87 【身内】時数えの田舎村【R18G】
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「こ〜らからかうんじゃありません」
だから見ないようにしてたんでしょ〜なんて言う。
ああ、そういう方法もあるんだ、とちょっとだけ感心したりして。
「茜ちゃんは着替えちゃんと……あるよね、茜ちゃんのことだもの。いや、安心した。
十年越しに女らしさを磨いたところを目の当たりにするとは思わなかったよ〜」
御山洗
「子供、のままの関係だったら?」
どういう意味だろう、と頭で思考を巡らせている間に水が飛びかけられる。
ぱちくりと目を瞬かせて見つめれば、覗くのは無防備な脇腹。いたずら心が芽生えてその腹に手を伸ばした。
「御山兄さん余所見してると危ないよ」
くすぐってみたい衝動が起きてしまったから。
遊んでみたくなったから。
そんな無邪気な理由でいつまでもここに要られたらどれほどいいか。
しばらくしてから皆の輪に戻ろうと声をかけた。
その時一体自分は誰を見ていて。
あなたは誰を見ていたのだろう。
「お兄さんも、溜まったものがあるなら海にでもなんでも吐き出してしまってください。
田舎に忘れ物をするのは、夕凪たちだ絵で十分です。
あと、風邪は引かないように!」
そう、笑って。
一歩海に向かって飛び込む構えを見せた。
| >>101 鬼走 【3日目 朝 旅館】 「さあね〜。鏡で確かめたら?ま、指輪もつけさせてるし。心配ない気はするけどね」 機嫌が見るからによくなる。 鼻歌を歌いながら、先に歩き出す。 「あはは!」 相手の返答に、愉快そうに笑った。 「変わるわけないじゃない。”僕”も”俺”も、ずっと同じまま。人がまるっきり変わったように見えたってさあ、根本的には俺なんだ。変わったように見えたなら、それはその人との付き合い方を、俺が改めただけ。 見せ方を変えただけだよ。多少鉄を磨いたって、鉄は鉄だ。キラキラ見えるか、鈍くてサビてるかなだけ」 (137) 2021/08/14(Sat) 19:41:21 |
| >>102 御山洗 「ああ、あれねー……。まあ憧れないとは言わないけど。でも、呑んでみると酒、楽しくならないとはいわないけど?結局、楽しいときに飲むから楽しいのかな。メンツ次第だよ。御山洗サンも、お茶でも一緒に飲んだら楽しいよ?きっと」 きっと彼の言うことも一理ある。素面だと、どうしても言いづらいことも、お酒を飲んでいるからと、距離を詰めて話せる力は確かにある。ただ、相手が酔ってさえいれば、自分は酔っているフリでそう話しても問題ないんじゃないかな、と思う。どうせ酩酊状態の時、皆大して気にしない筈だ。楽しい場ならなおさら。 「あー。まあね…ダメだったら旅館に泊まり続けようと思ってたよ。たまーにくるぐらいだし。正直、辛い想い出も多いし? だから、毎年…一応風を入れに来るだけ」 段ボールから調理器具を出して、ひたすらキッチンに運んでいる。布団は早めに始末しておきたい問題だったから、本当に助かる。布団が引っこ抜かれる音に笑って、 「布団干し終わったら、ちょっと休憩しようよ」 (138) 2021/08/14(Sat) 19:41:32 |
卯波
「ああ〜次々女の子らしい単語。
メイク、……そっか、その年ごろくらいになるとするんだね」
何か思うことがあるのかうんうんと頷きながら。
大半は後輩がこんなに大人になって……という感情からくるものなのだろうが。
「俺は写真撮るひとだから、撮られる側の努力とかにも凄い興味があるんだよね。時間があったらちょっとだけでも教えてもらっちゃおうかな……俺がするわけじゃないんだけど」
宵闇に笑顔を返したとき
思い出したのは
双子でみんなのことを思い出していた数年前。
『お兄ちゃんは忙しいんだから僕たちに構ってばかりいられないさ。
だけどとっても大事にしてくれてる、夕凪もわかっているだろ』
わかっているわ。優しくて真面目な人だもの。
『涼風? 何してんだろうなぁ、まだ僕たちみたいに文章を書いてればいいけど。
それか新しい夢見つけていたりしているかもな』
それもいいと思う、もう何年も経ったんだから。
『編笠元気かなぁ〜、あいつと話すの大好きなんだ、なんか面白い仕事についたりしないかな。みんなが思いつかないような』
どんなことを好きになったのかな、とても気になるね。
『青嵐はさぁ、落ち着きが出たのか気になるよな。夕凪もあの時のこと……え、もういいって?僕が変わりに聞いてやるよ』
何をしているのか、二人で想像して。
会える日を夢見て、一緒に笑った。
『モモチは背ぇ伸びたのかな、まだまだ成長期だろうけど流石に夕凪の服はもう嫌がる歳だろ』
まだまだ可愛いわよきっと。
私の服も入るんじゃないかな。
いつまでもいつまでも夢を見るように話は続いていた。
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