81 【身内】三途病院連続殺人事件【R18G】
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「いい子のままじゃ、戦場は生き残れません。
もし何か悪い事をしたとしても、それは生きる為にした事です」
まるで説得するような抑揚だった。
尤も、それは自分に言い聞かせていたのかもしれない。
「そう思わなければ、きっときみのお父さんのようになってしまう」
| >>59 ニエカワ 「あァ、“超特急”だっけか。 秋にはうごくんだったかねェ」 思い返すようにちらと上を見てからそう口にして。 視線を戻せば、少年からの期待の眼差し。 それに僅かにたじろぐ。 「アー、この辺になさそうなモンっつったら、 それこそこれだな、き――…… ――いンや、東京五輪だったか。めでてェよなァ」 言いかけた何かを呑んで、話を続けた。 (61) 2021/06/29(Tue) 21:40:50 |
| 受付カウンターの上、工具をガチャリと置いて。 これを回収に来る筈の駐在警官を待っている。 (63) 2021/06/29(Tue) 22:18:01 |
「…………そう……」
見開かれたままの片目が、色のわからない細い目を見下ろす。
説得するような声色からは、あなたの今までの経験を
物語っているように思えた。
「そっか、生きる為、か」
生きる為なら何をしてもいいんだろうか。
脳裏を過った言葉は声にはならなかった。
「本当の戦場のことなんて表面上でしか知らないけど……
親父みたいにだけはなりたくないって思ってるんだ」
──父親のようには絶対なりたくない。
それは何かの呪いのように、ずっと己の影につき纏っている。
「……心配してくれてありがとう、セナさん。
こんな話、はじめて人にしちゃったな〜……あはは……」
表情は相変わらず薄笑いを浮かべている。
まだすこし濡れたままの髪から、水滴が落ちた。
| (a21) 2021/06/29(Tue) 23:58:59 |
| (a22) 2021/06/30(Wed) 3:07:31 |
| (a23) 2021/06/30(Wed) 3:11:04 |
| (a24) 2021/06/30(Wed) 3:11:30 |
| ロクは、お前そういうことするンだ…という目でタマオを見た。噛んだのは気にすンな。「『腰紐』」 (a25) 2021/06/30(Wed) 3:21:14 |
薄く笑う貴方の頭を撫でようとして、やめた。
そんな資格、自分には微塵も無い。
「……そう思っているなら、大丈夫ですよ。
では、この事は内密にしますね」
立ち上がると、深く息を吐いた。
覚悟を決めるかのように。
「大まかに解体して来ます。
用意ができたら呼びに行きますけど、今日使う部屋は決めてますか?」
「……うん」
じっとあなたの一挙一動を見ていた。
「部屋は、決めてないな。
使っていい部屋知ってる? そこにいるよ」
「使って良い部屋は幾つかあるんですが、
一階の空き部屋だと助かります。宿直室が近いですから」
手術室へ向かいやすい、とは言わずに一階を勧めた。
貴方が手伝っていることを、極力知られたくないからだ。
「あと、できればこの手伝いの件は内密にお願いします。
食べ物があるとわかると、その……、
揉め事が起こるかもしれませんから」
そう言い残せば、手術室へ歩き出す。
| >>65 ニエカワ 「ン? そうだなァ、見物にいくのも悪かねェかもなァ」 悪くないと言いつつ、余り行く気の無さそうな声。 「お前サン、うちの外にも出れねェんだったか? だとすりゃアそいつは退屈だよなァ」 (67) 2021/06/30(Wed) 15:14:03 |
あなたのお願いに素直に頷けば、
「ねえ、セナさん」
その背を一度呼び止めた。
あなたがどう反応しようとも言葉を続ける。
「今度、セナさんの話も聞かせてね」
それはなんでもない身の上話かもしれないし
親父に教えてもらえなかった戦時中の話かもしれない
そしてまた後でね。と笑った。
やがてメイジも言われた通り、一階の部屋へと向かう。
……妙な胸騒ぎと違和感を覚えながら。
ぴたり、一瞬足を止める。
「……ええ、勿論」
小さく呟き、再び歩き出す。
手術室へ入れば、手術台を見て眉を顰めた。
メスを用意する。
容器を運ぶ。
思い出す。
「父さん」
「母さん」
「どうか、許してください」
| >>68 ニエカワ 「ハハ、ンなら行くかァ」 やっぱりそんなに行く気は無さそうな声でそう言って。 不満そうな姿に、無責任に同意する。 「カンキンかァ。お前サンからしたらちがいねェわな。 ちっとの散歩くれェよさそうなモンだがねェ。 ……と、もうこンな時間かい」 不意に腕を上げ、何も付けていない手首をチラリと見る。 時計を確認する様な仕草。話を切り上げる為の道化だ。 「悪いね坊チャン、今日はこれにて。また話そうや」 (69) 2021/06/30(Wed) 17:10:21 |
| >>73 ニエカワ 「ハハ、ガキが一丁前に気ィつかわねェで結構」 軽く下げられた頭をクシャリと撫でる。 「はいよ、次は腰すえて話してやらァ。 ――あァそうだ、集まってカードあそびなンかも楽しかろ。 どうせ明日も明後日もやるこたねェンだ、 ちっとばかし愉快に過ごそうや」 壁から背を離してそう言い残し、少年の左隣は空になった。 (74) 2021/06/30(Wed) 20:10:15 |
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