52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】
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[ 迫って来ていたオークたちは
男の魔術…なのだろうか。
突然現れた巨大な、何か生き物の口のような
深い暗闇の中に呑み込まれた。
地下室に再び静寂が訪れる。
醜い怪物たちが姿を消した事により
束の間の平穏、肩の力が抜けて
手術台の上に上半身を凭れさせた]
[ そうして身体を休めていれば
仕事の話が男の口から告げられて
顔を持ち上げては視線を向けよう]
魔王なら何でも簡単に
手に入ると思ったのだがな。
……以外にそうでもないのか。
それに取り返す、と言う事は
その悪魔にむざむざと奪われてしまったと?
[ 取り返すだけだと、簡単な話に見えて
色々引っ掛かる事があった。
少し皮肉気に問いを投げ返してみたが
彼はどんな反応をしただろう]
[ 説明された直後に伸びてきた蔦には
思わず昨夜の出来事を思い出し
上半身をびくっと震わせては硬直してしまう。
また何かされてしまうのかと身構えていれば
蔦は怪我した脚に絡みつき、
表面を舐めるように這っていく。
訝し気にその様子を眺めていれば
何度もそれは這っていくにつれて
脚の痛みが次第に薄れていくのを感じた。
( まさか……治癒魔法? )
胸の傷が消えたのが蔦のお陰と知らなかった俺は
思わず目を瞠り、唖然としてしまった。
尚、悪趣味な回復方法だと思った事は
胸の奥に仕舞っておく
]
願いをなんでも、な……。
[ 正直願いを叶えてやると言われても
相手は魔王。そう易々と信じられる筈もなく。
しかしながら例えとして出されたそれに
片眉がぴくりと反応した。
当然出来るなら男に戻して欲しいし
解放されて自由の身になりたいのが
己の心情というもの。
元に戻して貰った後で
奴の息の根を止めるのが一番だろうか。
そんな事を思っていれば、
首を引っ張られ無理矢理上を向かされる]
[ 何でもいう事を聞く。
先程自分自身口にした言葉。
一体どんな命令をしてくるのかと
身構えて睨みつけるような視線を向ければ
意外な内容を告げてくるのであった。
( 俺の事を知ってどうするというのだろう。
元々殺そうとしていた癖に。
奴隷の事を理解しようとする主など
普通はいない……何が狙いだ? )
どんな心変わりがあったのやら。
正直に答えてやる義理などなく。
とはいえ、下手に答えて
散々な目に遭わされるのもごめんだ]
[ 俯き、顎に手を当て思案を巡らす。
暫しの間が空いた後、口を開き]
元々貧しい生まれだからな。
人の物を奪う事でしか生きる事が出来なかった。
出来なければ死ぬだけだ。
他の生き方なんぞ知らん。
貴様みたいに家があって金もあって
力のある者には理解出来ようもない。
[ まるでお説教をするかのような言い方に
きっぱりと些か強い口調で答えた。
声色には少し苛立ちが
滲んでいるのが分かるだろう]
[ 聞きたい事があればの話には
お前に聞きたい事など何もない、と言おうとして
ハッとしてはそれを喉奥に押し留めてから]
……お前みたいに、
どうすれば"力"を持てるか、だな。
魔族じゃないとやはり難しいのか。
[ 魔王と呼ばれるからには魔族だと
こちらは何の疑いもなくそう思っている。
実際そうかそうではないかは知らないが
これから先の事を考えて、より強くなりたい。
そう思っての問い掛けであった。
尤も、素直に答えてくれるとは
全くもって思ってもいないのだが]
[ 無理矢理爪先で頬を持ち上げられ
片目を眇めて不機嫌な顔。
質問の内容に眉根が寄った。
馬鹿にしてるのかと思いつつ
此処は正直に答えよう]
あるに決まってるだろ。
[ ぶっきら棒な言い方で言葉を返す。
金で買う事もあれば、
仲間内(仲間だとは思ってもいないが)
の女を抱く事もあった。
とはいえ、すぐに飽きるし
恋人のような存在がいた事はなかった]*
[ 父親はアル中で殴る蹴るの暴力を振るう。
母親は男の尻を追い掛けて、
子供たちはほったらかし。
食事は僅かな残飯だけ。
そんな家庭に育った男には
異性と恋をして、子供を作り家庭を作る。
そんな考えなど生まれる筈もなく。
愛を知らない心は歪むばかりであった]*
[
長く伸びた赤みがかった黒髪に
均整の取れた細身の躰。
愛想も化粧っ気も無いが、
その分素の睫毛の長さやら
瞳の大きさがよく判る。
黙って笑ってりゃ
落ちねぇ男はいないだろうってなもんなのに
いやー、今にも素っ首掻っ切られそうな
すげぇ眼差しで見てくるんだもんなぁ。
ったく、こえーこえー。
たまんねぇなぁ、おい
]
言うねぇ。
ま、そういうワケだ。
元々俺様が造ったダンジョンで、
俺様が召喚したその迷宮の主だった筈なんだがなー。
[言いながら、片目を隠す前髪をかき上げた]
[瞼の奥。
眼球があるべき部分に広がるのは
光すら飲み込むような暗黒の虚空で。
痛くも痒くもねぇんだが、
当然こっちの方じゃなんも見えやしねぇ]
口達者なやつでさ。
ついうっかり盛り上がって、
あいつが言った
"ダンジョン全部を見渡す事ができると良いんですが"
って、呟きに
"おー?良いぞー?"
って返事しちまったんだよなぁ。
そしたらあの野郎、本性あらわしやがってよ。
水晶玉の一つでもくれてやるつもりだったんだが、
俺様の目玉そのものを持っていきやがった。
[お手製ダンジョン内を観察できる
特別な魔力回路を組み込んだ自分の眼。
アレが無けりゃ、こちとら商売上がったりだ]
つうか無謀な冒険者ちゃん達の
断末魔をじっくり間近で見たいからこそ
ダンジョンマスターやってる所もあるからなー。
あー……
すっげぇ辛いけどしょうがない。
目の前の奴隷ちゃんが苦しむ姿で
我慢するしか無いかー、という現状だな!
[最後はひっひっひと意地悪く。
蔦に絡まれ回復中のアシュレイちゃんに
残った片目でウインクを送るのだった]
[そんな訳で、色んな意味でデバフ中の今。
頼りになる相棒ちゃんを
絶賛生産中だったんだが────
まさか自分からやって来てくれるとはなぁ……
これも俺様の日頃の行いって奴か]
へぇ、貧しい生まれん中、
腕一本でのし上がって来たって訳か。
道理で歳に似合わず
修羅場慣れしてると思えば。
[ひゅぅ、と軽く口笛を吹き。
続く言葉にはぱたぱたと軽く片手を振った]
まー、確かに俺様には
家も金も力もあるけどさ。
その俺様の所有物な奴隷ちゃんも
この家を自分ちだと思ってくれて構わないし。
[オークとか徘徊してるし、
そこら辺中事故物件だが]
おちんぎんだって欲しけりゃあげようか?
[使える所に行けるかは別として]
そんで"力"を手に入れるにゃ、
やっぱ経験とマジックアイテムっしょ。
だからこそ魔術師は開発に心血を注ぐし、
冒険者の皆様方は、奪い取ろうと躍起になるし。
ちな、俺様も人間だぜぇ?
うっかり悪魔に騙されて、
眼玉を取られちまうレベルには善良な。
[俺様が魔族だと思ってたのか、と
カラカラと破顔して。
まぁ、モンスターを使役してっからなぁ。
要はちょいと才能のある召喚師なんだが
魔術系統に詳しくなけりゃ
魔族と思っても仕方がないだろう。
いやしかしこいつ、素直なやつだな……]
だから俺様の言う事を聞いて
がんばって経験を積みゃあ
お前さんだってこの程度にゃなれるってこった。
[首輪から伸びる魔力の鎖を、
チャリチャリと指先で揺らし遊びながら。
少しばかりセクハラな質問を
アシュレイちゃんに一つ。
……いやだってだな。
すげぇ真面目な顔で会話してっけど、
格好、すごいからな!?
服というよりもはやボロ布ってな有り様だし、
そのせいもあって、動くたんびに
手の平で握れるくらいのたわわな何かが
ふるふるしてやがるしさぁ。
これが元男の無防備さってやつか……
アシュレイちゃん、恐るべし……]
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