205 【身内】いちごの国の三月うさぎ
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[その隙きを盗むみたいに、唇を塞がれた。
キスをねだったのは俺、だけど。
性急にも感じたそれに呼吸を奪われる。
指先に感じた猛りに刺激を与える暇も与えられずに、
首を傾けて、枕に沈んで。]
……ン、ぅッ ……
ふ
[声も吐息も攫うようなキス。
絡めあった舌先からも、下肢からも淫らな音がして。
――過敏になった耳を犯されて、もう。]
[解放された唇からあまくて、せつない、溜息が溢れる。
余韻が酷くて、彼の言葉も聞こえはするのに、
頭で理解するのに、少しの秒をもらった。
見たかったのか、と唇を噛む反面、
男ならそうだよな、と同意する自身も居て、
複雑な気持ちを覚えながら肩で息をしていたら、
もう一度、やわい唇が触れる。]
…………ばか、
……、景斗さんも、見せてくれるなら。
[俺の機嫌の取り方を知っている。
だから、照れ隠しにそんな悪態をつきつつも、
こちらからもおねだりを。
水膜を超えて散らした涙を払われたなら、
ふ、とようやく笑みを零して、何度でもキスを交わそう。*]
[ 上り詰めていく快楽に耐えるような表情と
押し殺す事も出来なくなってきたのか、
漏れる声が、こちらの衝動も追い立てていく。
だめと言われ、いいよと返す。
駄目じゃなさそうだね、と言葉で返すのは
意地悪に見えるような気がして、微笑むだけに
留めたのは正解だったと思う。
もっと、そう言えない代わりに、
体のほうが素直に、それを伝えてくれたものだから。
今にも吐精しそうに張り詰めた場所を握られて、
快楽と、羞恥とで溢れてきた涙で、
瞳を濡らしながら、見上げる表情。
その表情のまま、己の熱に触れようと
下半身に手を伸ばして来られると、
それだけで、喜ぶみたいにひく、と
反応してしまう熱が、恨めしい。まだもう少し
大人しくしておいて欲しかった。* ]
[ 顔を離すと、まだ余韻が辛いのか
吐精後特有の気怠いため息が漏れ、
とろりとしたまま、呼吸を整えていたか。 ]
夢中になっちゃって、ごめん
[ 見下ろしながら体を起こし、枕元のウェットティッシュ
を引き寄せ抜き取ると、掌に収まり切らずに
溢れた白濁と、ローションを優しく拭き取った。 ]
見たいの?いいよ
[ 可愛らしいおねだりに応えるようにキスをしてから
一度体を起こして。 ]
[ ちょっとした、興味本位であったことは否めない。
君以外の他人ならば死んでも御免被りたいが
好奇心に勝てず、といったところ。
手首からとろ、と伝ってくる液体に舌を這わせ
僅かな量を口に入れた。
ローションと混ざり、味まではよくわからないし
極少量ではあるが、興奮材料としては、
大きく効果を発揮したと言えるだろう。
それを目の前で見せられる相手が
どう思うかまでは、あまり考えていない。
残りはローションごとウェットティッシュで
拭き取って既にジッパーが降ろされて
引っかかるだけになっているジーンズを
立ち上がって、引き下ろした。* ]
[夢中になるくらい溺れてくれたのかと思えば、
じわりと頬に朱が滲んでいく。
嬉しくて、擽ったくて、恥ずかしい。
忙しない心の動きを悟られぬように。]
……平気。
[少しだけ強がるみたいにそう応えて。
事後処理を済ませようとする動きに、
こちらもずり上がるように、肘を立てて、
少し身を起こすように距離を取る。
見たいという要望にさらりと返されたら、
まるで恥ずかしがっていたこちらが馬鹿みたいに。
"視られる仕事"をしているから、というのも
あるかもしれないけれど、そんな抵抗なく言われたら。
ほんの少し、また、余裕の差を感じてしまって、
悔しいような。気も、ちょっと。]
[ウェットテュッシュで拭い取られていく、
自分の欲の名残を横目に見ていれば。
拭いきれない溢れを、不意に彼が舌で追いかけて、
舐め取って、口に運ぶから。]
……
ちょ
、っ
[ぶわ、と花開くみたい熱が顔に集まって。
慌てて制止するように声を発した。
多分、美味しいものではない。欲の塊。
口に入れてしまった後じゃ、
今更止めるのも遅いかもしれないけれど。
手首の浮いた血管に這う白濁を舐めあげる仕草に、
また煽られるみたいに熱が、灯る。]
……あぁ、……もう、
[くしゃりと自分の前髪を崩して照れを隠して。
参ったというみたいに弱く、頭を振る。
心を掻き乱される。
所作の一つ一つに。
ぱさりと布がまた落ちる音して。
彼の下半身も顕になれば、上半身よりも広く
赤く、斑に散った火傷の痕がはっきりと目に飛び込む。
照明は点けたまま。
ライトに照らされた赤い瑕痕。
真っ更な肌が綺麗というならば、
それはとても、同じ言葉を使えないかもしれないけれど。]
[小さく、息を呑んで。押し黙る。
――――そうして。
そっと、彼の身体に手を伸ばした。
トン、と彼の肩を押しやって、枕側と反対側に押して。
彼がシーツに尻もちをついたなら。
自身も身体を起こして、彼の膝の上に跨るように
身を乗り上げて、股で彼の腰を挟み込む。
乗り上げた分だけ、高くなる視線。
情欲に濡れた瞳で見下ろして。]
景斗さんが、まだ、イってない
[そうして、まだ硬く勃ち上がったままの
彼のものに再び、触れる。]
[一度達しただけじゃ、足りない。
もっと、感じたい。
感じてるところを、見たい。
彼より少し短い指で彼自身を握り込んで、
上下に擦りあげながら、熱の籠もった息を吐き出す。
腰を近づけた分、手を動かしている部分の近くで。
萎んだ自身のものが濡れたまま、息づいていて。]
…… 、ッ
[ず、と腰を更に一歩詰めるように距離を詰め、
膨張している彼のモノと自身のモノを直接触れ合わせ
直接、あなたの熱を感じようと。*]
[ 君の好きなところの一つに、
二人ときだけ見せる顔、がある。
さてこれはどちらなのか。
恥ずかしがり屋の恋人は、
表情や声を隠そうとするきらいがあるから。
平気、と言いながら身を起こした君が
ぶわ、と赤に染まるのを見て、
またぞく、と下肢が騒ぐ。
見られる仕事をしていた、それは
そう、だけどこの瞬間浮かべた表情は
職業病由縁のものであるはずもない。
慌てる声の主へ、流し目ひとつ。
くつくつと笑って、ベッドサイドの
冷蔵庫から、ミネラルウォーターを二つつかみ取り
一本をチェストの上に、一本は封を切り
口に含んだ、味はともかく喉に張り付く
粘液を流し込むために。 ]
[ 封を切った方も、チェストに置いて
服を脱いだ後、小さく息を呑むのが聞こえた
何を思っているかは、分からないが
少なくとも、青褪めて引いていくような
声色でなければ、それいい。 ]
――おっと、
[ 伸ばされた手に肩を押されて、
シーツに体が沈んでいく。
おや?と思ったときには、
君に見下されていただろう。 ]
……うわ、 なんて目で見てるの
出ちゃうかとおもった。
[ 情欲の籠もった視線が体に刺さるだけでも
興奮するのに、まだ、とか言いながら
触れるから ]
俺のことも駄目にしてくれるんでしょ?
君に触られたら、すぐ駄目になっちゃうよ
見てて、
[ 僅かな年の差があったところで、
ぶってるだけで、余裕なんてないんだ。
好きな人が、自分を悦ばせようとして
触ってくれるのだから、 ]
………ん、 きもちい、
[ 自分より少し短い、彼の手が
熱の塊を握り込んで、擦りながら
欲情しているみたいな目でこちらを見ている。
繊細な料理を作るその器用な手で、
与えられる快楽に、打ち震えてしまいそうで ]
俺の触りながら、興奮しちゃった?
すっごい、エロい……
ぁ、いい、……このままして、
[ 距離を詰めれば、僅かに触れ合う熱。
僅かに上体を起こし、短く息を吐きながら
触れ合う熱に片手を伸ばし ]
っ、……ん、 ぁ
[ 没頭するように、熱の籠もった息を、
声を、吐き出した。* ]
[ついぞ出た声に返された反応は、
やはり、余裕の残る視線を流されるだけに見えたから。
熱くなった頬を掌で覆うみたいにして顔を背けた。
飲むな、とは言わないけれど。
さすがに動揺は隠せなかったから。
愛液と確かに同じようなものかもしれないけれど。
自身の身体から吐き出したものを、含まれるのは。
あの日、心臓を食べられると思った、
デザートを口運んでいた時の感覚と少し似ている。
口を漱ぐのを横目に、少しホッとしたのは。
自身のものを残したままの彼と、
もう一度キスするのは、少し躊躇いがあったから。
それは、心の内だけ閉まっておくことにして。
]
[肩を押して、乗り上がった膝の上。
唐突にそんなことをすれば、驚かせてしまったかも。
体制を崩した彼が、意表を突かれた声を落とす。
いつもとは違う視線の角度。
見上げていた表情が、今は見下ろす位置にある。
情欲に濡れた瞳は透けていたらしい。
指摘する声に、薄く笑みを浮かべて。]
そんな顔させたのは、景斗さん、でしょう?
[長い前髪の上から額と、こめかみに、
ちゅ。と音を立てて、キスを贈る。
ベッドに入る前の言葉を引き合いに出されて、笑い。
見てて、と言われたなら手元に視線を落とした。]
[達したばかりでも、感情が昂ぶっているからか。
再び、擡げ始めている自身のモノ。
それ以上に張り詰めている彼の熱。]
……ン、
[彼の先端から溢れた汁気と自身で出したものと、
ローションの名残を借りて、くちゅりと音を立てる。
最も敏感になっている箇所を、重ね合われば。
また、気持ち良さに身体が小さく震えて、
その先の高揚感に、唇から熱を解けさせる。]
[感じている声を聞けば、握り込んだ手の動きを
少し早めようと、動きを変える。
二人分じゃ手が届ききれなくて、殆ど彼のモノばかり
擦り上げながら、足りない分は自ら。
腰を擦り付けるみたいに揺らして、快楽を得ていく。
は、と籠もった息を吐き出しながら、
煽るような声が、意地悪く囁くから。
それだけで、ぞく、と震えが走って。]
……ン、 ……興奮、した
………… ぁッ、
[従順に瞳を伏せて、こくんと小さく首を縦に揺らす。
こんな性に貪欲な自身が居たなんて、初めて知った。
支えのない腰が、手の動きとタイミングがズレて。
ずるんと、擦れ合う昂りから外れたら、
もう一度、繋ぎ合わせるみたいに腰を押し付けて。]
[高め合っていく気持ち悦さに酔い痴れていく。
このまま、という声に浅く頷いて。
手を緩めないまま。
自身の再び勃ち上がったモノと、彼のモノを
自身の手の上から彼の手が覆い被さって、
もっと、と煽られるみたいに手が往復する。
足りなかった箇所を、埋められるみたいに。
満たされたら、堪えきれずに、あえかな声を洩らして。]
ぅ…… ン、ッ……
[我慢出来ないみたいに額に額を擦り合せ、
くしゃりと重なった前髪が交わって、乱れる。
間近で響く色香のある声に、つられるみたいに。
我慢していた声が、喉元から突いていく。
段々と、快楽しか追えなくなっていく。
自身の姿態がどう映るかも余裕がないぐらい。*]
そうなの?
なら、嬉しいね
[ 押し倒される想定は、あまりして
いなかったから。素直に驚いた表情へ
贈られたキスを、擽ったいような気持ちで
受け取った。
見てて、と言えば視線はそこに、
固定されただろうか。
もう少し、その瞳で見ていて欲しい、
けれど。
待ちきれないとばかり、先走りに濡れる
そこは、触れ合う熱に酔い切っているようで。 ]
[ 擦り上げられるたびに、短く息を詰めて。
素直に、興奮した、と告げられたら、
ぎゅ、と眉間に皺を寄せて、 ]
俺も、
……うっ、……
[ 支えのない腰が、一度ずるりと
離れると、上体を起こして、
腰に手を回した。
先程よりも素直に漏れる声に、
抑えきれない興奮がそろそろ限界だと
音をあげて、 ]
も、……
イく……、 ん、ァ………
[ 微笑む余裕すらないまま、
熱を押し付けるようにして、吐精した。
びゅく、と吐き出すたびに、
切なげに眉根を寄せて、体を大きく
揺らしながら。
それでも、離れないでと言いたげに
腰に回した手はそのままにしていたから
振動は君にも伝わったことだろう。
同時、でなければ吐精後の緩んだ顔のまま
勢い良く飛び散った白濁を塗り付けるように
君の、を握り込んで、 ]
| [ 小声での囁き >>18には、微笑みで返しておいた。 自分たちの場合は普通の声量でも、構わない筈なのだが 声量を落とされることで余計に、色んな意味を 含む気がするのだが? わかりやすく動揺を悟らせはしないけれど、 一瞬ピタ、と動きが止まったのは否めない。 一緒に?いいけど絶対君ただではすまないけど いいの? ポーカーフェイスの裏でそのようなことを 考えているなど、二人には伝わるまい。 伝わってたまるか、なんぼ友人でも そういった生々しい話はしないに限る。 ――と、言うのに君は、しれっと、 手を重ねてくるのだから、 長い長い長いため息も出る、というものだ。 ] (22) 2023/03/22(Wed) 23:58:20 |
| パイナップル?それはまた不思議な。 摘み取りにあるのかな、白いいちご。
[ いつだか高級品だと聞いたことがあるような。 ――尤も品種にもよれば、価値にもよるのだろうし あるのかもしれない。
どれを摘もうか探している君の後ろ姿に ふわふわと花が咲いているような、幻覚が見える。
くらいには、楽しそうで良かった。
この時はまだ、年末年始のことについて 決めかねていたものだから、 合鍵を渡し、好きなときに部屋に来るように なったとしても、ゆっくり時間が取れることは あまりなく。 ] (23) 2023/03/22(Wed) 23:58:41 |
| [ ――それを考慮外にしたとしても、 デートスポットは限られているという事もあり、
だからこそ、神田くんには感謝したいと 思ってる。
便乗じゃなくても気軽に、 ただ、愛し合う、他人達と同じ目で 見てもらえる世界に、早く来て欲しい。 ] (24) 2023/03/22(Wed) 23:59:00 |
| 大きくて、甘いのだよね。 あれ?大きくないのもあるんだっけか [ 楽しげな君が、形の綺麗な苺を摘み取り ] え?いいの? [ どうぞ >>21と差し出してくる。 苺好きなのに、最初の一粒、くれるの と躊躇っていると、それは口元まで運ばれて 来てしまったので、あ、と口を開けて 苺を迎え入れた。 ] こんなに甘いの、苺のイメージ 変わっちゃうな。 [ 鼻から香りが抜けていく頃には、 俺もすっかり、苺好きになって居ただろうな。* ] (25) 2023/03/22(Wed) 23:59:19 |
[そうなの、なんて。本当に気づいていなかったのか。
自覚のなさに思わず、口が開いてしまった。
一人ならこんなに感じたりもしない。
単調な動きで溜まったものを吐き出して終わらせるだけ。
躊躇っていた羞恥を殺してまで見られる事も、
許してしまうのは貴方だからと気づいて欲しい。
……それには、こちらの言葉の足りなさもあるけれど。
割りと態度には出しているつもりなのに。
まだ片思いを続けているような素振りすら、
未だに見せたりもするものだから。
近いうちに彼の考えを改める必要がありそうだ、と
心内でひっそりと画策するのは、彼には秘密の話。
]
[素直に伝えた告白に、合わせるように彼からも一言。
息を詰める様子が、彼の余裕のなさを伝える。
淫らに揺らした腰が、滑ったら。
引き止めるみたいに腕が腰に回って。
大きな掌が脇腹を捕まえるから、
近づいた分だけ動きに制限も掛かってもどかしい。]
……ン、 出して
[限界を訴える声に、裏筋をなぞリあげる。
先端をぐり、と指の腹で押して煽り立てれば。
彼も俺を煽るみたいに、手の動きが早くなる。]
ッ、 ふ、……ぅッ、
[煽るつもりが煽られて、熱に侵されて。
どくどくとまた熱が中心に集まっていく。]
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