその視線に
 返すのは、優しさを滲ませたそれのはずなのに
 隠しきれていない獰猛さが、熱が、
 瞳の奥から伝わってしまっただろう。

 ぐ、と腰を寄せる。]
 





   ………好きだよ、雨宮


[そう告げて、掬い取るように口づけを。
 優しく、遠慮がちに触れたそれ。
 腰に回していた手を解いて、
 まだ彼自身の身体を抱くその腕を取る。]


   ここじゃなくて、俺に、縋ってよ


[そういって、彼の手を己の首に回させ]


   ベッド、行っていい?


[と断りをいれて、できるならば、そのまま
 抱えるように膝下に手を差し入れ、持ち上げよう。]
 




   あ、思ったより重いかも、


[苦笑して、それでも決して落とさないように
 ベッドの方へと向かって、皺一つないそこに
 そっとその身体を下ろせばそのまま、
 己も覆い被さる。

 彼の視界が、全て満たされるように。
 額をつけて覗き込み。]


    ……


[黙って見つめた後、ゆっくりと瞼を伏せ、
 近づけていく。けして、閉じてしまわぬよう。
 さっきの口づけをもう一度思い起こさせるように
 優しく触れたあと、その下唇を食み、
 柔く噛んで、引っ張って、離した。
 じっと、見つめて。] 
 





  ───優しくできるよう、努力するな


[そう告げて微笑めば、貪るような、口づけを。]*

 
 

──────


     ホント、美味しいな……
     美鶴さんの顔を見ながら、
     飲んでるからだろうね。

[ ふっと笑って、彼も少し彼女に近づき
  体を密着させてみた。
  ガリガリではなかったので、
  程よくふんわりとしていたような気がする。
  そんなときに、聞こえた彼女の告白。

  流石に、不意打ちが過ぎたのか
  彼も少しだけ顔を赤くした。       ]







     なんや、美鶴さんから言ってもらえると…
     心があったまる感じがあるわぁ……


[ そんなことを言って、
  中身のないグラスをテーブルに置き、
  彼は彼女の唇に軽く自分のそれを重ねた。
  彼女の反応を見るために、
  何度か、瞳を交わらせてはゆっくりと。
  彼女が嫌がらなければ、
  彼女のグラスをテーブルに置いて
  もっと体を密着させようとした。    ]*







    潤さんと一緒だからですね!
    同じこと考えてたの嬉しいなあ……


[ 程よくアルコールが回って
  酔っ払いというほどじゃないけど、
  なんとなくいい気分で。
  密着すれば温かい気持ちになる。 ]

  



    ……?潤さん顔赤い…
    あ、もう酔っちゃったんですかー?


[ 嬉しそうにしてる潤さんを見てると
  私まで嬉しくなって、
  でも、顔が赤くなっている理由まで分からなくて
  酔ったのかな?なんて。
  
  呑気に聞いていると軽く唇が重ねられて
  一瞬、潤さんと目が合う。 
  恥ずかしくてぎゅうっと目を閉じて
  それを受け入れていた。

  空になったグラスはいつの間にか
  潤さんがテーブルに置いてくれた。 ]

  


[ くっつくのは好きだから
  潤さんの意図が分かれば、彼の膝に乗って
  抱きついた。重くないかな、
  と一瞬心配したけれど、彼はどう思ったのかな。 ]


    特等席、ですね……?

 *
 


[ 幼な子をあやすような、とん、とん、と
優しい刺激が一定のリズムで背中に続く。

万が一、伸ばした手を拒絶された時の
恐怖にびびって、
心を守るための防御壁が欲しくて、

彼に選ばせようとした。
気持ちなんて、とっくに決まってて、
惚れてるって自覚したときから、



そうだよ、己はこんなにも臆病で。
 ]
 


[ だから、ほんとはぜんぶ、
実はお前の思惑通りで、

己が自分で選び取るように、
言い訳出来ないように、
後戻りする逃げ道を作らないように、

そう、仕向けたって言うなら。
その胸の内が、聞けたなら。

俺は、心の底から笑って、
礼を言うんだ。 ]

 


[ だいてくれ、と、
無音の声は、届いたみたいで
矢川が息を詰めたのがわかった。
おずおずと窺い見た己が捉えた彼の瞳は、
いつもと変わらない優しさを湛えているように
思えたけれど。 ]


   ─── ……、


[ 見逃すわけない。
そこにぎらりと一瞬、走った熱の塊を。
獲物を狩る、獣の如き鋭い眼光を。]
 


[ ぐ、と寄せられる腰。
聞こえるんじゃないかと思うほど激しく打つ鼓動。
頭と顔と、下腹部は焼けるみたいに熱くて、
手足の末端は冷たくて。


嗚呼、喰われる。


─── や、違う。



[ 好きだよ、と告げてくれる唇がまた、触れる。
掬い上げるように優しく遠慮がちな口付けに、
ほんの少し、笑んだ。 ]
 


[ 肩に爪を立てていた腕がゆるり解かれて、
導かれた先は彼の首。]


   聞かなくていい、って……


[ 母親が整えてくれたベッドに、多少の罪悪感を
感じながら答えれば、ふわと浮く己の身体。]


   ッ、う、おい、待っ───


[ 所謂お姫様抱っこ、で抱え上げられて焦って、
抵抗しようとしたけれど。
長い腕。
あたたかい胸。
一層強くなる彼の匂いに、くらりと脳が揺れた。]
 



   ……当たり前だよ、誰と比べてんの。


[ 思ったより重い、と苦笑する声に。
恥ずかしいやらいたたまれないやらで、
胸元に埋めた頭をぐりぐりと押し付けた。

広くもない部屋、長い足でほんの数歩。
なんの衝撃もなく、大切なものを扱うような手つきで
ベッドに下される。
覆い被さる彼の額が、己のそれと合わさって。
視界の全てが、矢川で埋まる。
逸らすこともできない。 ]


   …… 、ん、ッう、───


[ 下唇が食まれて、歯が立てられて、
びく、と背中が僅かに跳ねた。 ]
 


[ 優しくする、と微笑みのあと、
貪るような口付けが降る。
いつも穏やかな彼の、どこにこんな情熱が
隠れていたのだろうかと思うほど、

熱くて、激しくて、堪らない。
息ができなくて、頭がくらくらする。

求められるまま、舌を絡めて、なぞって、
吸って、口内を愛でて。]
 


[ 自由が利く手を動かして、彼の髪から
耳、頬、首筋と、縋るように撫で下ろしていく。

数ミリの布でさえ焦ったくて邪魔で
脱がそうとするけれど、
片手だから上手くいくだろうか。

口内を弄る舌に嬲られて、
吐息混じりの声と、飲み込めない唾液を溢れさせながら
肩、背中、脇腹と熱っぽく触れて、

拒まれないなら、その下。

布地越しの熱に触れたくて手を伸ばす。 ]
 



[なんだって、聞きたくなってしまう。
 いちいちの反応が愛おしくて。
 もっと、自覚して欲しくて。
 触れているのは俺で、これから、もっと深く、
 互いを愛し合うってことを。

 皺一つないベッドはきっと、彼の母が
 カレーを置いていったと同時に洗濯して、
 綺麗に整えたのだろうとわかっている。
 それを、今から彼を抱いて、汚す。
 背徳感と罪悪感があって
 それでいて、どうしようもなく興奮した。]


   ───想像の中の雨宮かな?


[誰と、なんて憎まれ口に、当たり前のように
 こたえれば、くすくす笑った。
 生憎、こんな状況でのお姫様抱っこで、
 比べる人などいないし、比べようもない。
 優しくする、と言ったのに、結局こんなふうに
 貪ってしまうのは、緩急をつけなければ
 往なせないような気がしたから。]

 


[呼吸すらすべて飲み込むくらい、深く口付けたら
 彼の手が髪に触れる。そのまま身体を滑り落ちて
 行くのがくすぐったくて、心地よくて。
 そのまま、ベルトのバックルへとかかるのが
 わかる。触れられればぴく、と反応した。
 薄く開いた瞼。まつ毛の隙間から覗けば、
 ふ、と鼻から息を吐いて、わざと音を立てて
 ぢゅ、と吸って離す。]



   ──脱がしてくれんの…?


[落とした声は、自分が思っていたよりずっと
 湿って、熱っぽかった。
 問いかけに、返ってくる言葉に、
 こくりと喉を鳴らして唾を飲む。
 ぐぐ、と猛りに血液が集まるのがわかる。
 熱い。下腹部から痺れるみたいに、脳が揺れる。]

 




   っ…煽んな、


[ふーっと吐いて、溢れてしまいそうになる欲を
 なんとか止めて、額に触れるだけの口づけを。]


   まじで、優しくできなくなるから。

   …はじめてだからさ、優しくしたいんだって。
   

[な?と諭すように首を傾げて、
 彼の手を潰してしまわぬよう、腰を上げたまま、
 背を丸めてその首筋に唇を落とす。
 ふう、と吐いた息がそこにかかれば、
 ぺろりと舐めて、軽く噛む。
 喉仏が上下するのが見えれば、そこも舐めて。]

 



[片手でシャツをはだけさせてしまおうと、
 数個外れたボタンの続きを解いていく。
 彼の手が雄に触れるたびに、硬さも、
 衝動も増していく。

 ぐ、とおもわずその手に擦るように腰を動かした。]


    っ……ふ、



[眉根が寄る。だめだ、落ち着け。
 すっかり晒された肌に、一度身体を起こせば、
 見下ろして、息を吐く。
 白くて綺麗な肌に、シャツの隙間から、
 いまだ、生々しく残る傷跡が見える。]
 





   ………さわっていい?



[己の雄にかけられたままの彼の右手を
 そっととって、合わせて絡め、
 シーツに縫いとめて仕舞えば、
 じっと見つめて。

 許可が降りるならば、その肩にかかったままの
 布をそっと、差し込んだ手のひらで
 取っ払ってしまおう。

 目の前にある、彼の過去。
 それをじっと見つめて、彼が何か言う前に、
 優しく、唇を落とした。]*

 


   ばっ、───


[ ぎらついた欲を見せたかと思えば、
くすくす笑って聞いたこっちが
恥ずかしくなるようなことを言う。

何言ってんだ、と呻りながら、
完全に顔が赤に染まっていくのが止められない。
貧相な身体だと思われていたようなら
おあいにくさま、とでも嗤ってやりたいところ
だけれど、どうにも耳の端まで熱いので
さあ格好がつくかどうか。 ]
 


[ 昔からやることに追われるとどうしても
食事は疎かになるタチだし
痛みを抑える薬の量が増えれば食欲はなくなるし、
そもそも一人暮らしで料理はめんどくさい。
痩せたかと問われればきっとそうなのだ。

それでもどうにかちょっとでも身体を鍛えているのは
現実的にピアノを弾く体力は必要だから、
という理由ももちろんあるけれど。

隣に居る彼の、嫌味なほど整った、
むかつくそのスタイルに。
並べはしなくても見劣りしたくないという、
男のメンツとプライド。

ともあれそれを行っているのが
人気のジムではなくて病院のリハビリ室、
というのがいまいちしまらないところではある。]
 


[ そこに居ることを確かめるように、
身体の線を伝い撫で下ろした己の手が、
ベルトのバックルに触れた。

カチャ、と鳴る金属音に震えるほどの興奮を覚える。
ぢゅ、と淫らな水音とともに離れた唇から
落ちてきた矢川の声は熱を含んでしっとりと湿って、
ぞくぞくするほどえろいなと思った。 ]


   ……ん、脱がしてぇ、けど、
   片手だと、焦ったい、な───


[ かくいう己も、自分の声とは思えないような
甘えた声が出てしまう。
なんつー声、と自分で照れた顔を隠すために
こくりと唾を飲み込んで動く彼の喉を、
噛み付くように唇で食んだ。
どうにかバックルを緩めることに成功したなら、
そっと触れた手の下。
増した質量が感じられて、に、と自然に
口角が上がってしまう。 ]
 



   煽って、ねぇ……


[ 思いがけず焦ったような声と、
ふー、と大きく吐き出す息。
優しい、声。
欲を抑えこもうとしているのがわかる。
ああ、この顔、好きだな、と思って。

な、と傾げた首に、ふいと顔を背けた。 ]


   優しく、されんのは、
   ……いろいろ、恥ずいんだよ、
   察しろ……つかとりあえず電気……
 


[ のしかかることをしないで、空間を保ったままの
彼の気遣いが苦しいほど愛しい。
初心な乙女みたいなセリフを己が口にする日が
まさかくるとは、と内心呻きながら
電気を消してくれるよう頼んだけれど、
聞いてもらえただろうか。

……ダメな気はする、だって、
聴こえているはずなのに彼がすることといえば
首筋に唇をおとして、歯が立てたりするのだから。]


   ───ッ ンっ……


[ 今己がしたことを返されて、喉仏も舐められて、
下顎が震えた。

声が漏れる。 ]
 


[ 長い指が、シャツのボタンにかかる。
覚悟は決めているし、信じてもいるけれど、
体には力が入ってしまう。

緩んだベルトの隙間に手を差し入れて、
下着の上から猛りに触れた。
擦り付けるように腰が動く。
その動きに合わせるように、根元から
柔らかく握り先端に向かって擦り上げれば、
矢川の吐息が漏れて耳に届く。
脳が痺れる。

もっと、と思うのに。
身体を起こした彼が、右手を絡め取ってしまう。
熱に浮かされた顔で不服そうに見上げれば、
じっと見つめ返されて。 ]
 

 




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