153 『Override Syndrome』
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[ 声が聞こえた気がした。
ざざ、と、ひらがなの羅列。
自分のことを呼ばれた感覚はない。
本から視線を上げてぼんやりと周りを
見渡すけれど、そこには誰もいないから
それでようやく気づく。 ]
ささおかさん、……ああ、おれか。
─── はい、すみません。
[ なんだか今日はネクタイの結び方が
わからなくて、ノーネクタイ。
シャツにパンツ、ジャケットは手に持って
ゆっくり立ち上がる。
ウエスト部に緩く余裕がある。
今更気付いてベルトの部分に手をやった。 ]
[ 開いた扉に向かう。
背筋は伸ばして、整えた穏やかな笑みで、
真っ直ぐに足を運んでいるつもりだけれど
診察室までの数歩がやや遠い。
床がぐにゃりと歪んでいるような錯覚に
二、三度足を止めながら、
迎え入れてくれる医師の前に立つ。 ]
こんにちは。
[ あくまでにこやかに、声音も穏やかに
軽く頭を下げれば、医師の顔を見られただろうか。
ぼんやりと靄がかかる頭の中、
ちかちかと何かが瞬くのがわかる。 ]
だめだ。
おもいだしては、いけない。
─── やめて、しらない。
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