人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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素崎

「ほんと?
 ここ家族仲良い奴、あんましいないんだと思ってた」

母の話をすると大抵の人間が興味無さそうにするか、不快感を示すかだ。
同意をもらえるのは中々貴重である。

「やっぱり外出たら母さんのとこ帰る?」

概ね家がある子供が多いから、自分には無い物でも尋ねてしまう。
当然、貴方には帰る場所があると思っているのだ。



現場からは以上ですのつもりでしたがこの後薬が切れるまで数回ヤってました。現場からは以上です!

素崎

この子供は、自分の家族関係が正常だと思っている。だから自分はその少数派なのだろう、と考えた。

「……ビョーキ?早く会えるといいね」

少年の知る入院は、ドラマで見るような体の病気によるものだ。精神的な病による入院など、知りもしなかった。
しかし彼らは医療ミスで命を落とさない限り、最終的には退院していたように思う。

「でもそれってさ、つまり
その内帰って来れるんでしょ?

 なら、良かった」

貴方にとってどうかなど、考えもしない。
自分なら喜ばしく思う。だから貴方もそう思う筈だと、決め付けて言った。

もういいよ。誰かのベルトを片手で外してするりと抜いた。

 素崎

「……ほう?」

なるほど、引き受けたか。
それならばとあなたにカメラを渡して、そのまま談話室のソファーにでもあなたを投げ込む。
やけに軽々しくあなたを持ち上げて運べば、躊躇なく上に乗っかって、膝を割り込ませながらその顔を見た。

「……どこぞの誰かのように公開プレイがお望みか?
 俺はどちらでも結構。ましてや抱かれる側でもないので」

朝食堂

「黒塚か。たしかに部屋にいた。だがあいつとは何もなかったから安心してくれ。
元々黒塚とは少し話す用事があったからな、布団を取りに行かなかったとしてもいずれ会って話すことにはしていただろうよ」

大丈夫、と言わんばかりに頷いて「気を遣ってくれてありがとう」と返した。
貴方が無力さを噛み締めていたとしても、決してそうではないと言うように。その気持ちだけで十分嬉しいのだと伝えるように。

普川

そっ、
そうか……………。」

自分から聞いておいて、頬を赤らめ照れた。
企画の趣旨としては励んだ方が良いんだよなあ、と思いつつ、何か言及する事はない。恥ずかしいからだ。



手渡せば、後は貴方を見守るようにそれを眺めていた。
それらしいページを開いて、貴方の視線が揺れて、止まって、繰り返す。


元々座っていた椅子を引いて、腰を下ろす。
水面にほとりと一雫落ちたように、なんでもないような声が、聞こえた。


知り合いか、と問い掛けて、噤む。
こんな場所に居る人間の過去、見知った顔があったとして、
世間話のように易く返答をしてはいけないような気がする。

「………、」

代わりに、貴方が先程やったように
ぽん、と頭部へ手をやって、数度撫でた。

朝食堂

「……うん」

落ち込みを隠しもせず、小さく頷く。少年は感情を隠す術を知らなかった。
何もなかった、という言葉を素直に信じることにした。
彼と貴方に話す用事があることに、違和感を抱いたけれど。


「ね、ね、朝ごはん作る?
 オレも手伝っ……あー、コーヒーなら淹れられるよ」

昨日貴方の料理を食べたばかりだ。自分がいては邪魔になるだろう。
だから自分ができる範囲(だと思っている)のことを申し出た。

素崎

その話を聞けば、珍しく真顔で「へぇ」と小さく溢す。

「マットンもなんだ?オレも会っちゃダメって言われてさ〜」

尤も、貴方の母とはまた違う理由だが。
二度と会えないことは確かだ。死に目にも会えない。

「……でも、オレは母さんのとこに帰るよ。会えるかはわからないけどね」


目を細める。
幼さの残る顔で、女のような笑みを浮かべた。

今日は貴戸の布団で目を覚ました。

 素崎

貴方の表情が固いのはいつものことだ。
笑わないことをさして気にもせず、その言葉を後押しする。
自分がされて嬉しいと思うことをする。

「会えるよ、きっと。会おうと思うならね」

引き離され少しだけ正常になりかけている思考で、少年は尚そう願っている。
指でしらたきを示し、寄越すように促した。その頃にはもう、元通りの人懐っこい笑顔に戻っている。
そうして貴方のおでんから特定の具だけを食べ尽くすと、満足したのか椅子から立ち上がった。

「またね。
 もしヤりたかったら付き合うから、いつでも声かけて?」

すれ違いさま、肩に手を置いて告げた。

朝食堂

「本当か?それなら俺と暁の分珈琲を淹れてもらおうか。頼んだぞ、迷彩」

料理の手伝いを申し出たら過去のクッキングバトルを思い出してハラハラしてしまっていただろうが、珈琲を淹れるだけならば問題ないだろうと判断した。
それにあんまり断っても傷つけてしまうなと思ったので。

ということで普川とのコーヒー事件を知らないまま貴方に飲み物を全て託し、少年は料理に取り掛かった。

しばらくしてカリカリに焼いたトーストに、じゃがいもや玉ねぎ、ベーコンを混ぜ込んだスパニッシュオムレツ、一口噛めばパリッと弾力ある歯応えと共に肉汁が溢れる焼き立てソーセージが用意されるだろう。ヨーグルトも取り分けて小皿に用意されているので、トースト同様好きなジャムをかけて食べよう。

こちらはレシピさえあれば問題なく作れる男だが、一方迷彩少年のコーヒーチャレンジは……?

 朝食堂

「ヨッシャ、任せて!」

こちらはレシピがあっても問題なく作れない男だ。
意気揚々とカップを2つ用意し、コーヒーチャレンジを始めた。
危なっかしい手付きでフィルターに熱湯を注ぎ、何とかコーヒーを淹れた。
そうして、
100%くらいの粉が沈んでいるカップと、
37%くらいの粉が沈んでいるカップが誕生する。

どちらがどちらを飲むかはサーブをするリョウちゃん次第である。
何故なら、見た目ではあまり差が無いからだ。

尚自分は飲めないので、ココアを作っている。

 朝食堂

「ねーねー、砂糖と牛乳使う?一応持ってきた」

そんなことを尋ねながら、カップを乗せたトレーを持ってくる。
100%の方が闇谷の方に置かれた。

着席すれば、待ちきれないと言わんばかりに手を合わせる。

「いただきま〜す!
 ……えっ、スゲーうま!これ何?卵焼き?」

スパニッシュオムレツを一口食べて目を輝かせた。それをじっくり味わいながら、トーストにバターを塗っていく。
甘いココアで口内を潤せば、トーストに齧り付いた。

料理を運び終えた後そっと闇谷の肩を叩いて起こそうとする。

 素崎

「……それは残念、いい点数稼ぎになると思ったんだが。
持っていくしかないか」

ため息をついて、比較的素早い動きであなたの口に飴を放り込ませようとすれば、甘い香りを漂わせる。
食べても食べてなくても、カメラを抱えさせたまま個室に運び込むことにした。

「素崎、知っているか」

軽々と運んだその先、ベッドにまたその身体を放り投げてから後ろ手に鍵を閉める。
投げられても痛みは不思議と感じなかった。布団のおかげかもしれない。

「俺しか見ていない舞台で、何をされても文句を言えんぞ」

ため息を付きながら一歩近づき、その頬を撫でた。

朝食堂

肩を叩かれぼんやり瞼を開ける。
まだ(61)1d100%ぐらい夢の中だが、朝は揃って食べるものだと認識しているのでどうにか上体を起こした。

「……………はよ」

これでも腹から何とか声を出しているのだ。
目を擦れば、美味しそうな卵と珈琲の匂いがする。
そっとカップを手に取って、眠気覚ましに一口。

「………」

二口。

「…………?」

「ゴフッゲホッ!何ッ!??」



夜中は蹴られ布団を剥がれ、
自分は何か悪い事でもしたのかと思った。
いつも珈琲を淹れてくれる貴戸の方を一瞥し、いやこんな淹れ方な筈は無いと迷彩へ視線を向ける。



「………………え?」

他に言葉が出ない。
目はすっかり覚めた。


朝の食堂。
初日も服役中も一度も残すなどなかったが、この日は一切量が全く減らない。何となく突付いて、箸をおいて。

「……何も食べなかったら、ご馳走様っていうのも変か」
それで終わり。

『そもそも手を付けていない』を初めて行った。
別に食事は必須でもなかったはず、とぼんやり思いつつ、酷く荒れる部位が精神的な要因とは気付いてない。

食事の際も指輪を握り締めてばかりだった。

朝食堂

「おはよう」

未だに夢の中に揺蕩う貴方を見て目を細める。ルームメイトを見る目にしてはとてもとても優しげなそれ。

……だったのだが。

「それはスパニッシュオムレツといって、そうだな洋風の卵焼きかもしれん。具が沢山入った卵焼きだ。
……ところでどうした暁。気管にでも入ったのか?」

心配なのが半分、いったい何をしたんだというのが半分。
首を傾げながら自分に用意された37%粉入りコーヒーを一口。


「……?」

首を傾げる。
もう二口。

「…………???」

更に首を傾げる。
なんか……自分の知ってる珈琲とちょっと違う……。

たまらず迷彩に視線を送った。

なにか食べようと食堂でイギリストーストfoodドーナツfoodを作って適当においたが。
ふと気になる香りを思い出してコーヒーの缶を見た。

流れで今までいたキッチンを見る。

「……、……」

照明は普通だ、床も汚れていない。
それなのに、不快な思い出が過る。

「……コーヒーの匂い。
……俺はあの時、普川に何を口走った?」

気がつけば85くらいの粉が沈んでいるカップが生まれていた。

 朝食堂

「え、どしたん!?噎せた?」

コーヒーを淹れた張本人は驚いた様子で闇谷へ視線を向けた。
普川も似たような反応をしていた気がする。

もしかして……

すごく……苦いのかも……?


「二人共、牛乳入れる?ちょっとは苦くなくなるよ」

牛乳パックを片手に、噎せた人を見る。次いで、首を傾げる貴戸へも視線を向ける。
心配そうな眼差しで、二人を交互に見つめていた。

 朝食堂

「入れ直して、普通に牛乳を飲んだほうがいいんじゃないか」

通り過ぎざまにあなた達の前に。
薄紫のナフキンの上に乗せた、粉砂糖がまぶしてある揚げたてから少し冷めたドーナツを置いていく。

ついでと言わんばかりに、
闇谷の前に比較的100%よりも薄い85%粉のコーヒー
をコトン…と置いた。
とても丁寧な手付きで。

「(ドーナツは)うまくできたと思う、それでは」

そのままイギリストーストをかじって通り過ぎて行こうとした…
が、しばらく眺めていたりするのでそのへんにいるらしい。

 普川

やけに明るい部屋。
退屈はしないが、同室者の機嫌で俺の気分も変わる。
当たり前のこと。

「……ああ、負けたんだったな。そうだった。
 言うことがあるのならどうぞ」

どうやらお時間はあったそうだ。

>>朝食堂


「いや咽せたと言うか何と言うか…………、」

何が起こったのか。
やけに口内がジャリジャリする。
よく見ればカップの中は
殆ど粉。


通りすがりの榊から丁寧に置かれた珈琲。
これでも飲んで落ち着こうと手に取り飲めば

「嗚呼、ありが、
 えふッゲフッ!?」


こいつもついでに
殆ど粉。


「…………………」

ふざけるなよと言いたい所だが、
片方は恐らく迷彩が淹れてくれたのだろう。
貴戸の淹れる珈琲は美味しい為、こんな事が起きる筈がない。

その頑張りを無駄にはしたくない。


席を立ち、ふらりと厨房へ向かい、
ビールジョッキにお湯を入れて来た。


>>朝食堂


「迷彩、牛乳貰う。」

ジョッキに粉コーヒーをぶち込んで、混ぜる。
牛乳もパックを拝借し、足す。混ぜる。どうにかなれ。
あんまり美味しさは保証されないが、一先ずは
バカ多いジョッキカフェラテ
の完成。
精一杯の努力はした。飲むしかない。

「いや、何、今朝は苦くないのがいっぱい飲みたい気分になって…………。
 
迷彩次は貴戸の淹れ方を真似してくれ。
頼むから。」


自分はあまり朝食を食べられる方ではない。
とりあえず、と糖分を摂取しがちなので、
今日もドーナツに手が伸びかけて、……止めた。
トーストやオムレツが入らなくなったら困る。


バカ多いカフェラテを飲みつつ
貴戸の用意した朝食を食み始めた。

普川

「嗚呼、力になれたなら何よりだ。
 ……まあ、誰でも家族を失えば悲しいんじゃないか。
 そこに当然のようにあったものが、消え失せるのだから、」
              
少なくとも自分は、そう。


感傷に浸るような表情。開閉される瞳。そんな貴方を観察するのも無粋だ、と、自分の読んでいた雑誌を手に取り、開きかけて

「─────え、?」

貴方から齎される声、温度。
『壮汰くんと同じこと』? 『企画ついでにめちゃくちゃに』?
流石にその言葉の意味が、分からない訳では無かった。

「……………えっと、」

この企画──性行為を推奨されていて、報酬も与えられるというもの。自分には誰かと揃いの、望む報酬がある。
かと言って、貴方の言う通り、突然積極的になれる性質でもなかった。


だから、その言葉はとても魅力的に聞こえる。


貴方が誘ったから、望んだから、
自分は仕方なく、報酬の為だから、………


後は『はい』と2文字を答えるだけ。
首元に回る腕へそっと手を添えて、口を開く。

普川


「ごめん、出来ない。」


貴方の腕を、押し戻す。


         必要なものだと分かっていても。
         お前が他人と肌を重ねるのは、重ねるところを見てしまうのは、その……
         …………苦しかったから。


     脳内に、確かに誰かの言葉が反響した。



自分は、大事な人を苦しめたくはない。
それから何より、


「頼まれたからって、
 責任をお前だけに押し付けて、行為に及ぶのは、嫌だ。
 だから、ごめん。……出来ない。
 ………他の事なら、力になる。」


いっそ愚かな程に、馬鹿正直に、馬鹿真面目に。

振り返り、貴方の瞳を見据えながら
2文字以上を答えた。

>>朝食堂 

「お、ありがとジュンちゃ……
 
えっドーナツって作れんの!?スゲー!!!


ドーナツが工場でしか作れないと思っている子供並の感想だった。
何故か用意されたビールジョッキのお湯を不思議に思いつつも牛乳を差し出す。
成る程カフェラテが飲みたかったのか、と的外れな納得をした。

「……?うん、わかった。
 でもコジコジ程上手くはできないと思うよ」

上手い下手の問題では無いのだが、指摘されたことのない少年は素直に頷いた。
ドーナツはデザートにするつもりらしい。
トーストやソーセージを先に食べ始めた。中々に早食いだ。

「なんかオシャレな朝メシって感じ〜。
 朝からカフェで食べたりするやつ、ちょっとやってみたかったんだよねえ」

暫くすれば、あまり綺麗な食べ方とは言えないが完食するだろう。

普川



「………冗談?」

果たして本当に、そうだろうか。
これが冗談だとしても、それを言葉の通りに受け取って実行する人は恐らく居るだろう。


「おいッ、お前は……!」

      そうやって、
       いったいどれだけの
        『自分』を粗雑に扱ってきた?


想いが言葉になる前に、さっさと貴方の姿は消えてしまう。


「……………、
 ああ、えっと、……うん。
 こないだはちゃんと聞けなかったから………
 普川が美味いと思った食べ物、聞くの、……待ってる。」


もう見えなくなった背中に、
やっと喉を通ってきた言葉を投げた。

>>朝食堂メンツたち

通りすがりの役職:パン屋さんがやってきたのを見かけるや否や

「榊ッ!!やっと話す機会が巡ってきたようだなお前には一度言いたいことがあるんだよくもあんなもの作ってばら撒いておきながらしれっと今も俺たちに差し入れするなど面の皮が厚いにも程が云々……」


ガタン!と椅子を揺らして立ち上がりかけ、食ってかかろうとしたものの。
すぐ隣で咽せたルームメイトの姿を見るとそちらに意識が瞬時に向いてしまった。とんとんと背中を叩いて心配しつつ厨房に行く姿を見送ったことだろう。

その間に迷彩が持ってきた砂糖と牛乳をありがたく頂戴し、37%粉コーヒーにたっぷり入れた。
普段よりも遥かにまろやかに仕上げた後、意を決して飲み進めていく。いつもよりほんのちょっと眉間に皺が寄っている。

「……迷彩、俺ほどでなくても、今より格段に美味く淹れられる方法を教えるから……いつか一緒に作ろう…………」

と口の中をじゃりじゃりにしつつ、同じようになんとか食べ進めたそうな。

「俺も普段の朝は和食が多かったから、カフェで食べるような洋食は少し新鮮だ。
悪くなかった。これもコーヒーを淹れてくれた迷彩のおかげかもしれないな。ありがとう」

>>朝食堂 

突然声を荒らげた貴戸に目を丸くして驚いていたが、
理由を問おうとしてやめた。
当人の優先順位を重んじることにしたのだ。

「うーん……?良いけど、コーヒーって苦いモンじゃないの」

この少年にとっては、苦い=不味いなのである。
不思議に思いつつも、提案には頷いた。
誰かと一緒に何かをするのは楽しい。誘われたのなら、尚更だ。
礼を言われれば、照れくさそうに笑った。

「へへ、どーいたしまして!
 ……ごちそうさまでしたっ」

ココアを飲み干し、手を合わせた。
空いた食器を重ねながら、ドーナツを食べ損ねたことに気付く。
まあ、適当な場所で食べれば良いだろう。

「今日もまたそっちの部屋で寝ていい?」

 




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