人狼物語 三日月国


52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】

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【人】 燎原の獅子 ヴィルヘルム



 では誰が対価を支払う。天が恵み給うとでも?
 貴様の血肉と首に代えねば、
 我々に残るのは家名だけだ。

 ────貴様らが身勝手に踏み躙り、貶めた家名がな。


       [ 受け継いだ記憶がそうさせるのか、
         微かに声色に怒りが混じる。
         在り方で言えばとうの昔に人間ではなく、
         其れは四年に及ぶ戦で表面化していた。 ]


 
(75) 2020/12/03(Thu) 13:00:14

【人】 燎原の獅子 ヴィルヘルム




 死者は蘇らない。これは生者への報酬だ。
 再びの栄光を示し、その忠誠が報われたと証明する為の。

         ・・・
       [ 誰もがお前の死を望むと言わんばかりに
         鋭い言葉を用いて言い切る。
         国の為、一族の為、家名の為。 ]



 [ 此処まで殺めて来た。これ程迄に死なせた。
   墓標が生者にとっての罪や喪失になるからこそ、
  
           “後戻りなど出来はしない”。 ]


 
(77) 2020/12/03(Thu) 13:01:18

【人】 燎原の獅子 ヴィルヘルム




 奥方の命は保証してやる。
 精々西の大陸で慎ましく暮らすが良い。
 全てを失った時、命に価値など無いと分かる。

        [ 見え透いた問いには答えない。が、
          僅かに覗かせたのは生き様への価値観。
          まるで自分が“そう”在るかの様に。 ]


 
(79) 2020/12/03(Thu) 13:02:16
 


[ 四年と七ヶ月。
  古き地図の姿を取り戻す為に費やした年月。
  それだけ長く戦っていれば、
  心がゆっくりと拉げていくのが嫌でも分かる。

  人は人を殺める為に自らの心を殺し、
  其れを定めと割り切るほどに擦り切れていく。
  自分は戦う為に生まれたのだと背追い込めば尚更に。

  自分を忘れて仕舞いそうな時こそ
  あの
小瓶
の存在を思い出しては
 
約束
の在処を想う。 ]


       ( 今なら解る。苦しみとは痛みでなく、
         傍に立つ者が盤上から降り
         二度と戻らないという喪失感だと。 )


 

【人】 燎原の獅子 ヴィルヘルム



 [ ────だが、最期の仇を前にして火は揺らがない。
       降り頻る雨に掻き消されることもない。 ]



[ むしろ落ち着き払った様子で言葉を受け止め、
  やがて静かに唇を開いた。
  配下達が掲げる篝火の明かりが近付く。 ]


     ……“我 Wilhelm von Arenberg、
        テリウスの指導者にしてブラバントの王。
        家名の誇りに懸け、獅子の御旗の許に”



   “汝、Judas von Bestlaに死刑を言い渡す”。


( 吐き出せば、重荷は自然と消えた。
  而してArrynに然うした様に、首を落とすだけ。 )



 
(81) 2020/12/03(Thu) 13:03:54

【人】 征伐者 ヴィルヘルム



 [ 使い鳥に終戦の報せと行き先を託し、
   たった一羽、籠から高く送り出す。

   もう暗号を用いる必要も、
   撃墜される心配をする必要もない。
   筆は軽く、迷うことなく進み────


              “待っている”

          そんな一言で締め括られた。 ]


 
(83) 2020/12/03(Thu) 13:07:39

【人】 征伐者 ヴィルヘルム




 [ 誰かが訊いた。
   契約の果たされる時は来たか、と。 ]


        ( ────否、未だだ。
          報せを国に持ち帰る迄。
          得た物の処遇と治め方を決める迄。
          全て『王』の役割よ。 )

 [ 声は脳裏で囁いた。
   城に戻れば必ず命を貰う、と。 ]
 

 
(84) 2020/12/03(Thu) 13:07:56

【人】 征伐者 ヴィルヘルム




 [ 悪夢は完全に消え去り、
   一人の脳が抱えるには重すぎる二百年の記憶は
   眠る度に少しずつ薄れて往くのだった。

   三週間に及ぶ帰郷の中で誰かの名が消える。
   今では古き当主の名が思い出せない。 ]



[ 幼い頃から夢の中で継承し、植え付けられて来た記憶が
  抜け落ちれば、何も知らない子供に戻って行くかの様。

  充たされず、飢えと渇きに支配された獣の如く
  思考を占めていた
悪はその名残もなく。 ]


 ( 其の憎しみが誰の物であったのか、

      影も形もなければ確かめる術もない。
               ……そんなものだ。 )


 
(85) 2020/12/03(Thu) 13:08:17

【人】 征伐者 ヴィルヘルム

 

[ ────祝賀に飲み交わす兵達の宴から抜け出して、
      砦の暖かな寝室に戻る。
      従者に火を焚かせ、灯りを付け、机に向かう。 ]


 [ “もう下がって良い”と告げれば、
   目的のものを執筆する為に羽根ペンへと手を伸ばす。

     相続に関しての取り決め、領主の割り当て、
     功績を立てた者への褒賞、戦死者の弔い、
     やるべき事は山ほどある。そして……


 真実を知らぬ息子に宛て、最期の言葉をしたためようと。 ]



          ( 何も浮かばないのは
            疲労の仕業であって欲しい。 )


 
(86) 2020/12/03(Thu) 13:08:50

【人】 征伐者 ヴィルヘルム

 

 [ 考える内に時間は徒らに過ぎ、
   窓の外を見遣れば宴の気配も殆ど消えていた。

   秋の終わりの長い雨は月の見えぬ晩を一層冷たく、
   憂鬱なものに変える。 ]


[ 黄金のゴブレットに葡萄酒を注ぐ。
  遺書の為にも多少は“馬鹿”になった方が良いだろうと。

        薬は既に不要であるから、
        代わりにシナモンを加えて温める。
        甘く芳醇な味わいが喉を満たした。 ]



 [ 再び筆を手にしては溜息を吐いた。
   背凭れに頭を預け、時折寝室の天井を仰ぐ。
   揺れる髪には古びた紙紐。誰かが遺した依代。

    彼女の生存を知らせた最も古い手紙の代わり。 ]*

 
(87) 2020/12/03(Thu) 13:09:11
 

 [ 幸福な未来を棄てた事で、
   家族の存在が大切なものの中から消えた。

   熾烈な闘争によって
   唯一の幼馴染の命が失われていった。

   民も、美しき国土も、愛しい筈の息子も、
   死を前にすれば口惜しさばかりを覚える。 ]



( 一つ、また一つと燃え落ちる様にして消え。
   其れでも未だ“大切なもの”として此処に在るのは、 )


 




 [ 幕引きを控える者同士、獣達の運命は引かれ逢う。 ]
    [ 誰も通れぬ程────狭き路を征け。 ]


 



[鉤爪で傷つけぬように包み込んだ、案外弱々しい背中は
傷だらけの冷たい身体を抱き寄せた時と重なってしまう。

    トロイメライを振り返っただけ。
    ただの自分のエゴイズム。
    だけれど、彼はそれを拒みもしなかったから、
    ……血濡れた手を、縋るように伸ばしたのだ。]

(よく切れる刃物など、復讐では都合の良い獲物なのに。
 遂にそれを使わずにしまっておいたのは、
 ……
約束
を果たす最後まで
 絶対に他者の血で汚したくなかったからなのか。)


 



[元より安らかな死など約束されない身であった。
抗うことを辞めてしまえば己は真のひとでなしとなり、全てを破壊し尽くすのみの血に飢えた化け物と成り果てる。

   有象無象に興味がなければ
   己のことだってどうだって良かったのだ…今までは。


何もかも壊す前から自分自身で手放してしまえば苦痛なんて湧かない筈だと信じていた癖に、結局あるのは変わらない地獄だ。]


(自分の道を決めた、たったひとつの人間性が
 今度こそ手放しはせぬと握りしめた──唯一無二。)


 



[歯車を自ら狂わせた者同士、
 噛み合ってしまうのは必然の道理。]
   
[借りものの命なら、使い込んで返せ。]

     [幕引きくらいは───望んだ通りの結末を。]

 

 
[ 男の言葉に内心舌打ちをしつつも
  この場を切り抜けるには致し方ない事。


  押し付けられる靴先。

  今すぐにでも男の首の骨を圧し折りたい。
  そんな事を思いつつも、相手は魔術師だ。

  下手に手を出したら
  更なる災難に見舞わされるかもしれない。

  今は堪えろ、堪えるんだと
  胸の裡で何度も繰り返し唱え
  溢れ出そうになる激情を押し留めていた]
 

 
[ 迫って来ていたオークたちは
  男の魔術…なのだろうか。

  突然現れた巨大な、何か生き物の口のような
  深い暗闇の中に呑み込まれた。


  地下室に再び静寂が訪れる。

  醜い怪物たちが姿を消した事により
  束の間の平穏、肩の力が抜けて
  手術台の上に上半身を凭れさせた]
 

 
[ そうして身体を休めていれば
  仕事の話が男の口から告げられて

  顔を持ち上げては視線を向けよう]


   魔王なら何でも簡単に
   手に入ると思ったのだがな。

   ……以外にそうでもないのか。

   それに取り返す、と言う事は
   その悪魔にむざむざと奪われてしまったと?


[ 取り返すだけだと、簡単な話に見えて
  色々引っ掛かる事があった。

  少し皮肉気に問いを投げ返してみたが
  彼はどんな反応をしただろう]
 

 
[ 説明された直後に伸びてきた蔦には
  思わず昨夜の出来事を思い出し
  上半身をびくっと震わせては硬直してしまう。

  また何かされてしまうのかと身構えていれば
  蔦は怪我した脚に絡みつき、
  表面を舐めるように這っていく。

  訝し気にその様子を眺めていれば
  何度もそれは這っていくにつれて
  脚の痛みが次第に薄れていくのを感じた。


   
( まさか……治癒魔法? )



  胸の傷が消えたのが蔦のお陰と知らなかった俺は
  思わず目を瞠り、唖然としてしまった。

 
尚、悪趣味な回復方法だと思った事は

 
胸の奥に仕舞っておく
]
 

 

   願いをなんでも、な……。


[ 正直願いを叶えてやると言われても
  相手は魔王。そう易々と信じられる筈もなく。

  しかしながら例えとして出されたそれに
  片眉がぴくりと反応した。

  当然出来るなら男に戻して欲しいし
  解放されて自由の身になりたいのが
  己の心情というもの。

  元に戻して貰った後で
  奴の息の根を止めるのが一番だろうか。

  そんな事を思っていれば、
  首を引っ張られ無理矢理上を向かされる]
 

 
[ 何でもいう事を聞く。
  先程自分自身口にした言葉。

  一体どんな命令をしてくるのかと
  身構えて睨みつけるような視線を向ければ
  意外な内容を告げてくるのであった。


   
( 俺の事を知ってどうするというのだろう。

    
元々殺そうとしていた癖に。


    
奴隷の事を理解しようとする主など

    
普通はいない……何が狙いだ? )



  どんな心変わりがあったのやら。

  正直に答えてやる義理などなく。
  とはいえ、下手に答えて
  散々な目に遭わされるのもごめんだ]
 

 
[ 俯き、顎に手を当て思案を巡らす。
  暫しの間が空いた後、口を開き]


   元々貧しい生まれだからな。
   人の物を奪う事でしか生きる事が出来なかった。
   出来なければ死ぬだけだ。

   他の生き方なんぞ知らん。

   貴様みたいに家があって金もあって
   力のある者には理解出来ようもない。


[ まるでお説教をするかのような言い方に
  きっぱりと些か強い口調で答えた。

  声色には少し苛立ちが
  滲んでいるのが分かるだろう]
 

 
[ 聞きたい事があればの話には
  お前に聞きたい事など何もない、と言おうとして
  ハッとしてはそれを喉奥に押し留めてから]


   ……お前みたいに、
   どうすれば"力"を持てるか、だな。

   魔族じゃないとやはり難しいのか。


[ 魔王と呼ばれるからには魔族だと
  こちらは何の疑いもなくそう思っている。

  実際そうかそうではないかは知らないが
  これから先の事を考えて、より強くなりたい。

  そう思っての問い掛けであった。

  尤も、素直に答えてくれるとは
  全くもって思ってもいないのだが]
 

 
[ 無理矢理爪先で頬を持ち上げられ
  片目を眇めて不機嫌な顔。

  質問の内容に眉根が寄った。

  馬鹿にしてるのかと思いつつ
  此処は正直に答えよう]


   あるに決まってるだろ。


[ ぶっきら棒な言い方で言葉を返す。

  金で買う事もあれば、
  仲間内(仲間だとは思ってもいないが)
  の女を抱く事もあった。

  とはいえ、すぐに飽きるし
  恋人のような存在がいた事はなかった]*
 

 
[ 父親はアル中で殴る蹴るの暴力を振るう。

  母親は男の尻を追い掛けて、
  子供たちはほったらかし。

  食事は僅かな残飯だけ。

  そんな家庭に育った男には
  異性と恋をして、子供を作り家庭を作る。
  そんな考えなど生まれる筈もなく。

  愛を知らない心は歪むばかりであった]*

 

【人】 征伐者 ヴィルヘルム




 ( 冷たい戦乱が心さえ凍らせていたかのように、
   凝り固まった情緒は言葉として表すことが出来ない。
   揺れる暖炉の炎にもう一つ薪を加えて、
   再び机に向かおうとした時だった。 )



[ ────使い鳥の嘴とするには大きい、
      硬質的な音色が部屋に反響した。>>99
      天候が雹に変わった様子でもない。

       敵襲など有り得ない立地と高さだ。
       加えて周囲は砦に収容し切れない人員が
       軍幕を張っているものだから。


  思い当たる前にナイトガウンの裾を翻し、
  窓辺へ駆け寄った。
  見れば薄闇の中に濡羽色の魚鱗めいたものが光っている。

  思わず框に手をかけて、一息に頂点まで押し上げた。 ]

 
(105) 2020/12/03(Thu) 22:07:18

【人】 征伐者 ヴィルヘルム

 

[ すると破れた布切れと不規則な黒鱗に覆われた脚が、
  それに続いてヒトの輪郭を保った顔が視界に現れる。

    血溜まりの如く濁った
であっても、
    一度目の当たりにした其の姿を忘れる筈もなく。


  吹き込む風に混じる死の匂いは、
  彼女が長い長い闘争に身を置いていた事を悟らせた。 ]


            リヴァイ、お前……
          今晩はまだ三日月の筈────

 
[ 言い切る前に其れは窓の下枠に脚を掛け、
  濡れそぼつ身のまま飛び込んで来た。

   寛いだ衣装では一人分の質量以外に抗うものはなく、
   衝突した威力に押されるままに後ろ向きに倒れ込んだ。
   古びた絨毯から鈍い音が鳴る。 ]

 
(106) 2020/12/03(Thu) 22:08:08

【人】 征伐者 ヴィルヘルム

 

[ 振動と共に全身へ打ち広がる様な鈍痛。
  痛みには慣れてきたが、頭の中が揺れたまま治まらない。

  深い瞬きを繰り返して定まらない視界を確かめるが、
  一向に効果は出ない。

  言うべき事も、迎える言葉も、募る話も、
  沢山あった筈なのに。
  瞼の裏に文字通り星が散る有り様では、
  “ああ”と短く肯定を返すのが精一杯だった。 ]


 [ その実、狭義的な“無事”とは言い難く。
   命を酷使したお陰で身体は重い上に、
   受けた矢傷は今も包帯の内側で疼いている。

         取引の『刻限』が迫る身体は、
         不可逆で緩やかな衰弱の途中に在る。 ]



 [ 分厚い生地に冷たい雫が染み渡る。
   背へ控えめに回る腕があれば体温は尚更混ざり合い、
   腕を広げて迎え入れようとした中途半端な格好のまま
   疲労困憊への追い打ちとなった眩暈と戦っていた。 ]*

 
(108) 2020/12/03(Thu) 22:09:53
[長く伸びた赤みがかった黒髪に
均整の取れた細身の躰。

愛想も化粧っ気も無いが、
その分素の睫毛の長さやら
瞳の大きさがよく判る。

黙って笑ってりゃ
落ちねぇ男はいないだろうってなもんなのに
いやー、今にも素っ首掻っ切られそうな
すげぇ眼差しで見てくるんだもんなぁ。

ったく、こえーこえー。
たまんねぇなぁ、おい
]


 言うねぇ。

 ま、そういうワケだ。
 元々俺様が造ったダンジョンで、
 俺様が召喚したその迷宮の主だった筈なんだがなー。


[言いながら、片目を隠す前髪をかき上げた]

 




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