人狼物語 三日月国


75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


 ポルクス
「そうか、なら上がらせてもら、」

 言葉の途中でも引かれるままに、抵抗もせず
 あなたの腕の中に収まった。

 彼らから向けられていた執着も愛も知っていた。
 もちろん狂気だって理解はしていたけれど、
 そこから離れることはあまり想像できなくて。

 ……長くともにいたからこそ、
 彼の様子が違うことも分かってしまうから、
 そっと抱き締め返して背をとんとんと優しく叩いた。

「……いなくなったのか、カストルは」

メモを貼った。

これでいいと自分に言い聞かせた。

キノコを食べている。

おいしく食べた。

"復讐"を始めた。

『宿題』を守れなかったことになるのだろうか?

中庭にやってきた。

シェルタンは『そうでなくなった』らしいが、
依然としていない者はいる。
まあ、私もそうなのだが。

個々人の事情なんて、わからない。
でも、動かなければ人を救えない。

だから、とりあえず中庭に来た。
昨日はここに人が集まったから。
表の担当がシェルタンならば、
私の担当はこちらだろう。

笛を吹くような風流な真似はできないので、
とりあえず食べられそうな草を物色していた。

みんなを支えられたらそれでいいと思おうとしている。

水底に手を伸ばす。

「………」

無意識のうちに、シェルタンの部屋の前に足を運んでいた。
今の自分が会っていいものなのかも、分からないけれど。

メレフは、扉をノックした。

鮮血を浴びた。深夜の話だ。

 中庭 スピカ

「……ごきげんよう、スピカ。
 今日も会えてうれしいわ。」

イクリールは、今日も変わらず中庭に居る。
まだ部屋から出てはいけないと言われてはいるけれど、
大人達だって四六時中イクリールに掛かり切りとはいかない。

『イクリールは、大人達のお気に入りだ』

そんな噂が流れるのは、何も今に始まった事ではない。
そして、単なる噂と断言する事もできはしない。
だって、イクリールは現に大人達ととても仲が良くて、
そして何より、その噂はそもそもの話
イクリールから、子ども達を遠ざける為のものだ。

それでも、イクリールにはそんな事は関係無い。
恐れるものなど、やはり無い。
野草を物色するスピカを見て、少し困ったように笑うだけ。

シェルタン
「…よお」

お節介野郎、とは続かなかった。
顔色の悪い少年がドアの外に立っている。

いない。

多くの感情、と多くの罪悪感。
目の前を塗りつぶされそうな感覚に襲われた。

スピカの行いに報いたい。

君しかいないんだよ。

部屋には散乱した文章、いくつかの本、お菓子、お茶。
大きな兎のぬいぐるみ。
纏めかけられている、荷物。


「に、にいさんがいなく、なるわけ……
  か!鏡、鏡の中
にとじこ
……そ、それ
で……


……待って、
ルヘナ
どうして



「どうして、僕を呼んで、
今の
カストル
を、僕だって思ったの?


「どうして
カストル
じゃないって


治ってしまった双子は、優しく聡明で、無論ポルクスだってそうである。
気弱な分、細やかに所に勘付き、勉学では兄より少し優れていて。集中力もあり、やさしく。多くを重んじるっことができた。

張り巡らされた狂気が目減りしている以上、盾としては使えないが……

ルヘナとカストルと、ルヴァは(?)別だ。


「ごめん、ごめんなさい」

めそめそしながらもルヘナを片手にお茶を入れようとする。間違いなく手遅れだった。

取り合えずベッドの上に座らせて、お茶を飲む。

何から、どれが。何の話を。
僕から何が、聞きたい?

友達が少ない。

赤ずきんは、セキレイが来る頃にはあの部屋にいませんでした。

 知ってるよ。

「何年の付き合いがあると思ってるんだ、それくらいわかる。
 お前だって俺のこと、少しくらいは分かっているんだろ?」

 ずっと彼ら『二人分』の狂気を受け取っていたのだ、
 明らかに目減りしたそれに気付かない訳もない。
 
……それはきっと、自分だけではないだろうけど。


 謝られる間も片手に確保されているため
 お茶を入れる手伝いができない。
 とはいえこれもある種いつものことではあった。
 三人でお茶会をする時はいつも、二人が用意してくれていて、
 自分が用意したのはテーブル上を片付けるくらいだったから。

 ベッドの上、彼を見上げながらお茶を一口飲む。

「……正直、つい最近までお前達がどうして
 『そうだった』のかを俺自身忘れていたからな。
 お前の口から聞きたいよ、お前の……
事件も、悪性も。

 それ以外でもいい、お前が話したいことならなんでも」

自分の本音から逃げ出した。


「こんにちは、イクリールさん」

まあ、実際のお目当てはイクリールだった。
スピカから見て、もっともわからない子、
それがイクリール。

「ねえ、私ずっと疑問だったの。
 こうなった子って、多かれ少なかれ変わるものじゃない?
 私だって、多少は変わってると思う。
 だけど、あなたは変わらない」

「他人からの扱いなんて関係ないかのように振る舞うし、
 今日もこうして、まるで『いる』ように、ここにいる」

「みんな救いたい、なんていうけど、
 あなたに関してはとっかかりも、問題も掴めない」

これは詰問とか、そういう意図はないんだけど、
と前置きして。

「ねえ、あなた、一体何を抱えてるの?」

 スピカ

「なんだと思う?」

その疑問の向けられた先が自分だった事に、
ほんの一瞬だけ、イクリールは瞠目した。
てっきり、スピカは手を差し伸べるべき『誰か』を
探しに来たものだと、そう思っていたから。
けれどそれも一瞬の事で、
その後にはいつものように穏やかな笑みを浮かべていた。

「ここに居る子は……ギムナジウムに居るわたしたちは。
 かならずしも『何か』を抱えていなければならないのかしら?
 それは、全てが全て、解決しなければならないもの?
 わたしたちの中に、けっしてあってはいけないものかしら」

ねえ、スピカ。
イクリールは、問いに問いを返す事を恐れない。
だって、自分が答えた分、相手だって答えても良いはずだ。

「わたしは……なにも、ではないけれど。
 それでも、みんなと比べたらずっと。
 悩みごとは、少ないはずよ。不便なことだって、一つも。
 だから、みんなのことを気にかけてあげたいの
 『せんせい』も、きっとそれを望んでいるわ。」

それでもまだわからないことがあるのなら、
これからもっと知っていけばいいわ。
そう言って、イクリールはもう一度、スピカに笑い掛けた。
少なくとも、それがイクリールにとっての『真実』だ。

イクリール

「ああ、確かにイクリールさんの言う通り。
 手を施さなくてもいい病気だってある。
 それが病気かどうかすらわからない子も。
 ただ、大人から見たら異常というだけで、
 ここにいる子もいますものね」

自分だってそうだ。
こんなところに押し込められるという点で、
スピカはこの病気が嫌いだったが、
今はもうそうではない。
彼の盾になれるから。

「オーケー。私が間違ってるわね、確かに。
 いない子と向き合うのに、
 偏見を持っていたらどうしようもないわ」

「……あなたに余裕があるのなら。
 イクリールさんも手伝ってくれる?
 私に何ができるかなんてわからないけど、
 でも、こうやって私たちが日常を過ごすだけで。
 人を受け入れられると示すだけで。
 助かる子たちがいるはずなのよ」

そう、ルヘナに教えてもらったから。

 スピカ

「うん…わたしのこと、わかってくれてうれしいわ、スピカ。
 でも……レヴァティのいうように、
 きっと、それを受けいれられないことだって
 誰かには、受けいれられてもいいはずなのよね。」

でも、と続く言葉はぽつり、独り言のように。
人には誰だって許せない事と許したい事があって、
間違ってしまう事だって、何度でもあって
知らなかったのなら、知った上でそうしたいと思うなら。
自身の誤ちを、正したいと思えるなら。
誰かの事を、好きになりたいと思えたなら。
つまりまったく、それでいいのだ。

「いいわ。わたしにできることなら、なんだって。
 なにができるかは、わたしにもまだわからない。
 だから、これから一緒に考えましょう?」

大丈夫。
あなたはもう、
弱くて小さな、独りぼっちのスピカではない。

一緒に手を取って、戦ってくれる人が
こうして確かに居るのだから。


……7年弱?

人生の半分か全部くらい?四十割。

これは素だ。


「だよね、カ
スト……


いつか虚空に話しかけていたブラキウムを、思い出した。
どんな気持ちだったかなんて想像するのも難しいけど。

「少しは知っているつもり、だけど。
  
ルヘナのストーカー
めいた部分は、あるし、僕ら


ブラキウムは、凄い人だ、今なら尊敬できる。
今なら少しルヴァが怖がった理由も、ちょっとだけ。
それにイクリールだって、そうだ。
 シトゥラ。良くしてもらってたのに、たまに名前を間違える。
メレフは僕ら普通に叱ってくれた。
他の子の、名前や良いところも今なら分かる。
ヘイズの名前くらいは。デポラが言っていたこと。

「それは僕が悪いと思う。確証は持てないけど」
「認識の伝搬……みたいな。」

「例えば、
 
風紀委員のスピカはご飯いっぱい食べて
 森に行ってキノコを食べる

 のは、まあそういうものとして認識するだろ?」

ルヘナに抱かれている。

スピカを抱きしめた。また傷付けてしまった、のだろう。


「これ、
普通におかしい
んだよ。何もかも。
 
ここの風紀ってそもそもなんだ?

兄とルヘナだけにしか興味はなかった。
いる子、いない子の意味も分からないくらいに。

「……改めて考えて、この後も考えると、本当に
 
『僕らお前?!』
とも思う。
  思うよ。いやだ、やだ。いえないよ。いやなんだ。」

皆、
いろんな虐待されてた
みたいだし


「……たまにそこから雑に手を引いたり、ごまかしたり。
 視野から隠して、
他の子に罪を作ったり。塗ったり。


うわぁ……こわすぎる


るへなぁ
……


まだまだ余罪もある。
 狂気と愛情の災害めいた奴に手を出そうとする奴は子供大人関係なく。
そして一部には有益な部分をチラつかせて。
 ヤバそうなやつがいるときは、ほどほどに
それらしく
しておいて。


ああ、手を出すも、出さないもないなぁ。

僕ら、
狂ってるけど、大分頭が良すぎた


発言はただのアホなのが、さらに問題だったのかもしれない。

 ポルクス

「それは盛り過ぎ。四十割は人生四周してるだろ」
 前前前世から?


「まあでも、長い付き合いなことには変わりないよな。
 ここに入ってからほぼずっと一緒だったはずだ」

 自分も自分で知識欲の権化だったし彼らも頭が良いから
 懐に入った時に居心地が良かったのは確かだ。
 だからこそ周囲が寄り付かない三人きりでも過ごせていた。
 こっそり夜更かしをして読書会もした。楽しかったな。

 ……彼らの狂気と悪性は、多くのものに向けられた。
 自分や彼らを害そうとした者が至った結末を、
 自分はいくつも知っている。
 彼らという台風の中心に収まった自分は
 その様子をただ遠くで認識するだけだった。
 
出ようとすれば彼らはきっと自分を害するだろうと思っていたから。


「人には一長一短がある……
 では済ませられない気質があることは知ってるよ。
 お前は自然や草花……あとは家族か。
 それら以外には
残忍
だった。
 ……その残忍さが俺に向けられたことはなかった、がな」

 彼らから向けられているものは一貫している。
 ――――
執着
と、
狂気
と、
愛。

 
彼らの持つそれが愛なのか、自分は知らないけれど。

 イクリール
「そうね……
 受け入れられなかった子を、
 受け入れられればいいんだけど」

スピカは裏切られても許したいと思っていて、
誰にだって隠し事はあるから、それも許したくて、
話したくないことを話さなくても
受け入れたいと思っていた。
止まり木になるべきだと言い聞かせてきたスピカには、
当然の道理だった。

「うん……やっぱり、イクリールさん、年上じゃない?」

精神的に勝てる気がしなかった。勝負するものでもないが。

「ま、毎日増える『いない』人を探すところからですかねえ」

解決すべき問題があろうとなかろうと。
孤独に完全に耐えられる子供は、きっといないだろうから。

スピカを鼓舞した。

スピカを鼓舞した。

 スピカ

「受けいれられればいいのになって
 そう思えるなら、きっとスピカは大丈夫よ。」

『みんな』がそうかはわからないけれど。
そう言って、少しだけ寂しそうに、
けれどやはり曇り無く笑って見せた。

「…あら、どうかしら。
 でもね、スピカ。考えることって、ひとを思いやることって
 そこに年上とか、年上とかって、そんなに重要なこと?」

3年前より以前にも。
このギムナジウムで、イクリールの姿を見た者が居る。
この学校の関係者の大人に連れられて。
高等部のスピカなら、それを目にした事もあるかもしれない。
イクリールは、その頃から何も変わっていない。
外見の話ではない。その在り方の事だ。
イクリールは、その頃からずっと、『誰か』に手を差し伸べ続けて来た。


「うん……まずは、そこからね。
 まだ誰が『いない』のかもわからないのだもの。
 これは…手わけをして探したほうがよさそうね。」

まだ幼く、監視の目もあるイクリールの行動範囲は
きっと、スピカほど広くはない。
教師や生徒達に聞くという手段も、今や通用しない。
けれど、『わたしたち』には立って歩く足があるのだ。
今はそれだけで十分だ。

スピカに笑い掛けた。あなたが許す限りは、イクリールはあなたの味方だ。


はい

狂気で構成される世界と、大昔の温厚な感性で見直した視界。それは本当にまるで違うものだから三十割だった


「自然とかは趣味の方向性が
  過激になってそこそこ酷いことしました。」

ルヘナぁ……
どうしようカストル……)


簡単な言い方をすれば、元から
解剖も観察も好き
なのである。

ルヘナが大好き

これはいつもの、言いたい、し言っているしことだ。
いやというほど、しってるだろうけれど。
あ〜……ルヘナに見えないってことは、カストルはホントにいないんだね


少し落ち着いたのかもれない、お茶をのんでひと息つく。

「それじゃあ、うん。はなすよ。
『ボク』
がやったこと……」

意地悪なだれかと、カストルを壊した話


最後の話は、さいごにさせて

シェルタン
「ああ…悪いな」

面と向かって話をするのは、久しぶりな気さえする。
お互いに色々あったから仕方のないことだ。

掛けられた言葉に頷いて、部屋に足を踏み入れる。

大人の元へ行ったあとでも、変わらず接してもらえるのは 少しだけありがたかった。

「話は…そうだな、それなりに」

 ポルクス

「そうか。お前にとってそうならきっと、そうなんだろうな」

 二人が見ている世界を自分は知らない。
 だから、二人が見る世界を否定はしない。
 彼らの『人生』に口を出せるほど自分は多くを見ていない。

「過激性、上がっていたのか……
 
そういえばあまり、園芸部に行けてなかったな


 色々あって様子を見に行く頻度が減っていたのは確かだ。
 ここ数日は特に、全く行けていなかったと言ってもいい。
 彼から受け取ったいつも通りの言葉に、
 今までまともに受け取って来なかった感情の大きさを
 改めて実感する。

「好きな順番で話すといい。俺はちゃんと聞いている、
 ……最後までちゃんと、な」


「たまにさ、石とか投げたりそういうひといるよね?」

「入って、まだ完全に恐怖が行き渡っていないころ
 さ、殴られたんだよ。何人かに。」

当然だと思う、と眉間をほぐして。

「見てる
『ボク』
はなにもできなくて、状況を見てて」

「眩暈がしたころ、視界が変わって。
 僕の位置には
見えていた道具を使った

  
いっぱい血が出て
、思ったんだ

  
『ボクでも役に立てる』


  それが嬉しくて、ちょっと笑っちゃったら
 何人か逃げて、
起き上がろうしたから
 そいつの足を何回かさした。

 それで、どうしようかなっていう時に
          呼ばれたんだ。でも」


『ボクはカストルじゃない』



「それで、次に起きた時、兄さんはもっと狂ってしまった。もっと無邪気?……に・」

おしまい

いない。ポルクスはとても苦しく思うことが、一杯あった。

 ポルクス

「――――……ああ、あの時の騒ぎか。
 あの後にお前、何日か寝込んでた……」

 血濡れの"カストル"がそう言っていた、とは聞いている。
 騒ぎの場に自分はいなかったから詳細は知らなかったが、
 きっと彼自身が語るそれらのことは真実で
 ……殴る蹴るの暴力の代償としては
 相当大きなものを支払ったのだろう、とどこか遠くで考えるも。

 ポルクスは、家族が大切なポルクスは、
 
家族を守っただけ
なのだろう。
 そのための手段とその程度については少し、間違ってはいたが。

 先程から少しずつ飲んでいた、
 彼から入れてもらったお茶を飲み干して。

「なるほど。……話してくれてありがとう」

 結果的にポルクスは、
 守りたかった家族を狂わせ、壊してしまったのだ。
 自分もまた、壊れた様子の彼について特段気にもしないままで。

 
殺してしまった、ようなものなのかもしれない。


「ポルクス。お前はこれからどうしたい?」

 イクリール

「っあー……駄目ね。全く。
 年齢とか、病気とか、
 そんなものに囚われる頭は、なかなか直らないわ」

自分の想い人だって、結構な年齢差だというのに。

――記憶の端にいるイクリールの姿が、
ようやく理解に及ぶ範囲にやってきた気がした。
ああ、なるほど。彼女は私なんかよりも、ずっと……
なんて強くて、立派なんだ。


「あ、それはイクリールさんも知らない感じなのね。
 なんとなく、なんでも知ってる感じかと思ったけど」

それじゃあ、一緒に探しましょう、
と微笑んだ。
一人より二人、そこにある意思は、
確かに何かを変えると信じているから。

 スピカ

「…きっと、ゆっくりでいいのよ。
 今日や明日に何かが変わるなんて、そうないわ。
 スピカが無理をしすぎてしまわないように、
 疲れてしまわないくらいに。それでいいの」

きっとそれが、誰かをおもうってことよ。
そう言って、スピカの微笑にまた一つ笑顔を返した。
少しずつ、確かに前を向いて、変わりつつある『みんな』を
その想いを、イクリールは何よりも愛している。

「わたしの知ってることなんて、ほとんどは
 誰かから聞いたことか、それか本人から聞いたことよ。
 だから…こうなってしまうと、むずかしいわね。」

でも、大丈夫。
言葉にできる根拠なんて何処にも無いけれど、
それでもきっと、やろうと思ってできない事なんて
優しくて、それでいて向こう見ずな子ども達の世界には
ただの一つだって、ありはしないのだ。

スピカに小さくあたたかな手を差し出した。みんなで一緒に答えを探しに行こう。

イクリールの手を握った。未来へ、一歩ずつ進んでいこう。

答えに期待していない。

返り血を浴びて、寮の廊下を歩いている。深夜の話だ。

 シェルタン
「気にしなくていい……どうせ、
食べられない
からな」

座布団に、腰を下ろす。
まだ体の痛みは残っているのか、動きは緩慢だが。

隣に座るシェルタンの手元辺りに目を向けて。

「……そう、だな。何から話したものか……

 ああ、そうだ。お前に謝らなきゃいけないことが出来た。
 …ぼくは、約束を守れなかった。
 あいつらの所には、いかないと言ったのにな」

進み続ける。手の中にあるものを、優しく、そして確かに握り締めながら。

スピカの望む答えは出せない。

けれど、そこにいる彼女を"一番星"だと思っている。

深夜、一つの復讐を終えた。少なくとも、自分はそう思っている。


「イクリールみたいな子が、苦手になったのもそのころかなぁ……」

一区切りついてしまった恐怖、ああけれど。

これから
「こっちは……これからのいえないこと。いったら。
 
ルヘナ僕らのこと、
じゃあ
って、置いていっちゃいそうで。


「……兄さん、この体がカストルなのは、間違いないんだよね、だったら」

「今まで悩んできたけど、さ。僕らは、どうやっても死ぬ間際には二人でいられるから、死ぬのは恐くなかったんだ。でも、今は別。元々の僕らなら、まず」

「僕らが、この環境を許すはずがない」


ここにいるから。息を吸い込んで話をつづける。

 シェルタン
「死ぬつもり、だったんだけどな。
 内通者も見つからなければ、ぼく自身も隙だらけだった。

 ……なあ」

連れていかれたこと、それ自体は自分も気にしてはいない。
思っていたよりも、というだけだが。

所在なさげに、手袋の嵌った手を近くの床に滑らせる。

「……"治療"するっていうのは、本当だったんだな。

 ああ、あいつらは何でも分かってたんだ。そして、ぼくたちの望む望まないに関係なく治療を行う。そういう場所なんだな、ここは」

分かっていたはずなのに。今更、理解してしまって。

スピカをまた傷付けた。

それでも、"特別な望み"が叶う日が来るのを希う。

 カストル・ポルクス

 自分が誰かを置いていくことは、ない、とは言い難い。
 だからそちらに対しては沈黙のみを答えとして、
 あなたの言葉の続きを聞いていく。

「お前の身体は間違いなく『カストル』のものだ。
 『ポルクス』の肉体は……病院にあるはずだな」

 以前大人達が聞いているのを盗み聞いてしまったのか、
 それとも何かしらの書類を盗み見てしまったのかは覚えていない。
 けれど、
 
『ポルクス』が過去の事故以降『植物人間』で病院にいる

 その事実を自分は知っていた。

 あなたがカストルを『ここにいる』というのなら。
 自分もその前提で話をしよう。

「……行くのか? 
『ポルクス』を取り戻しに
」 

ルヘナの腕の中で泣いている。

深夜、血に濡れた棒を焼却炉に投げ捨てた。

メモを貼った。

決心をしたようだ。

メモを貼った。

図書室を去っていく。そこにスピカを置いて。

ルヘナを笑顔で見送った。

メモを貼った。

誰もいない図書室で、もう一度泣いた。

誰も居ない部屋の前を後にした。きっと、良い子の『悪い子』との約束を果たせる明日を探しに行こう。

図書室から立ち去った。

 




情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


トップページに戻る


←↓■□フィルタ

注目:メレフ 解除する

生存者 (4)

レヴァティ
1回 残 たくさん

ポルクスはいます

シェルタン
0回 残 たくさん


ルヴァ
3回 残 たくさん


シトゥラ
4回 残 たくさん

置きメイントゥラ

犠牲者 (5)

ヘイズ(2d)
0回 残 たくさん

 

ルヘナ(3d)
5回 残 たくさん

のんびり返信

イクリール(3d)
1回 残 たくさん

のんびりやります

カストル(4d)
0回 残 たくさん

置き去りカストル

ブラキウム(5d)
1回 残 たくさん

新規〇夜から

処刑者 (3)

スピカ(3d)
14回 残 たくさん

部屋なう 新規○

メレフ(4d)
5回 残 たくさん

新規◎

サルガス(5d)
1回 残 たくさん

白鳥の歌を謡おう

突然死者 (0)

舞台 (4)

デボラ
0回 残 たくさん

 

ラサルハグ
23回 残 たくさん

先生は今日いる

アルレシャ
0回 残 たくさん

先生いますよぉ〜

ポルクス
23回 残 たくさん

おやすみ。

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
舞台
置き手紙

一括操作




発言種別注目






















(0.16 CPUs)
運営 moonpupa
人狼物語 by あず/asbntby
人狼議事 by ななころび
トップバナー画像 by naomyplum
人狼物語画像 by Momoko Takatori
Schwarzwald(黒い森) by hagios
トロイカ TYPE:А / 哀愁のタタロチカ by かえるぴょこぴょこ/あさくら
ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
都道府県キャラセット by kairi(企画代表)
繋<つなたま>魂 / 班帝家の一族 / H)SOCIUS(A by めいあ
もふぁんたじぃ / もふぉれすと by ほのゆる
Cathedral / 学園Cathedral / Grand Cathedral / 学園Grand Cathedral by Izuya
夜月町 by 夜月けい
南区 / 古今東西 by 南
IRO-COLORE(いろころる) by Izuya, 南
お茶会 / 演奏会 / 花見会 by ゆひろ
GNL / GNL+ by guiter-man
ジランドール / イルミネーション by may-co
シキメグリ by afinter
-汝人狼也-人物画 by 878, かんこ
closure / closure' by 閉
Emoricu / Cumorie / 黎明街 by milk_sugar
ワンダーズ言戯団 by pike
宝石箱《Jewel Box》 by 宝石箱制作委員会
文明開化 by sin
カティサーク by apricot with y_hyuga
月狼学園 / 人狼署 / 狼達の軍歌 by apricot
花一匁 / 桃酔郷 by さね
po!son / Girl's Talk by pure_g
madparty by シロクマ
rhizome by CH3COOH
曲芸会 / 曲芸会Hello! by otokasa
AtoZ by 築
瑞洋館 by ういろ
LastSunday / HeaVen by 志摩
かくりよ by plmi
桃色concerto by 桃昆布
狼兎 by クロマ
人狼ヶ谷学園の放課後 by 竜山明日佳
bAroQue / tradimento by souya
Bokuyume. by 卜部
FGOキャラセット by 有志一同
魔法少女は眠らない by 魔法少女チップ企画
Liberte by みぃな
噛志野医院 by manamiz
メギド人狼 by メギドチップ企画
absolventi by ぶんちゃん
歳時抄 by 小由流
文アルセット by 文アルセット企画
荘園パック by ARC(企画代表)
Friends by 真知
城下町の酒場 / 大神学園 by じっぷ
エッグ by 朧恩
ぐれすけ・ぷらす by 純
ニューホライズン by youden
バーバチカ / プトロレ by たべ
ユメツナギ by 天瀬春日
StarGazer / LittleStar by CONBE
御常紀学園 by HS_29
オハナシノクニ by オハナシノクニ制作委員会
Fragment of Jewels by 粉海月
花園女学院 / 他種族孤児院 by はこみ
xxxx組 by サイコ瓦
おりふし学園 by めんるい
Fairytale Syndrome by hTuT
Salute by むくっこ
Le parterre by イヌバラ
Troopers by 人類管理連合
お野菜キャラセット画像 by 無料素材倶楽部
Siuil a Run by 匈歌ハトリ
紫煙をくゆらせ by 空砂
RocketPencil by 山本羅刹
エトリエ / エトリエ・戦国 by とり
ボワボンボン by あとらそふと
古の迷宮 by とり夫
JEX Online by katarazu
煌夜の決闘 by ジュエルセイバーFREE
こだわりアイコン by fatcow
トランプ画像 by しろま空間
リンソン by moonpupa