人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

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[ しかし、その後も本土から離れた島に位置するかの家は
  建物だけは使われぬまま数十年に渡り残り続けた。

  観光に訪れ、時に自身の創作の材料とした好事家達のように
  オカルトの一つとして消えた魔術師やその思想を求める者が
  保護しているからだ、とされているが。

  科学の発展とかつての迫害により、
  表立った活動を辞めるしか無かった悪魔崇拝者達が
  この地に心の拠り所を求めているというのが正しい。

  夜も深い刻、雨の中濡れた草むらに踏み入り近づいていく
  未だ少女といってもいい齢の女性もまた、そうだった。
  汚れた壁に蔦が這い、全ての窓とドアは板で塞がれ
  廃れた家など、何も知らなければ関心を向ける対象にならない。

  彼女の表情に宿る憂いと陰が、唯の見物客ではないことを物語る
  その胸には沈み彫りの技巧が施された装身具があった。 ]



[ そのブローチが、歩みの最中突然外れ落下していく。
  慌てて伸ばされた細い指を掠り、すれ違った瞬間
  不可解で非科学的な、黒い靄を噴出する現象が始まった。

  差していた傘が持ち主の手を離れ、夜露に濡れ転がる。
  本能的に距離を取り口許を覆い声も出ない彼女の前で、
  靄は人型へ寄り集まり、見る見る内に背の高い男へ完成してゆく。

  黒髪と黒服と異様な白肌で構成される彼が所有する色彩は、
  爪と両眼に宿している、鮮やかな黄色ただ唯一のみ。

  だが、目前の女性へと注ぐその丸い瞳にすら黒が含まれる。
  ――まるで狩猟の時を待つ猛禽類のようであった。 ]



此処には何も無い
どこを探しても、クローリーの魂に会えはしない

[ 突然の出来事、全てを知る口振りに驚愕する彼女が
  男の呼ぶ古き魔術師の名が自分の知るそれと発音が違うなど、
  気づく余地も無く、知ったとして理由が分かるわけもなく。

  次々と語られる内容と彼のペースに呑まれてゆく。 ]

可哀想に。知っているよ、お前の父親に起きたこと
立派な仕事をしていたのにな
摘発されたマフィアの報復で……さぞ無念だったろうね?

おまけにその上司は奴らと繋がっていて、その罪を死人に着せた
これ程酷い話があるだろうか。なあ?
何故神はお前達家族を助けてはくれなかったのだろうね

[ 装身具に描かれた姿に、
  歴史の陰で信仰され続けていた悪魔に瓜二つの男は

  今や社会で権威を喪失している教会を、
  失望により彼女が縋る対象から外れた宿敵を鼻で嗤い
  それからふ、と優しい笑顔を作った。
  年齢を定かとしない見目が、不気味な程一気に幼さへと傾いた。 ]



でも、オレなら復讐を助けてやれる

神も法も今は忘れて、お前の心の赴くままに願いを告げてご覧?

[ 作り物であることを隠してすらいない表情、
  甘く告げられる悪魔の誘惑。

  しかし、家族を襲った不幸と人々の裏切りに
  邪教に救いを求める程絶望した彼女にとってその誘いは
  こうして“彼”が応えてくれた事実は

  神に同胞に見捨てられた己に闇が齎した、
  願っても無い奇跡であった。 ]



いい仔だ

おいでよ


[ 震える声が、しかし確かに悪魔に答えたその時
  黒混じりの黄瞳が、真紅へと転じる。


   ────まるで返り血を浴び、染められてしまったように。*]



彼女の香りを直接感じるほど密接し、
耳元に聞こえる嬌声に体が滾り、
彼女の腰が少しでも自発的に動けば、
彼の口からはぐ、っと堪えるような声が出て。


「っ、ぅ……そろそろ、でるよ、ミン…っくぁ…」


彼女の声が高くも細く絶頂へとたどり着いて、
体が先ほどまでとは比べ物にならないほど
びくっと跳ね、反ってしまえば、
それにつられる様に彼の体も極限を迎える。
吐き出される熱は彼女の膣を埋めてしまいそうで
昂ぶりが落ち着くのに時間を要した。





彼女が胸を上下させて呼吸を整える様子が
肌を通じて簡単にわかり、
彼女の汗も時折触れるその肌から伝わった。
寝起きはすべすべだった肌も、
今はしっかりと汗をかいてしっとりして、
どれだけの時間が経ったのだろうかと
少しだけ考えてしまった。


「ミン、大好きだよ。
 ………今日も、凄く気持ちよかった。
 受け入れてくれてありがとう」


彼女の手が背中から頭のほうへ動き、
汗でぬれた髪を優しく撫でてくれる。
呼吸が落ち着けば、彼女の顔を見るために
体を起こして、頬を染める彼女にやさしく口づけを。
下肢も落ち着けば腰を彼女から離して
体を拭くものを持ってくると伝え、
一度ベッドから抜けようとする。





「ゆっくりしてるんだよ?」

彼女への負担が大きい動きをしてしまったので
もしかしたら、すぐには動けないかもしれない。
そうなれば、汗ばんだ体を隅から隅まで、
濡れたタオルなどできれいにしてあげたくなった。
もう1日泊まるかどうか、彼女に聞いてみよう。





 …!
 アルカード……!!


[ 此方を包み込む、ひやりとした馴染みある冷気。
よかった、と安堵するより早く ]

 
『ああ、よかった』
『これでちゃんと予定通り』


[ 先程まで話していた、聞き覚えのある声。

 その声が響くのと同時に、
 それまで澄み渡るように晴れていた空から六本、
 巨大な氷柱が此方めがけて急降下してくる。 ]


 ……っ


[ 咄嗟に身を竦ませたわたしを庇うように
 彼の腕がわたしを引き寄せた。 ]

[氷柱などは大して問題ではない。
我の中心をなしている人型の、その手を頭上に翳せば
忽ちのうちにそれらは全て砕かれ黒ずんだ雨粒へと姿を変えて
地上に注がれていく]


 ぐ…っ、 かは……ッ!?


[娘を此方に引き寄せた途端。

彼女を引き寄せた腕に、その身体を搔き抱いた我が身を灼く痛みに、堪らず低く呻く。

―――…その痛みには、覚えがあった。
娘に触れるたび、日を追う毎に強くなっていったあの感覚
それをもっとずっと、強くするとこうなるだろうと思われるような、そんな痛み。]

[……なんだ? 何が起こった?]


『驚いているのですね』
『さきほど、彼女に拡張魔術バフをかけました。
彼女の持つ光の魔力が増大するように』


……なるほどな。
随分と、小賢しい真似をするではないか。


『ええ。万が一逃げられたとき、
おそらく彼女は貴方と合流するだろうと思いましたから』

『きちんと貴方がたの性格を把握できているか、
わたくしとしては少し自信がなかったのですが』

『アウローラさんも、
彼女の影響下にある貴方も
とても素直な可愛らしいひとで、本当によかったわ』

[艶やかに笑うマティルダ
…話には聞いていたし、実際に遠目から見たこともあったが。]


―――…実に不愉快な女だな、貴様は。


[こんな女の世界を守るために、
娘は我に破滅を止まるよう働きかけたのか?
こんな女のために、
あの娘は暗闇でひとり泣いていたというのか?


全く以て、解せぬ。
全く以て……腹立たしい。
目の前のこの女は、あの虚無に我を突き落とした
忌々しい光の女神に、とてもよく似ている]*

[艶やかに笑うマティルダ
…話には聞いていたし、実際に遠目から見たこともあったが。]


―――…実に不愉快な女だな、貴様は。


[こんな女の世界を守るために、
娘は我に破滅を止まるよう働きかけたのか?
こんな女のために、
あの娘は暗闇でひとり泣いていたというのか?


全く以て、解せぬ。
全く以て……腹立たしい。
目の前のこの女は、あの虚無に我を突き落とした
忌々しい光の女神に、とてもよく似ている]*

[…それは少し、心外だわ。
もし、彼の心がわかったならば
わたくしはそう口にしたでしょう。

…美しい物語?
ありがとう、そう言って貰えるならばとても嬉しいわ。
もしも彼女の言葉を聞けたなら、そういって微笑んでみせたでしょう。

でもね、アウローラさん。
貴女は少し勘違いしているわ。

この世界で紡がれるあらゆる物語は
貴女が思うほど美しいことばかりではないの。

この世界は、何の犠牲イケニエも無しに
わたくしたちに幸福の果実を与えはしない。

わたくしは、覚えている。
この世界の成り立ちそのものが、
たったひとつの『命』を犠牲にして成り立っていることを。]



――…そう、アルカードと名乗っているのね、貴方。


[記憶を辿っても、その名前に聞き覚えはない。
だが、彼の『設定』のなかに、そういう名前があったとしても不思議ではない。
何れにせよ言えるのは]


 その名前は彼女につけてもらったの?
 それともご自分で名乗っていらっしゃるの?
 貴方の、他のたくさんの呼び名と同じように。



 ……哀れね。

 もう、自分の名前も、本当の姿も思い出せないのでしょう?


[柔く微笑みながら挑発半分に言葉を投げる。

その名も、姿も声も、話し方もその意志や思考でさえ。
誰かに望まれた、
或いはかつて望まれたものを継ぎ接ぎした
召喚者にとって都合の良いものに過ぎない。

それが彼の、この怪物ラスボス『設定』真実。]



『本当はわたくし、貴方たちともお友達になりたいのですよ?
 これは、本当にそう』
『これから先の展開を考えればなおさら、そう思いますわ』


[わたくしにとっては偽りのない本心からの言葉。
わたくしが皆と共に生きていけるようにするには、
もっと多くの力やものが必要になる。

もし、彼や彼女を味方に引き入れられたなら
とてもその能力はとても心強いものになるはずですけれど。
……流石にそれは、リスクが高くつきそうね。]*



…は。
よくもそんな戯言を抜かせるものだ。


[柔く微笑む姿は他人の目からは美しいのだろう。
悪意などないようにみえるのだろう。


そこにある『害意』に気づけるのは、
その意志が自分自身に向けられたときで。
それに気づいたときには、既に手遅れになっている。
この女から感じられるものは、まさにそれだ。


少なくとも、我のハラワタを掻き回すような、
ずけずけと心の内側に土足で入り込むような
女の言葉と眼差しは、ただ、ひたすらに不快でしかない。]




貴様がその名を呼ぶな、女。
その名を呼ぶのを許されるのは、この娘だけだ。



[娘とマティルダのあいだに立ち塞がるように位置取ると
娘に背を向けたまま、マティルダを強く睨みつける。

…そうでなければ、立ち続けることも難しかった。

今は、娘に直接触れている訳ではない。
それでも、先程、娘を抱き寄せた腕から痛みが消えることはない。

それだけではなく、娘を守るため周囲に張り巡らせた触手が
ちりちりと縮れ、灰になって砕けていく。
内心、焦りと共に砕けた影の上から新たな触手を生やそうにも、
再生の速さを崩壊が僅かに上回っている状態だ。]



……ぐ。


[直に触れるどころか、近くに在るだけで
娘の光に自身が灼かれているのがわかる。

彼女を守るため招き寄せた、この闇の……我が身の内側から
彼女自身の放つ強い光に中てられている。

そして女の手の内がわからない以上、娘から迂闊に離れることも難しい。
そして恐らく女もそれを見越しているのだろう。

自身のほうからは全く動きをみせることなく、
ただにこやかに我らの様子を伺っている]



『義姉上!!』
『此処に居たか!無事でよかった!!』


……鼠共か。


[更に厄介なことに先程図書館で遭遇した者たちも
我らの騒ぎを聞きつけてやってきたようだった]



『すまないな。
 最初に闇の精霊がいると言われたときは疑ったが
 まさか真実だったとは……』
『人払いは既に済ませてあります』
『よしよし、それじゃあ手っ取り早く
 世界を救っちゃいますかね』
『さっき逃げられた奴が何を言っているんだ』


[いっそ、呑気ともいえる奴らの応酬に内心腹を立てる。
が、それを口に出せる余裕が今はない。

理由はわからないが、
娘の特性を利用して此方に不利な状況を作り出したことといい、
彼方は我と、娘のことを知り尽くしているようにみえる。

そう呻いている間に、マティルダを中心に
男たちによって戦いの火蓋が切って落とされた]



『すまないな。
 最初に闇の精霊がいると言われたときは疑ったが
 まさか真実だったとは……』
『人払いは既に済ませてあります』
『よしよし、それじゃあ手っ取り早く
 世界を救っちゃいますかね』
『さっき逃げられた奴が何を言っているんだ』


[いっそ、呑気ともいえる奴らの応酬に内心腹を立てる。
が、それを口に出せる余裕が今はない。

理由はわからないが、
娘の特性を利用して此方に不利な状況を作り出したことといい、
彼方は我と、娘のことを知り尽くしているようにみえる。

そう呻いている間に、マティルダを中心に
男たちによって戦いの火蓋が切って落とされた]



 ―――…。


[前衛の騎士と思われる者たちから繰り出される剣戟には触手によって応戦し、
大地から生み出される土人形や風による斬撃、打ちだされる水や氷、炎の矢には、それぞれ魔獣を召喚して戦わせる。


純粋な戦況は、今のところ互角に持ちこめている。


現状、己の身に一番ダメージを入れられているのが、
我が身に抱えた娘自身というのが、気に入らないが]**

[口付けと共に降り落ちる告白は、
毎時、毎日というほど彼から伝えられる愛の言葉。
気持ちが通じ合ったその日から、
その言葉は途切れること無く、私に囁かれる。

キスを片目を伏せて受けながら、
抜け落ちていく刀身に、ン、と小さく声を漏らして、
彼が離れていくのを見届ける。

離れる際に気遣う声に、こくりと頷いて。]


 ……うん、いってらっしゃい。


[へにゃりと笑って見送ってからは、
そのままぱたりとシーツに沈んでいく。
目を覚ましたばかりなのに、運動を済ませた後のように
どっと脱力感が身体に纏わりついて、
横になっていればとろりと瞼が落ちてくる。

彼が戻ってくるまで、起きていなくては。
とは、思うものの、降りてくる瞼には勝てず、
そのまま、静かに寝息を立て始めた。**]



(ジリ貧とはこのことですね、アルカード)


[ 祈りを捧げるように両手を重ねて。
 わたくしにとって大切な彼らを支援しつつ、
 闇の精霊へと思念を通じて語りかける。 ]


(どうしても、彼女を手離すつもりはありませんか)
(ずいぶんと、彼女にはご執心のようですが)



 ……貴様になど、わかるものか。


[直接脳内へ語りかけてくる女にそう返す。

理解される気もしないし、
それ以前に理解してほしいとも思わないが。]



 はじめての、ニンゲンだったのだ。

 我に、世界の破滅を望まなかった。
 我を、友と呼んだ。

 我にこの世界は美しいものだと知ってほしいと。
 我に、これからも傍にいてほしいと言ってくれた。
 ……そう、望まれた。

[永い永い時を生きた。
そのあいだに、数多の人の子と関わりを持った。

あの暗闇の中、我を喚んだ誰もが、この世界の破滅を――滅亡を願った。

いつだって、我に届く声は世界を、他者を呪うもの。
悲しみと憎悪と寂しさと苦しみに満ちた声だけが
我を此の地へ喚び寄せる道標。

―――…そのなかで、たったひとり。

風変わりで、弱々しくちっぽけで、今にも消えてしまいそうで。
だが、我が手の中で決して消えることなく、あたたかな輝きを放ち続けた、たったひとつの星。

この命を手離さないことに、
離れがたいと願いを持つことに、理由が必要だというのなら。
……それで、十分だろう?]

 




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