65 【ペアRP】記憶の鍵はどこ?【R18】
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[するよりされる方が好きなんて、聞いたらしないなんてできないよ!
大丈夫、キスだけにするから!おれがおれで選ばれなきゃしないって決めたからそこから先は我慢する!
噛みつくようにキスをして、それからエンに答えるんだ]
うん、おれはエンがいると幸せだなって思うから、エンと幸せにになりたいよ。
[だからおれはエンを守るんだ。
あっちのハチヤもそうなんじゃないかなっておもうけど、代弁してやるきなんてないんだ。*]
[夢というのは長い時間経過したようで現実ではほんの一瞬という事もある。
その逆もしかり────
色々触れて始めてから ふと、感じた。
]
……!!
あ、アマミ殿!
どうしよう、どうしたら……。
[慌てて手当たり次第触れてみても正解を奇跡的に引き当てる事はない。
そもそもこの部屋になかったら?
それだけでもう詰みになる気がする。]
目覚めそうな気がするんです。
全部見る時間が足りない!!!
[悪趣味な笑いに目の前が滲む。
兎に角急いで手あたり次第物に触れては選択肢を消していく。
読んだり触れたりした事がある本はそこそこある。
それがまばらにちりばめられててそれを見つけるだけでも時間をとられる。
焦る。
そもそも調べるのが本で本当にいいのだろうか?
そこの判断すら焦ってうまくつかない。]
[どうしよう、このまま目覚めてしまったら。
私は記憶を失ってしまうのに──……
私の記憶の鍵はどこにあるのだろう?
ただ当たる事を願ってひたすら目の前の物に触れ続けた。]**
[エンにキスした瞬間に、しちろの泣き顔が写った。
もう一度、エンに唇を重ねたら、今度は一瞬じゃなく、おれの鱗食べながら戦うしちろの姿が見えた。
これは過去の映像なんだなってことはわかってしまって、エンはこれを見せられてたんだなっていうのもわかってしまった。
だから、きっと、これのことも、エンは見ているんだろう。
おれはエンが不安にならないように、その手をぎゅっと握ることにしたんだ]
ん……ふ、ぁ…
[荒々しく落とされるキスを受け入れる。やっぱりこいつとするキスは好きだなぁ]
ふ。ふふ、それじゃお嫁さんじゃなくて、やっぱり旦那さんになるしかないんじゃないか?
それに、一緒にいてお互いに幸せになるなら、どっちがお嫁さんだか分からないな?
[そう、笑って意地悪を言ってやろう。それからもう一度の口づけをねだるように顎を持ち上げ唇を開いて──流れる映像に、目を見開いた*]
[また見えた]
──。
[微かに不安がよぎるけれどここにはハチヤがいるから。ちゅ、ちゅと音を立てて落とされるキスの合間、見せられる過去の愛情の残滓に一瞬泣きそうな顔をするけれど、強く手を握られて目線をハチヤに向け直す。励ますつもり、なのだろうか。ならば]
……もっと。キス…守って、くれるんだろう?
[諦められないようにしてほしい*]
[ねだられるままにキスをする。
おれの視界は過去のおれと重なって、まるであのときの戸棚の中でキスをしているような感覚に陥った。
しちろが命懸けで戦ってくれているのに、
戸棚の中でこんなことを続けるのは、過去の映像とわかりつつ後ろめたくはあるんだ。
けれど、エンに守ってとすがられた今、おれが選ぶのはエンだから。
飛び出していきたい衝動を抑えるようにエンの体を抱き締めて
肉が裂けたのだろう音を聞きながら、
おれの鱗を噛み砕いているのだろう音を聞きながら、
吐瀉音に混じるしちろの詠唱を聞きながら、
おれはそれらを振り切るようにエンの唇を貪ったんだ]
[映像が終わりを迎えると、おれは再び元いた部屋の中にいて。
エンがここにいることを、あの場所に置いてきていないことを、
再度抱き寄せることで確認したんだ]
………エン
[エンはちゃんとここにいたから、おれはエンに抱き付いたまま息を吐く。
吐いた息と一緒に涙もこぼれたけれど、この涙がエンに対してのものか、しちろに対してのものなのか、ちょっとおれにはわからなかった]
ん。ん……
[ハチヤの唇が俺の唇に落ちる。
時折背中に回した指先がぴくりと動くのは、戸棚の外に飛び出したいのだろうか。
けれど唇は一度も離れず、角度を変えながら何度も食まれる。咀嚼音に合わせるように唇を動かすのは、偶然?
縋りつくみたいな腕は、俺が縋っているのかこいつが俺にしがみついているのか分からない。
ハチヤ、ハチヤ。ハチヤの名前を呼びたいけど、唇をぴたりと塞がれているから呼べないんだ]
[映像が終わると、唇がゆっくりと離れた。
覗き込んだこいつの顔は泣きそうな、いや泣いてるな。ハチヤの肩に顔を埋めてぎゅっと抱きしめてやる。今だけは、その涙が俺のためのものじゃなくても怒らないよ]
ハチヤ……俺も、好きだよ。
[俺の人生にハチヤは不可欠なんだって、分かる*]
ん?……あー、あるといえばある?
実際にって感じでもないんだけど。
[
彼女に推しがいることはまだいいけれど
推しに傾倒してるのが嫌だ。
だから、子どもっぽいのである彼は。
何かないかな、と探してみると
奥のほうにワンピースがあった。
]
美鶴さんのワンピース……
なんや、ちょっと前に着てもらったのに
懐かしい思い出みたいになってまう。
[
記憶のない彼女に当ててみるけれど、
やっはり可愛くて。
彼女がもし、どういうものなのかと
聞くのなら、夏の思い出話でも。
]
だって、負けたくないやん?
好きなんやから、なんでも。
[
好きなものは本気で取り返す。
取り返すっていうか、なんというか。
好きなものを好きといえずして
生きる意味を成すものか、と。
]*
[たっぷり休んだおかげか、もう立って歩けるようになっていた]
ハチヤ……ハチヤ。俺……鍵、探しに行きたい。
まだ選べないけど……考える為にも、見つけておきたい。使うかどうかは後で考えるとしてさ。ハチヤを選ぶにしても、ちゃんと考えてから決めたいんだ。
[ハチヤは命がけで守ってくれた旦那さんではなく、俺をずっと守ろうとしてくれた。その気持ちに応えたい気持ちはあるんだ。でも
ハチヤは…今のハチヤではなくずっと一緒にいたハチヤ。あいつは俺を好きではないと思ってた。けど、あいつは、あいつも、ひょっとすると俺を好きだった?あいつは俺に旦那さんになれ、じゃなくて嫁になってと言ったんだ。嫁と旦那の定義が俺とは違うのだとしたら。
あれを、薬で苦しい中、どんな気持ちで言ったのか。それを聞いてみたい気がするんだ──*]
[採れた場所を教えるのではなく、採れるといいですねという言葉で締める。
アマミは彼女の言葉に、もしかしなくともガブリーシュの実はすぐには開けないところ、即ちあの島にあるのだろうという結論に至る。
彼女とバーバチカ島の出来事を共有しすぎるのは危険だ。腹立たしいことにあの館の主と思しき声を真に受けるなら、そんなきっかけを作ったところで彼女の記憶は戻らない。
鍵を見つける以外に道はないのだ。]
いや、謝ることは無いよ。
君は誰よりも当事者だ。
焦る気持ちは分かる。
[こんな状況だから当然だ。
むしろこんな状況であるのに謝る程冷静に己を戻せる心力は、賞賛すべきものなのかもしれないとアマミは思う。
そんなクラヴィーアは何故か目を丸くしていた。]
苦労はしてるけど、嫌なもんじゃない。
[嫌じゃない幸福な苦労がこの世界にはあるのだと、アマミは彼女から学んだ。
何故か頬をたたき気を引き締めるような彼女にどうしたのだと頭上に疑問符を浮かべたりもしただろう。]
[手当り次第本へと触れていくクラヴィーアに向かって]
はずれだったってわけか。
[と肩を竦めるようにアマミは呟いて。
決意に満ちた彼女の笑みに頷きつつ、頭の中では彼女の記憶の鍵がどんなものなのか、考えを巡らせていた。]
[そもそも彼女がなくした記憶は、己のことだ。それは間違いないはずだった。
一般的に、記憶を思い出すきっかけとなり得るのは無くした記憶の中に現れる何かであるが。
ひょっとしたら彼女もそうなのだろうか?
推論の末に、この書斎に置かれているものの中にアマミは一つだけ心当たりがあった。]
[あの小説は彼女との記録のようなものだ。
その『心当たり』に視線を向けていると、クラヴィーアの切羽詰まった声が聞こえる。
彼女は酷く焦っているように見えた。
目覚めが近い。それだけでアマミは彼女の様子に納得が行くもので。
落ち着け、と目の前の彼女の肩を掴み。]
記憶を無くしたくないと思うのは当然。
その為に頑張るもいい。
だが、無くした後の最悪の展開は
考えたりするな。
[考えるだけ意味は無いと諭すのだが彼女には届くだろうか。
それからアマミはあの小説を片手に持って彼女に言うのだ。]
安心しろ。
結果がどうなろうとも、俺は君の傍にいる。
君を独りになどさせない。**
[
あるといえばある、という言葉は
よく分からなかった。
まさか二次元に嫉妬してるなんて
わかるわけもない。
当てられるまま、ワンピースを当てられて。
小さい時の記憶がよぎって、苦い顔になった。
……着てたなんて、ちょっと信じ難かったから
聞いてみることにした。
]
どんな、思い出ですか…?
[
……。よっぽど好かれてたみたいだけど
“私”は何をしてそんなに好かれたのか。
今の私にはその理由が全然わからなかった。
恋人だったって言うのは信じることにしたけど
一目惚れって言うのは…
まだ信じ切れてないというか。
でも、わかったこともあって。
“私”が隠し事してた理由、
それはきっと……
]
忽那さんは…素敵な人ですね。
私と違って。
[
そう、素敵な人過ぎて、
素敵じゃない自分を隠したんだろうって。
少し話してるだけでも、
好かれやすそうな人だなあって感じるから、
きっとそうなんじゃないかと思う。
もしかしたら他にも理由があるかもしれないけど
でもきっとこれも理由の一つのはず。
]*
付き合って初めての夏、
これを着てくれたんです。
元々は、買わない予定だったけど
同じアパートの人に会って
一期一会なんだから、って
言われたとかで購入を決意したらしい。
2人にとって思い出の詰まった海に、
これを着て出掛けたんですけど、
白い砂浜が反射して心の中で何度シャッターを
押したことか……
[
彼にとっては、とても大切なもの。
でも、彼女にとってどうだったか。
それは多分、彼女が手に取ったときに
分かることなのかもしれない。
話しながら彼女に手渡して、
受け取ってくれたらいいのだが。
]
素敵?こんな欲まみれが?
……貴方も素敵なんですよ。
だって、純粋に物事を楽しむって
こんな欲にまみれた人間だと
できることじゃないですし。
万人と仲良くできるからいい。
なんてことはなくて。
[
私と違って、なんて言われれば
彼は首を横に振って否定を露わにした。
人それぞれ素敵なのであって、
それは他の人しか見つけてくれない。
自分では分からないから、
周りが声をかけてあげなければいけないと
彼は思っていたのである。
]*
[アマミ殿から見て私は焦っているのだろうか。
……普通の状態ではないよな、流石に。
自分の事なのに巻き込まれた人だけ動かすのにも地味に罪悪感がある。
大人の対応に頭が下がるばかりだ。]
……へぇ。
その相手はきっと、幸せなんでしょうね。
[そう素直に思えれた。
この人は誰かを幸せに出来る位、優しい人だってもう十分伝わっている。]
そうですわね。
……こうも多いとなかなか難しいですわね。
[そう言いながらも外れを増やしていく。
……正解があるかも不安になってくるぞ、これ。
見つけられるものなら見つけてみろ、と言われているようで気分が悪い。
タイムリミットを感じて慌てだす私の肩に手が置かれた。]
……はい。
[その温度と言葉に、少し冷静さを取り戻す。
……最悪を考えたりしたら、恐怖と不安が一気に溢れそうな気がする。だからその言葉は有難かった。
アマミ殿の手には一冊の本がある。
それは───……
]
……っ。
[今度こそ顔を熱くするのを留める事は出来なかった。
心臓を掴まれるような感覚。
目の前が滲む。
……それなら、どうなっても怖くない気がした。
]
**
……似合って、たんですね…?
そういえば買った記憶だけはあるけど…
私、そういう服似合わないって前に言われたし…
似合わないかなって着てなかったはずで…
[
手渡されてとりあえず受け取ろうとして……
そのワンピースは手に触れてすぐ消えてしまった。
……なんで、だろう。
不正解、ってことなのかな。
ああ、でも。鍵が思い出の何かだったとして。
自分で買ったものじゃない気はする。
“私”が大事にしそうなもの……
たぶんそれが、鍵になる、気がした。
]
……わ、たしが…?
だって私は…………。
好かれる人じゃ、なくて……
中学の時だって…
[
そこまで言って口をつぐんだ。
こんなこと言ったって仕方ないって、
今更なにか言ったって変わらないって
踏みとどまってしまった。
……踏み込まれなければ、
きっと私はこのまま、何も言わない。
それは“私”がしたことと同じだと
記憶のない私にはわからない。
]
[
踏み込んでほしいけど
でも、その結果嫌われるくらいなら……。
]*
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