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【人】 ヴィンセント・エヴァンズ[ 次第に薄れ行く意識の中で、 臓腑がやられたのか、ごぼりと吐き出した 血 を、オーブリーの白い指が掬って、私の唇に塗りつけて、 口紅 なんて、私には似合わないだろうに、オーブリーに触れられた それだけがただ嬉しくて、 こんな状況なのに、少し 微笑んだ。 ] (17) 2021/04/20(Tue) 2:12:05 |
【人】 ヴィンセント・エヴァンズ[ 父親の言いなりに生きて、 自分の心すら騙し続けて、 それでも、愛する者の手にかかって死ねるのなら、 それはとても シアワセ なことじゃない か? きっとこんな私には勿体ないくらい、 最幸 の最期だ。ああ、 でも―――― ] (18) 2021/04/20(Tue) 2:14:24 |
【人】 ミシェル・エヴァンズ[…ただただ、驚いた。 何か大きな音がしたなと思った。 そちらの方を見れば大事な幼なじみが、ガラスを突き破って現れた。 呆然としていれば、オーブリーはその破片で…] (20) 2021/04/21(Wed) 0:15:50 |
【人】 ミシェル・エヴァンズ[兄が殺されている間でも、自分はただ眺めるだけしかなくてやめてとか、兄を庇うわけでもなく、誰か呼ぶわけでもなく 毛布で裸を隠して殺害の様子を眺めているだけだった] (21) 2021/04/21(Wed) 0:18:23 |
【人】 ミシェル・エヴァンズ…オーブリー [緊張しているのか、僅かに震える声で大事な幼なじみの名前呼ぶ。 その名を呼ぶ声はいつものような、カッコつけた声ではなく……ただの女の声だった。 視線はオーブリーだけを見て、傍で絶命している兄だったものなど眼中になかった]* (22) 2021/04/21(Wed) 0:20:05 |
【人】 オーブリー・フィリップス[手に持った絵筆を投げ捨てて、 ヴィンセントの上から退きましょう。 そうすると私を呼ぶ声が聞こえたの。 その声は何故か震えていて私には不思議だったけれど、 ミシェルの姿を見たら合点がついたわ。] あらミシェル、 そんな姿では寒いでしょう? [私が着ていたカーディガンを脱いで、 ミシェルに羽織らせてあげますの。 そうして近づいて、久しぶりにぎゅって抱きしめたわ。 細い身体が震えないように、包み込むように そうして抱きしめてからミシェルの顔を見たの。 薄暗いからか顔色はよく見えなかったけれど、 その頬には赤い花びらが一枚。 よくよく見てみると、私の掌に花が咲いていて、 それがミシェルの頬にもついちゃったみたい。] (23) 2021/04/21(Wed) 1:28:50 |
【人】 オーブリー・フィリップス[ばたばたと廊下から、誰かが走り回る音が聞こえる。 それを私は無視して、 だって廊下を走るだなんてはしたないですわ ミシェルに笑いかけるの。] 今度、一緒にお買い物に行きましょう? 彼の誕生日プレゼント、選んでほしいの。 [時計や財布、ネクタイがいいのだったかしら。 あら? これは誰に言われたのだったっけ。 考えようとすると、扉を強く叩くノックの音に 思考がかき消されてうまく思い出せないの。] (24) 2021/04/21(Wed) 1:29:14 |
【人】 オーブリー・フィリップス[窓から入り込む風に少し身震いして、 ミシェルの毛布に少し入れてもらうことにしたの。 一緒に同じ毛布に入るだなんて、 昔を思い出してドキドキするわ。] なんだかパジャマパーティみたいね [ふふ、と笑ってミシェルをまた抱きしめるわ。 毛布の中で、秘密話をするみたいに顔を近づけて。] ねえミシェル、 今度、貴方の好きな人も教えてね [なんだか気分が高揚しちゃって、そんな約束をしたの。 二人だけの、秘密の会話。] (25) 2021/04/21(Wed) 1:29:42 |
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